昇天の約束

復活節第 7 主日(Lectio Divina C 年)
5月12日 復活節第 7 主日
昇天の約束
ルカによる福音書 24章44~53節
44
イエスは言われた。
「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必
ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」45 そ
してイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、46 言われた。「次のように書いてある。
『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。47 また、罪の赦しを得させる悔い改めが、
その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、48 あなたがたはこ
れらのことの証人となる。49 わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に
覆われるまでは、都にとどまっていなさい。
」
50
イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。51 そして、
祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。52 彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに
帰り、53 絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。
他の朗読:使徒 1:1 ∼ 11 詩編 47 or 93 エフェソ 1:15 ∼ 23
Lectio…読む
福音書の著者がキリストの生涯の出来事を控えめに書くことは他の個所でも見られますが、この主
の昇天の記述もその一例と言えます。
また、キリストの復活と昇天という出来事は、新約聖書の書簡の著者たちに深い神学的影響を与え
たので、その事に関する記事が多くみられ、今日の他の朗読個所であるエフェソの信徒への手紙1章
もその中の一つと言ってよいでしょう。ところが昇天を記録したルカにおいては、この出来事を大げ
さにすることなく簡潔に書いています。もし後代の人が詳細を組み立てるとしたら、あるいは現代の
広報がイベントの脚本を書いたなら、ずっとドラマチックな物語になっていたでしょう。多くの群衆
が見守る中、ラッパの音や真紅のカーペット、クリスマスのベツレヘムのように天使のコーラスが響
くなど、天に戻られた主を歓迎する軍勢が登場したことでしょう。
しかしルカは、起こったことを単純に綴っているだけです。聖書が預言したとおり、またご自身で
起こると証言されたとおり、イエスは天に昇られたのです。
Meditatio…黙想する
エフェソの信徒への手紙には、イエスの昇天と栄光をお受けになった後の影響がいくつか記されて
います。いくつ見つけられますか。
Oratio…祈る
今回のルカによる福音書には、昇天を目撃し、喜びに溢れた信徒たちが神殿で神に感謝をささげた
とあります。キリストの昇天とそれが意味するすべての出来事に心を留め、共に神に感謝を捧げる時
をもちましょう。
Contemplatio…観想する
復活節第 7 主日(Lectio Divina C 年)
キリストの物理的な存在を感じられないため、また私たちの弱さが、自らの人生における霊の働き
を妨げているために、私たちはしばしば無力感を味わいます。キリストが力と権威の象徴である父の
右の座に昇天され、あなたのために執り成し、支えとなっている事実を現実のものとして生きる時、
あなたの人生はどのように変わりますか。
起こると証言されたとおり、イエスは天に昇られたのです。