東海広域 ナノテクものづくり クラスター 文部科学省 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期) 東海広域 ナノテクものづくり クラスター 世 界 を 先 導 す る 環 境 調 和 型 高 度 機 能 部 材 の 創 製 を め ざ し て 【東海広域ナノテクものづくりクラスターとは】 当地域では、「世界有数のものづくり拠点としての持続的発展」を戦略として、自動車・工作機械や航空機産業の裾野 を支えている中堅・中小企業における部材・加工技術を、先進ナノテクノロジーの活用により底上げする「東海広域ナ ノテクものづくりクラスター」の形成をめざしています。 「世界を先導する環境調和型高度機能部材の創製」をコンセプトに、先進プラズマナノ科学・工学を核として、省エネ・ 環境負荷低減に貢献するナノ先進部材の高機能化やナノ加工技術の高度化に向けた研究開発を推進するとともに、研究 成果の普及、応用研究・試作開発の支援など、中堅・中小企業への技術移転・事業化の促進に向け、地域が連携して実 施していきます。 【 提 案 者 】 愛知県、名古屋市、岐阜県 【 中 核 機 関 】(財) 科学技術交流財団 【連携支援機関】(財) 名古屋都市産業振興公社、(財) 岐阜県研究開発財団 【 特 定 領 域 】 ナノテクノロジー・材料、環境 【 参 画 大 学 】 名古屋大学、名古屋工業大学、岐阜大学、名城大学、 豊橋技術科学大学、 豊田工業大学、中部大学、三重大学、 和歌山大学、東京理科大学、徳島大学 等 【参画研究機関】 (財) ファインセラミックスセンター、愛知県産業技術研究所、 名古屋市工業研究所、岐阜県機械材料研究所 等 【 参 画 企 業 】 東海広域内の中堅・中小企業、大企業 等 国際競争力のあるクラスターを形成するため、第 期事業の成果を踏まえて、地域の大学の 研究開発ポテンシャルをベースに、地域産業のニーズに対応した基礎・基盤研究を実施する 事業の概要 とともに、地域事業として、コーディネート・技術移転支援、応用研究・試作開発支援、人 材育成支援などについて、地域が一体的・戦略的に実施していきます。 事業推進マネジメント 研究開発プロジェクト 成果育成、技術移転 東海広域知的クラスター創成事業 第Ⅰ期事業の成果や地域産業の課 研究内容や成果について、東海も 本部を中核機関に設置し、地域の 題をもとに、研究領域の重点化と のづくり創生プロジェクト等と連携 大学・産業界・行政の代表者で 先進研究者の結集を図ります。先 し、中堅・中小企業に対して広く 構成する本部会議の事業方針に 進プラズマナノ技術を中心に基盤 定期的に発信を図るとともに、知 従い事業を実施します。また、地 技術をさらに深化・発展させ、プロ 的クラスター地域実用化協議会の 域事業を共に実施する(財)名古 セス技術として応用することなどに 方針のもと、愛知県、名古屋市、 屋都市産業振興公社、 (財)岐阜 より、地域の産業を支える先進ナノ 岐阜県による地域事業を一体的に 県研究開発財団を始め関係機関と 部材や高効率デバイスの開発に向 展開することで、研究成果の事業 の緊密な連携により、事業効果の けた研究開発を推進します。 化、知的財産の活用促進、若手 最大化を図ります。 研究者・中小企業技術者の育成 等を推進します。 1 [ 参 画 機 関 等 ] 記号 大学 研究機関 中核機関 GIFU 支援機関 岐阜県機械材料研究所 岐阜大学 (財)岐阜県研究開発財団 (財)岐阜県産業経済振興センター モノづくりセンター 岐阜県セラミックス研究所 岐阜県産業技術センター 中部大学 (財)科学技術交流財団 なごやサイエンスパーク プラズマ技術産業応用センター 名古屋工業大学 知の拠点(整備中) (財)ファインセラミックスセンター AICHI (財)名古屋都市産業振興公社 名古屋大学 名城大学 名古屋市工業研究所 豊田工業大学 三重大学 愛知県産業技術研究所 豊橋技術科学大学 MIE ●東京理科大学 ●和歌山大学 ●徳島大学 (財) 岐阜県産業経済振興センター モノづくりセンター 【目的】 なごやサイエンスパーク 知の拠点(整備中) プラズマ技術産業応用センター 【目的】 【目的】 御用聞きから事業化までの一気通貫した対応 知的クラスター創成事業で研究開発されたプ ナノテクノロジーを核とした大学等の研究成果 により、中小企業のモノづくりに関する支援を ラズマに関連する各種装置を活用し、プラズ をものづくり産業の技術革新につなげ、既存 トータルコーディネートして、技術面や人材面 マ技術の産業応用を進め、中小企業等のも 産業の高度化や次世代産業の創出を図ります。 