一 県薬ニュース N o . 4 0 8 - 平成2 2 年1 2月 1日 (1 5) 生命機能解析学分野 Member ウバ工を用いて、その複眼を触角、廻、肢 に改変す 教授 倉田 祥一朗 ることに成功 しています ( 図 1) 0 准教授 矢野 環 助教 古橋 寛史 連絡先 . 5 k : 如 E gI ,器官改変系で誘辞される成虫構造 ( a)野生型の頭乱 T EL:0 2 2 7 9 5 5 91 6 ( C) 複肢か ら触角への改変 、( d)複鴫か ら肢への改変, 改変されてでき1 =押遣を白抜きで示 している 軽 【 b )桂根か ら組への改変、 FA X :02 2 7 9 5 6 8 0 2 傭 H P ‥ht t p= / / www・ pha r m・ t o hoku・ a c ・ j p/` %7 Es e i me i / s e i me Lor i gi na l . ht ml また、昆虫が繁栄 している理由の一つに、感染症 を防 ぐ優 れた免疫機構 を有 していることが挙げ られ ます。 この機構 はヒ トの持つ 自然免疫機構 と共通性 研究テーマ があることがわかって きましたO私たちの研究テー 昆虫の優れた横能を薬学 ・医学 として応用する試み マの一つです. 地球上 には1 0 0 万 を超 える動物種 が存在 します。 0% は昆虫である と言 われてお りま そのおお よそ8 研究室からのメッセージ す。動物の個体数にすればなんと9 0%以上が昆虫で 最近私たちの研究室では、先のシ ョウジ ョウバエ す。地球人口は、2 01 0年 1 0月現在の国連推計で6 9億 での研究か ら、器官改変の頻度を上昇 させ る遺伝子 人ですが、全ての人に昆虫を等配分すると、一人あ を同定 しました。例 えば、この遺伝子 を作用 させる た りの取 り分は、 3億 匹になるとい う試算 もあ りま と複限か ら麹への改変頻度が 6%か ら6 4%-著 しく す。 これほどまでに昆虫が繁栄を極めている理由に 上昇 します。 この遺伝子の機能を解 明す ることで、 は、昆虫がその生活環 に変態や休眠 を取 り入れて 三次元的な器官構築 を伴った再生医療 を効率良 く行 様々な環境に適応 して きた、あるいは高い繁殖能力 うための、新たな手法の開発 に手がか りが得 られる を持つなど様々挙げ られます。 ことを期待 しています。 唾 ● 昆虫が有する優れた機能の一つに、高い再生能力 が挙げ られます。例 えば、ナナフシなどは失った肢 結核菌や リステ リア菌 などの細胞 内寄生細菌 は、 や触角 をものの見事 に再生することがで きます。 と 我 々雪免疫機構か ら逃れるために細胞内へ侵入 し感 染 を拡大 します。私たちは、 ショウジョウバエの研 ころが、時 として失った触角か ら肢が再生 して くる 究か ら、細胞内で 自食作用 を誘導す ることで侵入 し ことが あ ります。 この ような現象 は、「異形再生 」 た リステリア菌 を排除する病原体セ ンサーを兄いだ と呼ばれて古 くか ら観察されて きました。私たちは、 しました ( Na t ur el mmuno l . 2 0 0 6 ,2 00 8) 。同様のセ このような現象に 「 再生医療」への手がか りがある ンサーが晴乳動物 にもあることか ら、謝胞内寄生細 と考 え研究 を進めています。 現在の再生医療研究は、 菌に対す る感染防御機構の解明に繋がることを期待 ES細胞やi PS細胞 などの万能細胞 を用いて必要 な細 しています。 胞 を得 ようとしていますOナナ7シのように体細胞 私たちは、 このような研究か ら、創薬の標的とな を直接別の器官 に改変することが可能になるか もし るような遺伝子、あるいは機構が明 らか とな り、将 れません。私たちは、その研究のために、ショウジョ 来新薬 として開発が進むことを夢見てお ります。 - 宮 城 県 典 剤 師 会 -
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