Gender gap についての東洋と西洋の比較

Gender gap についての東洋と西洋の比較
C.H(韓国)
要旨
: 各国の「Gender gap」の傾向と実態を調べる。また、スウェーデンと日本での
例を挙げ、今後男女平等の問題の解決のために国々がすべきなことを探すことがこの論文
の目的である。
キーワード
:
男女平等、政治参与率、経済参与率、女性割当制、高位職率
本文
1.はじめに
「Gender gap」とは、性差による価値観の違い。つまり、社会的・政治的・経済的・
文化的属性や態度にあっての男女の違いをいう。この「Gender gap」という言葉が多く
の国々で注目を浴び始めたのは人間の長い歴史と比べて、最近のことだと思われる。だが、
20世紀初めのころに、イギリスで女性の参政権を獲得するための運動から、今は全世界の
政府が男女平等の問題を円満に解決するために、色々な政策を立て、実行している。しか
し、2005年に世界経済フォーラム(World Economic Forum、以下WEF)が発表した「Ge
nder gap」についての各国のランキングによると、東洋の国家は西洋の国家と比べて、
低いランクにとどまっていることが分かる。これは東洋の国家で「Gender gap」、つま
り男女平等については国民の関心が非常に低いということが分かる。これから、なぜ東洋
の国家の男女平等の水準は低いか、いろいろな例を挙げながら、その理由を探していく。
2.スウェーデンと日本の Gender gap に関した政策と実態
まず、東洋と西洋の男女平等の実態を比較するため、男女平等で有名な国のヨーロッパ
のスウェーデンと、経済大国と呼ばれているアジアの日本を比べてみる 。
1) スウェーデン
2005年にWEFが発表した「Women’s Empowerment : Measuring the Global Ge
nder Gap」で、すべての分野にわたって1位を獲得した国はスウェーデンである。ま
ず、スウェーデンは政治に女性割当制という制度を採択している。女性割当制という
のは政治・経済・教育・雇用などで採用や昇進のとき、一定の比率を女性に割り当て
ることである。ヨーロッパの国家ではすでに活発に適用されている。とくに政治面で
は、スウェーデン40%、イギリス40%、フランス50%、ドイツ50%など、女性の政治
参与率をために、非常に努力している。これがむしろ男女差別ではないかという意見
もあるが、イギリスの場合、女性割当制を行って、何年後か廃止したが、女性の比率
は維持できたそうである。
経済参与率と出生率面でも、スウェーデンはいい結果を出している。スウェーデン
の女性の経済参与率は70%である。しかし、出生率は1.6名以上であり、ヨーロッパの
国家の中で、1位である。女性の経済参与率が高いほど、出生率は低くなる一般的な
傾向に反する事実であるが、実際はそうでないことがわかる。スウェーデンでは男性
も育児休暇をもらうことをおかしく思わないほど、出産についての関心が高い。
次は福祉のことである。WEFの調査を参照すると、スウェーデンは教育・福祉面で1位
である。実際にスウェーデンでは、託児所の費用やすべての学費は全額無料で、政府
が多くの支援をしてくれる。性教育もきちんと教え、性に関した法律もかなり厳しい。
兵役に関しては、のスウェーデンだけではなく、多くの先進国の傾向は、女性も兵役
の義務を果たすべきだと女性から言い出し、政府は女性の兵役の義務を推進し、実行
するのである。
2) 日本
WEFの資料によると、日本は58ヵ国の中で38位にとどまっているが、経済参与率は
52位、政治参与率は54位であって、他の先進国と比べて男女平等の問題が深刻である。
まず、歴史的観点から見ると、日本は伝統的に家父長制を採っていた。世界のどの国で
も大体家父長制であるが、日本は家父長制の影響がより強い。日本の性犯罪率は低いほ
うだが、性売買が頻繁に行われているのを誰も悪いと思わないようである。もちろん、
日本の女性人権団体でもその法律や態度について、反対や反省はしているそうであるが、
実際に実践されたことはない。日本のフェミニズムは、学界・人権団体・本の中だけに
存在していると知られている。このような例を見ると、日本女性がどれほど男女平等に
無関心なのかがわかる。
政治と経済面を見よう。最近は女性の立候補者もだんだん増えているそうであるが、
当選する人はあまりおおくない。2000年に衆議員の女性の比率は7.3%で、スウェーデ
ンの40%などの他先進国とくらべると低いことがわかる。 そして、現在日本の30代の
女性の経済活動参与率は55~65%、平均賃金は男性の67%であり、やはり先進国の水準
に至っていない。出生率も2005年に1.25名で、 やはり女性の経済参与率が高いほど、
出生率が低くなる半比例の関係の一般的な傾向に反していることがわかる。そして、す