での支援を図ります。 のづくり技術の高度化を図ります。 【計画内容】 【事業内容】 【事業内容】 ・中核となる共同研究施設(先導的中核施 ・企業訪問等による御用聞き ・プラズマ技術の普及啓発(講演会・国際 設)や中部シンクロトロン光利用施設(仮称) ・ワンストップ相談窓口により、モノづくり産業 シンポジウム・情報交換会、研究部会活動) の整備 を総合的に支援 ・プラズマ技術産業応用支援(技術相談・ ・産業ニーズ・社会ニーズに対応した重点研 ・企業の課題解決や生産工程改善に向けた 指導、機器利用、共同研究、研究受託、 究プロジェクトの実施 支援 研究開発費補助) ・研究機器や人材のネットワーク化などの基 ・産学行政共同研究(外部資金獲得による 盤づくり 実用化研究開発) 2 【研究開発の全体計画】 研究開発 テーマ 第 期事業では、プラズマナノ技術を基盤技術として先進化させ、要所でナノ材料技術 やデバイス技術に活用することにより、表面機能化技術や光・パワーデバイス部材技術 を構築し、当地域を支える中堅・中小企業の環境調和型高度部材・加工技術のパワーアッ プに資する研究開発を推進します。 研究テーマ間の連携を当初から図り、シナジー効果による成果の拡大と、知の確固たる 集積と拡充を実現するとともに、先進プラズマナノ科学の国際連携を指向した広域化プ ログラムを実施し、グローバルな人の交流を盛んにして、知の融合・創出を図り、当地 域に先進プラズマナノ科学研究拠点を形成します。 研究開発の全体計画 表面機能化による 先進ナノ部材の開発 表面改質による新機能を 活用した部材の研究開発 ・ナノカーボン材料 ・ナノ微粒子・セラミックス材料 ・有機・無機ハイブリッドナノ材料 ・DLC 膜によるプラスチック窓 ・新電極材料による高性能充電池 ・調光ウィンドウ ・セルフクリーニング塗料等 連携 界面制御ナノ コンポジット部材の 開発<関係府省連携枠> 早期の実用化を目指した 研究開発 ・新規ナノカーボン強化樹脂及び 精密加工機 ・環境指向ナノコンポジット部材 ・航空機、自動車等の外板、 フレーム等 ・有害物質の分解、除去材料 ・高速通信用 LSI 等 3 プラズマ相 液相 気相 気相・液相界面 プラズマ相・気相界面 先進プラズマナノ 基盤技術の開発 ラジカルソース プラズマ制御の高精度化、 プラズマナノ科学の構築 検出器 自律型 MBE 装置 ソリューション・プラズマ プラズマ処理による 表面の変化 ・高密度ラジカルソースの開発 ・プラズマ測定・制御技術の開発 ・低温・高速成膜技術の開発 ・大気圧プラズマ、液中プラズマ 技術の開発 光源 高効率光・パワー デバイス部材の開発 GaN/Si ヘテロエピ 半導体及び応用デバイス の研究開発 ・大口径 GaN 基板 ・GaN 量子ドット ・デバイスプロセス技術 ダメージレス微細加工 GaN 応用機器の開発 ・電力用半導体 ・太陽光に近い白色 LED ・火炎センサー等 親水化 連携 連携 広域化プログラム 先進プラズマナノ科学研究拠点形成プログラム (プログラム代表者) 堀 勝 名古屋大学プラズマナノ工学研究センター センター長 世界のプラズマ関連研究センター及び研究者との多国間の研究交流や 共同研究によるプラズマナノ科学の研究、教育の世界拠点の形成 ・国際的な人的ネットワーク形成 ・国際会議(ISPlasma)等の開催 ・超高速、超高精度プラズマプロセス技術の共同研究 [研究テーマ] ・プラズマナノ科学を基盤とした超高速及び超高精度プラズマプロセス技術の開発 (サブテーマ) ・プラズマナノプロセス基盤技術 ・先進プラズマ計測・診断技術 ・プラズマ制御デバイス集積技術 先進プラズマナノ基盤技術の開発 (研究リーダー) 堀 勝 名古屋大学教授 第Ⅰ期で開発したプラズマ中のラジカ ル密度計測技術、基板温度計測さら には表面反応解析技術、ラジカルソー ス技術等を先進化させ、微細化・高 集積化・高速化に対応する先進プラ ズマナノ技術を確立し、それを応用し た製造・計測装置を開発するとともに、 次世代のフレキシブルデバイス要素技 術を開発します。 ■サブテーマ ・超高密度大面積プラズマ生成技術の開発 ・超高密度ラジカルソース・プロセス技術の開発 ・先進ラジカル計測・診断技術及び装置の開発 ・先進プラズマナノデバイスプロセスの開発 表面機能化による先進ナノ部材の開発 ソリューションプラズマや大気圧プラズ (研究リーダー) 高井 治 名古屋大学教授 マなどの先進プラズマナノ技術と界面 制御による自己組織化技術を活用し、 微粒子を含む素材の表面機能(耐摩 耗性、はっ水性・親水性、耐腐食性、 光学特性、導電性、エネルギー変換 能など) を飛躍的に向上させた自動車・ 航空機部材や環境・生活部材を開発 するとともに、機能発現機構解明に 向けてナノ計測・解析技術を開発します。 ■サブテーマ ・ナノカーボン材料の開発 ・ナノ微粒子・セラミックス材料の開発 ・有機・無機ハイブリッドナノ材料の開発 高効率光・パワーデバイス部材の開発 (研究リーダー) 江川 孝志 名古屋工業大学教授 大面積 Si 基板上への窒化物系半導 体薄膜結晶成長技術を高度化させる とともに、プラズマナノエッチング技術 や高密度ラジカルソース技術などの先 進プラズマナノ技術を活用し、高性能・ 低消費電力の窒化物系半導体デバイ ス(パワーデバイス、白 色LED、紫 外線センサー等)部材を開発します。 ■サブテーマ ・次世代自動車用高出力パワーデバイス、高周波デバイスの開発 ・低消費電力・高輝度・高演色性LED、環境対応モニタリング用センサーの開発 ・窒化物半導体デバイスプロセス、インテリジェントデバイスの開発と試作体制の整備 界面制御ナノコンポジット部材の開発 遠心鋳造ナノダイヤ傾斜分散砥石の (研究リーダー) 渡辺 義見 名古屋工業大学教授 開発とそれを用いたCFRP (炭素繊維 強化樹脂)の先進的加工技術と穴開 け加工機の開発およびナノカーボン強 化 CFRP 用新規マトリックス樹脂の開 発、さらにソリューションプラズマにより ナノ細孔材料の改質技術を構築し、 超 低 誘 電 率 部 材や超 親 水セルフク リーニング部材を開発します。 ■サブテーマ ・新規ナノカーボン強化樹脂及び超精密加工機の開発 ・ナノ細孔材料を利用した環境指向ナノコンポジット部材の開発 4 当地域では、知的クラスター創成事業の成果等を活用し、研究 地域の 取り組み 会活動や研究開発支援、コーディネータ活動等を通して、創出 された新技術の地域産業への移転や人材育成を推進することに より、当地域がものづくりの世界的拠点として持続的に発展す ることをめざしています。 ●テーマ別研究会 【プラズマが拓くものづくり研究会】 (財)名古屋都市産業振興公社 プラズマ技術の産業応用により、環境負荷の低減、塗装の密着性向上、耐摩耗性向 上等を図り、企業等におけるものづくりの技術革新・高付加価値化を促進します。プラ ズマ技術産業応用センター(なごやサイエンスパーク内)利用の入口になります。 【高機能ナノ材料研究会】(財)科学技術交流財団 大学等で生まれた、最先端の表面改質・界面制御技術や高性能スラリー、高機能薄 膜などの高機能ナノ材料を、企業で育成・蓄積された技術と融合・深化させ、地域産業 の持続的発展を支える部材・加工技術の高度化を促進します。 【カーボンナノチューブ応用研究会】(財)科学技術交流財団 次世代自動車や航空機用の構成部材として期待される、軽量・高性能な材料であるカー ボンナノチューブについて、その利用、応用を促進します。 【窒化物半導体応用研究会】 (財)科学技術交流財団 次世代自動車用の低消費電力型パワーデバイスや高輝度照明、滅菌・殺菌装置等の 応用が有望な窒化物半導体についてその利用・応用を促進します。 【航空機部材研究会】(財)岐阜県研究開発財団 航空機部材関連産業にとって必要な、CFRP などの新しい材料の利用、難削材の加工、 製品の高度な品質管理等、材料や加工技術のレベルアップを支援します。 ●公募型研究開発支援 【愛知ナノテクものづくりクラスター成果活用促進事業】(財)科学技術交流財団 当地域の基幹産業の発展や次世代産業の創出を図るため、公募により、知的クラスター 創成事業の研究成果を活用した研究開発や開発支援事業を中堅・中小企業、公設試 験研究機関等に委託し、研究成果の事業化や技術移転を促進します。 【創造的プラズマ技術産業応用研究開発事業費補助金】(財)名古屋都市産業振興公社 プラズマ技術を用いた新技術・新製品に繋がる研究開発に取り組む中堅・中小企業に 対し、プラズマ技術産業応用センターのテクニカルコーディネーターが研究開発の相談に 応じるほか、当該研究開発に要する費用の一部を補助し、研究の促進を支援します。 