平成 25 年3月 東京都 奥多摩町

平成 25 年3月
東京都
奥多摩町
奥多摩町食育推進計画の策定にあたって
子どもから高齢者までが心も身体も健康な生活を送るために
は、
「食」は欠かせないものであり、健康づくりの基礎となるも
のです。
また、
「食」を通じて、様々な人と出会い、交流をもつことで、
生活の知恵・技術を持った方、それを広く伝え残そうとする方
や知りたい方に出会うことで、人との繋がりやコミュニケーシ
ョンをとることができ、食文化の継承にも繋がります。
しかし、近年、食生活(文化)の変化から生活習慣病の増加や過度の痩身志向(無理な
ダイエット)などによる健康上の問題と、栄養バランスの偏った食事や孤食の増加など
「食」をめぐる問題が指摘されています。
国では、平成 17 年に制定した「食育基本法」で、これらの問題を個人ではなく社会全
体の問題として取り組み、さらに「食育」を総合的かつ計画的に推進するため、平成 23
年には「第2次食育推進計画」が策定されたところです。
町でも、最上位計画である「第4期奥多摩町長期総合計画」や「奥多摩町地域保健福
祉計画」を踏まえ、第1期の基本理念である「食を通してこころとからだの健康づくり」
を継承し、
「健康的な食生活の推進」
「家庭における食育の推進」
「食に関する交流の推進
と食文化の継承」を基本目標に、第2期「食育推進計画」を策定しました。
今後は、
「食」という共通のキーワードをもつ機関との連携をさらに充実させ、それぞ
れの得意分野を共有しながら、これまで以上に深く、広範囲にわたる活動を行い、全町
民が「食」を通して健康で元気に暮らすことができるよう、計画を推進してまいります。
最後に、本計画の策定にあたり、貴重なご意見やご提言をいただきました奥多摩町食
育推進協議会の委員の皆様をはじめ、町民並びに関係者の皆様方に心から感謝申し上げ
ます。
平成 25 年3月
【
第1章
計画の策定にあたって
目
次
】
................................................................................................................. 1
1.食育推進計画策定の趣旨 ....................................................................................................................... 1
2.食育推進計画の性格・位置付け ......................................................................................................... 2
3.食育推進計画の期間 ................................................................................................................................. 3
第2章
奥多摩町における食の現状と課題
......................................................................................... 4
1.奥多摩町の食を取り巻く現状.............................................................................................................. 4
2.奥多摩町の食育課題 ................................................................................................................................. 10
第3章
計画の考え方
..................................................................................................................................... 12
1.基本理念 ......................................................................................................................................................... 12
2.基本目標 ......................................................................................................................................................... 13
3.施策体系 ......................................................................................................................................................... 15
