平成25年10月23日意見聴取会議の概要について(PDF:67KB)

青森市浪岡不燃物埋め立て処分場の適正廃止に向けた意見聴取会議概要
【目的】
青森市浪岡不燃物埋め立て処分場の適正廃止に向けた今後の取組を効果的かつ早急に実施す
るために必要な意見等を学識経験者等から聴取する。
【開催日】
平成 25 年 10 月 23 日(水)13:30∼15:30
【場所】
青森市役所第三庁舎 1階 会議室A
【出席者】
熊谷浩二(八戸工業大学大学院教授 社会連携学術推進室長)
八木美雄(公益財団法人廃棄物・3R 研究財団専務理事)
川本克也(独立行政法人国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター副センター長)
【欠席者】
檜垣大助(弘前大学農学生命科学部地域環境工学科教授)
福士憲一(八戸工業大学工学部土木建築工学科教授)
【事務局】
環境部
相馬部長
浪岡事務所市民課 角井課長
木村理事
清掃管理課
兼平課長
佐々木室長
鈴木主幹
加藤主査
田中主事
工藤技師
【聴取内容】
各意見聴取項目について事務局より説明の後、各専門家から以下のとおり意見を聴取。
(1) 三次調査及び水質モニタリング調査等の結果について
(2) 廃止に向けた基本計画の策定について
(3) その他
【発言概要】
(1) 三次調査及び水質モニタリング調査等の結果について
発言者
熊谷氏
発言概要
ホッとしている部分もありますが、基本的な流れとしては合理的な検討
が、市民と一緒に考えるためのデータ出しだとかコメントとしてはちょっ
となっていないかな、という観点からちょっと意見を述べさせていただき
ます。間違っているとか何かという話ではございませんので。
まず2ページ目、ところどころで出てくるのですが、
「高濃度」という話
と、「基準をオーバーしている」「超えている」という話、これは何か意図
があって言っていますか。素直に言えばいいのではないのか。
「高濃度」
「高濃度」と日本語だけ言うと、基準超過ではなくて、よく分
からないけど、すごいイメージのものという感じがして、何でこの日本語
を使っているのだろうか。
「基準を超えている場所」とか言えばいいのにな、
と思っております。
ついでにほかのところに移りますが、5ページ目、廃棄物組成で、
「多く
が土砂混じりの状態の分布」というのは、掘り起こし試験なので、覆土の
関係で土が多くなったり少なくなったりということで、決して「多くが」
というのは市民というか、私も最初、全域のことだと思ったのですが、違
いますよね。この掘った部分については、という意味なのだろうなという
ときには、
「多くが」という言葉は使わない方がいいかなと。覆土もきちん
としてあったのか判断できればそう書くべきですが、ちょっとあそこを見
ていたら、ただ土砂が結構混じっているということは事実ですから、その
辺りは言ってみれば普通の処分場並みの混じり具合じゃないかなという程
度かなと思って。ここに麗々しく書くのはどうなのかという気がちょっと
しました。
この結論は、イメージが、すべてのごみは地域の家庭から排出された廃
棄物と判断されると私は思っているのですが、多分あのとき立ち会った先
生もみんなそんな感じで、
「主体」と書くと、この世界、やっぱり「ほかは
何か」と聞かれますよ。ほかはなかったという判断はできているので。た
だ、やっぱり農家だから、マンションの1部屋だけで住んでいるようなご
みだけではないけれども、皆さん立ち会った方たち、この辺だったらこれ
ぐらいは捨ててあるでしょう、という感じの一般ごみだと理解しています
ので。
6ページ目、結論のところの重金属分布状況、「高濃度」という部分で、
これは技術的に書くには「高濃度」という言葉じゃなくて良いのではない
かなと思っています。というか、後の結論に絡むのではないかなと。今後
の基本方針の方にも絡んでいくと思いました。
7 ページ目の周辺地盤の透水性、これは良かった。こういう値になって、
きちんと再確認できたのは一番良いことだと思いました。これは後でどん
な方法で透水試験をやったのか教えてください。
8ページ目もこれも確認できたというのは良かったです。今回の調査の
一番というか、2つ目ぐらいの難問かなと思いますから。水の流れ、せっ
かくだからこの結論のところも、調査結果からこういうふうに「浸出水と
地下水はどちらも地形の傾斜方向に従って調整槽の方向へ流動していると
判断される」とか、後の方ではそう書いてあるのですが、この辺りでも、
この試験をやった結果、分かったことは「判断される」とか使っても良い
のではないかと思いました。
10 ページ目の自然由来の話は後で、多分計画の方で出てくるから、その
ときで良いですね。
11 ページ目の書き方ですが、浸出水と放流水の関係、「排水基準を下回
った」と「環境基準を下回った」という言葉、何か違う分かりやすい言葉
の方が良い。これ、この言葉で「すごい安全ですよ」
「何ともないですよね」
という表現を意図しているんでしょうけれど、ちょっとこの結論に出すた
めの調査結果のコメントとしてはもうちょっと工夫した方がよろしいかな
と。あと、やっぱり経時変化というか、これ、2回しかやっていないのか
な。前と後とか、その辺り、これ1回だけでしたか、やっているのは。
事務局
1回です。
熊谷氏
ただ、1回だけなのにあまり強い判断をすると、ダイオキシン類の数字
とかならどうなるんだという話も出てきますので、穏やかに書かれた方が
良いかなと思った次第です。
あと、12 ページ目は多分ほかの方も言うと思いますので、私の方からは
こんなコメントでした。
事務局
透水試験の方法についてご説明させていただきます。現地の地質分布と
して、上部に鶴ヶ坂層、下部に味噌ヶ沢層がありますが、鶴ヶ坂層で1回、
味噌ヶ沢層で2回試験を行っております。
試験方法については、パッカー法と言われる手法を使いまして、試験区
間としては、大体数メートルから長くて5メートルの範囲を試験区間とし
