No.12 貯湯槽廻り詳細図 貯湯槽には密閉型と開放型があり、ここでは密閉型で蒸気の熱源により間接加熱する方法を例に、 設計図のチェック、施工方法を作成する上での注意点等を織り込んで作成しました。 特に下記の項目に注意してください。 1)貯湯槽の断熱被覆外面から壁面までの距離は、原則として450mm以上とること。 2)加熱チューブの引き抜きスペースを確保する。 3)点検マンホール部分の壁面までの距離は、原則として800mm以上とること。 (所轄基準監督署により、マンホール部分の距離について指導されることがあるので、 事前に打ち合わせすること。) ※貯水槽:hot water storage tank, hotwater cylinder(英) 使用量に見合った量の湯を保有し、常に一定温度に加熱して給湯するための水槽で、 密閉型と開放型があり、内部に加熱コイルを備え蒸気や温水などの熱源により間接加熱する ものと、 温水ボイラと結び給湯量を確保するものがある。密閉型で加熱コイル付きのもの は第一種加圧容器の適用を受ける場合が多い。ストレージタンク、貯湯タンクとも言う。 一方、開放型は給湯用高置タンクとして用いる場合や、公衆浴場などのように多量の湯を 貯留する場合などに使われる。 『空気調和・衛生用語辞典』 社団法人 空気調和・衛生工学会編より抜粋 12−1.設備設計図〜施工図作成手順 12−2.設備設計図チェック(1) 12−3.設備設計図チェック(2) 12−4.参考施工図(平面) 12−5.参考施工図(断面) 12−6.アイソメ図 − ?? − No.12 貯湯槽廻り詳細図 項目 NO 1.設備設計図〜施工図作成手順 1 | 目 空調機械室 空調機械室 50 T トラップ装置 温度調節弁装置 2 貯湯槽周辺の保守点検スペースの確認 50 SSR ‖ 配管の納まり検討 特記仕様書 配管材料(パイプ,継手,弁類) 特記仕様書 保温仕様 設備系統図,設備平面図,建築平面図,構造図他 A.機械室内の配管ルート 面︶ 以降平面図参照 2 以降平面図参照 衛生設備設計図 考 他設備の確認 No.12−2参照 配管の並び,順序,他社との確認 システム的に誤りが無く、合理的,経済的な配管 25 80 LP−1 SS 32 ホッパー 設備系統図,機器表,他設備図 ク ︵平 GV 備 1 建築詳細図,構造図,設備平面図, ッ ST−1 ェ ST−1 チェックポイント他 貯湯槽廻り納まり検討 チ GV CV GV 必要図面 図 E 65 項 計 − 40 討 A.貯湯槽・給湯循環 ポンプ設置位置 設 以降平面図参照 65 検 空調設備設計図 B.シャフトまでの 配管ルート 配管の並び,他社との確認 (機械室外の配管) 合理的,経済的な配管 他図面との照合 機械室内配管との照合確認 65 B1FL − E 65 | ‖ 32 温度調節弁装置 50 40 ST−1 LP−1 施 GV CV 50 A.機械室内外の整合 機械室内配管と機械室外配管とのレベル調整 B.給湯管 エアーだまりが出来ないよう検討する C.蒸気管 順勾配配管で検討する D.他社との調整 他社の配管,ダクトスペース 4 建築図 建築詳細図,構造図 5 機器配置 保守点検スペース,加熱チューブ引き抜き 25 65 B2FL T トラップ装置 成 80 作 SSR ホッパー 衛生系統図 空調系統図 6 配管記入 装置 ・・・・・継手,弁類の組み合わせ 7 文字,寸法記入 施工段階の手順を意識した寸法記入 8 断面図 平面でわかりにくい部分(表現しにくい部分) 9 完成図 10 アイソメ図 − ?? − 取合い必要 No.12−2参照 スペースを確保 図 B2FL GV 配管レベルの検討 工 GV ST−1 3 SS GV 配 管 レ ベ ル の検 討 B1FL 理解しやすい − ?? − No.12 貯湯槽廻り詳細図 2.設備設計図チェック(1) ・貯湯槽の設置 ・衛生機器表 450mm以上 チューブ引抜きスペース 台数 号 機 器 名 称 ST−1 貯 湯 槽 (給湯系統) 1 横型 ステンレスクラッド鋼板製 加熱能力 174kW 給湯温度 60℃ 水頭圧 0.5MPa以下 LP−1 給湯循環ポンプ 1 型 記 450mm以上 ※点検マンホール がある場合 450mm以上 仕 電 様 源 設置場所 相 電圧 kW 起動 室 備 名 考 コンクリート基礎 150H (建築工事) B2 空調機械室 貯湯量 3m3 加熱蒸気 0.2MPa.G 蒸気使用量 291.8㎏/H 式 :ステンレス製ライン型 25φ×50L/min×10m 階 1 1000.25(直入) B2 空調機械室 800mm以上 機器図と照合する。