2014年9月度 2014年9月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2014年9月) 景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、当面、一部に弱さが残 るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、 駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。 8月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(8月) 平成26年8月の商業販売額は36兆8380億円、前年同月比1.6%の減少となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売業 は25兆3850億円、同2.8%の減少となった。小売業は11兆4520億円、同1.2%の増加となった。なお、商業販売額の季節調整 済前月比は、1.9%の減少となった。卸売業は同1.7%の減少、小売業は同1.9%の増加となった。 8月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(8月) 平成26年8月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3563億円、ドラッグストアが4090億円、ホームセンターが2741億円と なった。 8月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(8月) 総務省が発表した8月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比3.3%上昇の103.6ポイントと 15ヶ月連続のプラス、前月比は前月に引き続き0.2%のプラスとなった。生鮮食品を除く総合が103.5ポイントと前月と同水 準、前年同月比は3.1%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.3%上昇の100.7ポイントとなり、前月比は 0.1%と若干の伸び。 【商業関連指数】 8月SC売上高/5ヵ月ぶりにプラスに転じる 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」8月 2014年8月の既存SC売上高は前年同月比0.6%で、前月(-2.1%)より2.7ポイント改善し、3月以来5ヵ月ぶりにプラスに転じ た。今月は、各地で豪雨が発生したり、消費税増税の影響も長引いているものの、昨年より日曜日が1日多かったことに加 え、月後半からは気温の低下とともに秋物商材が動き出しプラスとなった。テナントは0.7%、キーテナントは0.3%であった。 地域別でみると、北陸が2.7%で、リニューアル効果もあり他地域に比べて好調であった。一方、中部は-2.1%で、マイナス要 因としては、天候不順や改装工事による影響などがあげられる。 8月百貨店売上高/減少幅ほぼ前年並みで回復基調続く 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」8月 天候不順の影響で5ヵ月連続のマイナスとなったが、減少幅はほぼ前年並みの水準まで戻してきた。消費税引上げによる駆 け込み需要の反動は、地域によって若干の差異はあるものの、着実に回復基調が続いている。本年8月は、上旬に2つの台 風が相次いで接近・上陸したほか、西日本を中心に各所で大雨となるなど不安定な天候の影響を受け、月の前半までは低 調に推移したが、各店が集客・販促施策を積極展開したことや、下旬からの気温低下で秋物需要が盛り上がったこと、更に は前年に比べて日曜日は一日増加したことなどもあって、月の後半から増勢を強め、最終的には前年実績に迫る水準まで 回復する結果となった。これにより本年1月-8月累計売上高は、4兆246億円余となった。 