(第5回)の開催結果概要

第19期火災予防審議会人命安全対策部会防火安全対策小部会(第5回)の開催結果概要
1 日 時
平成22年6月10日(木) 13時30分から15時30分まで
2 場 所
東京消防庁本部庁舎7階特別会議室
3 出席者
(1) 委 員(敬称省略:五十音順)
小林 恭一、 佐野 友紀、 首藤 由紀、 関澤
森田 昌宏、 森宮
康
愛、 長谷見雄二、松尾亜紀子
(計 8名)
(2) 東京消防庁関係者
参事兼予防課長、予防部副参事(予防技術担当)、指導係長、予防対策担当係長、係員2名
(計 6名)
4 資料一覧
人命小防火資料 5-1:事例による防火管理等の検討と対策の方向性
人命小防火資料 5-2:火災避難シミュレーションの想定
人命小防火参考資料 5-1:駅前滞留者対策訓練の実施概要
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議事概要
(1) 事例による防火管理等の検討と対策の方向性について
〔事務局〕
資料に基づき説明
〔議長〕
議事について、意見をお願いする。
〔委員〕
資料の中の事例は、工事関係者がかかわっているものが半数近くあるが、責任の主体は工事関係
者と駅長等とどちらにあるのか。責任者には現場からどの様な問題があったのかの報告は上がっ
ていると思うが、消防から責任者に対して改善策を求めているのか。
〔事務局〕
工事関係者に責任はないとは言えないが、防火管理についての最終的な責任は防火対象物の管理
権原者にある。問題点については、その都度管轄する消防署で管理権原者及び防火管理者に対し
て指導を行っている。しかしながら、時間の経過とともに同じことが繰り返されることもあるの
で、繰り返し指導することが必要であるとは考えている。
〔委員〕
事例のような火災とテロ災害に対する対応は異なると思うが、テロ災害も考慮に入れているのか。
〔事務局〕
今回の検討では通常の火災を想定している。大規模なターミナル駅では都や区と連携してテロ災
害の対応訓練を実施しており、地震やその他の災害に対する体制づくりも指導している。
〔委員〕
事例の中で、火災の発生した駅に列車を停車させて避難誘導していたり、列車に乗客を乗せて避
難させているケースがあるが、通常の対応としては問題があるのではないか。
〔事務局〕
他の事例では列車を通過させているケースもあるが、火災の状況により判断し対応したと思われ
る。
〔議長〕
火災がぼや程度であったので、乗客が避難の必要性を感じなかったことから、駅関係者がそのよ
うに対応したものと思われる。
〔委員〕
屋内消火栓設備を使用した事例が1件しかないが、指導はしているのか。
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また、大学の消防訓練では学生に対して避難訓練を実施しているが、大学生ならば屋内消火栓設
備を使えるのではないか。駅員だけではなく、いざという時に屋内消火栓設備を一般人も使える
ようにした方が良いのではないか。
〔事務局〕
自衛消防訓練では屋内消火栓設備の使用を指導しているが、なかなか使用できない場合があるの
も事実である。
〔委員〕
資料の自衛消防活動事例は、複合化するターミナル施設の特徴を踏まえてプラス面やマイナス面
を整理した方が良い。また、出火場所がラチ内なのかどうか明示した方が良い。
〔委員〕
事例の駅の規模はどのくらいなのか、火災により影響を受けた範囲はどのくらいで、どの部分の
在館者が避難したのかわかると良い。
〔議長〕
次回の小部会で各委員の意見を踏まえた資料を提示してもらいたい。
〔庁内関係者〕
各委員の意見を踏まえ整理したいと思う。今回の資料の事例は地下の駅舎部分での小規模な火災
であり、影響が小さかったと思われるが、通報・初期消火などの実際の初期の対応はわかる。そ
れを踏まえて防火安全対策を検討していただくことが目的である。また、事例の駅の避難につい
ては、小規模な駅の場合は構内全体の旅客を避難させている。
〔委員〕
大規模なターミナル駅では、駅の外まで避難させることはできないし、避難させた場合は、かえ
って混乱が起こると思われる。
〔委員〕
工事関係で消防用設備等に支障があった事例があるが、情報の共有ができていない。そういうこ
とが事故につながりやすい。
〔議長〕
大きな災害は工事中などに発生している場合が多い。大規模なターミナル施設は何らかの工事を
している場合が多いので、ひとつ間違えれば大きな災害が発生することもあり得る。
〔委員〕
119番通報が遅いとあるが、通報のタイミングはどの時点が適切であるのか。大規模な施設な
らば、確認して通報するまでにある程度時間がかかるのではないか。
〔事務局〕
事例の場合、通報すべき時点で通報されていないため、遅くなっている。消防としては、火災を
