海外視察記:カナダの森林・林業見て歩記 カナダの

海外視察記:カナダの森林・林業見て歩記
副理事長
渡辺 恒(わたなべ ひさし)
日本製紙連合会機関紙「紙・パルプ」1999 年 9 月号より転載
http://www.paper-jpa.or.jp
はじめに
カナダ大使館デニ・コモ公使から、カ
ナダ森林・林業視察ツアーのインビティ
ション・レターが送られてきたのは 6 月
も半ば過ぎた日であった。
林産立国のカナダの主要な顧客である
米、日、EU の市場から、温帯原生林
(オールド・グロス)の伐採等、カナダ
林業に対する批判が聞かれる。こうした
批判を晴らすには、3 国の森林林業関係
者にカナダの森林・林業・林産業に直に
触れさせ、その真相を肌で理解させるに
如かずとのカナダ政府の判断からの企画
である。
筆者も紙パルプ業界の立場で、行政、
学界、業界、報道分野の 9 名で編成され
たミッションの一員として参加させてい
ただいた。7 月 10 日から 18 日の 9 日間、
ケベック州及びブリティッシュ・コロン
ビア州の両州の森林、林業、林産業の実
践の視察、連邦政府、州政府、木材業界、
環境 NGO、先住民グループとの意見交換
等森林・林業一色で、ナイヤガラ瀑布も
カナディアン・ロッキーも無縁な旅では
あったが、オールド・フォレスターを任
ずる筆者にとっては、充実感に満ちた旅
であった。
この小文はその報告のつもりであり、
本来であれば「見聞記」としたいところ
であるが、残念なことに「聞」の資質を
持ち合わせていないために、「見て歩
記」となってしまった次第である。
わが国紙パルプ産業とカナダ
日本の紙パルプ産業とカナダとの関係
について簡単に触れておきたい。
日本の紙パルプ産業にとってカナダは、
原材料及び製品の供給国として従来から
密接な関係にあることは良く知られてい
る。昨年の実績で見ると、カナダからの
紙・板紙の輸入は、新聞用紙を主体とし
て 280 万トン、総輸入量の 25%でアメ
リカに次いで第 2 位、パルプの輸入は、
輸入量全体の 4 割強の 158 万トンで第 1
位である。また、豊富な森林資源に着目
して、紙パルプの現地生産に資本投資し
ているケースも少なくなく、現在 7 つの
合弁企業が各地で活発に事業活動を展開
している。
パルプ材=木材チップについては、昭
和 50 年代から新聞用紙等の原料として
いわゆる S・P・F(トウヒ・マツ・モ
ミ)の輸入が始まり、盛時には全輸入量
の 1 割強を占めていたが、オーストラ
リアのパイン人工林材チップ等の進出に
より現在では輸入量の 3%、70 万 m3 程
度と減少傾向で推移している。
カナダサイドから日本の位置付けを見
れば、林産品生産額 7 百億カナダドルの
6 割が輸出されるが、輸出の 8 割はアメ
リカ向けであり、日本への輸出割合は
7%に過ぎない。カナダにとってアメリ
カ、日本、EU がカナダ林産品の 3 大顧
客とのことであるが、実態は圧倒的に北
米中心で、北米業界の影響を受け易い体
質にある。最近でも北米木材業界からの
強いプレッシャーを受けて、針葉樹製材
図 1. カナダの森林分布
品貿易協定の締結及びスタンページ(立
木伐採料)の改訂が行われ、BC 州林産
る。こうした北米依存体質を改善する上
でも、カナダの日本に対する期待は切実
なものがあるやに見受けられる。
豊かな森林資源
今回の視察で実際に森林に入ったのは、
ケベック州での 1.5 日、BC 州での 1 日
の 2.5 日である。ヘリコプターを駆使す
るなど、両州の熱意と周到な準備により
短時日にも拘らず多彩な内容を効果的に
視察できたとはいえ、4 億 ha を越える
カナダの森林を隈なく見たというには程
遠く、「群盲象を撫でる」の域から出る
ものではない。
しかし、丸太生産の 2/3、林産物輸
