ごみを減らそう 大作戦

4-②
ごみを減らそう
大作戦
教科
社会
総合
学習
家庭
【ねらい】
●干潟や海岸に漂着しているごみをどうすれば減らすことができるかを考える。
●ごみ処分場として干潟が埋め立てられることを知り、ごみ減量について考える。
【実施の条件】
●場所/
干潟・実験・教室・その他(
)
●所要時間/3時間程度
【用意するもの】
筆記用具、インターネットがつながるパソコン
【すすめ方】
①干潟や海岸に流れ着いているごみの多さに気づく。
②これらのごみはだれが捨てたものかを話し合う。
③干潟がごみで埋め立てられていることについて知る。
①のヒント
昔のごみに比べ、今
のごみは、種類や量が
増えていることに着
目。
④ごみを減らすための社会のしくみについて知る。
⑤4,5人のグループになり、ごみを減らすために自分た
ちにできることを話し合う。
⑥⑤で考えたことをグループごとに発表し、評価する。
⑦ごみを減らすため、個人でできることを毎日の生活の中
で実践し、さらに地域でとりくめることついて話し合う。
③のヒント
ごみを減らすことに
より埋め立てを防いだ
藤前干潟での例を紹介
する。
④のヒント
山口県 では 山 口ゼロ
エミッション プランや
リサイクルプ ラザなど
のとりくみがありま
す。
⑤のヒント
ごみを減らす ための
ポ イ ン ト 「 3 R」 を 説
明し、グループで話し
合って、自分たちにで
きることを考える。
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【指導者のための参考資料】
●昔のごみと今のごみ
昔のごみは台所ごみ(調理くずなど)や紙など、昔のごみは人工的なものであっても
天然の素材のものがほとんどで、時間がたてば分解しました。それに対して、今のごみ
は多くが石油製品(ビニールやプラスチックなど)で、自然では分解されにくいものと
なっています。
私たちの生活は豊かになり、物を大切にするという気持ちが薄くなり、便利さを求め
ることから、使い捨て商品の使用やビニール・プラスチックなどの容器があふれていま
す。さらに、ごみの種類も紙、ビン、カン、プラスチック、電気製品、自動車などさま
ざまなものとなっており、昔に比べずっと増えています。
昔のごみ
新聞紙、包み紙、みかんの 皮
野菜くず、生ごみ
など
最近増えたごみ
タバコのすいがら、卵のパック、スーパーの袋
紙パック、発砲スチロールのトレイ、洗剤のボトル
スプレーカン、空きカン・ビン、電池、粗大ごみ
など
出典:山口県環境「環境学習玉手箱、環境学習教材」ホームページより
(http://eco.pref.yamaguchi.jp/tamatebako/kyozai/index.html)
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4-② ごみを減らそう大作戦
●ごみの減量は重要な課題
山口県では、家庭や事務所等からでる年間のごみの総排出量(平成 12 年度)は 65
万トンで、1人1日あたり 1,115g が排出されています。これは、1日1家族あたり大
型トラック1台分ものごみが出ていることになります。これらのごみは焼いたり、細か
くくだいたりし、量を減らし処分されていますが、最終的には 15.6 万トンのごみが埋
め立て処分されています。
わたしたちはこれまでの生活で出された、たくさんのごみを処分するため、干潟など
の自然の海岸を埋め立て、多くの生き物のすむ場所をうばうことで大量のごみを処分し
てきました。しかし現在、埋め立て地へ受け入れることのできるごみの量も年々少なく
なっており、新たな処分場所が求められています。干潟など生き物のすむ場所をごみ処
分のための埋め立てから救うためにも、社会全体のごみの量を減らすことは重要な課題
となっています。
●藤前干潟の例
名古屋市では、ごみ減量により藤前干潟の埋め立てを防ぎました。その奮戦記が参考
になります。
本
出版物を紹介します
◆そして、干潟は残った−インターネットとNPO−
松浦さと子編/リベルタ出版/1999.10
藤前干潟の保全を求める市民らの活発なメールによる議論の全容が載っています
HP
ホームページを紹介します
◆藤前干潟を守る会
http://www.fujimae.org/
◆名古屋市ごみのページ
http://www.city.nagoya.jp/gomiinfo/index.html
◆愛知県地域資源アーカイブの中の藤前干潟についての情報
http://www.pref.aichi.jp/chiiki/LRDA/Da/da002/index.html
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●ごみを減らすための取り組み
山口県では、新しいごみゼロの社会づくりについての具体的な行動を促し進めていく
ため「山口ゼロエミッションプラン」が策定され、ごみを減らすためのしくみづくりや
とりくみが進められています。
HP
ホームページを紹介します
◆「山口ゼロエミッションプラン」の概要についての情報
山口の環境ホームページの中の「ごみゼロ社会をめざして」のページ
http://eco.pref.yamaguchi.jp/total/06_dust/index.html
●ごみのリサイクル
山口県における平成 12 年度のリサイクル率は 15.8%であり、年々増加してきまし