発見後、できるだけ早く通報していただきたい。
〔庁内関係者〕
統計データから、建物の規模が大きくなればなるほど通報が遅くなる傾向がある。
〔委員〕
人間の心理としては、火災を発見したらまずは消火しよう考える。人を呼んで役割分担させるよ
うな対応を考えた方が良い。対策の面では、列車の運行の規制はどうするべきかなどターミナル
施設の特色を出したものとした方が良い。
〔委員〕
駅ならではのプラスの面、例えば放送での旅客の誘導になれているなどが、実際の火災での対応
に活かされているのか、また、商業施設の従業員の対応はどうなっているのかがわかる事例があ
れば整理してもらいたい。
〔委員〕
避難誘導対策のなかで、避難者に火災の状況、避難すべき方向等の情報提供を行うとあるが、大
規模なターミナル施設では、自分がどこにいるのかもわからないような旅客に避難すべき方向を
正確に伝えることは容易ではない。
また、旅客が火災を発見した場合、駅構内に駅員が見当たらないため、誰に言ったら良いかわか
らないということもある。
〔委員〕
資料のまとめ方はおおむね良いが、駅特有の課題をもう尐しプラスした方が良い。対策の方では、
商業施設の従業員を含めた自衛消防隊をどう活用するかを考えるべきである。
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〔委員〕
資料の表5の課題の中にキャリーバック利用者の増加があげられているが、事例の中では車いす
やベビーカーの利用者はどのように避難したのかというのはわからないのか。
〔事務局〕
事例の火災では記録がないため、詳細はわからない。
〔議長〕
具体的な事例に基づく、課題の整理は重要である。この議事については次回に継続としたい。
(2) ターミナル施設の火災避難シミュレーションについて
〔事務局〕
資料に基づき説明
〔議長〕
議事について、意見をお願いする。
〔委員〕
乗車人員は平均値としているが、想定の駅の商業施設の規模と比べると経済性の面から考えてあ
まり現実的とは言えないのではないか。
〔委員〕
ホーム及びコンコースの人員は、1㎡当たりで考えると0.2人となり、あまり混雑していないの
ではないか。大規模なターミナル駅の総人数がわかれば総面積で割れば、実際の密度がわかるが
想定の人員は妥当なのか。
〔議長〕
大規模なターミナル駅であれば、改札も1か所だけではない。想定の駅をひとつのユニットと考
えれば、それを複数合わせたものが大規模なターミナル駅と考えられるのではないか。
〔委員〕
シミュレーションでは定量的なものから定性的な課題がわかる。シミュレーションの目的をもう
尐し煮詰める必要がある。
〔委員〕
このシミュレーションでは定性的な結果が出ると思う。かなり具体的な設定であるので、個別の
階段の位置などのレイアウトによる影響と、モデル化されたホームとコンコースの状況による全
体的な影響が重なった結果となってしまうと思われる。単純化したモデルとした方が、単純に
「量」の影響をみることができる。
想定のなかで「避難誘導あり」、「避難誘導なし」のパターンがあるが、避難誘導には避難経路
の誘導と避難開始時間を変える誘導、例えば、商業施設の在館者と駅の旅客の避難時間をずらし
てそれぞれが交錯しないようにするなど2種類の誘導があるので、その点も検討する必要がある。
〔委員〕
シミュレーションで排煙設備や防火設備の効果は考慮しないのか。橋上駅であれば自然排煙も可
能であり、実際に設置されている。排煙なしの想定で実施して、厳しい結果が出た場合、排煙設
備を考慮した想定もやらざるを得ないのではないか。
〔事務局〕
今回は排煙設備を想定していないが、今後検討したい。
〔委員〕
煙が降下してきたら避難できないなど、ゾーンモデルをどう扱うか検討する必要がある。
想定の商業施設は避難方向が1方向しかないが、現実的にはあり得ないのではないか。
〔委員〕
課題を明らかにするために、防火安全対策がなされていない例として、やってみるのもいいので
はないか。
〔議長〕
もう尐し現実的なモデルとした方が良い。
〔事務局〕
各委員の意見を踏まえ、検討したい。
〔委員〕
シミュレーションを解くときには、ホームの人員も解く必要があるのか。ホームを境界条件とす
るならばホームの人員をもっと多くしてもいいのではないか。
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〔事務局〕
基本的にはホームからの避難も考えている。状況によっては、避難させずにホームに留めた場合
の影響を検討したい。
〔委員〕
ホームが地階であれば避難する必要はあるが、この想定の場合、ホームは1階で開放性が高いの
で避難する必要はないのではないか。
〔庁内関係者〕