第4章
施策の展開
......................................................................................................................................... 16
基本目標1.健康的な食生活の推進 ......................................................................................................... 16
基本目標2.家庭における食育の推進 .................................................................................................... 24
基本目標3.食に関する交流の推進と食文化の継承 ....................................................................... 29
第5章
推進体制
.............................................................................................................................................. 35
1.食育推進計画の推進体制 ....................................................................................................................... 35
2.食育推進計画の評価 ................................................................................................................................. 36
第6章
資料編
................................................................................................................................................... 37
1.奥多摩町基礎データ ................................................................................................................................. 37
2.食育推進協議会........................................................................................................................................... 42
第 1 章 計画の策定にあたって
第1章
計画の策定にあたって
●●●●●●●●●●●●●
1.食育推進計画策定の趣旨
私たちが生きていくうえで必要なエネルギーは、基本的に食べることによってしか得ること
はできず、健康でいきいきとした生活を送るためには健全な食生活が欠かせません。国では「食」
をめぐる考え方を重視し、健全な食生活を社会全体で実現する「食育」を推進していくために、
平成 17 年に「食育基本法」を制定し、国民運動として食育に取り組みはじめました。
食育基本法では、食育とは「生きるうえでの基本であって、
『知育』『徳育』
『体育』の基礎」
として位置づけられており、
「様々な経験を通して『食』に関する知識と『食』を選択する力を
習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる」ことを目標としています。
しかし、近年では、朝食をとらないというライフスタイルも常態化し、家族で食卓を囲む風
景も珍しいものとなってきています。朝食をとらずに学校に通う子どもが増えている一方、ス
ナック菓子などの摂取などによる食生活の乱れが、肥満や生活習慣病の広がりへとつながって
います。さらには、高齢世代の低栄養が指摘されるなど、食をめぐる様々な問題が社会的にも
指摘されているところです。
奥多摩町は豊かな自然に囲まれ、若い世代では町外からも「奥多摩町で子育てをしたい」と
いう人が増えていますが、地域の豊かな食文化に接する機会は次第に少なくなってきています。
そのようななかで、町では平成 20 年に「食育推進計画」を策定し、子どもから大人まで、す
べての町民が正しい食習慣を身につけ、健康に生活できる地域を目指し、
「食育」を総合的・計
画的に推進していくための方向性や具体的な方策を示してきました。この度、5 年の計画期間
が終了したことに伴い、これまでの取り組みに対し評価・検討を加え、新たに第 2 期の「奥多
摩町食育推進計画」を策定することとなりました。
本計画においては、食事をおいしく楽しくとることにより、心身ともに豊かで健康な生活を
送るとともに、健康でいられる期間をより長くする「健康寿命の延伸」をめざし、食育を通し