て選びまして、その上部にパッカーをかけ、そこに水を注入してどの程度
のスピードで水位が下がっていくかということを測定することによって透
水係数を算出いたしました。
熊谷氏
それで「10 のマイナス9乗」とか出たんですね。ありがとうございます。
八木氏
熊谷先生がおっしゃったことについて、私も同感でございます。
特に現場を見て、どういう廃棄物が埋まっているのかなと心配したので
すが、この写真にもございます3、4で、それで5の方ですね。ですから、
埋め立てられていた廃棄物というものは現地でつぶさに見たというか。20
年、30 年前の例えば飲み物だとか、そういうものが当時のものそのままが
埋められていました。そういうことで、これは家庭から排出されたものだ
なということを確認できたわけでございますので、そういう趣旨で熊谷先
生もおっしゃっておられますが、誤解のないような、埋められた廃棄物と
いうのは家庭からのものだという、この書きぶりですが、そういうことで
やっていただければと思います。「確認した」ということでございます。
それから、排水基準のところとか環境基準云々というのは、これはもう
少し書きぶりの工夫が必要かなと思います。しかし結果については、正直
なところ安心いたしました。
それから、10 ページ、地下水ですね。場外周辺における地下水水質とい
うことで、別添の4を見ても鉛が若干出ているわけですが、ここについて
は処分場由来ではないということですが、この地域の鉛の地質データのよ
うなものがあれば、そういうことで補完しつつ、この程度のものは出るん
ですよ、とした方が良いのではないかと思います。
それから、12 ページですが、ご説明にもございましたが、別添5で、8
月1日の地点②でダイオキシン類が 1.4 ピコグラムという数字が出ていま
すが、これはデータ的に見て、6ミリの雨が降ったというようなことがあ
って、土砂の影響、土砂というかSS(浮遊物質)分等の影響があったの
かなと。ただ、平均値で評価すべきものでございますので、こういう数字
になっているということはデータ的には安心したということです。ちょっ
と雑駁でございますが、感想を交えてコメントさせていただきました。
川本氏
最初の方の廃棄物組成調査関係ですが、パワーポイントでいうと5ペー
ジで、別添資料でいうと1ページです。この組成調査分析が地点A、B、
C、D、Eとなっていて、記憶によく残っているのが、7月の現地へ行っ
た際に一番長い時間滞在した場所が地点Bだったと思いますが、いかにも
野焼きじゃないけれども、火事ですか、記録に残っている火事というもの
があったということを思わせるような場所が地点Bだったと思うのです
が、まさに燃え殻、焼却灰が 78 パーセント。ただ、間違っていたらおっし
ゃっていただければいいのですが、別添1の方のデータを見ると、地点A
の方が廃棄物層、覆土ともにダイオキシン類の値が高いですね。1700 ピコ
グラム、1600 ピコグラムですから、これは 1.6 ナノグラム、1.7 ナノグラ
ムなので、廃棄物の処分基準の 3.0 ナノグラムに照らすと半分ちょっとと
いうことで、まさにダイオキシン類が生成したアッシュに起因すると考え
てこれは間違いないと思うのですが、ただ、パワーポイント5枚目からす
ると、地点Aは燃え殻、汚泥というのがほんの2パーセントということで
すね。
ここが何となくAとBの食い違いがさっきから気になっていたのです
が、データはこの通りだとすると、燃え殻、焼却灰が8割も占める地点B
でダイオキシン類が 12 ピコグラムと 75 ピコグラムということですから、
比較すれば相当小さい。特に覆土なんていうのは汚染がないような感じで
すよね。ちょっとこの辺の食い違いがどういうふうに説明できるのか。
関連して、組成分析のやり方として、3メートル、4メートルぐらいの
穴を掘られていて、そこからどういうふうに、どこからどうサンプルを取
って、この分析値というのは一体何検体の平均だとか、その辺りの具体的
なことがもしお分かりになればお願いします。
そういう目で見ると、地点Cというのはそこそこ燃え殻もありますとい
うことと、質問のついでですが、
「その他の可燃ごみ」とは、これは主にプ
ラスチックを言っているのでしょうか。これはどこでも出てきている鉛に
関係するかなという。レジ袋などから鉛が出てきて。多分顔料とかペイン
ト類に鉛を含んでいるためにそういうことになるのでしょうけれども、そ
の辺りの整合、照らし合わせができるかどうかというのが1つ気になりま
す。
ですから、ダイオキシン類については地点A・Bの、Bの方が 1700 ピコ
グラム、1600 ピコグラムだったら「うん」と思えるわけですけれども、ど
うも違うなと。Bは本当ですか。
それで、別添2の方に行くと、これはダイオキシン類が1ピコグラムを
下回っているから問題ない。前にも申し上げましたが、極めて土壌、有機
性のというか腐食質に富んだ土壌に対しては非常にくっつくので、そうい
う意味で、あと、透水係数が非常に小さいということを考えると土壌層に
強く阻まれて、そうそう出てこないというのは、これはもっともだと思い
ます。
それで、鉛なのですけれども、鉛がいずこも出てきているというのは、
これは廃棄物のどこから出てくるのかが分かるわけではないのですけれど
も、その他可燃ごみ、もしプラスチックが鉛の発生源の主たるものだと一
応考えると、地点Cというのはそれが非常に少ないので、地点Cの周りか
ら鉛がなおかつ出ているというのは多分B-4 とか、B-5 は出ていないです
が、B-5 の別とか、違うかな、ちょっと近くて……。地点Cに近いところ
で鉛が出てきているのは一体どこに発生源があるのかなというのがちょっ
と分からない点ではあります。多分鉛は色々なものに使われているので、
今私が言っているプラスチックという、
「犯人説」というのにあまり固執す
る必要はないように思うんですけれども、一応一番関係がありそうだとい
うことで。