出でも 2/3 が BC、ケベックの両州に集
中しており、その意味では両州を視れば
おおよそはカナダの森林・林業に触れた
と言えなくもない。
両州の森林を見ての実感は、量のみ
ならず質的にも「豊かな森林資源」であ
ることである。
カナダの森林面積 4 億 2 千万 ha は、
世界全森林 34 億 5 千万 ha の 1 割以上、
日本の国土の 11 倍に当たり、林業活動
に供される商業林だけでも 2 億 3 千万
ha で日本の森林の 10 倍という広さで
図 2. カナダの森林構成
ある。こうした広大な森林が緯度(温
度)や降水量に応じて広葉樹林、針・広
混交林、針葉樹林及びタイガ(樹林を伴
った永久凍土地帯)等の森林帯を構成し
ている。日本の森林と比較して針葉樹林
の分布が極めて大きいことが特徴的であ
る。
森林の蓄積は 260 億 m3、現時点で伐
採が可能な成熟林の蓄積が 180 億 m3 の
ほか、未成熟林の蓄積も 70 億 m3 と膨大
な資源量を持っている。1996 年の丸太
の生産量 1 億 8 千万 m3 であり、成熟林
だけでも 100 年間は伐採が可能という潤
沢さである。
ている日本のウダイカンバに似た材質の
優れた樹で、それぞれが国民、州民に親
しまれている。
広葉樹林は過去に 2~3 回伐採が入っ
た二次林で、針葉樹のオールドグロスの
イメージが強いカナダにおいては特徴的
である。林分の蓄積は ha 当り 180~
220m3 程度で、日本の天然林と大差なく
普通に見慣れた二次林といった趣である
が、樹幹が通直であること、下層植生が
少なく有用樹の稚幼樹の発生が盛んであ
ることは大きな違いで、カナダは天賦の
森林生育条件に恵まれているとの感を改
めて深くした。
広葉樹林の施業は恵まれた天然更新を
活かして、択伐・天然更新を積極的に採
り入れている。天然林の経営理念は森林
の質の向上にあり、選木は良質木を保存
し、現在の樹種構成を維持するという考
えで行われている。こうした州政府の意
志は、現地の作業に良く浸透しているよ
うに見受けられた。
対照的な両州の森林・林業
(1)ケベックの森林・林業
カナダではめずらしい本格的な広葉樹
帯を有することがケベックの森林を特色
付けている。モントリオール郊外のヘリ
コプターから俯瞰した広葉樹林は見渡す
限りの平地林で、点在する湖沼周辺の低
地にはスプルース、ファー、パイン等の
針葉樹帯が形成され、あたかもグラビア
写真を見るかのような美観である。
広葉樹林を構成する主要な樹種は、シ
ュガーメープル(砂糖カエデ)、アスペ
ン(ドロノキ)、バーチ(樺の木)、ブ
ナ等で、日本の冷温帯林の広葉樹と類似
の林相をなしている。なお、シュガーメ
ープルはその葉がカナダ国旗に描かれる
カナダを象徴する樹、また、イエロー・
バーチはケベック州の樹として指定され
写真 1. 典型的な広葉樹天然林
写真 2. 水辺には針葉樹が侵入
写真 3. 択伐実施中の広葉樹林(稚幼樹の発生が旺盛)
写真 4. 針葉樹の伐採跡
表 1. 森林管理ライセンス
湖沼周辺の針葉樹天然林の施業は、確
実な更新を期して皆伐・人工植栽によっ
ている。特にジャック・パイン(バンク
シャ・マツ)の球果は火に遇わなければ
開果しないという生理特質のため植栽は
必須とのことであり、ブラック・スプル
ース等を植栽し、併せて白樺やモミ等の
天然更新を期待している。伐区面積は
40ha 以下とのことであり、箱庭的日本
林業の感覚からすれば結構広い感じがし
ないでもないが、分離帯や水際緩衝帯の
確保、立枯木の残置など景観の維持や野
生鳥獣の生息環境の保護への配慮が窺わ
れた。
ケベック州の森林は、他の林業州と同
様 9 割以上が州有である。その経営は特
別のものを除き全て民間にライセンスを
与えて、それを監督する方法で行われる。
