優秀賞親友埼玉県立教新座中学校二年徳田遥斗方までよく虫を捕って遊んだ。はできないことは何もないように思えた。二人で夕くて焦ったり …。終わることのない日々に感じた受「いつもの所で …」一日がとてつもなく長く感じたり、時間が足りな験生だったあの頃― 小学六年十二歳の時。中学生活を楽しんでいる今の自分にとって遠い昔のようにと誘いあった。何でも話せる仲になっていった。しかし五年生になると、しだいに僕は塾が忙しく三年生になり、クラスが別れても帰りに感じる。そんな日々の中で、強烈に心に焼きついた思い出が僕にはある。なり、誘いを断る日が増えていった。「ごめん、今日もダメなんだ。」とその一言を言いたくなくて、いつしかクロから逃「おい、押すな、ちゃんと並べよ。」押し合いで並ぶ列。小学六年にもなると、自分の達と帰る姿に、少しほっとした反面、にぎりこぶしげるように帰っていった。顔を合わせてもしゃべる僕は小学一年の頃から仲良くしている友達がいる。を作り、ギュッと力を入れていた。今はしょうがな給食だけでは足りない。そして今日のメニューはカ黒田君、通称クロ。家は近所で学校から帰るとすぐ、い。受験が終われば、きっと元に戻れる。そう自分こともなくなり、遠ざかっていった。クロが他の友家の前の原っぱで遊んだ。クロは昆虫を捕えるのがに言い聞かせていた。レー。おかわりの列はすごい。うまい。家ではバッタ、カマキリ、ザリガニ、メダ」「今日はカレーだヤッターカなど捕えた生き物を飼育していた。そんなクロに！！歓声が飛び交う教室で、僕もその波に押され列の最後尾に並んだ。ふと前を見るとクロだった。どんどん列が進むにつれ、カレーが鍋底に近くなっていく。ようやくクロの前の子がカレーをよそうと、カレーはほとんどなくなっていた。クロは大きなカレー鍋を傾け、おたまでカレーをかき集めていた。自分の分はないや、と戻ろうとした瞬間「おい、皿。」背中からクロの声がした。ふり返ると同時にクロの手は僕の皿をもぎ取った。斜めに傾けたカレー鍋に、クロのかき集めたカレーがほんの一杯集まっていた。クロはそれを僕の皿によそってくれた。「勉強、頑張れよ。」皿と一緒に小さくクロが言った。僕は心が熱くなって、涙が出そうになるのを必死にこらえた。何も言えなかった。クロがぼくのためによそってくれたカレーが涙でぼやけていた。鍋底の少しのカレーと聞きとれないほどの言葉だったが、僕にとって大きな大きなエールだった。中学生になり、別々の学校になったが、今でも「いつもの所で …」とクロからメールが届く。