た、町民の健康づくりを支援していくこととします。
1
第 1 章 計画の策定にあたって
2.食育推進計画の性格・位置付け
「奥多摩町食育推進計画」は奥多摩町における食育推進の計画として、国が平成 17 年に制
定した「食育基本法」に基づく計画です。上位計画である「第 4 期奥多摩町長期総合計画」、
保健福祉分野上位計画である「奥多摩町地域福保健祉計画」に基づき、
「奥多摩町特定健康診査
等実施計画」、
「奥多摩町健康増進計画」、
「奥多摩町地域高齢者支援計画・介護保険事業計画」、
「奥多摩町次世代育成支援行動計画」、
「奥多摩町障害福祉計画」などの関連計画と整合性を図
り策定したものです。
【食育推進計画の位置づけ】
≪奥多摩町≫
奥多摩町の最上位計画
第4期奥多摩町長期総合計画
奥多摩町
【奥多摩町の保健福祉に係る計画】
社会福祉協議会
2
次世代育成支援行動計画
体
障害福祉計画
団
地域高齢者支援計画
域
健康増進計画
地
食育推進計画
民
奥多摩町地域保健福祉計画
少子化対策・
定住化対策総合計画
(奥多摩町地域福祉活動計画)
住
連 携
連 携
やまびこ計画
第 1 章 計画の策定にあたって
3.食育推進計画の期間
「奥多摩町食育推進計画」の計画期間は、平成 25 年度から平成 30 年度までの6年間としま
す。なお、健康課題をめぐる社会情勢や、本町の食育環境の変化等に対応して、必要に応じて見
直しや評価を行うこととします。
【計画期間】
年度
計画名
第 4 期長期総合計画
地域保健福祉計画
H25
H26
H27
後期基本計画
H28
H29
H30
H31
H32
第 5 期長期総合計画(前期)
地域保健福祉計画
地域保健福祉計画
H33
H34
(後期計画)
地域保健福祉計画
健康増進計画
第 2 期計画
(第 3 期計画)
食育推進計画
第 2 期計画
(第 3 期計画)
次世代育成行動計画
後期計画
少子化対策・定住化対
策総合計画
緊急 3 か年計画
子ども子育て支援事業計画
障害福祉計画
第 3 期計画
(第 4 期計画)
(第 5 期計画)
……
高齢者支援計画
第 5 期計画
(第 6 期計画)
(第 7 期計画)
……
3
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
第2章
奥多摩町における食の現状と課題
●●●●●
1.奥多摩町の食を取り巻く現状
(1)主要死因別死亡者の推移
奥多摩町で平成 22 年度亡くなった 162 人の死因で、最も多いのが心疾患(高血圧性を
除く)の 27 人、次いで脳血管疾患の 25 人、悪性新生物(がん)の 23 人となっています。
死因の割合を平成 17 年と比較すると、「心疾患(高血圧性を除く)
」が 1 ポイント増加、
「悪性新生物(がん)」が 1.2 ポイント増加となっていますが、
「脳血管疾患」が約 10 ポイ
ント減少しています。しかし、東京都全体では、平成 22 年「脳血管疾患」の割合は 10.0%
であり、町の割合は 15.4%と依然として多いことから、生活習慣の見直しや適度の運動を
心がける等が必要となっています。
【主要死因別死亡者数の推移(人)
】
奥多摩町
主要死因
東京都
平成
18 年
平成
19 年
平成
20 年
平成
21 年
平成
22 年
180
202
210
179
25
27
28
37
その他の新生物
1
1
2
貧 血
1
糖尿病
4
7
4
精神及び行動の障害
1
1
神経系の疾患
3
5
総 数
悪性新生物
平成
18 年
平成
19 年
平成
20 年
平成
21 年
平成
22 年
162
93,596
96,354
98,248
98,304
104,238
23
30,225
30,532
31,327
31,268
32,095
3
916
918
853
874
940
2
137
136
155
143
173
2
3
1,229
1,312
1,317
1,250
1,276
2
4
3
387
515
502
634
678
7
4
6
1,364
1,402
1,544
1,650
1,725
1
2
506
518
545
534
592
高血圧性疾患
心疾患(高血圧性を除く)
40
40
47
31
27
14,789
15,418
15,334
15,389
16,282
脳血管疾患
41
45
41
37
25
10,779
10,686
10,352
10,083
10,395
2
1
3
2
2
1,097
1,103
1,232
1,350
1,573
68
60
17
49
10
大動脈瘤及び解離
インフルエンザ
肺 炎
慢 性閉塞性肺疾患
喘 息
1
16
20
19
14
12
8,781
9,171
9,484
9,098
9,603
6
4
2
5
4
1,285
1,303
1,275
1,309
1,395
1
256
224
183
164
187
434
380
410
410
453
1
胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
4
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
奥多摩町
主要死因
東京都
平成
18 年
平成
19 年
平成
20 年
平成
21 年
平成
22 年
1
1
1
1
1
491
481
505
522
559
1
1
1
1
1,794
1,779