それと、ひ素、ふっ素…ひ素が多分出ているのですかね。ひ素なんかは
天然由来がよく問題になって、ふっ素もそうですかね。基準を上回ってい
るということにはなっていますけれども、そもそもこの地域の天然、そも
そもこの地域のひ素、ふっ素といったもののバックグラウンドはどれだけ
だったか、以前の資料にあったのか覚えていませんので、そこのところを
少しおさらいしていただければと思います。
それで、透水係数はたしか青森・岩手県境で岩手県の範囲の土壌浄化な
どに携わったときに、透水係数がいつもm/sec(メートル パー セカンド)
で表示されるものと想定していますけれども、ここまで小さな、あのとき
も難透水性という特徴づけをして前へ進めたのですが、やはり 10 のマイナ
ス8乗とか 10 のマイナス9乗という、そこまでは小さくなかったので、10
のマイナス6乗ぐらいだったと思うのですが。ですから、相当水が通りに
くいので、逆に言うと、これはVOC(揮発性有機化合物)がないから、
今回適用するメニューにはならないと思いますが、
「吸引」という方法はま
ず無理だと。全くもって無理だと思います、この土地は。ということが1
つあります。
それで、場外下流でダイオキシン類が 1.4 ピコグラムですか、一番最後
の別添5、スライドで言うと一番最後ですが、まず環境基準というもの、
ちょっと私の理解が間違っていたら・・・こういう有害物質というのは1年
平均で考える。特に有害タイプはそうだと思うのですが、そうすると、1
年に1回、2回の測定だったら、それが年間平均になってしまうのですが、
要は言いたいのは、環境基準を上回る、下回るというのは年間平均で言わ
なければいけないはずなので、その辺をきちんと押さえていらっしゃいま
すかというのが 1 つあります。
それはそうとして、1.4 ピコグラムだとか、あと、地点①で 1.0 ピコグ
ラムとか出ていますね、8月1日と 27 日ですね。問題となっているところ
の水が集まって、最後出口のところで 0.5 ピコグラムを上回らないような
数字であったものが、地点①とか、あるいは②に来て、いつもではないけ
れども、0.5 ピコグラムから 1.0 ピコグラムぐらいになってきているとい
う、ここのところの原因が廃棄物以外と考察しておられるのか、そこのと
ころが何となくいやらしいなと。濃度は低いのですけれども。あるいは昔、
高濃度のものがまだ出てしまっていたときに底質としてここに溜まってい
るのかよく分かりませんが、その辺りの原因を今後考えた調査が要るのか
なと思います。ちょっと色々なことを言いましたが、以上です。
事務局
まず地点A・Bの濃度の違いに関してですが、地点Aについては昨年度
の汚染状況調査と同じ深度で同じようなダイオキシン類の濃度が確認され
ているので、これは妥当性、同一性が確認されたと考えております。
地点Bについては、汚染状況調査で 6800 ピコグラムというのが出た深さ
がおよそ4メートルぐらいでしたが、今回の調査ではもう少し浅い3メー
トルであるとか1メートル未満の辺りで調査しております。ただ、燃え殻
らしきところは取ってはいるので、なぜここが出ていないかというのは、
はっきりとは今の段階では言えない状況ではあります。
事務局
組成分析につきましては、まずバックホウを用いて掘削した廃棄物から
0.3 立方メートルのポリのバケツを満杯にしたものを 10 検体、無作為にそ
の中から抽出しまして、それらを3回ほどふるいを分けてふるい落としま
して、その中で残ったもの、通過したもの、あと、目視確認で判断したも
のといった組成の分析ということを行っております。
熊谷氏
可燃物、ブレンドとかなんかしてないですよね、多分ね。
事務局
ブレンドはしていないです。
熊谷氏
普通じゃないな。このごみは無理だろうな、ブレンドして。代表値にな
るようにとかいう操作じゃなくて。
事務局
純粋に。
熊谷氏
任意に 10 個?
事務局
そうです。
熊谷氏
その辺りを踏まえて判断しないとね。任意なんだね、これね、やっぱり。
事務局
そうです。
熊谷氏
ブレンドしろとは言いにくいしね、これをね。ブレンドにならないでし
ょう、大きい塊があったりだとかするので。
八木氏
でも、何となくこんな感じかなという、現場を見た感じはね。
熊谷氏
傾向はね。川本先生が言うように、ぴったり一致していないのでなかな
か複雑なところはありますが。
八木氏
代表的な組成を表しているのではないかと思いますけれどね。
事務局
それから、その他可燃ごみ、それからその他不燃ごみの内訳についてで
すけれども、その他可燃ごみとしては、ポリ袋、ペットボトル、プラスチ
ック容器、布類、紙類などの可燃分を分類しています。不燃分としては、
ガラス製品、ガラス繊維、瀬戸物、一部タイヤなどを含んでいるものも含
んで不燃ごみとしています。
事務局
まず、トレンチ(掘り起こし地点)Cになりますが、トレンチCのその
他可燃ごみの内訳としましたら、ポリ袋とポリタンク、それからプラスチ
ック製品、そういったものが実際には含まれております。直接的にそれが
鉛の要因かどうかというのはなかなか判断しづらいという気はしておりま
すが、実態的にはそういうものが含まれておりました。
B-5 のところで鉛ということで出ておりまして、ちょうどB-5 が東側の
谷の底部といいますか、谷の方に入ってきまして、トレンチのDの方が上
流部にもあるような格好にはなってくるわけですね。トレンチのDの方に
おいてもポリ袋やプラスチックボトル、ペットボトル、それからプラスチ
ック製品や塩ビパイプといったようなものも実態的に含まれておりました
ということもありますので、鉛が出たB-5 の上流側というとCとDという
ような分布になってきて、やはりその中にもプラスチック類等は混入され
ていたということは確認できておりますが、直接の因果というものはまだ
なかなか難しいところだなというところであります。
熊谷氏
成分分析結果は質量比だよね。体積比?質量だよね。重さを測っている
のではないですか?