8月チェーンストア売上高/5ヵ月連続のマイナス 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」8月 平成26年8月度は、食料品は、相場高の影響から畜産品は好調だったものの、天候不順や低気温が続いたため、加工食品 や衣料品、住関品では季節商材の動きが鈍く、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、5カ月連続のマイナスとなった。 8月外食産業売上高/8月豪雨、外食需要に影響 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」8月 8月は、相次ぐ台風と前線の停滞がもたらした「8月豪雨」により各地で被害が発生し、外食需要にも影響を与えた。また、7 月の中国産鶏肉のニュースが引き続き一部の業態にとってマイナス要因となり、全体の客数は減少、売上は97.9%と前年を 下回った。ただ、その中で、帰省需要などを捉えたファミリーレストランやディナーレストランは堅調に推移した。 8月コンビニ売上高/コーヒー等カウンター商材好調 出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」8月 今月は、西日本で平均気温が低かったことに加え、台風第11号、第12号等の影響により客数が減少した。特に冷し麺及び アイスクリーム等の夏物商材が不調となった。一方、客単価については、コーヒー等カウンター商材の好調により2ヶ月連続 で前年を上回った。既存店ベースでは、来店客数13億1,334万人(前年同月比-3.6%)が6ヶ月連続のマイナス、平均客単 価606円(前年同月比+1.2%)が2ヶ月連続のプラスになり、売上高7,964億円(前年同月比-2.4%)は5ヶ月連続のマイナス となった。 1 2014年9月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 国内インポートブランド市場/2013年は20.3%増の1兆1674億円 出典:流通ニュース(9月6日) 矢野経済研究所は9月5日、国内インポートブランド市場に関する調査結果2014を発表した。調査によると、2013年の国内イ ンポートブランド(インポート衣料品・服飾雑貨)市場規模は小売金額ベースで、前年比20.3%増の1兆1674億円だった。要因 として、富裕層を中心とした従来のブランド顧客層の消費回復、中間層の消費拡大に拠るところが大きい。インバウンド需要 (外国人観光客のによるブランド消費)の増加も市場規模の伸長に貢献したと見られる。2014年の国内インポートブランド(イ ンポート衣料品・服飾雑貨)市場規模は、秋以降の商戦が順調にいけば、8.4%増の1兆2659億円と予測する。2013年につ いてアイテム別にみると、ほぼ全てのアイテムが大幅な伸びを記録、なかでも「レディスウェア」、「メンズウェア」、「シュー ズ」、「スカーフ・ショール・ハンカチ類」の拡大が顕著だった。ベビーウェアを除く全てのアイテムで市場規模が大きく拡大し た。大きく伸長したアイテムに関しては、富裕層を中心とした本来の顧客の消費回復に加え、売場環境の変化や新たなブラ ンドの増加、ブランドの日本マーケット対応が進んでいることも影響しているという。 2050年には都心も限界集落化か 出典:不動産マーケット情報(9月19日) 大都市圏の人口動態を都市中心からの距離帯別に分析した結果を三井住友トラスト基礎研究所がまとめた。同社は、2010 年までは郊外部ほど高齢化率の上昇幅が大きいが、今後2050年にかけては一転して都心部ほど高齢化の進展が顕著にな ると予想する。特に東京都心(東京、新宿、渋谷の各駅から1km~13kmの圏域)では、65歳以上の高齢者だけで、国が人口 集中地区の基準とする人口密度、4000人/km2を超える見通しだ。都心近郊に、高齢者が集積する“シルバーリング”とも呼 べる圏域が形成される。高齢化率も45%を超え、かつてない超高齢社会の到来が見込まれる。「都心の限界集落化」という 新たな社会的課題が生じる可能性が出てきた。 X’マスジュエリー商戦予測を聞く 出典:繊研プラス(9月22日) 百貨店を主な販路とするファッションジュエリーブランドのクリスマス商戦の売り上げ見込みは、前年並みと控えめな予測を 立てるブランドと、前年比10~30%増と大幅アップを掲げるブランドに分かれた。