1,725
1,668
1,839
9
3
2
4
1,718
1,699
1,650
1,731
1,785
5
4
3
8
10
90
74
56
59
44
255
232
222
213
227
ヘルニア及び腸閉塞
肝疾患
腎不全
2
平成
18 年
妊娠、分娩及び産じょく
周産期に発生した病態
先天奇形,変形及び染色
体異常
1
老 衰
平成
19 年
平成
20 年
平成
21 年
平成
22 年
10
10
14
11
10
1,993
2,242
2,782
3,039
3,745
不慮の事故
5
5
2
3
4
2,461
2,551
2,571
2,449
2,877
自 殺
3
1
3
2
1
2.510
2,826
2,776
2,862
2,827
26
33
28
20
15
8,188
9,034
9,567
9,842
11,092
他 殺
その他の全死因
18
18
29
19
25
資料:東京都「人口動態統計」(各年度)
【主要死因別死亡者数(上位)の比較(%)
】
悪性新生物
心疾患(高血圧性を除く)
0%
脳血管疾患
肺炎
その他の全死因
50%
奥多摩町 平成22年
14.2%
平成17年
13.0%
16.7%
15.7%
15.4%
7.4%
25.9%
東京都 平成22年
30.8%
15.6%
平成17年
31.5%
15.6%
100%
10.0%
11.9%
46.3%
10.6%
34.8%
9.2%
34.4%
9.7%
31.2%
資料:東京都「人口動態統計」(各年度)
5
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
(2)健康寿命の推移
本町の健康寿命(要支援以上を障害期間とした場合)をみると、平成 22 年は男性 78.86
歳、女性 83.68 歳となっており、平成 20 年から男女ともわずかながら増加の傾向にあり
ます。東京都平均と比較すると、男性は 3.5 ポイント程度低く、女性は 1 ポイント弱ですが
高くなっています。
【健康寿命の推移】
70
75
80
85 (歳)
奥多摩町
77.15
平成20年 男性
80.66
東京都
83.23
女性
82.27
77.28
平成21年 男性
80.83
83.28
女性
82.58
78.86
平成22年 男性
80.83
83.68
女性
82.57
※要支援以上を障害期間とした場合
資料:東京都福祉保健局
6
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
(3)食育講習会
本町においては、平成 23 年度に食育講習会を以下のように実施しました。
「第 2 回都内産
農林水産物を利用した料理コンクール」において最優秀作品となった、たまものグループ作品
の「奥多摩ワサビ TOKYO X 巻」と、海沢ふれあい農園運営委員会・三つ釜工房が復活させ
た「わさび羊羹」などワサビを使用した料理の講習会も開催しています。
【食育講習会】
実施内容
実施場所
保健福祉センター
14 名
13 名
6月
8名
8月
平成 24 年 3 月
15 名
6名
8月
平成 24 年 3 月
5名
13 名
9月
10 月
9名
11 名
保健福祉センター
平成 24 年 2 月
9名
保健福祉センター
12 月
平成 24 年 2 月
12 名
51 名
天目指(棚沢)
保健福祉センター
文化会館
男性の料理教室(2回開催)
海沢ふれあい農園
親子クッキング(2回開催)
参加者数
5月
9月
郷土食講習会①(山菜)
(おやき)
簡単!朝食クッキング
開催時期
保健福祉センター
保健福祉センター
栄養指導講習会(高血圧)(糖尿病)
福祉会館
血流促進と栄養
「奥多摩ワサビ TOKYO X 巻」に挑戦
郷土食講習会②(おせち)(餅つき)
文化会館
資料:奥多摩町事務報告(平成 23 年度)
7
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
(4)奥多摩町食育推進協議会活動
奥多摩町食育推進協議会は「食」を通じた心の交流ができる場を提供しています。食育推進
協議会委員は、保健推進員、農業関係者、子ども福祉関係者、学校関係者、給食施設関係者、
東京都西多摩保健所職員、及び一般住民(公募)2 名を含む 12 名で構成されています。
【食育推進協議会】
開催年月日
平成 23 年 6 月 2 日
内 容
食育推進協議会で町民のためにできること 他
7月 26 日
食イベント(ふれあいまつり)・食の文化祭協力 他
10 月 6 日
食イベント(ふれあいまつり)・食育ホームページ 他
平成 24 年 1 月 26 日
食育ホームページ・情報交換 他
資料:奥多摩町事務報告(平成 23 年度)
(5)地区ごとの「食」に関する講習会
地域の健康づくりのリーダーである保健推進員の依頼で、平成 23 年度は町内 7 自治会で
「食」に関する講習会を実施しました。日常の食生活を振り返る機会になっているとともに、
どういったことに興味があるのかを把握することに努めています。
【地区ごとの調理実習・食育講習会】
地区・開催日
内 容
参加者数
かんたんごはんづくり
13 名
大丹波地区 9 月 10 日
健康講座「簡単な体操と食事のお話」
14 名
小丹波地区 11 月 12 日
味覚の秋・スポーツの秋を楽しもう
30 名
丹三郎地区 11 月 12 日
骨を強くする牛乳料理と牛乳パックの椅子作り