事務局
重量です。
熊谷氏
重量だよね。だから見た目とだいぶ違うんだよね。比重がめちゃくちゃ
違うよね。燃え殻焼却灰の場合は 78 パーセントと、見た目は半分かもね。
ということだよね、見た目は。
現地で見た状況と結構違っているという部分もあるけれども、傾向はこ
ういう感じで出ている。そして 82 パーセントに見えない、体積は。
事務局
この処分場が作られる前に今のように調査をして作ってあったものでは
ないので、もともとこの周辺にどういう岩石だとか、水質がどういうふう
に重金属類を含んでいたかというのはデータとしては持っていません。な
いという状況です。
川本氏
この直近ではなくて、ちょっと離れた近郊のデータを持っているわけで
はないのですね。
事務局
補足して説明させていただきますと、今、日本海側を通ってくる鉄道の
拡張工事をやっておりまして、そちらはここのいわゆる地続きといいます
か、そちらの方についても一部工事の現場から、鉛、ひ素が出ているとい
うような情報がありますので、そういった意味では地形的に、直近とまで
はいかないのですけれども、いわゆる山並みの中でのところで出ていると
いう情報はありますので、そういった情報をできる限り手に入るものであ
れば、今後集めていきたいと思っております。
熊谷氏
弘前大学の檜垣さんなんかも持っていると思うけど、ぜひ集めてくださ
い。この後の計画に絡むので。ここは温泉がいっぱいあるところですから、
どこだって自然的という気はしますが、そこまで責任を持つのかなという
のがある、エリアとして。
処分場の中は絶対に、いじってしまったのだから我々がやるしかないと
いうところはありますけれども、その外側はどうなのだろうかというのは
ちょっと。
適正廃止のときのルールというのはまだそんなに確定していないところ
がありますので、議論が出るなと思います。
事務局
まず環境基準項目というのは、シアンだとか、そういったものは別にし
て、基本的に水質汚濁、水と大気については、環境基準は年平均で判断す
るものということで確認はしています。
それから、処分場から下流の沢水の状況についてですが、処分場から出
て、すぐ沢に入るわけですけれども、この沢の状況自体がかなり小規模と
いうか、狭い状況であり、さらに深さもないという状況で、採水の際には
十分気をつけてはいるのですが、底質の混入というのも一部可能性として
考えられるのではないかということで考えています。
熊谷氏
一番大事なというか、言いたかったことが。
6ページ目に、今回調査したら全地点において埋立基準を下回ったとい
うことを言いたいということになりますね。この結論を出すのに、先ほど
から言っている「高濃度」とかいうあの日本語は議論をしてくれませんか。
どういう意味で使っているのか。あと、
「基準値を超えた」というのは何と
なく市民の方も分かるかと思いますが、
「基準値を超えた」と違うのかなと
いう辺りをちょっとお願いします。
「高濃度」を変えたらどうか、何か良い言葉はないのか?それで使って
いるのかな。だって、埋立基準を下回ったということは大事なことであり
まして、こう言ってはなんですが、前のダイオキシン類だって、あのとき
はちょっと倍ぐらいになっているだけというような。人によって基準値の
考え方は多分この専門家の5人もそれぞれだと思いますから、これは熊谷
の意見ですけれども、基準値というのは目安でありまして、基準値をちょ
っと下回ればもう完璧に安全なんていうことはないといって環境研究所の
方も昔、
「基準値の半分以下なら大丈夫というのは自分も言えるけれど」と
か言っておられましたし、逆にそれをちょっと越した、倍になったからめ
ちゃくちゃ危ないという話も分からない部分がいっぱいありますからね。
特にダイオキシン類は。
ということなので、ちょっと言葉の使い方。ここはダイオキシン類が何
百倍だとかいうことが発端ですので、あれが記憶に残っているのではない
かなと思うので気にしております。ちょっとお願いします。
事務局
まず埋立基準で判断するということで考えてはおりますけれども、言葉
の使い方として、1900 ピコグラムという濃度が場内埋立地内を 135 検体で
調査したデータ上、1900 は特に高いという状況があったので「高濃度」と
いう表現を使っておりますが、この表現については今後十分検討していき
たいと思います。
熊谷氏
ただ、6ページみたいに、
「全地点において埋立基準を下回った」という
言葉を使わないのであれば当然良いですが、私としては、これは是非とも
見直しということも含めてね。なかなか市民の方には分かっていただけな
い。基準値の取り方が違ったのだというのをどう表現すればいいか分から
ないけれども。だから、安定になったとは言いながら、処分場に埋め立て
る分にはそんなひどいものを入れているわけではないよという。高濃度の
ものを入れたという認識はなかったのではないのかな、市としても、その
当時。
「意識はある」と受け止められますよという意味ですからね、先ほど
からしつこく言っているのは。
是非その辺りは今後の基本計画の方にも絡みますので、慎重に検討をお
願いしたいと思います。
事務局
少しコメントさせていただきたいのですが、我々の思惑といいますか、
思いとしては、
「高濃度」というのは簡単に言いますと埋立基準を超過した
場所、そのエリアを前回5地点選びまして、それでトレンチ調査をしたと
いうことでございますので。
熊谷氏
その言葉の方が良くないですか。
事務局
そうだと思います。
熊谷氏
絶対そうは取れませんよ。
八木氏
これはあれじゃないですか。地点A、地点Bで。
熊谷氏
調査した結果、大きい値が検出されたとかいう意味を「高濃度」の 3 文
字でやったら、違う意味に取られますよ。
八木氏
最初に埋立基準を下回ったと言って、次に地点Aで、地点Bで、確認さ
れたとか、確認されてないという、こういうことをしているから、
「何か埋
立基準を下回った。だけど高濃度が確認された」ということなので。
だから、最初に地点A、地点Bのことを書いて、地点Dも書いて、最終
的にこういうことになったのだということを書いた方が分りやすいのでは
ないですか。
最初に結論を出しておいて、高かっただとか、低かったとか、検出され
なかったと、こう言うから、何か熊谷先生がおっしゃっておられるように、
市民目線から見るとね、大丈夫と言いながら、いや高いのが出たとか、誤
解をされる向きがあるのではないか、ということじゃないかと思います。
熊谷氏
誤解ではないです、錯覚されるので。みんな正しいことは正しいのだけ
