演習課題7)の復習

演習課題7)の復習
日常生活姿勢と食べる場面と食べる物
基本24姿勢と食との関係
以下の生活場面において、あなたはどの姿勢で何を食べる???
食べる姿勢に○を示して、代表的な場面と食物を考えてみよう・・。
立位
椅子座位
床座位
臥位
1
食べ物を飲み込むこと
嚥下反射
鼻腔
上顎骨
食物
下顎骨
食道入口部
声帯
咳反射
気管
食道
水の嚥下中に賦活されるヒト脳の機能部位:fMRIによる検討(予報)
国立精神・神経センター国府台病院 1)神経内科,2)放射線診療部
湯浅龍彦1)2),加藤融2),桜井淳2),黒崎栄治2),鈴木剛志2)
要約
正常ボランティアが水を嚥下する時に得られた脳の機能局在を呈示した.
MRI装置は,1.5T MAGNETOM Symphony,被験者の口にチューブをくわえさせ,
0.4 ml/secの流量で12ml注入し,嚥下させた.
fMRIは,グラディエントエコーによるEPI法で,55スライスの横断像で全脳(voxel
size 3.6×3.6×3.0 mm)を撮像した.脳賦活部位を共通の脳座標に集約するために,
EPI画像と同一のスライス位置で撮像したT1強調画像(voxel size 1.0×0.9×3.0 mm)
とMPRAGE法の高分解能3D画像(voxel size 0.9×0.9×1.5 mm)を使用した.
結果:今回の飲水嚥下に関連して賦活された脳の機能活性部位を機能別に分類す
ると以下のようであった.(1)口腔や食道からの感覚系の求心路に関連するものとして
,両側視床,両側後中心回がある.そして(2)随意的な咀嚼・嚥下運動に関連する運
動系遠心路として,(右)前中心回,(右)内包,(3)咀嚼・嚥下運動の統合系としての補
足運動野,左右の弁蓋部,(4)辺縁系の構造として右海馬,左前島回,帯状回,(5)制
御機構としての小脳系(右小脳歯状核と右優位の左右の小脳半球)と大脳基底核
(左右の被殻と左淡蒼球外節),それに加えて(6)視覚系の左烏距溝であった.
http://www.pmdrinsho.jp/(国立精神・神経センター研究報告)
2
ギャッジアップ角度と嚥下のしやすさ
N=20
(ケア技術のエビデンス(2002).へるす出版.P.1953 参考)
臥位での嚥下のしやすさ
N=20
(ケア技術のエビデンス(2002).へるす出版.P.1953 参考)
3
楽しい食事(人間の尊厳を守る)の演出
①その時々の空間演出(お正月、クリスマス・・・)
②食事する場の工夫
・テーブルセッティング(カラークロスを活用する)
・照明環境(美味しく見せる)
③食事の際の人間集合(まわりの人たち、人間関係、話題)
④食事をするための空間の大きさ・広さ
⑤食事様式の工夫(和食、中華、洋食・・・)
⑥食事の道具(箸、ナイフやフォーク、スプーンなど・・)
⑦自分で食べることを支援する道具(食事介助用具、ロボット)
人工照明の工夫
(いくつかの照明方法の組み合わせる)
直接照明(食べ物にスポットを当てて美味しく見せる)
半直接照明
部屋全体をうっすら明るく
全般拡散照明
直接間接照明
半間接照明
間接照明(光源を隠して反射光で暖かい雰囲気をつくる)
4
食事介助ロボット
その是非と可能性
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2002/04/26/635483-000.html
生活者としての個人を支える
「食う」「寝る」「出す」への援助
生活時間
(一日のリズム、計画)
生活空間
(住まい、職場)
年齢
生活手段
(道具、インテリア)
生活技術
(動作、学習)
性別
習慣
生活関係
(人間関係、役割)
食う・寝る・出す
趣味
状態
生活上の規範
(信念・価値)
嗜好
生活基盤
(財産、収入、保険、年金)
生活目標
(健康に生きる)
5
生活援助体験 3
Body Mechanics
(ボディメカニクス)
■演習課題の説明
①体位変換の方法を工夫してみよう。
ベッド上仰臥位の人を側臥位にしてみよう。また側臥位の人を仰臥位
にしてみよう。その際のボディメカニクスについて考えてみよう。
②ベッド上臥位の人を椅子に移乗してみよう。
ボディメカニクスを考えて、ベッド上臥位の人をベッドサイドに座らせ、
その後にベッドサイドの椅子に座らせるまでの援助をしてみよう。
実施した仕方について、レポートで評価・分析してみよう・・・。
③日本人の生活姿勢の特徴について話し合ってみよう。
日本人の生活姿勢について、文化的な背景も含めて、ボディメカニクス
の観点から疑問に感じる点、納得できる点などについて話し合ってみよう。
6
ボディメカニクスとは・・・
body mechanics:身体力学
身体の動きまたは姿勢の力学的関係について研究する学問
<関連領域>
◆biomechanics:生体力学
生体に対する内部または外部の力の作用に関する科学
◆ergonomics:人間工学
