KIPPO Kansai International Public Relations Promotion Office 第 80 回 KIPPO プレスツアー み え --- 三重ブランド ~伝統の継承~ --- み え けん 日本のほぼ中央、紀伊半島の東端に位置する三重 県 。 と ば し ま 今回の KIPPO プレスツアーは、三重県鳥羽・志摩地方を訪問する。 鈴木知事へのインタビューをはじめ、世界に誇る“三重ブランド”となった 「養殖真 珠」 や海と暮らす地域の人たちの知恵が息づく 「海女文化」 について取材を行う。 同地の自然や文化を守り育むひと、伝統や技術継承の取り組み等を探る。 す ず き えい けい ■鈴木 英敬 三重県知事インタビュー 全国最年少知事がエネルギッシュに語る! 三重の魅力 しんじゅ ■海の宝石 「真珠」 ・世界初 養殖真珠 誕生の舞台 -「ミキモト真珠島」 ・豊かな自然の恵みと職人の技の結集 -真珠養殖の現場 真珠工房 「真珠の里」 あ ま りょう ■太古の昔から続く素潜り漁 「海女漁」 と ば おうさつ ・海女が暮らすまち -「鳥羽市相差町」 ・「海女文化」 継承の取り組み *了承のうえお申し込みください ツアー当日は、禁漁期間中につき海女漁の取材・撮影はありません。関係施設等で海女文化や海女文化継承の取り組みについて取材を 行います。詳細は後方の取材内容をご参照ください。 【実施日】 2011 年 10 月 14 日(金)~15 日(土) 〔1 泊 2 日〕 【参加資格】 外務省発行記者証保持者 【主催】 関西広域機構 関西広報センター(KIPPO) 〒530-0005 大阪市北区中之島 5-3-51 大阪国際会議場 11F 電話 06-4803-5551 (*関西広域機構は 2011 年 9 月末で解散するため、2011 年 10 月以降は関西地域振興財団で事業を実施します) 【協力】 三重県 【日程】 1 日目:午前:近鉄電車 鳥羽駅 集合 → 午後:真珠取材 → 夜:交流会・宿泊(志摩市内) 2 日目:午前~午後:真珠&海女文化取材 →16:00 頃 近鉄電車 鳥羽駅解散 【定員】 15 名(1社1名 TV(最大 2 社)は 2 名まで可) *参加ご希望の方は、申込書に必要事項を記入のうえ、お申し込みください。 *参加費の支払い方法やご利用いただく交通手段等の詳細は、参加者に連絡します。 *応募者多数時の参加者選定について: 国・地域別の人数バランスや、過去に KIPPO プレスツアーに参加された記者についてはその実績等を考慮します。 ‐‐‐● 三重県 PR・鈴木 英敬(すずき えいけい)知事インタビュー ●‐‐‐ 2011 年 4 月就任。全国最年少(37 歳)知事として、目下、三重から全国、世界に向けた情報発信、 三重の知名度アップに努めている。今回は、鈴木知事が当ツアーの取材場所となる鳥羽市まで出向 いて参加記者を歓迎し、三重の魅力、取り組み、当ツアーの見どころ等を紹介する。 ‐‐‐● 三重ブランド・海の宝石 「真珠」 ●‐‐‐ 美しい光沢に富み、世界各地で古くから宝石として珍重される真珠。三重県の商人、御木 本幸吉(みきもとこうきち・株式会社ミキモト創業者)は、1893 年に三重県で実験中のアコヤ貝 (日本固有種)から半円真珠の養殖に世界で初めて成功し、その手法を確立した。以来、三 重県鳥羽・志摩地方は、養殖真珠の産地として国内外で広く知られるようになった。日本でア コヤ貝を使った真珠の養殖が行われている場所は三重県のほか、愛媛県宇和島市、長崎県 大村湾などで、沖縄県石垣島などではクロチョウ貝を使った黒真珠の養殖が行われている。 真珠の養殖には、その成長過程に応じて条件の異なる漁場や品質管理体制が必要となる。三重県は、真珠の生産量で 全国シェア約 22%(全国第 3 位)を誇る。