全体として、新顧客開拓に向け、MDを従来 以上に細かく組み立てる動きが強まっている。7ブランドに12月の既存店売上高の前年比予想を聞いたところ、前年並みか ら5%増と慎重な見方をしたのは4社。「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツは、商品群を増やすことで新規客獲得は進むが、 客単価が下がり、前年並みと予想。今年の12月は日曜日が昨年より1日少ない点もマイナス要因と見る。ポンテヴェキオ ホッタは、2万~5万円のラインアップを強化するため、客数は増えるが客単価は下がると見て前年並み。春夏にテレビCMの 放映もあり、売り上げが大きく伸びたサマンサタバサジャパンリミテッドの「サマンサティアラ」は、引き続き販促を強化すると 共に、18K商品を充実させて単価アップも狙い、20%増を予想。ヴァンドームヤマダの「ヴァンドーム青山」は客数10%増、客 単価は全体として横ばいで10%増とする。サダマツは、「フェスタリア・ビジュソフィア」で、戦略商品のウィッシュ・アポン・ア・ スターを中心に販促を強化し、トータル30%増を掲げる。 アウトレット、外国人専用窓口増える 出典:繊研プラス(9月25日) アウトレット施設で、インバウンド(訪日外国人観光客)向けサービスを強化する動きが強まっている。外国人専用のインフォ メーションカウンターを設置し、施設の中だけでなく、地域内の旅行まで案内するなど、コンシェルジュのような機能を持たせ るところも出てきた。北海道、新千歳空港近くの千歳アウトレットモール・レラ(プロッド・イクス運営)は、10月10日から北海道 で初めての外国人旅行者用のインフォメーション「レラ・トラベルサロン」を開設する。中国語、韓国語、英語対応の専任ス タッフを常駐させ、訪日外国人の細かいニーズに対応するのが狙い。外国語での電話応対のみだったが、インバウンドサー ビス徹底強化の一環で、レラ館内の案内はもちろん、手荷物の預かりから個人旅行のアレンジまで幅広く対応する。国の施 策と併せて、訪日外国人が増加しており、今後も、アウトレット施設では多言語対応をはじめ、様々な機能やサービス強化の 動きは活発化しそうだ。 クールジャパン投資第1弾、発信拠点の商業施設など4案件 出典:産経ニュース(9月26日) 日本文化を海外に売り込む官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は25日、第1弾の投資案件の内容 を発表した。マレーシアと中国にある日系の商業施設をクールジャパンの発信拠点とする事業など4案件に、最大で計約140 億円を投資する。安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置づけるクールジャパンの海外展開を加速する狙いで、アニメなどの ポップカルチャーだけでなく、日本食やファッションなど幅広い分野の海外での産業化を目指す。特に力を入れるのが、クー ルジャパンの発信をコンセプトにした商業施設の展開だ。マレーシアでは三越伊勢丹ホールディングスと共同で約20億円を 投じ、クアラルンプールにある百貨店を、日本のアニメやファッションなどを専門に取り扱う店舗に改装。2015年10月にオー プンする予定だ。また、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが18年秋に中国の寧波市で開業を予定している大型商業施設 に、日本の中小企業がサービスや商品をPRできるよう、物産展やイベントなどを開催できる会場の設置を検討する。 2 2014年9月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 イオンタウン/北九州市に「イオンタウン黒崎」、13日オープン 出典:流通ニュース(9月3日) イオンタウンは9月13日、北九州市八幡西区に「イオンタウン黒崎」をオープンする。マックスバリュを核店舗に県内初出店6 店、市内初出店11店を含む92の専門店で構成するショッピングセンター。館内インフォメーション業務と施設内警備業務を兼 務する女性警備員「アテンダー」が常駐。警備員が持つ緊急対応能力に接遇サービスを付加した新しい顧客サポートモデル を目指す。