第7回 病気になると熱が出るのはどうして? 風邪をひいたときやインフルエンザにかかったときなど病気になるとしばしば熱が出ること ってありますよね。熱が出ると体がだるくなる、寒気がするなどいろいろな症状を誘発しますが、 そもそも何で病気になると熱が出てしまうのでしょうか。 <熱が出る仕組み> 熱が出る原因は様々ですが、風邪での発熱は生体防御反応(体を守る反応)だといわれてい ます。熱は、ウイルスによって引き起こされていると思いがちですが、実はウイルスが体に侵入 したことを察知し、脳が体に指示を出して熱を出しています。 ① ウイルスが体の中に侵入 ↓ ② 白血球などの生体防御物質(ウイルスから体を守る物質)がウイルスを迎え撃つ ↓ ③ サイトカインなどの発熱物質を出す ↓ ④ 発熱物質がプロスタグランジンを産生 ↓ ⑤ 脳が視床下部にある体温調節中枢に体温を上げるよう命令 ↓ ⑥ 筋肉がふるえ熱を作る ↓ ⑦ 体温が上がる ↓ ⑧ 白血球などの生体防御物質の殺菌能力、免疫能力が上がる (白血球は体温が高い方が元気に活動できる) ウイルスの元気がなくなる (ウイルスは体温が低い方が活動しやすいため、体温を上げられてしまうと増殖しにくくなる) ちなみに、熱が出るときに体が寒くなることがありますが、これは⑥の反応。皮膚の血管が収 縮して体から熱が逃げるのを抑えようとしたり、 筋肉をふるわせて効率的に体温を上昇させます。 これが寒気の正体です。 熱が出る仕組みをもうちょっと分かり易く考えると…… <別の物に置き換える> ウイルス→泥棒 1.体に泥棒(ウイルスや細菌)が侵入すると、こ 免疫機能→警察 2.警察は様々な武器(サイトカイン)を用意して れを逮捕しようとして警察(免疫 泥棒を捕まえようとする。 機能)が出てくる。 3.逮捕しようと警察は熱くなり、現場の警官 4、その報告を聞いた (プロスタグランジン)は警部 警部も熱くなり、 (体温調節中枢)に状況の報 現場全体が活発に 告に行く。 動くよう指令(温度設定を上 昇)を出す。 その結果、体温が上昇=発熱する つまり、発熱しているということは、 体がウイルスや細菌などの病原体と戦っているということ! メリット 発 ・体内に侵入したウイルスの増殖至適 温度域(活動しやすい温度)よりも 体温を上げウイルスの増殖を抑える。 ・体温を上昇させたことで免疫系(白 血球など)の活性化を促す。 熱 デメリット ・体力を消耗する ・汗をかくため、塩分・水分を喪失 する ・熱性けいれんやひきつけを起こす。 ・頭痛や悪寒などの症状が出る。 発熱時の注意 急な発熱や、高熱が続く場合には医療機関を受診する。 無理をせず、しっかりと休息(睡眠)を取る。 消化の良いものを食べ栄養を補給する。 脱水しないよう水分補給をこころがける。 体を保温し、頭部は冷やすようにする。
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