ある駅の火災では2階が燃えて、煙が1階のホームに流れてきたということもあった。それでも、
危険性は低いので、わりきって設定した方が良いか。
〔委員〕
開放性の高いホームに煙が流れてきても危険性は低いのではないか。また、ゾーンモデルは使用
できない。
〔委員〕
地下のホームの旅客が上階の出火階のコンコースに逃げてくると大変なことになる。むしろ止め
なければならない。
シミュレーションではスプリンクラー設備は考慮しないのか。また、駅ナカの従業員と駅職員と
では、避難誘導の能力が違うはずである。シミュレーションで避難誘導の有無を考慮に入れるな
ら、両者の避難誘導能力の違いを反映させるべきである。
〔事務局〕
シナリオではスプリンクラー設備は考慮しない。商業施設の従業員による誘導と駅職員の誘導と
能力の違いをどう扱うかについては検討する。
〔委員〕
火災性状は空間と出火源の規模で、避難については人員で決まってくる。それらが実際の駅と同
程度であれば、平面形状が多尐変わっても、結果はあまり変わらないのではないか。
〔庁内関係者〕
ホームから避難してくるのではなく、火災の情報が伝わらないためコンコースに旅客が流入して
くるケースを、シミュレーションではどうように考えれば良いか意見をいただきたい。
〔議長〕
トラブルがあった時に駅のホームからコンコースまで旅客が一杯になっていた状況を体験したこ
とがある。そんな状況でも外から改札内に入ってくる旅客もいた。
〔委員〕
ホームから上がってきた旅客をUターンさせることをシミュレーションで再現させることは難
しい。
〔議長〕
モデルの駅を商業施設の配置状況のパターンで分けるなどして、もっとシンプルにした方が良い
のではないか。
〔委員〕
ワゴンセールがある場合のシナリオがあるが、ワゴンセールがない場合の方が当然結果は良くな
ることはわかる。むしろ、ターミナル駅らしいこととして、列車の運行規制がない場合のシナリ
オを実施した方が良いのではないか。
〔事務局〕
列車の運行を止めないと、善し悪しは別にして列車に旅客を乗せて避難させることも考えられる。
〔委員〕
うまく誘導して列車で避難させるのも一つの手段として検討するのも良いのではないか。
〔委員〕
そういうことであれば、ホームをシミュレーションで解く必要はない。列車が通過したり、列車
で避難させたりしてホーム上に誰もいないとするか、一定の人数がホームからコンコースへ流入
してくるとするかで境界条件と考えれば、計算がより簡素化できる。
〔事務局〕
まずは、駅全体の避難の想定で実施し、避難者の動きを見たいと考えている。そのうえで、火災
の影響を受けない場所は避難させる必要はないのかなどを検討したい。
〔委員〕
ホーム階での火災であればホーム階もシミュレーションする必要はあると思うが、コンコースの
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火災であれば条件設定としてホーム階の人員を考えれば良いのではないか。
〔委員〕
ホームが地階や開放性がないのならシミュレーションを行う必要があるが、モデルの駅の場合は
委員の言うとおりである。
〔委員〕
委員の言っていることは、ホーム上の旅客の動きをシミュレーションする必要はなく、コンコー
スに流入してくる人員を条件設定すれば良いということではないか。ホームの旅客の避難が必要
かどうかは別の話である。
〔委員〕
列車から降りた乗客がコンコースへ上がってきたり、煙が流れてきてコンコースへの人の流入が
止まるということなどは条件設定で十分であり、ホーム上の人の動き自体はあまり重要ではない
のではないか。
〔委員〕
ホームから避難させるのであれば、シミュレーションで解く必要がある。
〔議長〕
具体的にどのような駅のモデルとした方が良いか意見はあるか。
〔委員〕
旅客が通常利用する通路に商業施設が隣接しているようなモデルであると、商業施設で火災が発
生した際の課題を検討しやすいのではないか。
シナリオについては、シミュレーションで何を明らかにしたいのか、シミュレーションですべて
を明らかにするのか、目的を明らかにして、それに応じたシナリオを考えた方が良い。
ホームの旅客を避難させるのかどうかを、シミュレーションをして検討するのか。シミュレーシ
ョンをするにしても、境界条件とすることも可能であるし、いろいろな方法がある。
〔議長〕
ラッシュアワーの時には通常の状態でもホームに人が大勢いる。その時に火災が発生し、コンコ
ースに行けなくなった場合、すぐに人があふれかえる状態になる。そういうシナリオも考えてみ
てはどうか。
〔事務局〕
各委員の意見を踏まえ、小部会長と検討したい。
(3) その他
〔事務局〕
今後のスケジュールについて
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