た。平成 11 年度時点では、全国平均のリサイクル率をうわまわっています。
山口県内には、燃えないごみを細かく砕き、鉄やアルミを選んで回収したり、自転車
を再生したり、リサイクル品の展示を行っているリサイクルプラザやリサイクルセンタ
ーがあり、リサイクルに関する学習や体験ができます。
◆山口県内のリサイクルプラザ、リサイクルセンター(4t/日以上)
名
称
所
在
地
能力(t)
岩国市中間処理施設
岩国市川西
25
熊南環境衛生組合資源活用センター
平生町曽根 433
4.9
徳山市リサイクルセンター
徳山市戸田 1800
20
新南高陽市リサイクルセンター
新南高陽市開成町地先(N6 埋立地)
山口市リサイクルプラザ
山口市大内御堀
17
宇部市リサイクルプラザ
宇部市沖宇部沖の山
70
小野田市リサイクルプラザ
小野田市小野田末広
−
萩市リサイクルセンター
萩市椿東 463
4.9
下関市リサイクルプラザ
下関市古屋町 1-18-1
113
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4
4-② ごみを減らそう大作戦
●ごみを減らすためのポイント
ごみを減らすためのポイントとして「R」ではじまる3つの行動があります。
リデュース(Reduce):いらないものの量を少なくする
ごみを減らすポイントは、ごみになりそうなものを
家に持ち込まないことです。そのためには、つめか
え商品を選ぶ、買う量を控えるなど、ごみとして出
す物を少なくしましょう。
リユース(Reuse):くりかえし使用する
くりかえし使いまわして、大切に長く使いましょ
う。使い捨て商品をさけ、くりかえし使用できるも
のを積極的に使いましょう。
リサイクル(Recycle):使えないものを再利用する
ごみを分別して出し、新しく生まれ変わったもの
を使いましょう。
リサイクルとは、例えば牛乳パックをきれいにし
てリサイクルに出すというだけでなく、それからで
きた再生紙のトイレットペーパーを利用すること
まで含みます。
注:3Rに「リフューズ(Refuse):むだな包み紙などは断り、最初からごみを作ら
ない」、
「リペア(Repair)
:修理して使う」を加えて 5Rとする場合もあります。
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●個人でとりくめるごみを減らす行動例
わたしたち一人ひとりの行動が漂着ごみ、しいては社会全体のごみの減量につながり
ます。わたしたちにできることについて考え、具体的な行動(3R の実行など)を進め
ることが必要です。
◇行動例:ものを買うとき
◆ほんとに必要かどうか確かめる(しょうどう買いはやめる)
◆ごみになるものは買わない
◆店でむだな包み紙をことわる
◆買い物袋は自分で持って行く
◆つめかえ用の商品があるものを買う(使い捨て商品は買わない)
◇行動例:ものを使うとき
◆広告の裏をメモに使う
◆タオルやシーツはぞうきん等に再利用する
◆大切に使い(長持ちさせる)、こわれたら修理する
◆食事の際、食べ残しをしない
◆リサイクル商品を利用する
◇行動例:ものを捨てるとき
◆外で出たごみは持ち帰り、捨てる
◆あき缶、あきビン、新聞紙、紙パック、ペットボトルは分別し、資源ごみとし
て出す。(リサイクルする)
◆スーパーでもらうビニール袋は捨てずに何回も使う
◆地域で新聞、空きカン、空きビンなどの集団回収を行う
◆親せきや知り合いと不用品の交換をする
◆不要になったものは、リサイクルショップやフリーマーケットに持ち込む
◆生ごみは土にかえす(肥料にする)
◇行動例:その他
◆捨てられたごみがあったら拾う(ごみはごみ箱に)
◆ポイ捨てをやめる(注意する)
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【ワークシート】ごみを減らそう大作戦
年
組
氏名
①昔のごみと今のごみでは何が違うのか。考えてみよう。
ふじまえひがた
②ごみを減らすことで干潟を守った藤前干潟 の事例を調べてみよう。
③ごみを減らすためのしくみやとりくみを調べてみよう。
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④グループで話し合って、自分たちにできそうなごみを減らすためのアイデアを「3R」
に分けて整理し、グループごとに発表しよう。
・リデュース(いらないものの量を少なくする)
・リユース(くりかえし使用する)
・リサイクル(使えないものを再利用する)
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⑤ごみを減らすため、④で考えたアイデアを家で行ってみよう。1週間やってみて、内容
の何がよかったか、わるかったのかを考えよう。
とりくむこと
やってみて、何がよかったか
気がついたこと、わかったこと、感想
家族の感想
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何がわるかったのか
⑥干潟や地域のごみを減らすため、学校や地域のみんなでとりくめることを考えてみよう。
とりくみ1
だれが
いつ
どこで
どのように
おこなうのか
おこなうため
の注意点
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とりくみ2