ライセンスには森林計画の立案から施業
の実践まで経営の全てを民間に与えるも
のから、伐採権のみを与え、伐採・造林
等の施業計画は州が保持するものまで
区々である。2 大林業州の一方の雄であ
る BC 州のライセンスが前者を主体とし
ているのと対照的に、造林等の施業方
針は州がイニシアティブを持つ後者のラ
イセンスが主体であることもケベック林
業の特色の 1 つである。こうしたライセ
ンスの違いも、州の方針が現地に浸透し
得る要因の 1 つとなっている。
近年、マダラフクロウやグリズリー
(灰色熊)の保護問題から、北米の温帯
原生林=オールド・グロスの伐採に内外
の環境 NGO 等からの批判の声が聞かれる。
BC 州がオールド・グロス林に恵まれて
いるが故に産業と環境との調整に大変に
苦慮しているのと対照的に、ケベック州
の広葉樹林は二次林であることが幸いし
て、環境団体等の批判から免れている面
があり、その分ケベック州政府、業界は
伸び伸びと森林経営に取り組んでいるよ
うに見受けられた。
とは言っても、森林経営の基本理念が
「持続可能な経営」にあることは間違い
なく、ケベックの森林の扱いについて森
林担当官は、ケベック州森林政策は「持
続可能な森林管理=sustainable forest
management」を基盤として、公有地法、
生態系保護法、野生生物法などの法制の
下にエコロジーに適合した運営を指向し
ており、その責任は政府と業界でシェア
していくと歯切れ良く述べていた。
また、森林産業界は木材の認証につい
て、カナダ基準協会(CSA)の認証制度
は政府、環境 NGO、先住民グループ、科
学者、産業、労働者等の関係者を結集し
て作成した自発的な制度でありこれを推
進していく。他州では顧客に要求されて
FSC(Forest Schol-arship Council)の
認証を取る動きがあるようだが、FSC は
①政府の参画を拒否していること、②国
により基準に一貫性がないこと、③認証
が市場コントロールのメカニズムになっ
てはいけないが、FSC はバイヤーズ・グ
ループの結成など市場コントロールを目
指していること等の理由により、ケベッ
クの森林産業界は FSC に反対であると自
信を持って明言していたことが印象的で
あった。
(2)BC 州の森林・林業
BC 州は日本に一番近いカナダであり、
木材製品等の交易量も多く、日本にとっ
てはなじみ深い。
カナダ最大の林業州である BC 州の森
林は、ロッキー、コースト、コロンビア
の 3 山脈が縦走する山岳林で、3 つの山
脈の影響で複雑な自然環境と多様な生態
系をもたらしている。特に太平洋沿岸地
域は豊富な雨量と温暖な気候により、樹
写真 5. BC 州沿岸部のオールド・グロス
写真 6. ダグラス・ファーの大木
令の高い、生態系が高度に発達した森林
を生み出している。こうした森林を構成
する樹種は、ダグラス・ファー(米松)、
ウェスタン・レッド・シダー(米杉)、
ウェスタン・ヘムロック(米栂)、スプ
ルース、パイン等の針葉樹と、メープル、
アスペン、ビーチ等の広葉樹であるが、
大径の針葉樹が鬱蒼と林立する様は神々
しさすら感ずる壮観さである。
恵まれた森林資源を背景として、BC
州経済は古くから林業・林産業を基盤と
して展開されており、近年 2 次、3 次産
業が伸びてきているとはいえ、現在でも
木材及び紙パルプ製品が総出荷額の過半
を占めている。
こうした BC 州経済の体質から見て、
BC 州の森林が古くから相当の伐採圧力
を加えられてきたことは想像に難くない。
帰路上空から沿岸部の森林を鳥瞰する機
会に恵まれたが、長期間に亘って伐採さ
れたであろう大小様々な伐採区画が連続
して並び、あたかもパッチ・ワークを見
る思いであった。このような集約的な伐
