文献紹介 魚類及び両棲 類 幼生E 著者 の 走電 Ⅰ生の且寺役知 G.P. タ ニューリーテ , B . I . シモナウィチエ 不エ , L.A. Ⅱ 訳者 シィデ ラウスカイテ , ワニヤ共和国科学アカ テミ一 動物学寄生虫 学 研究所・ ト 大 屋 魚類の走電性の 特徴については ,数多くの 善 延 動,即ち, 葡旬,歩行,正弦曲線的な 曲りく 業績が報告されており ,その現象の 生理学 ねりの連動の 中に現わォ しる,はっきりした 陰 メカニズムについての 興味ある仮説が見られ 極走電・佳力清弘められた。 自勺 る ,それにもかかわらず ,電場を用いて 魚の イ種 万をコントロールすることは ,必ずしもう このことはこれらの 仮説が不 完全である二とを証明している。 蠕形動物に較べて ,甲殻類の運動様式は 著 しく複雑で神経節の 神%弱買 はより濃密で 頓 化的である。 これと関連して , 甲殻類の直流 の電場内での反応は , より多種多様てあ る。 走電,性の間題を 研究するための 斬 らしい取 , 扱方を探求する中で; 近年筆者等によって 走電性の系統発生学的な 変化を背景に ,魚類 例えば下等な甲殻類,即ちタフニ ャやキクロ ソプス では,走電性が 趺けているか,現われ 方が弱い。高等な甲殻類では 反応は複雑であ におけるこの 現象の特徴や原因をより正しく る。 段卜 をにおける水棲 評価するため ,色々の菊妻 は弱い陽極性の 走電性が見られる。 動物で試験が 行なわれた (Danyulite 及び ョ コノミでは陰極性の 走電性が,アミで イワナの類やウナギの 類での試験で ,多く Shidlauskaite, 1971, 1972),より様々な形 の著者達によって 確認された自殊的な体の正 の 走電性をもつ 竹の水棲動物と 切離して,白 についてだけの 走電性の本質を 研究すること 弦曲線的な湾曲によって 現われる陽極性の 走 電性が魚にとって 特徴的であると云う事実を この現象に対する 完全な説明をなし 得な それ以外に,海の 漁業で極めてしば」 ば, 再度確かめた。 走電性は,動物の 発達の度合と同様,生態学 電気的な方法による 甲殻類捕獲の 研究につい 的形態学的特徴と 関連する,動物の 神経系統 ての問題が起って 来ることから ,電場におけ や原動器官に及ぼす,電流の 極性作用の結果 , る無脊柱動物の 反応の特徴を 研究することは そのものを示す 二とが判った。 予備的な研究 独自の大きな 実用的皮ひじ の結束陰極走電性は 系統発生的により 原始 空輪的な意義を 有す ヲ 的な形に属し ,一方陽極走電性はより 高等動 予備試験で電場 水棲動物15 種についての 初に見られると 云う推定が生れた。 の作用に対するそれら 動物の反応の複雑さ及 原動器官や神経系の 発達につれて ,走電性 ぴ 多様性が明らかにされている。 これらのう と云う立場に 立って,我 ちの幾つかの 動物の反応が,先ず研究された , 々によって,個々の 発達の過程での 動物の原 例えば,下等な 頭神経節神経系を 有する蠕 動器官の状態と ,走電性の変化との 関係につ 一 hl 一 審査するために ,魚の稚荏や両棲類の幼生に に ,頭を陽極に向けて方向すけられた状態 よる式瞼が実施され,その 結果が本報告に 引 (下降流), 流線に垂直に 方向ずけられた状態 用 されている。 で研究された。 水槽の電極における 電 庄は段 走電, 性 魚類及び両棲 類の 子刻 不発生における 形成についての 文献資料は少ない " 階的に淀みなく 高められた。反応は,稚魚の 興奮の最初の徴候の瞬間から完全に可動性を 両棲類の幼生のく 陽極屈劃 めは,前世紀 末に, 走電現象の最初の発見者達が早・くも 認 失 まで即ち,電気麻酔の状態まで(強縮) 調べられた。グ ノレープについての 試験実施の う めていた(Hermann, 1885;Blasius, 場合には,水槽中に 最少限10 尾宛 放流し,な izer, lB93; Hermann, めらかに電圧を W: げて,それら 不は 缶の反応の SchweMatthias,1894@ 。 全く同T 頃に反対の資料が 発表された。これ 観察が行なわれた。 試験は温度12 一 15 。C, シ はく陰極 届霞山 め によれば,オタマジャク の比抵抗 28 一 300M.M. を 水 の際に行なわれた。 