日本赤十字社の献血啓蒙活動に賛同し、イオンタウンとしてはじめて、赤十字血液センターを開設する。また、 NPO法人男女・子育て環境改善研究所と連携し、シニアの人の新たな趣味との出会いを応援する各種教室や、子育て中の 親子向け各種教室を開催する。イオンタウンは全国で126SC体制となる。 パルコ/福岡パルコ新館、11月13日オープン 出典:流通ニュース(9月4日) パルコは11月13日、福岡市に「福岡パルコ新館」をオープンする。全国初業態8店を含む全45店が出店する。「福岡パルコ」 は2010年3月に、地下鉄天神駅と西鉄福岡駅、バスセンターに直結する店舗としてオープンした。隣接地に「新館」をオープ ンすることで、2館体制で運営する。投資額は約56億円で、年間動員600万人、年間売上50億円を目指す。新館のターゲット は、天神や福岡で働く20代後半から30代以降の女性や、都市生活の楽しみ方、過ごし方を求める消費マインドの高い40代、 50代のオトナなど。新館のゾーニングでは、衣料品比率を約4割に抑え、都市生活の中で、自分を編集するライフスタイルア イテム集積のゾーニング手法「シナリオCOMPLEX」を採用した。単なる「モノの売場」から脱却し、「コト消費」の発想から、さ まざまなシーンの演出ができる品そろえ、フロア環境を目指した。全45店中、32店が福岡市内オンリーワン店舗で、九州初 出店が24店、うち15店は西日本初出店となる。パルコとして、初めて取り組む企業は19法人、初めて取り組む業態は28業態 となる。 ピエリ守山/目標年商150億円、テナント詳細は10月中旬ごろ発表 出典:流通ニュース(9月16日) 不動産事業会社のサムティは9月16日、滋賀県守山市に12月中旬にリニューアルオープンする商業施設「ピエリ守山」の目 標年商を150億円と公表した。10月中旬から下旬をめどに、オープン日とテナント詳細を発表する予定だ。現在、双日商業開 発が運営会社となり、H&M、ZARA、Bershka、Stradivarius、GAP、OLD NAVYといったファストファッションブランドなど、約 150店が出店する予定だ。自然豊かなロケーションを活かし、アウトドアライフをコンセプトにした体験型付帯施設を併設する 計画だ。体験型付帯施設の内容やオープン時期についても後日、発表する予定だ。採用したプランによっては、体験型付帯 施設のオープン日は、ピエリ守山の開業後となる可能性もある。現在の施設の正式名称は「ピエリ守山 BIWAKO CRUISING MALL」だが、リニューアル後は「ピエリ守山」に正式名称を改める。モールの正式名称を短くし、分かりやすくするという。 池袋東口/7400平米の商業施設「WACCA池袋」、19日開業 出典:流通ニュース(9月17日) 駐車場を運営する栄真は9月19日、池袋駅東口の「ヤマダ電機日本総本店」裏に複合商業施設「WACCA 池袋」をオープン した。敷地面積約1700㎡に地下4階・地上8階の施設を建設、店舗面積は約7400㎡で飲食店・雑貨専門店など27店が出店。 外観はリーフをモチーフに、ともに成長するイメージを有機的にデザインした。まち歩きをするように歩き回ることができる有 機動線とユニバーサルデザインを採用した。5階には、食をテーマにイベントを展開するキッチンスタジアムスペース「Lupe (ルーペ)」を常設し、年間を通してイベントを開催する。フレキシブルなマルチスペースで、飲食イベントや料理教室、マル シェ、上映会などに対応する。栄真は1956年から、同地で駐車場を運営しており、今回、地下1から4階に100台の駐車場を 設けた。 200室のスマートホテル構想/ラグーナテンボス、愛知県 出典:建設通信新聞(9月17日) 愛知県蒲郡市のリゾート施設「ラグーナ蒲郡」の再整備に向けた動きが本格化している。ことし8月から遊園地「ラグナシア」 などの主要事業の運営権を引き継いだエイチ・アイ・エス(HIS)の子会社「ラグーナテンボス」を始め、県、市が取り組む一 帯の開発方針についてまとめた。同社は、2016-17年度に「スマートホテル」200室を整備する構想を持っている。各自治体も 同社の整備事業を後押しするための動きを開始した。