Vol.64 親友のギャラリーで出会った絵 2015年1月号PDFファイル

NJP メンバーの宝物
~メンバーが大切にしている秘蔵の品、それにまつわる思い出を紹介するコーナー~
Sema Castro "Flower of Paradise"
Vol.64
Vol.64 親友のギャラリーで出会った絵
~マルコス・ペレス・ミランダ
(クラリネット & バスクラリネット)
僕の故郷、カナリア島テネリフェ出身の画家セマ・カストロが描いた絵です。子供の時からの親友が経
営するギャラリーで、この画家の個展が開かれた時、一目で気に入って購入しました。友人がオーナーに
なったお祝いに、一度作品を買いたいと思っていたので、いい機会になりました。この絵は、彼を含めた
僕の home を思い出させてくれます。
Art は僕の「もうひとつの道」でもありました。芸術高校に通って音楽、美術両方を勉強していたので、
どちらに進むか迷った時期があったのです。最終的に、ロンドンで音楽を勉強するための奨学金をとるこ
とができ、音楽の道に進むことを決めました。
クラリネットを始めたのは 8 歳の時、両親から突然クリスマスプレゼントにクラリネットが贈られて
きたことがきっかけです。なぜかというと父方の曾祖父がクラリネットを吹いていたから。また祖父はカ
ナリア諸島で最も歴史のある本屋を経営していて、町の文化イヴェントに関わり、音楽家の知り合いも多
くいました。
音楽家になって良かったと思うのは、鳥肌の立つような瞬間を経験できること。聴き手としても体験し
ましたが、それ以上に多くプレイヤーとして体験しています。自分の job を通して感動できるのはラッ
キーだし、すばらしい仕事だなと思います。
スイスで日本人のフィアンセと出会い、NJP に入るために 2013 年に日本に来ました。初来日は、その
10 年ほど前、マーラー・ユーゲント・オーケストラのメンバーとしてです。でももっと前から日本には
縁を感じていたんですよ。
「SAINT SEIYA」
「Captain TSUBASA」
、ジブリなど日本のアニメが大好きだった
んです! いま日本に暮らして、NJP で演奏できることを嬉しく思います。NJP ではたくさんの新しいレ
パートリーに出会いました。その前にいたスウェーデンのオーケストラはオペラ管弦楽団だったので、ブ
ラームスやマーラーのシンフォニーなど大オーケストラの基本的なレパートリーを NJP で初めて演奏し
ています。日本語ももっと上手になって、仲間と会話を楽しめるといいなと思っています。