人間学の上に立った物づくり・環境づくりの学問
◆kinesiology:運動学
能動的および受動的構造を含めた運動の科学
◆human ethology:人間行動学
人間の行動や習性について研究する学問
◆behavioral science:行動科学
人間行動を対象とする複合領域の科学分野で構成され、
生物行動の観察・研究に基づく理論・概念・研究を行う分野
ボディメカニクスの研究分野
住生活におけるボディメカニクス
家事(炊事、洗濯、掃除)、入浴、着替え、排泄、食事、くつろぐ、修繕、
運動、リクレーション など・・・
機器操作時のボディメカニクス
自動車の運転姿勢(乗用車、小型自動車、トラック、クレーン車 など)
飛行機の操縦席、電車の操縦席、などのコントロール作業 など・・・
事務作業におけるボディメカニクス
筆記作業時の座姿勢、立ちカウンターでの作業姿勢、製図の際の作業姿勢
OA機器を使った際の作業姿勢 など・・・
看護・介護作業におけるボディメカニクス
体位変換時の姿勢、移乗動作時の姿勢、医療介助時の姿勢
その他、ケアの際にみられる姿勢 など・・・
7
ボディメカニクスを考える際の力学的基盤
剛体の力学
<静力学>
スカラーとベクトル
力ベクトル(外力、内力、
伸張力、圧縮力、圧力、
摩擦力など・・・・・・)
変形体の力学
延性
硬性
弾性
塑性
ひずみ
くびれ
疲労
曲げ
モーメントとトルク
重心
<動力学>
線形
非線形
流体の力学
渦
乱流
層流
せん断流
抗力
揚力
ベルヌーイの定理
など
など
スカラー量とベクトル量
スカラー量(scalar):大きさのみを持つ。
重さ、長さ、温度、湿度、仕事、
面積、時間・・・・・・
ベクトル量(vector):大きさと方向を持つ。
速度、力、位置の変化・・・・・
F
F
B
B
A
皮膚
A
皮膚
皮膚から絆創膏をはがす力
8
モーメントとトルク
モーメント(moment)は、飛び板飛び込みのような、
曲げの影響に関連した力の回転。
トルク(torque)は、ドアを開くときの蝶板の軸周りに
作用している力の回転。
数学的な定義は、そこに生じた力と距離の積であり、双方とも同じ。
M=dF
O
d
F
P
股関節における静力学モデリングの例
人工股関節を埋め込んだ場合における関節部のモーメント予測。
人工股関節の幾何学的な寸法は、l1=50mm 、l2=100mm、θ1=45°、θ2=90°
2本の足で対称的に立っているときに患者の身体の重量による関節反力F=400Nが
大腿骨上部に作用する。
BとCに関するモーメント腕は、
A
d1 B
d2
l1
θ1
θ2
l2
d1=l1sinθ1=(50)(sin45°)=35mm
d2=d1+l2=(35)+(100)=135mm
F
BとCの周りに発生するモーメントは、
MB=d1F=(0.035)(400)=14 N-m
Mc=d2F=(0.135)(400)=54 N-m
C
9
摩擦(friction)
R
静止摩擦力
F
平衡状態
R(抗力)
f
最大静止摩擦力
F
W(重力)
μ=
f
R
動摩擦力
μ:最大静止摩擦係数
F
f:最大静止摩擦力
R:抗力
重心(gravity)と安定性(stability)
C
Center of gravity
Gravity line
D
B
A
Base of support
安定の条件
・重心線が支持基底面の内を通ること
・重心が低いこと
・支持基底面の面積が広いこと
10
支持基底面の確保と安定性
座面の体圧分布
ベッド上背面の体圧分布
立位足底の体圧分布
生活姿勢の中のボデメカニクス
座位
立位
(http://www.spineuniverse.com/displayarticle.php/article1019.html)
11
荷揚げ作業のボディメカニクス
×
×
○
(平田雅子.ベッドサイドを科学する.学研.P61∼62 より)
12
Steven R. Garfin. Use Good Body Mechanics to Help Keep Your Spine Safe より引用
(http://www.spineuniverse.com/displayarticle.php/article895.html)
オフィスチェアの座り方と脊柱の負荷
http://oregonaero.com/p2021_2001.htm#xraypainfulp
13
姿勢と腰椎の関係
○
○
B
C
△
D
▲
E
G
F
E
DC
B
A
A
G
×
○
×
F
看護作業でのボディメカニクスの配慮
体位変換のボディー・メカニクス
(平田雅子.ベッドサイドを科学する.学研.P20 より)
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人工股関節置換患者に対する
環境移行に伴うボディメカニクスの指導
浴槽の出入り
修正
立位で床のものを拾う
修正
15