ベルギー分裂危機と進むEU統合:相反する展開か EU - EUIJ

ベルギー分裂危機と進むEU統合:相反する展開か
EU統合が進む中、ベルギーにおいては昨年6月以来政治の空白が続いている。原因はフ
ランス語圏とオランダ語圏の利益意識の衝突である。二つの言語圏を持つベルギーは建国
以来の危機に直面していると言われている。一方EUの統合は 1993 年の市場統合を経て
2004 年に東欧 8 カ国を迎え、2012 年にはクロアチアの加盟が先回(6 月)のEUサミット
で承認され、その拡大が進んでいる。また一昨年のリスボン条約の発効によりEU大統領
のポストもでき、政治的にもその統合が進んでいることを対外的にも印象付けている。(初
代大統領はベルギー出身のファンロンパイ氏)しかしながら多くのEU市民にとってはE
U統合の恩恵を直接的に感じることは少なく、EU統合に懐疑的な市民も少なくはない。
その結果として地域社会への回帰が見られるのも最近の傾向である。ベルギーの例を説明
しながら今後の欧州統合を考えるのが今回の話の目的である。