同県でも特に、入り江が多く波が穏やかで潮の流れがよい英虞湾(あごわん)は、 真珠の養殖に適していると言われ、同地の真珠養殖技術や産出される真珠の品質は 「三重ブランド」 として高く評価されて いる。 今回の KIPPO プレスツアーでは、ツアー初日に、御木本幸吉が世界で初めて真珠養殖に成功したゆかりの島 「ミキモト 真珠島」 を訪問。真珠の魅力や養殖の歴史等について取材するほか、かつて真珠の養殖を支えた海女漁の実演を見学す る。また、ツアー2 日目の朝には、真珠養殖の本場、英虞湾に面する志摩市志摩町の真珠工房 「真珠の里」 (山本水産)を 訪問し、養殖の現場を取材する。 ミキモト真珠島 (鳥羽市) “自分の作った真珠で世界中の女性を美しく飾る”-そんな夢を抱き続けていた御木本幸吉。同氏は 1893 年に半円真珠の養殖に成功し、本格的に真珠養殖業に乗り出す。1899 年には現在の株式会社ミ キモトの母体となる日本で初めての真珠専門店 「御木本真珠店」 を東京銀座に創設。1905 年には真 円真珠の養殖にも成功した。その後は海外進出も果たし“MIKIMOTO”の名前が世界中に知られるよう になった。それから約 120 年、ミキモトは日本の近代宝飾文化を築き上げ、今もなお業界をリードし続け る存在である。 幸吉による世界初の養殖真珠誕生の舞台となった場所が現在の 「ミキモト真珠島」 (鳥羽市)=写真 上=であり、真珠の歴史と文化を紹介する 「真珠博物館」 や幸吉の生涯を紹介する 「御木本幸吉記 念館」 があるほか、昔ながらの白装束姿(磯着)で漁を行う海女=写真下=を見学することができる。 1951 年の開島以来、英国エリザベス女王をはじめ数々の賓客や観光客を迎え、2009 年にはミシュラン ガイドの 2 つ星評価を得た。 真珠工房 「真珠の里」 (志摩市) 英虞湾に面した志摩市志摩町越賀(こしか)地区には、かつて真珠養殖を営む水産会社が100軒程度 あった。しかし、安価な外国産真珠の市場参入等の影響により廃業が相次ぎ、今では18軒にまで減少し た。同地で真珠養殖を営んで55年の山本水産3代目の山本夫妻は、このままでは三重の真珠養殖業が 完全に衰退してしまうと危機感を持ち、2年前に真珠工房 「真珠の里」 をオープンした。養殖場を一般 に開放し、真珠貝オーナー制度や真珠づくり体験等を通して真珠をより身近に感じてもらい、真珠の魅 力や価値を広く伝えることに取り組んでいる。ツアーでは、真珠養殖で最も重要な、真珠のもとになる “核”を母貝に入れる 「核入れ」 作業を見学するとともに、美しい真珠の生産を支える養殖現場の努力 や技術の伝承等について聞く。 (参考)注目トピック! -日本真珠 美の秘密-ミキモトグループなどが全解読 真珠を育てる貝は中国やベトナムなどにも生息するが、日本の固有種であるアコヤ貝を用いて作る真 珠は、結晶構造が緻密で特有の光沢を持ち、世界一美しいとも評されている。ミキモトグループと東京 大学の共同研究チームは、2011 年 6 月、アコヤ貝の真珠層形成で働くほぼすべての遺伝子情報を解 読することに成功し、米国の科学雑誌 「プロスワン」 (電子版)に発表した。この成果は、アコヤ貝に潜 む 「美しい真珠を生み出す秘密」 を明らかにする大きな手かがりとなる。また、将来的には、良質な真 珠の安定的生産や養殖現場等での応用につながると期待されている。 ‐‐‐● 海女(あま) ●‐‐‐ 《注意》 下記 2 点を事前に了承のうえ、お申込みください。 ① 海女漁の撮影について ツアー当日は、禁漁期間中につき海女漁の取材(撮影)はありません。関係施設等で海女文化について取材を行いま す。ツアー初日に訪問する 「ミキモト真珠島」 では、かつて真珠の養殖を支えた海女の実演(ショー)を見学します。 ② 2 日目の昼食について ツアー2 日目は、海女小屋で魚介類の昼食をご用意します。取材の場所柄、別メニューを用意することはできません。 鮑(あわび)、サザエ、ナマコなどの獲物を素潜りで獲る女性、海女(あま)。