特徴とし強力な 電流の時だけ《陽極 屈電 研究の結果 @) が起る。 Viaudet Dreyfus(1956) の意見にょ れ ば。 ォ タマジャクシ は《異方性 ) , 即ち,オ 雌山後最初の 一週間は,ゴリツ の稚魚の活 タマジャクシ の電導度は,頭の位置が陰極に に限定されている ,この時 向いた時の方が ,陽極に向いた 時よりも高い 期の電場における 方向反応は,陽極 側ての回 と云 ことは,また興味のあ るところであ る。 転としてだけ 現われる。即ち,電場の 電圧が う Scheminzky け %4) の資料にょ れば, イ なめらかに高まった 場合,稚魚 、 (大きさ14 一 ワナの腕の陽極に 向けての配可 陽極走電@) l5mnl) は , 色々の方向に曲折するが,然しな は, 胚発生の36 日目に現われる。 胚の反応に がら強直痙摯の際,大多数或は 総ての稚魚は 対する流れの 方向の影響は , 胚発生のよ 頭の向を陽極に 向ける。電場の一定の 電圧の り 早 ぃ 段階で認められる。 陽極走電性の 現象を, 場合,泥線に垂直な稚魚の 方向力 蒲君められた。 Scheminzky 稚魚の生長発育するにつれ又謄嚢がⅡ、さく は胚における 耳石,迷路,及び 神経終末と関係ずけている。 なるにつれて 漉泳能力は強固になり ,一万そ 材料及び方法 玉 | 試験はゴリ叫 Salvelinus fontinalis), フ オレ (Salm0 irideus), シチュー利 Es0オ Ranatempo. Xlucius) 及びオタマジャク raria) の稚魚及び幼生で 行なわれた。 雌山径直ちに ,大きさ2gcmXl 簗 m の水槽中 リ に設定された直流の同一電場内での。 佳及 び幼生の反応の 研究が開始された。 チな ㌔ 試験は個々の 稚伍はついてと,それらのグ ワ ループについて 実施された。 個々の稚崔の反 7 反 3稚5 魚. 電ゴ l 図 一 52 第 ち,稚魚は・ 泥線に平行にして 頭を陰極に向け 場合 電場 即 応は,三つの 基本的な状態て怖斤究 された。 て方向すけられた状態@ . 昇流), 流れに平行 /@ "" 7V/cm の場合,稚魚の 大多数は陰極のよ れと供に,陽極走電性がよりはっきりと 現わ 0. れる,即ち, 稚漁は陽極に向かっての 方向を り近くに集まり ,一方1.4V/Cm とるばかりではなく。 陽極に向けて 泳ぎその 稚魚は陽極に向けて方向をと ,陽極の周り の場合には り , 周囲に密集する。 この様式の陽極走電性は に集まる。より今期の進んだ 稚魚では,陰極 生れて4 一 5 週の体長16 一 lKmm のゴリツの稚 地帯に集まる 傾向は失なわれそして ,はっ 魚で見られる。 体長19 一 22mm@ きりした陽極走電性の 外的な表現だけが 現わ 後 7 一 11 週) の稚魚では,電場の 電圧が比較的低 い 場合, 陰極により近い 電場部への集中が ,はっき 稚魚の反応は , 流何と関係があ る。 即ち, り した陽極走電性に 先行した。第 1 図及び第9 上昇流の際の激しい興奮や 痙摯は,下降流の 図から明らかなよ う に,電場の電圧力 り . 35 一 際は減少するか ,或は消失さえする。 第 1 表から明らかなよ に,雄山直後の 稚 う 魚 (大きさ12 一 14nlITl)の感受 関係なく,最少 限反応は。 0 . 4V/cm で見られ 一 @@ I くく 1 る 。 より今期の高い 稚伍では反応閾は, 流向 と 関係がある。 陰極に頭を向けて 稚魚が防向 を 取った場合,興奮の 閾は頭を陽極に 向けて 方向取った場合よりも 低い。そして逆に。 稚 一 Ⅰ @ 色 が陽極に頭を向けての方向を 取れば,電気 西平 閾はイ 直下する。 頭を陰極に向けての 配置 の場合,電場の 電圧が高い場合でさえ。 稚魚、 麻 -と lプ一 は, 頭を陽極に向け 変えようと試みる。 これ と 関連して,この方向の電流連結の 場合の運 動 性の消失は,非常に 高い 閾の場合に見られ 第2 図 電場の電圧 8 ゴリツの稚魚、 の反応 第l表 。 フ オレ の稚届、 による試験で類似の結果 し ゴリツ (Salve Ⅱ nus fontina@is) の稚魚、 の直流の同質電場に おける基本的反応問 稚魚の僻出は, 30/ Ⅲ, 71- :fⅡ, 72 言 魚.