れどね。間違っているという話ではないです。
(2) 廃止に向けた基本計画の策定について
発言者
熊谷氏
発言概要
Q&Aで行きましょうか、今度はね。2ページ目、3ページ目の本数が
増えたけど、基準超過というのは何本、何本と書いてあるが、これは前は
超過したけれど、次はしていないのだとか、何かトータルが増えているの
と、こちらの数が、追加調査したところが全部超過しているというような
読み取り方でよろしいのでしたか。この2ページ、3ページの赤字で書い
てあるところは。
事務局
24 年度は一次調査、二次調査がありましたけれども、それらをまとめて
の本数となっております。25 年度につきましても、本年度やった調査のト
ータルがこの地点、というふうになっています。
熊谷氏
24 年度でやったやつも調査しているのですよね。だから、本数が増えて
いるのですね、調査地点数が。
事務局
調査地点数ですね。はい、そうです。
熊谷氏
私の質問は、地点数を増やしたところが全部超過しているのかと。この
数字ではちょっと分からないのですよね。「13 地点で超過」と書いてある
のが。これ、ばらついているんじゃなかったでしたっけ。
事務局
そうですね、はい。
熊谷氏
結構大事なデータなので、特にボーリング調査関係は廃棄物地盤のばら
つきを表現しているようなものなので、これは何かうまく表現できないか
なと。追加したけれども、超過していないのもあれば、前は超過していな
かったけれども、もう 1 回やったら超過したとか、色々なことが多分見え
るはずですので。
すみません、今、頭の中の記憶だけでしゃべっているので、その辺りが
初めての人でも分かるようなものがあった方が、私もまた半年後に言われ
たときにはごちゃごちゃになるので、ぜひお願いしたいなと思います。
続いて5ページ目、考察で、1つ目は良いですが、2つ目は、
「居住の実
態がないことから」というのは言わずもがなじゃないかなと。これはどち
らかというと調査した結果、影響を及ぼしていないよということで、人の
健康というのをここで言わなきゃいけないのですか。ここはとにかく処分
場の影響で水質汚染、地下水汚染をしていないよという結論を書けばよろ
しかったのではないかと私は見ていますので。調査目的もそうだったはず
で。コンサルさんは分かるけど、健康への影響とか言ったらまた違う視点
から出てくるはずなので、この表現はちょっと勇み足というか、言わずも
がなを書いちゃっていませんかね。口頭で言うのは構いませんけどね。自
然状態と全然変わらないのだということですよね、2つ目は。お願いいた
します。
3番目の項目は先ほどとも絡みますが、
「自然由来要因を追求、監視して
いく必要があるものと考えられる」というのは、これ、市の考えなのか、
今のルールでこうなっていますかね。これ、場外の話ですよね。八木さん
と川本さんに聞いてもらって。トンネル工事とか道路工事のときは必ず、
いじったら絶対に自然由来であろうと何だろうと処理しろというルールは
ありますけれども、ここの場合は手をかけていない、ボーリングはしてい
ますけれどね。その辺りでどう判断するかというのは検討していただけれ
ばなと思います。
4つ目は非常に良いのですけれども、すべて埋立基準を満足しているけ
れども、この辺りが日本語として初めて読む人はこれで納得なのだろうか。
さっき八木さんも言っていたけれど、
「埋立基準を満足しているけれども対
策が要るよ」という日本語が入っているので、ここも1つの文章じゃなく
てやるべきじゃないですか。
最後が、これで「安全対策を講じる必要があると考えられる」というの
は、工事のときやるべきで、独立して述べる必要があるのかなという感じ
はしましたけれども。やっぱり大事なのは環境に悪影響を起こさないとい
う方が、これはあれですよね、滑ったり色々やばいところもありそうだと。
どちらかと言えば放置していたツケが回っているだけで、何も今じゃなく
ても、いつだってやらなければいけないことと、逆にこれは早くやってく
ださいよとなりかねないですよ。
「調査したからこれが分かった」という考
察の部分に入れてはいけないという気がしますけど。今までやっていなか
ったみたいな話になりますから。
6ページ目の一番下の「ただし、対策工を講じるべき課題が残る」は、
具体的に何ですか。説明をお願いします。
事務局
これは、後ろの方の対策工のところで出てくるのですが、対策工3つの
パターンの中の「一部撤去」と「全量撤去」というのがありました。そう
いった撤去についても課題が残るということです。
熊谷氏
ここは「悪影響は与えていないものと考えられる」の次にそれが来るの
は、だから考えていないのでしょう?やっぱり。
現状はまぁ、悪影響がないけれども、取り除く部分があるのだというの
が今回の調査で分かったという意味なのかな、ここ。ちょっとその辺り、
意味不明だと思います。先ほどから言っていますが、言葉で聞くとなるほ
どと分かりますが、日本語になっていませんよ、頭の中のものが。
事務局
そうですね、言葉足らずのところが多々あります。
熊谷氏
論文指導みたいになって申し訳ありません。
事務局
今回、最終的にはきちんとした報告書の形で基本計画は取りまとめるこ
とになりますので、とりあえず今回はポイントだけを絞った形の表現にな
ってしまっているので、非常に分かりにくいところは多々あるかと思いま
す。
熊谷氏
そういうのはポイントとは言いませんけど。
事務局
今回これを示したのは、要するに現時点での調査の結果からすると周辺
への影響はほぼないだろうということは言えるかなと。
ただ、「高濃度」という表現が今回こちらのペーパーにも出ていますが、
いわゆる埋立基準を超えている箇所がいくつか見られると。それを放置し
たままで良いのかという 1 つの課題として、こういった対策を講じるべき
課題が残るのかなというふうな表現にさせていただいたというところでご
ざいます。
熊谷氏
クライマックスに向かって少しは出していった方がよろしいと思います
けれどね。有害なものは撤去した方が良いのではないか。有害というかな、
基準値をオーバーしているのは判断してと。それも施工のときにまたやら
ざるを得ない調査だと思います。
7ページ目の基本方針ですが、②、③、④は立派だと思います。是非こ
ういう方針でやっていただきたいということですが、①はニュアンスは分
かりますが、早期適正化対策は相手が分からない廃棄物地盤相手なので、
ここは調査結果をもとに施工計画をきちんと立ててやるものの、見直しな