でに高齢化社会が進んでいる日本においては、男女平等の問題とともに、解決しなけれ
ばならないことである。
3.WEFの順位資料の分析を通した大陸別の「Gender gap」の比較
WEFが発表した「Gender gap」の国家順位を分析して、全体的な東洋と西洋の男女平
等の差をみよう。
まず、総合的評価面では、6.0点の満点で、オセアニアが4.8点で一番であり、北アメリ
カ、ヨーロッパの順で、西洋の国々が男女平等のことにより関心が深く、国がよく支援
していることがわかる。そして、次は南アメリカ、アジア、アフリカの順である。
政治参与率だけの順位を見てみると、オセアニアが他大陸と少し格差がある5.2点の非
常にいい評価をもらい、北アメリカ、ヨーロッパ、そして南アメリカ、アフリカ、アジ
アの順である。とくに政治参与率の面ではアジアがアフリカより低い評価をもらったこ
とに注目する必要がある。
経済面もあまり変わらない。まず、経済参与率は北アメリカ、オセアニア、ヨーロッパ、
アジア、アフリカ、南アメリカの順であり、経済活動の機会の順位はヨーロッパ、南ア
メリカ、オセアニア、北アメリカ、アジア、アフリカの順である。
教育面は大陸別の点数の格差が大きい。北アメリカとオセアニアが5.0点以上のいい評
価をもらい、ヨーロッパと南アメリカは4.5点の評価をもらったが、アフリカとアジアは
3点以下の低い評価をもらった。
しかし、福祉の面では順位が変わる。ヨーロッパとオセアニアに続いてアジアと北アメ
リカ、そしてアフリカと南アメリカの順である。
この分析を通してわかれることは、まず総合的には西洋の国々が男女平等の水準が高い
が、部分的には絶対的にそうであることはないことである。しかし、それは福祉や経済
活動の機会の面だけであり、政治や経済参与率の面では東洋と西洋の格差が大きい。
では、なぜ東洋と西洋の格差がこんなに大きいのか。歴史的に男性のほうが女性より権
威的であった国もあるかもしれないが(イタリアやスペインなど)、現在、先進国で福
祉国家と呼ばれている国の中でほとんどは西洋の国であり、その国は男女平等に関して
の多くの政策を立て実行する力がある。そして、そんな政策が実行されて女性の力が大
きくなって女性の権威が高くなると、その女性たちはまた男女平等のために頑張るよう
になる。しかし、そうでない国では、男女平等の水準を高められる政策を立て、実行す
る力がなく、女性の権威は高くなる機会がなくて、昔のままの水準とあまり変わらなく
なるという悪循環になることである。
4.解決策
では、東洋と西洋の男女平等の格差を小さくできる解決策はなんであろう。男女平等と
いうのは単純に政策を立てたり、フェミニズムの運動をしたりして、かなえられること
ではない。なぜなら、昔からすべてが男性を中心として行われているので、今までの慣
習を捨てて新しい慣習に慣れなければいけないことである。しかし、きちんとした計画
と国民の努力があれば、いつかはできることである。
まず、女性の経済参与率を高めるのが一番重要ではないだろうか。男性は職場、女性は
家庭というイメージを捨て、女性も堂々と働ける環境を作らなければいけない。育児休
暇などの女性のための法律を強化し、職場での女性の力を育て、女性の高位職率を高め
ることから始まる。そして、そんな男性と経済的に同じ位置にいられる女性が増えると、
そんな女性たちは社会で広い人脈を持つようになり、政治への参加もしやすくなるだろ
う。立候補する女性が増え始めて、だんだん政治参与率も高くなれば、真剣に政治での
女性割当制の必要性も主張できるようになる。このように政治に女性の力が大きくなる
と、男性差別の問題がある法律などの改定の意見が出やすくなるはずである 。
5.むすび
男女平等という問題は日常生活の中でも感じやすいことであるが、かなり難しいもので
ある。上の解決策が 何年の間に実現されることはないだろう。しかし、一歩ずつ努力し
ないと男女平等への道は遠くなる。一番重要なのは国民が自分から男女平等の問題に関
心を持つことである。女性だけではなく男性も、男女平等の水準が高い国ほど、真正な
先進国であることを知って、自ら男女平等の問題を自覚し、解決に向かって、できるこ
とから行動を始めなければいけない。
註. この論文にある分析は、2005年にWEFが発表した「Women’s Empowerment : Me
asuring the Global Gender Gap」の資料から分析したものである。
付録. Women’s Empowerment: Measuring the Global Gender Gap Ranking 2005
参考資料.
z http://kin.naver.com/ (インターネットポータルサイト)
z http://www.weforum.org/ (世界経済フォーラム)