県は、14年度9月補正予算案に用地取得費として、蒲郡海陽地区内 陸用地造成事業費40億円を盛り込んだ。7月末まで施設運営母体だった第三セクター「蒲郡海洋開発」が所有している遊休 地約16haの土地を取得する。対象地は海陽学園北側の土地で、県企業庁が造成工事などを実施した後、商業施設を誘致 する。 3 2014年9月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【運営関連】 東急リバブル、商業施設を再生 魅力高め投資促す 出典:日本経済新聞(8月30日) 不動産仲介大手の東急リバブルは商業施設の再生事業を9月から始める。業態転換やテナントの入れ替えなど施設の魅力 を高めて投資家に紹介する。地方を中心に集客力が低下している商業施設は多く、再生の枠組みを提示することで投資家 の需要が増えると判断した。初年度に取扱高で1000億円程度を目指す。ショッピングセンターや駅ビルなどの商業施設を対 象とする。コンサル会社のビーエーシー・アーバンプロジェクト(東京・渋谷)と共同で事業を進める。リバブルが候補となる物 件の情報を集める。ビーエーシーが周辺人口や立地条件、競合状況や賃料の水準を調査して集客力を高めるために必要 なテナントなど、再生戦略を立案する。リバブルは物件の適法性の確認や価格を査定する。収益力が高まると判断した物件 を国内外の不動産投資家や企業に紹介する。仲介する物件の規模は1件当たり20億円程度を想定している。売却が決まっ た後にテナントの入れ替えや改装をする。 プランタン銀座/秋の改装で11店舗一新、売上目標3%増 出典:流通ニュース(9月6日) プランタン銀座は8月から9月下旬に順次、秋の改装を実施する。秋の改装面積は1445㎡で、ファッション雑貨2店、レディス ファッション5店、フーズ4店の合計11店を一新する。改装効果目標は、全館売上高で前年比3%増。今回は、要望が多いラ イフスタイル系雑貨の充実を目指し、北欧・デンマークのライフスタイル雑貨店「フライングタイガーコペンハーゲン」を導入 し、集客力の強化を図る。既存のフォーマル売場を改編し、売場面積を拡大して、プランタンに来店すれば欲しいドレスが必 ず見つかる「オケージョンに強いプランタン銀座」を確立する。春に開店30周年を迎えた節目に、主要顧客層である20代・30 代の働く女性のためのファッションスペシャリティストアとして、さらに利便性の良い店を目指す。 ヴィーナスフォート/9月27日、開業15周年記念リニューアル 出典:流通ニュース(9月6日) 森ビルは9月27日、お台場の商業施設「ヴィーナスフォート」をリニューアルオープンする。アウトレットからアミューズメントま で、バラエティ豊かで個性的な27店の新規オープンと、13店のリニューアルオープンを実施。総面積のうち約3割をリニュー アルし、店舗のラインナップを充実させると同時に、ゾーニング強化を図り、ファミリーみんながより楽しみやすい空間を目指 す。グローバル対応の更なる充実を図り近年ますます増加している外国人需要にも応え、10月には、お祈りなどの精神活動 のためのプレイヤールーム(礼拝室)を設置する。フロアの明確化や館内サインのブラッシュアップなど外国人にも分かりや すいものに変更する。23区初出店となる「NIKE FACTORY STORE」「ビームス アウトレット」、通販のフェリシモのリアルショッ プ「フェリシモサーカス」、ペット商品の総合ショップの新業態「ジョーカーズタウン」などが出店する。 JR西日本/大阪駅に地域産品のアンテナショップ 出典:流通ニュース(9月6日) ジェイアール西日本デイリーサービスネットは9月3日~2015年3月3日、JR大阪駅構内に全国の地域産品が集まるアンテナ ショップ「ご当地もんプラザ」をオープンする。日本販路開拓支援協会が企画・運営する地域産品が集まるアンテナショップ 「ご当地もんプラザ」を導入する。9月3日から、「東北グルメフェア」を皮切りに、北海道、北陸・信州・関東、近畿・東海、中 国・四国、九州・沖縄の6つのブロックに分けて、地域産品の販売を順次、行う。 海老名ビナウォーク/新ビル開業で勢い 出典:繊研プラス(9月9日) 小田急電鉄が海老名駅東口前で運営する大型SC、ビナウォーク(神奈川県海老名市)が健闘している。