(作図前に参考図を取り寄せる) (1)貯湯槽の断熱被覆外面から壁面までの距離は、原則として450mm以上とること。 (2)加熱チューブの引抜きスペースを確保すること。 (3)点検マンホール部分から壁面までの距離は、原則として800mm以上とること。 (所轄基準監督署により、マンホール部分の距離について指導されることがあるので、 事前に打合せすること。) 注:1.特記仕様書に記載されている付属品類の明記があるか照合する。 2.使用管材,継手,弁類,保温仕様等は、特記仕様書に明記してある。 A 温調弁 E 65 SV Yストレーナ C ・機器類の仕様は機器表を参照(上表) 空調機械室 | GV CV GV ・関連法規 1. ボイラ及び圧力容器安全規則 圧力容器の分類 ST−1 種 SV イ.温度調節弁装置 GV T 32 80 ホッパー 50 A寸法( )内数値はJIS10Kバルブを 使用し六角ニップルで接続したときの参考値。 別 基準局の検査 2. 圧力容器構造規格 構造規格 該当する容器 } 第一種圧力容器 検査の必要な容器 構造規格適用のこと 熱交換器 (小型圧力容器) 検査のいらない容器 同 上 貯湯槽 (適用外圧力容器) 同 上 構造規格適用除外 還水ヘッダー 第二種圧力容器 検査の必要な容器 構造規格適用のこと 圧力水槽・エアタンク・ 蒸気ヘッダー LP−1 ‖ SV − 40 SSR C 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1800 2000 2300 2650 2950 65 25 B 200 200 200 250 250 250 250 300 350 400 450 P 圧力容器 A (512) (577) (641) (742) (826) (957) 1300 1450 1700 2000 2250 P SS F GV ・装置組立寸法(参考値) ハ.温水循環装置 (銅管ろう付け) 径 径 ロ.還水トラップ装置 (鋼管ねじ込み) 温水循環ポンプ G 口 口 ・装置組立寸法(参考値) CV E 250 250 250 250 300 300 F D E 15 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150 D 850 950 1000 1100 1250 1350 SV 多量トラップ GV SV Yストレーナ GV ロ.還水トラップ装置 − ?? − 15 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150 1000 1000 1050 1100 1400 1500 G 200 250 250 300 300 350 H 1200 1250 1350 1400 1750 1900 GV GV ハ.温水循環装置 H GV×2 GV×2 CV×2 G 径 15 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150 イ.温度調節弁装置 (鋼管50Aまでねじ込, 65A以上溶接) B 口 ・装置組立寸法(参考値) 温水循環ポンプ×2 ハ.温水循環装置 (循環ポンプ2台自動交互運転の場合) − ?? − No.12 貯湯槽廻り詳細図 3.設備設計図チェック(2) ・異種管同士の接続には、絶縁継手を使用する。 (貯湯槽の配管接続には、絶縁フランジを使用する。) ・操作用バルブハンドルは、容易に操作できる 位置で、バルブハンドルが人の通行に支障と ならない方向にする。 ・逃がし管又は逃がし弁を設ける。但し、逃がし弁の場合には、 排水時にエアーが流入出来るようにエア抜弁を設ける。 (逃がし弁を設けた場合、逃がし弁以降の排水管を1サイズ アップで施工するように、基準監督署より指導されること があるので、事前に打合せする。) 絶縁ワッシャー 普通鋼製フランジ 鉄ワッシャー 絶縁スリーブ ステン レス鋼管 鋼管 ・チャッキ弁は、必ず 水平に取り付ける。 ・エアーだまりが出来ないよう、 配管ルートを検討する。 ・エアーセパレーター(気水分離器) を使用する時は、給湯主管の圧力の 低い位置が望ましい。 ・給湯循環ポンプが1台の時は、チャッキ弁はバイパス管用と 兼用出来るが、2台の場合はそれぞれにチャッキ弁を設ける。 絶縁フランジ ・給湯循環ポンプは、青銅製,ステンレス製, コーティングなどの製品を使用する。 ・給湯循環ポンプはメンテナンスしやすい場所 に設置する。 ・補給水のチャッキ弁以降は、 給湯配管と同材質にする。 温度計 温度計 GV CV 補給水管 温水循環装置 膨張管 ・温度調節弁の感熱棒取付位置(一般的)。 給湯管 ・加熱チューブ引き抜きのためのスペースを確保し、 蒸気管にはフランジを挿入し、チューブの取り外し に支障がないようにする。 又、引き抜き用フックを取り付ける。 GV ホッパー GV ホッパー 引き抜きスペース ・温度計,圧力計 保守を考慮した位置に設置する。又、目盛りを読み取る 位置は、目の位置が、指針軸又は液柱の頂部を真正面で 計測できる位置に取り付ける。 GV GV ・ダートポケットを150mm以上立ち下げる。 温度調節弁装置 ・貯湯槽に取り付ける温度計は、 温度調節弁の感熱棒取付け位置 と同じ高さとする。 ・横型貯湯槽への給水は下部の後部とし、 給湯主管は上部最前部に取り付ける事が 望ましい。 還水トラップ装置 返湯管 排水管 ・蒸気用温度調節弁装置及び還水装置は、 貯湯槽正面鏡の部分は避けて組む。 還水管 蒸気管 圧力計 ・貯湯槽排水管は給湯配管と同材質にする。 ・貯湯槽ブロー弁からの排水は、間接排水とする。 排水口空間の確保(150mm以上) ・順勾配配管で検討する。 − ?? − ・高圧還水で、還水主管が蒸気管 より上部にある場合は、逆止弁 を取り付ける。 ・給湯設備のバルブ類には、鋳鉄製を使用 しないこと。 (青銅製,ステンレス製,コーティング などの製品を使用する。) − ?? − No.12 貯湯槽廻り詳細図 4.参考施工図(平面) 1340 950 1950 700 B 300 架台(L50) CV65 以降平面図参照 GV65 1000 655 架台(C100) 200 600 735 150 20 GV20 GV65 800 80 150 250 温度計 ホッパー 50 ×100 25 400 ST−1 GV65 ホッパー 80×150 50 温度調節弁装置 50φ 705 250 290 A 2255 GV15 3250 還水トラップ装置 25φ 1000 還水管 25 返湯管 32 架台(L50) 250 蒸気管 50 シンダー内配管 排水管 80 957 2650 735 750 500 350 260 1850 290 給湯管 65 GV50 900 温水循環装置 25φ 膨張管 40 300 A 温度計 250 温度計 補給水管 65 65 65 300 250 250 架台(L50) B 以降平面図参照 以降平面図参照 キープラン 650 1140 200 2750 700 タ − ?? − − ?? − イ ト ル 温度調節弁装置 50φ GV50 25 290 655 3150 3100 3100 705 2255 A−A 断面図 S=1/30 排水管 80 仕上面 B2FL 100 ホッパー 50×100 300 435 400 ホッパー 80×150 CV25 300 排泥コックGV20 20 返湯管 65 1115 還水トラップ装置 25φ 350 300 650 350 290 3250 − ?? − 温水循環装置 25φ 100 80 温水循環装置 25φ ホッパー 80×150 B2FL 600 50 GV50 ドレン管 300 GV65 350 排水管 50 GV65 350 3100 還水管 25 仕上面 温度計 GV65 CV65 CV25 GV15 4200 温度計 2450 3100 3150 温度計 排泥コックGV20 ホッパー 50×100 還水管 25 ST−1 温度計 還水トラップ装置 25φ 還水管 25 蒸気管 50 ST−1 蒸気管 50 給湯管 65 GV65 補給水管 65 GV65 返湯管 32 補給水管 65 膨張管 40 還水管 25 65 蒸気管 50 4200 温度調節弁装置 50φ 膨張管 40 給湯管 65 150 200 700 B1FL 700 150 B1FL 150 5.参考施工図(断面) 435 300 1850 B−B 断面図 S=1/30 − ?? − 150 200 No.12 貯湯槽廻り詳細図 No.12 貯湯槽廻り詳細図 管 補給水 膨張管 6.アイソメ図 返湯 管 給湯管 GV 蒸気管 還水 管 温度計 温度調節弁装置 P 温度計 温水循環装置 GV CV GV 温度計 ドレン管 GV ホッパー 排泥コックGV ホッパー CV T GV 還水トラップ装置 − ?? − 排水 管 − ?? −
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