がら、最大の方法でやっていくという形でないと、これでは新しい処分場
を作る方針と一緒ですよ。新しい処分場を作るときに適正に早く作ります
というのは正しいですけども、今回みたいにばらつきがあるころですから、
調査しきれないところは施工しながら、ほじくりながら見ていくというよ
うなことでございますので、その辺りは慎重にやるという文章の方が適正
廃止には適しているかなと思いました。
⑤は先ほども言いましたが、これも趣旨が私には分かりにくいので、こ
れは当たり前で、何で⑤は。これは①のコメントと一緒なのかなと。今言
ったように、見直しながら現場条件に合わせながらきちんと施工しますよ、
対応しますよという意味なのか。ちょっと趣旨が、ここの日本語の1行半
は。何かあれば答えていただけるとありがたい。
事務局
⑤に関しては熊谷先生がおっしゃった、要は見直ししながらやりますと
いう意図を、どうしても地質上、何が出てくるか分かりませんので、表現
上、
「地理的条件」という言葉が適切かどうか分からないですが、そういう
意味でここは書かせていただきました。
熊谷氏
地域状況と地理的条件と言ったら、ちょっと今の……。やはり直してい
ただければと。ここにいる方たちが2年も3年もの施工だとかいろんなこ
とに関わっているかどうか分からないので、残しておくものにはきちんと
して。
それこそ私は市民、市民と言っていますが、実は違います。新しく転勤
してきてこれを担当する方も含めて。結局知識ゼロとは言わないまでも、
2、3割しか知らない人が来るという前提で言っているので、と思ってい
ます。
8ページ目、こういう考えで、あとお二人もいるし、今日欠席の方もい
るので色々あると思いますが、私としては現地に合った合理的な案だけで
勝負してほしいなと思っております。
川本さんの方が得意かもしれないですが、不法投棄は大規模なやつがあ
ちこちであって、田子と豊島は全量撤去のお金は出ましたが、今は有害物
質とか、下手すると特管の廃棄物(特別管理産業廃棄物)を撤去する金は
半分面倒を見るとか、3分の2面倒を見るけれど、あとはそのままにしな
さいという流れで。たしかこれ、法律になっているわけではなくて、運用
ですよね、あの時限立法の話は。10 年先まであるけれども、豊島と青森・
岩手以外は駄目よ、これ適用しないよという話は聞いていますので、そう
いう時代に、先ほど言ったように地域の家庭から出てきたごみという結論
を出したのはここなんですよ、私としては。
何か悪意の第三者が不法投棄したような現場とはわけが違うので、ちょ
っと全量撤去というのは合理的なのかどうなのか。青森市さんは、ほかに
大規模に捨てられる処分場を持っているから、そうは言いながらやっぱり
ほかのところが真似はしないと思いますが。それと、やっぱり私が思って
いるのは、悪いものをそこから取り出せばどこかに持っていかなきゃいけ
ないじゃない。市内に処理可能な民間の施設があるとはいうものの、それ
以外のものを全部あそこでやるわけではないので、やはりごみをあちこち
に運ぶというのは極力避けるべきというのが私の意見で、これは多分専門
家5人とも違う意見があると思いますが、私の意見でございますので。
あと、9ページ目の表の中で、色々ありますものの、お金じゃないだろ
うというところもありますので、ちょっと……。さっきの方針の方にも書
きましたけれど、適正に見直しながら、時間はかかるかもしれないけれど
も確実にやらせていただきますという方が納得してもらえるのではないの
かなと。
あと、9ページの表の3つ目のデメリット、「高濃度汚染原因」、これは
「高濃度」は変えるにしても、埋立基準以下のものは従来のままにしてい
て良いのではないかなと思っています。これは「長所短所」というよりは、
「特徴」という方がよろしいような。新設だとこうやって○×つけたり、
長所短所で、
「この現場にはこれが一番」と、何かの思惑も入って、どこか
を◎にするという流れはありますが、フローの方が良くないかな。こうい
うことで調査結果で悪影響がないから当座の応急処置は要らなくなったと
いう。遮水壁とか何とかというのは要らなくなったという辺りも含めて、
きちんと対応は、やっぱり有害物質の撤去。ただ、有害物質も川本さんが
言うように、もう1回きちんとやらないと、どこまで、ここまでが有害だ
というのを勝手に決めるわけにはいかないので。結構大きいところまでや
らないといけないと思っています。まあ、問題点。
あと、最後にコメントです。全量撤去しても、相当下の方まで染みてい
るので、これにはならないなと思います。廃止手続きはすぐにして良いの
かな。良いとは思いますけれども、多分2、3割増しの、下の、豊島は7
メートルだし、田子は2メートル下まで掘っていますからということであ
ります。最後の方はコメントでした。
八木氏
私も5ページの考察のところですが、2つ目のところで、
「処分場直下の
居住実態がないことから人の健康へ影響を及ぼしていないものと判断でき
る」はいかがなものかなと。もし書くのだったら、
「居住実態がないことか
ら」を削除しつつ、
「生活環境保全上は支障が生じていないのではないかと
判断される」。「判断できる」ではなくて。1つ目のところは「される」で
しょう。だから、
「支障が生じていないものと判断される」と結論を持って
いった方が良いと思います。
それから、3つ目、最終的にどういう表現にするかですが、
「自然由来要
因を追及」ではなくて、書きぶりですよ。ここの部分のところだけですが、
「自然由来要因を解明し」として、
「追及」というと何か追っかけまわすみ
たいな。解明して、要するにこれは自然由来で、ひ素も出る、ふっ素も出
る、鉛も、温泉地があればそういうものが出る可能性もありますから、そ
ういうことを解明してということだろうと思います。
その他、熊谷先生がご指摘になった点はもっともだと思います。
対策工の方針について、8ページですが、やはり結論をつけた方が。こ
れでどうでしょうかという方が。確かに3つ出せば、また議論がそこから
再発して、どうするのという話になって、またもう1回このような検討会
を設置して検討しようかみたいなことになるので、ここは腹を据えて、ガ
ツンと、こういうことでやると。
ただ、そのときに施工に当たって何か色々出てきたら、その都度またレ
ビューするというか、きちんと見て、施工方法の見直しも含め何かすると
かですね。モニタリングは絶対ですね。そういうような何段にも何段にも
重ねてする方が良いのではないかなと。1つということで方向性を出した
方がいいと思います。