【産学官共同研究助成事業】(財)岐阜県研究開発財団 県内企業等が大学や研究機関等の有する研究シーズを活用し、共同で研究開発を行う 際に必要な経費の一部を助成し、研究の促進を支援します。 5 研究成果 第Ⅰ期事業の主な研究成果 原子状ラジカルモニター及び自律型ナノエッチング装置 プラズマプロセスによる機能性薄膜合成や微細加工に重要な役割 を担う原子状ラジカルを簡便・高精度に計測できる小型ラジカルモ ニター装置の開発に成功し、商品化を実現しました。また本装置 等を活用することにより、プラズマプロセス中の重要な粒子等の密 度をリアルタイムでモニタ−し、プラズマプロセス装置にフィードバッ クすることで、プロセス空間内の状態が常に最適となるようにプロ セス条件を自律的に制御して、最適なプラズマナノエッチングが可 能な装置の試作に成功しました。 自律型ナノエッチング装置 原子状ラジカルモニター 自律型 SAM 製造装置及び超はっ水ナノ分子ペーパー 超はっ水ナノ分子ペーパー 自律型 SAM 製造装置 基材表面を真空紫外光やプラズマで活性化した後、はっ水性や親 水性など様々な機能を選択して付与できるSAM (自己組織化単分 子膜)を、低温・低環境負荷型のプロセスで製膜できる自律型S AM製造装置の開発に成功しました。現在、本プロセスを活用して ポスターでの展開をめざし、 A2サイズの紙に「はっ水性」 と 「耐水性」 を同時に付与した超はっ水ナノペーパーの開発を進めており、また、 SAM技術の金型の離形性向上、レジスト材料やDNA・たんぱく質 チップ等への応用をめざしています。 高品質窒化ガリウム系半導体及び紫外線センサー 次世代自動車のインバータ等高出力・高温動作・耐環境デバイ スとして注目される窒化ガリウム系半導体について、従来の技術で はできなかった、シリコン基板上への結晶成長について、量産型 MOCVD装置により、大面積(4インチ)基板上での高品質な結 晶成長技術の開発に成功し、材料メーカーに技術移転しました。 またこの窒化物半導体を用いて、パワーデバイス等の研究開発を 進めるとともに、火炎そのものを感知することができる応答速度が 速い紫外線センサーの試作に成功しました。 窒化ガリウム系ウエハ 紫外線センサー カーボン系新材料 (単層カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール、カーボンナノボール 等) アーク放電法により、結晶性が高く耐熱温度の高い単層カーボン ナノチューブの効率的な作製技術を開発するとともに、様々な用途 への応用をめざし、カーボンナノチューブを水やアルコールに分散す る技術の開発に成功しました。また、 ラジカル制御CVD装置により、 比表面積が大きく、電子放出性など特異な電気特性を有するカー ボンナノウォール薄膜、炭化水素の熱CVDによるカーボンナノボー ルおよびその単分散溶液など様々なカーボン系の新材料の開発に 成功しました。 単層カーボンナノチューブ カーボンナノウォール 6 【財団法人科学技術交流財団】 (事業内容) 1. 研究交流事業 2. 共同研究推進事業 3. 情報提供事業 4. 教育研修事業 5. 中小企業技術支援事業 等 (基本財産) 60 億 3,297 万円(平成 21 年 3 月末現在) (会 長) 豊田 章一郎(トヨタ自動車株式会社名誉会長) ( 理 事 長 ) 松尾 稔(名古屋大学名誉教授) (住 所) 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内二丁目 4 番 7 号 愛知県産業貿易館西館 7 階 東海広域知的クラスター創成事業本部 本 部 長 加藤 伸一(トヨタ自動車 株式会社 顧問) 副 本 部 長 本間 重満(財団法人 科学技術交流財団専務理事) 事 業 総 括 大塚 美則 研 究 統 括 稲垣 康善(豊橋技術科学大学理事 副学長) 副事業総括 野村 健 副研究統括 野田 正治 国際連携コーディネータ 小田 修 科学技術コーディネータ 小塚 義成 伊藤 敏安 吉村 克信 田 義男(財団法人 岐阜県研究開発財団 ) 技術移転コーディネータ 佐藤 久 ■問い合わせ先 財団法人 科学技術交流財団 東海広域知的クラスター創成事業本部 TEL 052-231-1656 平成 平成 2121 年年 10 3 月発行
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