採は沿岸に限られると思われるが、少な
くとも沿岸部の森林開発は相当深化して
いると見受けられた。
BC 州の森林もケベック州と同様その
95%が州有で、伐採等の森林施業は民間
業者等が州からライセンスを得て実施し
ている。BC 州ライセンスの特徴は、特
に沿岸部において、大企業を対象に経営
管理を永久的に全面的に委譲する TFLs
のウェイトが大きいことで、最近でも年
間伐採許容量の 85%は TFLs に割振られ
ている。
写真 7. 機上から見た沿岸部の伐採状況
写真 8. 地上から見た伐採状況(植林済)
表 2. BC 州における森林施業の新旧対照
1980 年以前は BC 州民の森林に対する
関心も、いかに木材生産を拡大するか、
雇用を増大させるかにあった。そうした
環境の中で、経営管理を全面的に委譲さ
れた大企業が企業論理にも適い、かつ市
民の要請=雇用の確保にも応えられる効
率性の高い大面積皆伐を推進したことは
十分考えられるところである。
1980 年代に入って、環境問題に対す
る一般的認識が高まるとともに環境団体
の影響力が増大し、一方において測定技
術の進歩により資源賦存の実態が明らか
になったこともあって、森林政策を見直
す必要があるとの気運が高まり、環境と
産業の責めぎ合いにより規制と緩和の一
進一退の状況が続いた。
1991 年に労働組合、環境保護団体、
先住民族等を支持基盤に持つ現政権
(New Democratic Party)が成立するに
至って、森林政策の転換が一挙に促進さ
れた。その内容は、①年間許容伐採量
(AAC)の見直し、②新しい森林施業規
程の制定、③地区別土地利用計画の樹立、
④公園面積の倍増(最終的には州面積の
12%に拡大)等であり、森林の利用権を
除き林業活動を規定する全ての州法の見
直し、修正を行うというドラステックな
内容であった。
年間許容伐採量は、州の首席森林官が
37 の TSAs と 34 の TFLs に対しそれぞれ
の地域の 1 年間の伐採許容量を示すもの
で、「持続可能な森林経営」の視点から、
地域の自然環境や経済、森林資源量、林
産物需要を総合的に勘案して分析した今
回の見直しにより、今後 10 年間の AAC
は 8%強の減少となるものと見込まれて
いる。
写真 10. 山火事跡地の天然更新
写真 9. 植林地の成育状況
公園面積については、1980 年代にお
ける原生林の保護を巡る環境団体の激し
い伐採禁止キャンペーンの中で、1992
年に「保護地区戦略」が導入され、新た
に 144 箇所 270 万 ha を超える原生地域
が保護されるとともに、2000 年までに
州面積の 12%を保護区とすることとな
っている。
特に新しい森林施業規程は伐採、造林、
保育等、森林施業の全面に亘る大幅な変
更であり、BC 州の森林経営及びその多
面的な価値の保護・維持にドラスティッ
クな変化をもたらしている。この規程に
よって、企業が森林資源経営を実施する
際の観光や漁業など他の森林利用への配
慮、責任が明確にされており、森林施業
規程の要求する包括的資源経営、高度な
企業行動、一般市民の参加の機会等によ
り、今日の BC 州の森林施業は世界の最
先端をいくものであるとの評価がなされ
ている。
それまでは施業計画の立案にしろ、施
業の実施にしろ、企業のイニシアティブ
の下で自由裁量で行ってきた TFLs 保有
の大企業にとって、施業方針の転換は大
きな戸惑いとコストの増嵩等、経営に大
きな影響をもたらしたことが容易に推測
されるが、経営の存続のためには新政策
を受け入れざるを得ず、今日では大企業
も森林政策の転換に適合すべく懸命の努
力をしている姿が窺われる。
今回視察したI社(BC 州を代表する
企業で TFLs を保有)においても、ア.
皆伐区面積は 40ha 以下に抑える、イ.
