第16回 2012.10.26 胆嚢結石 胆石症の疫学 胆 石 症 ● 性 男性<女性 1.:1.5 ● 人種 白人>黒人 ● 民族 北米インディアンは胆石民族 マサイ族は胆石知らず ● 職業 座位者>肉体労働者 胆 石 ★痛みなどの症状を発症する人は、年間2~4% • 小さい胆石をたくさん持っている人 • 胆のうの機能が失われている人 • 若年者など では将来的に痛みを起こしやすいといわれてる 胆嚢結石の有所見率 健康診断受診者(無症候) 3.5% (5312人中) 病院受診者 21.1% (12946人中) 肝硬変症を伴う患者 31.1% (190人中) 辻本文雄編著 「腹部超音波テキスト」より 慈友クリニック ドック 2011年10月~2012年9月 3.99% (4、030人中 胆石保有者 161人) 東京都予防医学協会 2009年度 3.5% (20、417人中 胆石保有者 713人) 東北労災病院外科 胆石保有率が高い病変 胃切除後 (19~24%) 糖尿病 (17.4%) 肝硬変 (17.5%) 胆道疾患におけるB モード超音波診断 竹内和男 Jpn J Med Ultrasonics Vol.33 No.1 (2006) 二房性胆嚢 二房性胆嚢の胆石合併率が高い 二房性胆嚢は中隔形成,屈曲などの先天性原因や壁内結石,adenomyomatosis, 瘢痕形成などの後天性原因によって生じる胆嚢形態異常 胆嚢体部に内腔狭窄が生じて,胆嚢内腔がほぼ同大に2分されているものを hourglass gallbladder(砂時計様胆嚢) 胆嚢底部が病変により内腔狭窄を呈して,底部が憩室様形態を呈するものを Phrygian cap gallbladder Gallbladder is folded (a variation); Phrygian cap gallbladder in stone 42歳 女性 結石の5F 太っている (Fatty) 40-50歳代 (Forty-Fifty) 女性 (Female) たくさんお産をされた方 (Fertile) 全身状態良好( Fair) 胆石の分類 日本消化器病学会 胆 石 ●コレステロール系胆石(純コレステロール石、混成石、混合石)が70% 70% ●色素系胆石(ビリルビンカルシウム石(15%)、黒色石(15%)) 現在は黒色石が増加 東北労災病院外科 胆石症診療ガイドライン 日本消化器病学会 2009年11月25日 発行 胆嚢の走査 東 義孝 「今さら聞けない腹部エコーの基礎」より 肥満体 普通体 痩身体 多重エコーで底部が鮮明でない 超音波ビームを肝を通過して 見ると底部も鮮明 GB 通常の走査 肝を通して走査 肥満体者の胆嚢頸部 深部にあり、描出困難なことが多い 多方向や右前斜位走査が必要 右肋間走査では扇走査で門脈周囲をよく見ることが必要 最初に胆嚢を走査する理由 大きな意味での検査時間の短縮 胆石の場合ベッドに寝てすぐ見ると立位の状態とほぼ同じであるので 底部・体部にある場合見つけやすい 検査の中途で見ると頸部に移動して見逃す場合がある(特に肥満体者) 胆石の場合、最初の状態から最後にもう一度みて移動していれば 体位変換の必要がなく胆石に隠れて見えなかった情報が得られる 胆石かポリープか判断が出来ないような場合は最後にもう一度 見て動いていないようであれば座位やhand-knee positionをおこなう 直ぐに 体位変換はしない 粘稠度高い結石は直ぐには移動しない場合がある その都度毎に座位にしないまとめて最後に行う (座位走査を胆嚢で行い、そして又膵臓で行うでは効率が悪く、かつ時間もかかる 痩身体者では消化管ガスと重なって全体像や詳細を観察できないことがある 最初にある程度の観察・画像にとどめ最後にもう一度見ると消化管ガスが 移動して良好な画像が得られることが多い 胆石の場合ベッドに寝てすぐ見ると立位の状態とほぼ同じであるので 底部・体部にある場合見つけやすい 肥満体の胆嚢は腹壁に対し垂直なので、胆石は寝た瞬間に頸部に移動してしまい 検査の中途で見ると頸部に移動して見逃す場合がある 胆石の場合、最初の状態から最後にもう一度みて移動していれば 体位変換の必要がなく胆石に隠れて見えなかった情報が得られる 最初に走査 最後にもう一度 (9分後) 最初に走査 42歳 女性 6分後 8分後 痩身体者では消化管ガスと重なって全体像や詳細を観察できないことがある 最初にある程度の観察・画像にとどめ最後にもう一度見ると消化管ガスが 移動して良好な画像が得られることが多い 最初の走査 検査終了前の走査 最初と最後の走査で全く変化なし 胆石かポリープか判断が出来ないような場合は最後にもう一度 見て動いていないようであれば座位やhand-knee positionをおこなう 10.11.59 10.24.00 12分後 変化なし 10.26.10 体位変換 臥位→四つん這い 消失したがどこにあるか確認できない 10.27.20 直ぐに臥位にする そうすると描出される 最初の臥位の位置から移動 しているのがわかる 音響陰影が出現し、side lobeも認めて 結石と判別できる 10.30.15 小結石では音圧の弱い場所に存在する時は 音響陰影が出現しない場合がある 音圧の高い場所に存在すれば 音響陰影が出現する 粘稠度の高い結石 9分後
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