日本における海 女による漁(海女漁)は 2000 年以上の歴史があると伝えられ、最も古い女性の職業の一つと 言われる。高度経済成長期初め(1960 年)頃、海女は全国に 18,000 人程度いたが、漁業資源 の減少や、価格の低迷、労働条件の過酷さ等によりその数は減少の一途をたどり、現在は 2,100 人程度になった。 今回訪問する三重県鳥羽・志摩地方には、今も約 970 人(全国最多)の現役海女が暮らし、 彼女らによって海女の伝統・漁法が守り伝えられている。同地の漁村では、古くから男たちは 船で沖へ漁に出て、海女たちは近くの磯場で鮑や海藻を獲った。海女は素手または最小限の道具を用いて獲物を傷付ける ことなく獲る。乱獲を防ぐために、獲物の生態にあわせた漁獲期間や潜水時間に厳しい制限を設けて、持続可能な漁業資 源の確保にも努めている。海女は、四季の海で働きながら家計を支え子を育てる“たくましい日本の女性”、“日本の母”の象 徴であり、海女漁は暮らしの大事な生業(なりわい)であると同時に、海とともに生きる日本人の知恵が詰まった“生きた文化” の一つであると言っても過言ではない。 ツアーは、鳥羽市相差(おうさつ)町を訪問し、「相差海女文化資料館」 や、古くから地元の海女のあつい信仰を集める氏 神 「神明(しんめい)神社」 (石神(いしがみ)さん)等を取材する。昼食時には、「海女小屋」 で現役の海女へのインタビュ ーを行う。また、「海の博物館」 では、海女文化の世界無形文化遺産登録の取り組みなどについて取材する。鳥羽、志摩の 豊かな自然や海女文化を守る人びと、伝統や技術継承の取り組み等をクローズアップする。 相差海女文化資料館 三重県で最も多くの海女が暮らす“海女と漁師のまち”相差。当ツアーは、海女取材の冒頭で、相差海女 文化資料館=写真=を訪問する。ジオラマや道具などで海女文化や海女漁を分かりやすく紹介する同館を、 相差海女文化運営協議会・野村秀光会長の案内で取材する。 神明神社(石神さん) 相差の森に静かにたたずむ地元の氏神 「神明(しんめい)神社」。その参道の途中の小さな社(やしろ) にまつられているのが「石神(いしがみ)さん」=写真=で、相差に暮らす海女たちが古くから「女性の願い なら必ず一つかなえてくれる女神さま」と信仰してきた。ツアーでは、相差町内会・中村幸照会長の案内で 「石神さん」を取材。海女や地元住民が抱く信仰心について、最近のパワースポットブーム等について聞く。 海女小屋(あまごや) 海女が漁で疲れた体を休めるための 「海女小屋」。小屋の中央には囲炉裏があり、漁で冷えた身体を温 めたり海女同士の語らいの場となっている。鳥羽・志摩エリアには、観光客が昼食等に利用できる小屋もあ り、海女が新鮮な魚介類を囲炉裏で焼いてふるまってくれる。ツアーでは海女小屋で、昼食と現役の海女 へのインタビューを予定している=写真=。 “海女文化”の世界無形文化遺産登録に向けた取り組み 世界的に見ても女性が素潜りで海産物を獲る漁法は、日本と韓国(済州島)にしか存在しない。その海女 の数が激減する中、海女文化の価値を世界に広くアピールしようと、世界無形文化遺産登録を目指す運動 が日韓両国の有識者らの間で始まった。その取り組みの一環として 2 年前から年に一度、三重県で 「海女 サミット」 が開催されており、今年も 10 月末に相差町で予定されている。今ツアーでは、同取り組みで主導 的役割を果たす 「海の博物館」 を訪問し、学芸員から韓国との連携や活動等についてお話を聞く。 (海の博物館:“海と人間”の歴史と現在、そして未来を紹介する博物館。建物は自然風景を十分に取り入れた設計で、 船を逆さにしたようなユニークな天井が特徴的。これまでに建築賞を多数受賞している=写真=。)
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