年間約800回に及 ぶ集客イベントと、食品を主体にした改装の成果で地元のファミリー客を中心に客数が増え、前期(14年3月期)に引き続き、 今期もファッションを含めたほぼ全業種で売り上げを伸ばしている。10月17日には商業施設・賃貸住宅を主体とする同社運 営の駅直結の複合ビル「ビナフロント」がオープン、東口エリア全体を活性化し、さらに事業拡大を図る。同SCはファッション・ 雑貨を中心とした専門店が入る5番館と核店舗であるマルイファミリー海老名と飲食店を主体とする3番館など七つの館で構 成する。前期売上高は全館289億8500万円(前期比2.6%増)、専門店ゾーンは162億9300万円(3.8%増)だった。前期末の 専門店数は124。今期の専門店ゾーンの売り上げは8月までの累計で前年同期比1.9%増となった。7月が夏物セールの不 振で4%減だったものの、雨の日が例年よりも多かった6月は約1%減と健闘、消費増税後の4~5月は前年実績を上回り、8 月は0.7%増となった。 浦和パルコ/41カ月連続増収 出典:繊研プラス(9月26日) 浦和パルコ(さいたま市)は今年8月まで41カ月連続で増収を達成した。今上期(3~8月)の全館売上高は前年同期比4.6% 増。9月も順調で42カ月連続増収はほぼ確実だ。地域住民のニーズに対応したMDを強化し、地域密着の販促を積極化して きた成果が表れた。上期の月別売上高は3月が消費増税前の駆け込み需要が大きく18%増となった。増税後の4月も0.1% 増と健闘。5月は4.5%増、6月は1.5%増、7月は0.7%増、8月は1.9%増となった。入館客数も毎月伸ばしており、上期累計で 2.6%増。レジ客数と客単価も上昇した。上期は地下1階から地上7階のうち地下1階の食品を除く全分野が増収となった。10 ~11年に実施した大型改装で地域住民のニーズに対応し、ファッションだけでなく家電や趣味などにMDの幅を広げた成果 が出た。今期も、「インフォメーションでスポーツ店はあるのかという問い合わせが以前から多かった」(稲岡稔店長)ため、5 月にスポーツ用品専門店「B&D」を導入、近隣の高校生などの需要をつかみ順調に推移している。同じ階のアウトドア用品 「好日山荘」の売り上げも伸びている。 4 2014年9月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【店舗関連】 ワールド/2015年春に駅・ファッションビル向け新・雑貨ストア 出典:流通ニュース(9月11日) ワールドは2015年春の出店に向けて、25~35歳の女性を中心顧客層とする、二つの雑貨ストアを開発した。新たな二つの 雑貨ストアは、バッグを軸に構成する「ロケーション」と、アクセサリーを軸に構成する「ブール ア ネージュ」で、共にターゲッ ト世代の女性が、通勤などで日頃立ち寄る機会の多い駅ビルやファッションビルへの出店を想定し、ファッション性と実用性 に富んだ商品を、買い求め易い店舗設計と価格帯で提案する。ロケーションは、女性のワーキングライフで活躍する、バッグ を軸に構成するストア。デザインと機能性を両立させたバッグの商品開発を強化した。ファッションの主役にもなる質感のあ るデザインで、用途に合わせてシーズン毎に複数のバッグを購入できるように、女性に嬉しい値頃感のある価格で展開す る。ブールア ネージュは、アクセサリー型ストア。シンプルでベーシックな着こなしが広がる中、スタイリングを魅力的に演出 するファッション雑貨のニーズは、ますます高まりを見せている。 ユニクロ/吉祥寺店出店で、地域密着型マーケティングを展開 出典:流通ニュース(9月16日) ユニクロは9月16日、10月3日に開店する「ユニクロ吉祥寺店」のオープンに新たな「地域密着型」マーケティングを開始した。 オープンに合わせて展開する屋外広告物、外囲い、フライヤー、中吊りなどの広告に、吉祥寺に住む人々、吉祥寺では誰も が知っている店舗の店長さんやスタッフなどを起用した。吉祥店の店内には、吉祥寺の住民におなじみの店舗の紹介コー ナーを設置、吉祥寺の街を盛り上げる。オープン時には、今回広告などに協力した5店のメニューやサービスなどを、店舗の 地図と合わせ展示する予定だ。「吉祥寺店」近辺の飲食店約30店に、ユニクロオリジナルのコースター1万枚とおしぼり2万 枚を無料で配布。