20 名
棚沢地区
3月8日
かるいストレッチ運動と料理講習
26 名
中山地区
3月9日
山のふるさと村でそば打ち体験
13 名
常磐地区
3 月 13 日
健康づくり料理教室
15 名
川井地区
7 月 29 日
資料:奥多摩町事務報告(平成 23 年度)
8
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
(6)管理栄養士による指導
保健福祉センターの管理栄養士により実施された食育講習会は開催回数の増加に伴い参加者
数も増えています。
【管理栄養士による指導】
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
7回
6回
8回
13 回
117 名
77 名
93 名
177 名
食育講習会
資料:国保健康係
9
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
2.奥多摩町の食育課題
課題1
農地が減少
奥多摩町は町全域が秩父多摩甲斐国立公園に含まれるように山あい
の急峻な地形のため、面積のほとんどが森林であり、農地は 1%に満
たない状況です。その上、農業従事者の高齢化や農作物への野生動物
被害で耕作意欲が減退したことなどから、遊休農地が増加しており、
食の生産現場を身近に感じることが困難となっています。
課題2
町全体での食育の取り組みが必要
現在、各保育園、小学校、中学校、学校給食センターがそ
れぞれ食育に取り組んでいますが、アンケート調査では、子
どもへの食育の意識が低い結果となっています。
これからは、家庭や職場など教育現場以外にも、もっと食
育の重要性を認識してもらうことに努め、全町をあげた一貫
した取り組みにしていくことが必要です。
10
第 2 章 奥多摩町における食の現状と課題
課題3
もっと地元の食材に親しむ機会を
奥多摩町は山間部にあることから急峻な地形が多く農地は多くありませんが、地元農家に依
頼してジャガイモの作付けを体験して給食に使用したり、総合学習の時間にシイタケの採取や
調理実習を行っています。今後も子どもたちが、もっと地元の食材に親しめるように給食への
使用を増やす必要があります。また、これまで地元の食文化を担ってきた高齢者から若い世代
へ伝統的な日本食の良さを伝えることで、食を通じた異世代交流を行うことも課題となってい
ます。
課題4
食生活に気をつけている人は多いが外食に問題
健康について注意していることとしては、半数以上の人が栄養のバランス等食生活に気をつ
けているとしていますが、一方で、外食ではカロリーや栄養バランスを気にする人は少ない状
況にあり、意識のレベルと実際の行動に違いが見られます。
子ども中心とした従来の食育に加えて、家庭における各世代にわたる食育が必要であり、特
に高齢者から若い世代へ伝統的な日本食の良さを伝えることなど、子どもを通じて大人も食生
活の見直しに取り組む必要があります。
11
第 3 章 計画の考え方
第3章
計画の考え方
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
1.基本理念
食を通してこころとからだの健康づくり
食育は知育、徳育、体育と並び、基本的な知識として大切なものです。わたしたちは、
奥多摩の子どもたちが郷土に誇りをもち心身ともに元気で伸びやかに育つように、高齢
になっても健康でいられるような食生活を送れるように、「食を通してこころとからだ
の健康づくり」を基本理念に、豊かな食を楽しむ奥多摩町をつくります。
そのためには、健康な食環境が必要です。昨今の食に関する様々な偽装問題や事件の
露見、東日本大震災の影響による食品の放射線量の問題など、わたしたちが普段口にす
るものが果たして本当に安全で安心できるものなのかという根本的な疑問を生じさせ
ています。まず、安全で安心できる食環境をつくります。
近年、個食や孤食という言葉が一般化していることでも分かるように、食をとる環境
にも問題があります。食を楽しくとることは、栄養バランスの偏り、食べすぎ、過剰な
ダイエットといった不適切な食の防止にも役立ち、何より、いきいきとした健康的な生
活の基本となるものです。そういった充実した食習慣を確立できるように努めます。
また、食の多様化、外部化といった状況の進展が、かえって規格化された大量生産さ
れた個性に乏しい食をもたらしている面も否定できません。食は本来、各家庭、各地域
により様々な特徴をもった豊かなものであるはずです。さらに、食に対する感謝や食生
活のリズムといった基本的なことも、季節ごとの食の変化や地域における伝統食などと
いったものから育まれるものであり、豊かな食文化をもつ奥多摩町のよさを子どもから
高齢者に至るまで認識してもらえるよう努めます。
12
第 3 章 計画の考え方
2.基本目標
前述の基本理念を実現するため、次の 3 つを基本目標として、具体的な施策の展開を図りま
す。
基本目標1
基本目標1
健康的な食生活の推進
基本目標2
家庭における食育の推進
基本目標3
食に関する交流の推進と食文化の継承
健康的な食生活の推進
健康的な食生活を送れるように、保育園・小学校・中学校における食育の取り組みを継続す
るとともに、栄養のバランスやカロリー摂取量など健康に関わる情報の周知を図ります。
また、地域における食育への取り組みを強化するとともに、幼い子をもつ親や高齢者の方に
も参加しやすい事業の推進を図ります。
13