それから、私もあまり経験はないのですが、昔、水の関係をやっている
ときに、言葉尻、言葉ですが、基準は下回っているのだけれど、より安全
性を高めるという表現、より生活環境保全上支障が生じる恐れを低減化す
るという、そういう観点に立って、平たく言えば住民の方々の健康という
言葉で、生活環境を守るのが使命なのだから低減化するという観点で、一
部ちょっと出ているようものがあるので、さらにそれを徹底させるために
こうするという、ちょっと結論的というか、方向性をきちんと出された方
が、高濃度だとか環境基準だとか何かと言う前に十分やりますということ
を書かれた方が、対策工のところですね。基本方針のところに書かれた方
が良いのではないか。感想めいたコメントを申し上げましたが以上です。
川本氏
私の方からは、パワーポイントの5ページの 25 年度調査結果を受けた考
察のところで、最初の項目に「処分場流域外への流出はない」という表現
があって、ほかにもこういう表現がどこかにあったと思いますが、流域外
への流出がないということは何をもってそう言えるのでしたっけ。
放流水で調整槽に導水、放流されており、放流水にいまだかつて有害物
質の検出が認められたことがなかったことをもって言っているのでしたか
ね。何をもってこれを表現しているのか。
事務局
まず「流域」という考え方ですけれども。
川本氏
流域という定義が1つよく分からない。
事務局
定義は、処分場を通して下流の沢を含めた部分を流域というふうに。
川本氏
そこの辺りを「流域」と呼んでいる。
事務局
その外なので、地下水の流れだとか、そういった地形地質上の状況から、
この沢沿い以外の例えば隣の沢だとか地下水を通して違う地下の場所への
処分場からの影響、流出というのはないと判断できるという意味です。
川本氏
「処分場流域外への流出」というのが、どこで出ていないことをもって
それを言っているのか、多分曖昧なところを少し残しているように思って
聞いていました。
それで、居住実態がないということを強調して、だから健康、人がいな
ければ人の健康なんてそもそも出ないわけなのですが、それはそれとして、
例えば吉野田新溜池と読むのですかね。ここの水利用は。言いたいことは、
人が住んでいない場所、でも水をどこかで利用しているとしたら、そこへ
の責任は生じるように思えるのです。例えば、田んぼに溜池から水を利用
しているとか、まぁ分かりませんが、そこら辺まで含めた配慮というのは
要るのではないかなと思いました。
そうすると、考察がどう変わってくるかが今にわかに想像できませんが、
ちょっと狭い範囲に記述が留まっているんじゃないかなと思います。
3項目目の「自然由来要因を追及」というのが、さっき先生がおっしゃ
ったように、具体的に何についてどういうふうに、というのがこの後につ
いてくるので、そうすると、さっき言いましたように、ひ素・ふっ素みた
いなものの新たな周辺を含めた調査が必要になるかもしれないとかです
ね。やはり、考え様によっては次のアクションが付随してくるので、そこ
のところが覚悟して書かないといけないと思います。それだけの覚悟を持
ってお書きですか、ということですね。
あと、今のところ多分ないのだろうなと思うのですが、青森・岩手の初
期のころは特段何も挙がっていなかったのですが、1,4-ジオキサンが出て
いるんです。それに結構苦労しているのですね。あるときポッと出てきた
わけでもないのですが、後半になって 1,4-ジオキサンで難儀しているので、
あるとき 1,4-ジオキサンみたいなもの、何か分かりませんが、これまで溶
出してこなかったものが溶出してくる可能性があります。そういうことに
じゃあどういう備え方があるかと言われるとそこは分かりませんが、これ
まで認めていないものが浮かび上がる可能性も無きにしも非ずということ
ですね。その辺りを考える必要があるかなと思います。
それで、対策としては、私も結論はすぐには言えないのですけれども、
もちろん全量撤去は必要ないと思うのですが、そもそも埋立地なんですよ
ね。だから、一部基準を超えている、例えばダイオキシン類で言うと 3.0
ナノグラムを超えているようなものがある、塊として存在しているところ
を指して、もしあるとするとそういうことになるのかもしれませんが、そ
うすると、でもそれは特定するにはもうちょっと調査が要ると思いますし、
結論をこの場では申し上げられないのですが、なるべくモニタリングを中
核にしてやっていくのが、現実を考えると良いのではないかと思います。
あまりはっきりしたことは言えませんが、もう少し議論が要るかなと思い
ます。
以上ですが、あと鉛が色々なところで低濃度でもあるけども出ているの
で、それを見守るだけなのかどうするのか、重金属のバリアみたいなもの
を設けるか、そこまでやる必要はないか。まだ考えるべきことはあるかな
と思います。
八木氏
川本先生がご指摘になった5ページの環境基準の点ですが、環境基準と
いうのは生活環境保全等、支障が生じないように、ちょっと私も環境基準
の告示のところの文章が手元にないのであれですが、一応建前とすると、
環境基準を満たしておれば生活環境保全には支障がない。
ただし、過去において、先ほどのデータも沢水のデータですか、下流の
方に行けば行くほど、例えばダイオキシンは下がってくるのだけれど、処
分場近くのところで高いところもあるというようなところなので、現状は
良いのだけれど、環境基準でね。だけど、過去、ひょっとするとこうなっ
ていたのかもしれない。それが沢水のところで底泥というかね。そういう
ようなところでまた再溶出するという感じのこともあるかもしれないか
ら、そこは当然、処分場だけでなくて、周辺も少し触ると。そういうこと
になるのではないかな。
だから、言葉は法律に基づいて、告示とか、それに書かれているところ
をしっかりと押さえて書かれた方が良いと思います。
熊谷氏
川本先生のお話を聞いて、私も小規模だけれども、ごみ処分場をいじる
やつを2、3箇所見ていると、いじると必ず影響はありますからね。そん
なに激しくはないけれども、やっぱり影響はあるということで、表の中に
も「活性化」という表現を使っているけれど、活性化というよりは、いじ
るとミズミチが変わったり、色んなことが起きますので、今まで良かった
ものが、ちょっと上になったりとか、ドキドキしないように、そこは。だ
からモニタリングは必須というのは本当に。
今回、掘り起こし試験の後は水質調査やっていましたか、時間別に。や
っていない?
事務局
やっています。
熊谷氏
そのときに影響はあまりない?