あらゆる場面で「ユニクロ 吉祥寺店」のオープン告知を目にする近隣店舗と一体となったマーケティング 活動を実施する。 ユニクロ、ガールズ・ベビー拡充 出典:繊研プラス(9月19日) ユニクロは今秋からベビー・キッズ品番を1.5倍、取り扱い店舗を679店へと大幅に増やす。売り上げ目標は前年比2倍とし、 メンズ、レディスに次ぐ第3の柱に育てる。同社はこれまでもベビー・キッズを展開してきた中で、商品型数や在庫量でニーズ に応えられていなかった。国内だけでなく、展開する世界の国・地域からも子供服への要望が強まっていること、アジアで子 供の人口が増えているため、商品ラインアップ・売り場拡充する。ベビー服は安全・安心を考慮、縫製工場では他商品と別の ラインに分けて生産する。今秋冬投入するベビー・キッズ商品は約450型。昨年の300型よりも1.5倍拡充する。子供服の展開 が増えるが、店ではメンズ・レディスの展開型数は絞らず、什器や陳列での工夫で対応する。同社は97年からキッズ、02年 からベビーの商品を販売してきた。ベビー・キッズの単独店は今のところ考えていない。 クロスC2~7月 増収、過去最高益 出典:繊研プラス(9月24日) クロスカンパニーは、消費増税による買い控えでレディスヤング向けブランドが苦戦する一方で、メンズ商品や高単価ブラン ドは増税の影響を受けず売り上げを伸ばし、14年2~7月の単体業績は増収、過去最高益となった。売上高は380億円(前年 同期比4.5%増)、営業利益40億円(61.2%増)。ブランド・事業別の売り上げは、主力の「アースミュージック&エコロジー」 (アース)が151億円(4.4%減)、「イーハイフンワールドギャラリー」36億円(8.9%減)、「グリーンパークス」119億円(10.3% 増)、ニューファミリー向けの「セブンデイズサンデイ」22億円(51.3%増)、「イエッカ・ベッカ」6億円(0.4%減)、デザイナーブラ ンド「トムブラウン」17億円(52.2%増)、通信販売が11億円(10.4%増)となった。レディスギフト雑貨業態「メゾンドフルール」も 好調だった。大幅増益は、増税を見越して在庫を圧縮したことや、定番商品の拡大による値引き削減、ASEAN(東南アジア 諸国連合)生産での原価率改善が要因。 ヤフー、ブックオフ/渋谷センター街にリユース体験店舗 出典:流通ニュース(9月26日) ヤフーとブックオフコーポレーションは9月26日、渋谷センター街に「ヤフOFF!フラッグシップストア渋谷センター街」をオープ ンした。既存の「BOOKOFF 渋谷センター街店」をリニューアルしたもので、BOOKOFF店舗入口に、ヤフーが運営するオーク ションサイト「ヤフオク!」への出品を代行する「ヤフオク!出品窓口」を設置した。「ヤフオク!出品窓口」を開設することで、リ ユース商品を取り合うのではなく、お客に出品代行サービスと買取サービスの2つの選択肢を提供し、リユース体験を広めて いきたいという。また、サービス開始を記念して年末まで、Yahoo!プレミアム会員を対象に、108円の商品を月に3冊進呈する キャンペーンを実施する。出品窓口の設置のほか、新たな取り組みとして、渋谷センター街店にある約40万点の商品から、 ブックオフが選定した約5000タイトルの商品レビューが見れる専用端末を設置したコーナーを設置。 4.東京建物グループトピックス 東京建物、シニア囲い込み 老人ホーム運営会社を買収 出典:日本経済新聞(9月10日) 不動産大手の東京建物は高齢者向け住宅事業を本格展開する。このほど埼玉県にある老人ホームの運営会社を買収した ほか、高齢者住宅を運営する新会社を設立した。高齢者向け賃貸住宅と老人ホームの合計で50棟の建設を目指す。主力 の分譲マンションの住人にも将来、高齢者住宅への転居を提案。加齢などによる生活環境の変化に応じた住宅を提供する ことで顧客の囲い込みを狙う。東京建物は「ブリリア」のブランドで首都圏を中心に手がけているマンション分譲が主力。高齢 になったブリリアの住人に対し、自社で手がける高齢者向け住宅の利用を提案する。 5
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