皆伐区間には 10m 以上の分離帯を残置し、
生物の生息環境を保持する、ウ.州・市
民の要請を受け、伐採面積の 10%は択
伐施業を行う、エ.伐採跡地は更新の確
実を期し、択伐地といえども植栽を行う、
オ.魚類の生息環境を保全するため、林
道は河岸から 20m 以上離して開設すると
ともに必要な箇所には魚道を開設する、
カ.自主的に代表的なオールド・グロス
林を保護林に設定する、等々各般に亘り
新しい森林施業規程に即した施業を行う
べく努力している。
しかし、規程に忠実たらんとすること
に精力が注がれ、肝心の技術合理性が疎
かにされるきらいがないでもない。例え
ば、跡地更新に植栽が必要以上に多用さ
れていることである。下層植生が少なく、
天然更新の優れた技術と経験を持ってい
るにも拘らず、6 年以内の更新義務に縛
られ安易に植栽に頼っている。また、伐
採地の 10%は択伐によっているが、そ
の根拠は市民の要求であり技術的判断に
よるものではないことから、経済的価値
の高い優良木は全て伐採され、形質の悪
い樹がまばらに残されているのみで更新
は植栽によっている。企業も乾燥防止程
度しか期待していないが、形質不良木が
母樹となってかえって形質不良の後継林
分を作り上げることが懸念された。
写真 11. 人工的に開設した魚道
バンクーバー島をフランチャイズとす
る別の林業・林産企業の D 社(85 万ヘ
クタールの TFLs を保有)の幹部も「環
境団体、一般市民、先住民の真の理解、
合意なしには森林経営は成り立たない。
ここ 2 年間 BC 州林業は大変厳しい状況
にあるが、企業は政府の規制を上回る努
力を行っており、野生生物に関する研究
等を行い、顧客から提起された問題につ
いては自ら解答を獲得して自力で理解と
合意を取り付けていくつもりである。自
社の製品が『持続的森林経営』からの産
品であることを顧客に認識してもらうた
め、森林認証を取得する準備を進めてい
るが、顧客から求められれば FSC でも
ISO でも何でも顧客の求める認証を取得
するつもりである」と述べている。
環境団体等の合意の取り付けを経営存
続の前提とする考えは上記の 2 社だけで
なく、おしなべて BC 州林業・林産企業
に共通したものである。経済効率や技術
合理性に多少問題ありとしても、環境団
体等ディシジョン・メーキングに影響力
を持つグループの意向を無視しては企業
は成り立たない。理論の是非はさておき、
とりあえず経営の存続を優先させるとい
うのが実情のようであり、BC 州森林産
業の深刻さを示していると言えるかも知
れない。
写真 12. 択伐林の現況(上木は
ファー・ヘムロックの低質木)
おわりに
以上で手記は終わりであるが、4 億 ha
を超えるマンモス・カナダ森林・林業の
上っ面を撫でるところさえ至らなかった
というのが、偽らざる実感である。しか
し、オールド・グロスの保護をはじめと
する環境の保全と産業としての林業・林
産業の両立という命題に果敢にチャレン
ジする関係者の意気は、鈍感な筆者とは
いえ十分に体感できたことは間違いない。
また、そのことがこのミッションを企画
したカナダ連邦、両州の意図するところ
ではなかったかと都合良く解釈している
ところである。
全ての日程を消化し、いざ帰国という
16 日の朝、ホテルの部屋に投げ込まれ
た新聞を見るともなしに開くと、“Are
Canada's Forests Shrinking?”という
見出しで C・P・P・A の折込広告が目に
飛び込んできた。A2 カラー版で、カナ
ダ森林産業は日々の活動の中で環境配慮
を積み上げるなど変わってきており、カ
ナダの森林は質的にも量的にも減ってい
ないことを主張したものである。カナダ
における同業者の心意気を改めて頼もし
く感ずるとともに、今回ミッションの趣
旨そのものの内容で、最高の収穫物とし
て有難く頂戴し機上の人となった次第で
ある。