の当初の 試験の日時 電場内における 状態最少限の 稚 反応陽極走電性 @ 0.41 12 Ⅰ 1 +0.05 稚魚体長 閾 [email protected] 電気麻酔閾 3.62+0.08 0.40+0.05 3. 27 千 0 ・ 08 一 0.54+0.04 14/11 .26 0.06 [email protected] 47+0.02@ [email protected] │@ 0.91@0 ・ 0.52+0.05 [email protected] 0.80+0.09 0.28+0.04 1I Ⅰ V 0.49+ .12 0.73+0 0.72+0.07 04 千 0.47+0 0.06 0.77+0.06 0.73+0.03 0.94+0.09 5.00+0 .12 0 .16 5.89 土 6.47 土 0.09 3.55+0.30 n .11 7.70+0 16 土 2.1一 22 .11 n 7 Ⅰ 3.23+0.09 , [email protected] (註) 記号ヰは 陽極に頭を向けての 力線沿の稚魚の 当初の状態を 意味する。 一印は頭を陰極に 向けての状態。 X 印は力線に垂直に 頭を向けての状態。 一 53 一 17 一 18 31 32 (第 2 表) が出た。牌出当初, なだらかな場合には, 電庄の導入が りした陽極走電性だけが 残る。 稚色は始めは興奮し 、ンチュヵ (Esoxlucius) の稚後の衡五発 (0.67V/rm), 然る後陽極側に 方向を取り け フ OV/Gnl), そして可動性を 失なう (2.24 生はより圧縮された 期間内で%主過する, 腔嚢 V/cm) 。 生れて8 日目,稚魚には 陰極に向け フ オレ しゃゴリツ の 稚色、 よりも可動的で ,そ て方向を取るの 力 畳められ (0.56V/cm), が大きいにもかかわらず ,シチュカ の稚億は ㏄ れらの電場における 反応は.より 活発である 日日には陽極走電性が 認められる。 類似した 反応が,合期1 ; 月 鵬ィヒ まで見られる。 その後 直後に陽極走電性が 見られ 険極に向け て方向を取ることはない。 陰極側へ方向を取ることがなくなり ,はっき 第2表 フ オレリ 稚角 、 の基本的反応の 電場電圧値の 限界 (ⅤⅡm) 稚角、 試 反 験 実 施 日 @2 年 R 月 l5 @2 年 5 月 18 @2 年 5 月 22 日 日 日 72年 5 24 月 o2 l9 42 興 奮 日 .72 陽極に向けての 可動性‥ 電気麻酔(陽極に向いて) 一 一 稚角 .の大きさ, mm 稚 勃 土ラ チ 電閾 質店 直基 表 第 電場の電圧,V れm [email protected] ・ Ⅰ ・ [email protected] 37+0.089 52 土 n 電気麻酔閾 7.94+0.4f ・ 最小限の反応 陽極走電性閾 稚魚の体長 [email protected] 2.29+0.060 2.41+0.070 7.51+0.41 0.60+0.040 1.00+0.070 9.40+1 51 士 0 3 .94 45+ 0.080 0 .89+ 0.020 .16@ 0.050 ・ 記号の条件は第 1 表に同じ。 一 R4 .72 土 ln 土 0 .15 O マ お閾 場反 看的 質本 同基 流生 4 表 第 出 持 電場の電圧, V わm 電気麻酔閾 @ 4 .69 土 0 4 ヵ.,:士 0 4.66 土 0 08 0 ぷ 9 千 0 000 0 90 土 0 04 41 @ 0.06 ・ ・ ・ ・ ・ 0 . 49+0 . 02 0 .57 % 0 .05 0%5 3.45+ n 0 0.85 8. 75+ 0. 37 0.66+0.09 0 . 63% .11 + .08@@0.07 R,2.土 0.41%0.04 0.52+0.1l 5.29+0.48 0.51+0.00 0.66+0.06 3.55+0.34 21 21 (註 ) 記号の条件は 第 1 表に同じ。 直流電場内におけるオタマジャク シ の反応 場の電圧を更に 高めた場合,オタマジャク シ は,一連の共通的な 特徴を有するとは 云え崔 、 は,陽極の側に 続いて寝返りを 打ちはじめ, 類の稚魚の反応とは 著しく異な その状態で可動,性を 夫ない ,電気麻酔にかか 電場の電圧がなだらかに 高まる場合,オタ る。 陽極側での遊泳連動は 認められない。 