事務局
なかったです。
熊谷氏
ただ、こう言ってはあれだけど、一応は安定化している廃棄物層をいじ
るということは、また色んなことが、今まで調査した結果と違うことも起
き得るということで、さっき言った方針の中に様子を見ながらやっていく
ということで。
工事のための遮水壁は県境ではやっていますけれどね。あの辺りも今後
やっぱり、私もそこまでは言えない。やった方が良いというのはいっぱい
ありますけれども、さっき言ったような部分で、市としては腹をくくって、
未曽有のことが起きたときは対応を取ると頭の中はやっておくけれども、
当初の設計はこれだというふうにして。やっぱり新設工事とはわけが違う
ということだから、是非考えていただきたいと思います。
(3) その他
発言者
事務局
発言概要
1つ教えていただければと思うのですが、先ほど来、自然由来の追及と
か解明という表現に多少整理した方が良いのではないかとか、削った方が
良いのではないかという話が出ましたが、他の自治体の事例を見ると、や
はりひ素、ふっ素より鉛が相当場外に出ている事例というのが多々あると
いうことと、その大半のものが、例えば自然由来と。
特に環境省が出されている「アペンディックス」というガイドラインみ
たいなものを見ると、いわゆる廃棄物本体から特に鉛については 50 年ぐら
いたっても 100 メートル以上は拡散しないとか、そういった事例も出てい
たりとかして、我々として今回一番注目せざるを得ないのは場外の鉛とい
うのが果たして本当に廃棄物由来なのか、自然由来なのかというところは
ある程度調査は必要なのかなと思っておりました。
ただ、現実的に他の自治体さんを見ても、鉛が出たからといって何らか
の対策をしているかということではなくて、ほとんどが地下水の利水自体
に制限をかけているとか、そういったものがほとんどの状況だということ
もあって、まずはなぜ廃棄物、要は自分たちの地域から鉛が出たのが処分
場のせいではないかという、その辺の市民の不安なところの要素を少しで
も払拭していくためには、多少なりともそういった事例を含めて検証せざ
るを得ないのかなと。その中で、ほかの自治体では鉛の同位体調査をやっ
たりとか、さまざまな調査をやりながら、総合的に自然由来かどうかを解
明していくというふうなやり方をしているというのは我々も勉強させてい
ただいていました。
そういうところで、ここは「追及」という表現にさせてもらったという
ところではあるのですが、実際問題、これから自然由来かどうかをここの
地域でどこまでやるかというところは本当によく分からないところもござ
いまして、今後も含めて、少しご指導いただければと思っておりました。
熊谷氏
では、ちょっと私から。処分場の中の鉛は処理しなければいけませんか
ら、基準値以上だったら、自然由来だから許されるとか何かはありません
のでという、ルール上ね。ただし、ほかの自治体であまり手つかずという
辺りは運用の部分かなと思いますが。
今回ここは、一部分は有害なものは撤去というのだから、調査結果をも
とにやるしかないですね。
事務局
場外についてです。
熊谷氏
場内でしょう?
事務局
いえ、場外です。
熊谷氏
それはもうちょっと調べてもらったり、近隣のやつだとか、あとは檜垣
先生などの知見で。私も知っているのは、八甲田トンネルのやつはありま
すし、ほかでも・・・。
すみません、私は八戸なものだから、あっちの地区のトンネル工事では
調査して、微妙なところはあるというようなことでありますけれども、た
だ、はっきり言ってトンネル工事と処分場の場外は全然違うと私は思って
いますが、その辺りは私よりは川本先生じゃないかな。
これはそんなにルールはないと思いますよ。だから、今言ったように、
環境基準じゃありませんけれども、悪影響がなければ良いよと。だって大
昔からあるようなものの場外の話ね。それを市が今更やるということは要
らないんじゃないかなと。これ、意見聴取会だから、別に委員会の総意と
かではありませんので気楽に言っていますけれども。福士先生も一生懸命
重金属関係をやっていますが、今北海道新幹線で。すべてトンネルですか
ら。処分場の場外にあるものをどうしようという話は私は聞いたことがな
い。そういう考えで、常識的な判断でよろしいのではないかと思います。
八木氏
私、昔、水道もやっていたものですから、そのときのことをだんだん思
い出してきたのですが、要するにこの処分場のところは不透水層というか、
難透水層というか、この流域外にはこの水は行っていないということにな
れば、そこにおける鉛の存在については、今度は飲み水の基準があります
から、そうすると、そちらのサイドでこの地域の井戸水を使うのはやめな
さいよと、そういう指導になるのではないかと思うのです。
だから、廃棄物セクターの方が責任を取ることではなくて、市の中で連
携して、その周りの、それが自然由来であるとすれば、当然ながら指導し
ていると思いますので、あまり鉛の濃度が高くなくて、飲み水の基準を超
える部分については水道の水を使いなさいとか。井戸水は飲まないように
して、それは例えば散水とかそういうのに使いなさい、直接飲んでは健康
影響を与えるからと。だから、そこは連携するということで対応された方
が良いのではないか。
熊谷氏
時間がないので最後に。
もう見ているかもしれませんが、
「処分場適正廃止」で検索してみたので
すが、やると青森市さんがいっぱい出てくるんです。ダーッと出てきて。
その後に適正廃止のマニュアル案か、環境研究所のどなたかが出されて、
3人ぐらいでやっているやつであるんだろうなと思うけれど。妥当にやっ
ていますからね。その手順どおりやっていて。その後に、何とか大学・・・
そんなにいっぱいないので、これを一生懸命やっているところは。北と真
ん中とここですから。そういうところが研究としてやっているという。
もし部長も時間があったらそうやって、そういうレベルのことで、なか
なか、逆に言うと青森市のやり方をみんなが注目しているということだと
思って。やっぱりそこは常識的に考えたり。ルール違反は絶対に我々も止
めますけれども、それ以外だったらあまり過剰反応をしないで、様子を見
ながらコツコツやっていくと。やっぱり廃棄物地盤、私は地盤から入って
いって廃棄物までやっていますけれども、とにかく県境でもそうですけれ
ども、ボーリングも2メートルずれたら全然違ったりとか、人為的に捨て
ているものだから堆積している地盤のものとはだいぶ違うという辺りも踏
まえまして、安全側で色々な範囲を決めたりだとか。今回も最初はいっぱ
いダイオキシン類が出て、今はそれ以下、ずっと 2000 ぐらいですから、3
分の1、4分の1になるというのも、これは自然状態で仕方がないことだ
と思って、あとは腹をくくるというか、そういうので私みたいにアバウト
な分野をやっている人間もいると思いますので、是非そういうふうにして
計画を立てていただければと思います。