こ 2 一 3 日で見ら マジャクシ は無秩序に曲折し ,一方電場の 電 圧が一定な場合,強力な 尾の曲折によって 陰 飴んど変態の 終りまで続く (第 3 図)。 ォし 極側に泳ぎ,陰極の 地帯に大量に 集まる,電 ただ更に今期の 進んだオタマジャク シ では, 走電,性の陰極的相は 必ずしもはっきりしない。 い .@ 即ち陰極に向けて 泳ぎながら,それらはその 地帯に止.まらない。 後脚の出現は 陰極側への は, 特に, オタマジャクシ の反応の状況は 送電の万法 と 関連がある。 電圧の導入が 淀みなければ , 走電性の陰極相及び 陽極相はよく観察され 一方段階的であ れば,陰極相は 弱く現われる。 オタマジャクシ 及び色の稚伍に対する流れ の方向の影響は 類似している。 第 4 表から明 らかなよ に,上昇流の 場合のオタマジャク う 第3図 電場の淀みない 電圧上昇に 、ンの感受性は,下降流の 場合よりも高い。 走 電性反応中 ,我々はその陰極木日の閾だけを 分 一 h5 一 離した。陰極に向けての 運動は一般に陽極に 類の確呼 とした陰極走電性は 上昇流の際にに 向けて方向を取ることで終了する。 この転換 る。 オタマジ は自然の漉 泳運動の現われであ の個々の閾を 判定することには 成功しなかっ ャク た。 較白 シ の走電性の,まさに陰極的な 相は,比 電 9低い 電場 庄の際にだけ呪わ しより高 ォ い 電圧ては陽極指向が 見られる。 結 稚魚の神経系統の 構造についての 形態学的 =& am 資料が不充分てあり,時としては 完全に趺け 研究の結果走電性の 一定の変化は,水産 ており,研究される 現象の内部的な 要因は つ いて, より詳細に述べることが 出来ないと云 動物の器官の系統発生学的な発生の際のみな らず,個体発生の 場合にも生ずることが 判っ う ことを,記述しておかなければならない。 た。 魚類の稚魚や両棲類の幼生の 研究に当り, 文 電場内におけるそれらの 反応の全体的な 限界 献 Danyu Ⅲe G.P,, Shidlauskaite 同棟若干の差異が 見られる。 L. 1971, 電場内における 魚類及び水棲 無脊柱動物について。 伍類の稚伍の反応閾は比較的高い 。 例えば, バルト海沿岸内水面研究に 関する 第 XW 同学術委 円 4mm から31 一 32mm ま 員会資料。 Danyulite G., Shidlauskaite L, )972, 系 での) は,電場の電圧力 氾 . 3 一 0 . 5 一 0 . 8 V/ 統発生学的観点における 水棲動物の走電性の 特徴。 cm で電流を感じ 始める (流れの方向と 関連し 形態学的及び 進化的見よ 低 反射運動に関する 第1 て ), シチュカ の稚鮎 8 一 13mm) は電圧0 . 6 ゴリ ツ の稚魚(体長12 一 1.2V/cm 回合ソ 会議報告。 で感じ始める。電気麻酔は夫々 3.2 一 8.0V/cm cm のフ オレ リ Blasius でかかろ 。 若し成色 、 け 5一 20 ) で電圧 0 . 5 0 . 8V/cm t,opismus の際 Pfliigers@ Arch に 電気麻酔にかかることから 考えると。電気 捕獲時における 稚佳に及ぼす電流の 影響の可 首ヒ l生は些細なものと 思われる。 魚類の稚魚の反応と両棲類の 幼生の反応と の差異は,走電性の 現れ方の根本にあ る。 魚類の稚魚では ,描出の直後に ,陽極側に 同様陽極 方向を取り, 更に成魚におけると 走電性が支配的となる。 然しながら,ゴリ ツ やフオレ し の稚ぬ、 では,一定の 令期に,はっ きりした陽極走電性に 到る前の場の電圧のも 見られる。 とで,弱い 陰極側への指向が オタマジャクシ では,七 % 安的低い 電場電圧 のもとで。陰極側へのはっきりした 可動性が 見られそれは 高い 電圧の場合には ,陽極指 向で終る。 稚色の走電性の陰極的相は,何だか蠕虫類 の走電性を思わせるよ う に,オタマジャク 、ン では,はっきり 表われる。妖 しながら,蠕虫 一 56 E., SGhweizer undve,wandte 一 F. 1893.Elekt,0- E,sheinungen, Bd , 53
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