第 3 章 計画の考え方
基本目標2
家庭における食育の推進
食育を実践する最も基本的な主体は各自の家庭です。家庭における食育が機能しなければ、
いくら食育の大切さを唱えても画餅に帰してしまいます。本町の各家庭が子どもから高齢者ま
で家族みんなが食育に取り組めるように援助していきます。
食に対する感謝や朝食を必ずとることで、食生活を見直し正しい生活習慣の確立を図ること
ができよう支援します。
基本目標3
食に関する交流の推進と食文化の継承
実際に自分で食材を育てて料理をつくる、食に関わる様々な人々
とのふれあいを通して、食の大切さや、感謝の心をもつことができ
るよう、交流を推進します。
また、自然に恵まれた本町の伝統的な食文化を次世代に伝えることにより、子どもたちの食
生活を充実させるだけではなく、自分たちの郷土を知ることで郷土愛を育みます。また、給食
や総合学習の時間などを通じて、食材の地産地消にもつながっていけるよう努めます。
14
第 3 章 計画の考え方
3.施策体系
基本理念
■基本目標
基本目標1
■施策の方向性
①正しい食習慣の周知
②保育園、小・中学校における食育推進
食を通して こころとからだの健康づくり
健康的な食生活の
③食に対する意識向上
推進
④地域での食育推進
⑤高齢者への食育推進
基本目標2
①三食きちんととる生活リズムの推進
②家族みんなで食事をとる
家庭における食育の
③家庭の味の継承
推進
④行儀・マナー教育
⑤感謝する心の育成
基本目標3
①地域の食文化の継承
②地産地消の推進
食に関する交流の
③生産者との交流促進
推進と食文化の継承
④奥多摩型グリーンツーリズムの推進
⑤食育推進ネットワークづくり
15
第 4 章 施策の展開
第4章
施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
基本目標1.健康的な食生活の推進
(1)現状と課題
自らの健康管理ができるよう「食を考える力」を養い、食材に触れ、色や形をみて、香りを
楽しみ味わうことで、こころとからだの豊かさを育むことができます。私たちのからだは、口
に入れたもので成り立っているという自覚をもち、正しい生活リズムや食生活を確立し、自分
の身体に何がどれだけ必要なのかを知り、どのように食べれば良いかを考え、実践することが
大切です。
そのためには正しい食習慣に関する知識を習得することが必要で、健康的で正しい食生活を
知り、不規則な食生活や好き嫌いによる栄養バランスの片寄った食事などがもたらす弊害を知
ることで、自らの健康状態を改善することができます。アンケート調査でも、栄養のバランス
等、食生活に気をつけている人が多くなっています。
町では、調理実習の講習会を開催していますが(平成 23 年度 13 回)
、今後は「食」に関す
る講演会も開催し、食習慣を見直すきっかけづくりを図る必要があります。町では、その他に
疾病講習会(生活習慣病)
、離乳食講習会(年 12 回)
、子どもや父兄を対象とした料理教室(夏・
春休み)
、を行っており、今後も実施内容を工夫して、効果をあげていくことが課題となってい
ます。
子どもの体験学習としては、保育園で野菜栽培、ふれあい農園での芋ほり、小・中学校では
給食センターの栄養士や地域の食の関係者を講師にした「食」に関する授業、農家の協力のも
と「山葵づくり」などを行っています。
食に対する感謝やもったいないという意識も希薄化していることから、意識して「食を考え
る」機会を増やすとともに、地域の高齢者が自らの食生活を改善できるように支援することも
必要です。
16
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
(2)食生活の状況
①
過半数が食生活に注意している
健康について注意していることでは、
「定期的に健診を受ける(54.5%)
」と最も多くなって
いますが、次の「栄養のバランス、食生活に気を付ける」が 53.6%と半数以上が食生活に気
をつかっていることが分かります。平成 19 年度に実施した前回アンケートでは 54.0%であ
ったことから、ほぼ同じ傾向にあるといえます。
【健康について注意していること】
n=571
0%
20%
40%
60%
定期的に健診を受ける
54.5
49.9
栄養のバランス等、食生活に気を付ける
53.6
54.0
49.6
44.9
適度の運動をする
37.1
41.0
適度の休養をとる
20.0
20.2
レクリエーションやスポーツ等で気分転換を図る
タバコをやめた
12.3
14.5
お酒を控えている
11.6
14.4
10.2
8.9
グループで行うスポーツ等に参加する
健康講習会に参加するなど健康について情報収集する
その他
2.3
5.9
平成19年度調査(n=813)
2.5
1.8
8.6
8.6
特にない
無回答
平成24年度調査(n=571)
3.2
4.4
資料:奥多摩町の地域保健福祉に関する調査(平成 24 年度)
17
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
②健康づくりに必要な保健事業
健康づくりのために必要な保健事業については、
「健康づくりのための情報の提供(35.4%)
」
が最も多く、
「気軽に参加できる講習会や健康教室の開催(27.3%)」など、健康のための情報
や知識の習得を求める人が多いことが分かります。
【健康づくりに必要な保健事業】
n=571
0%
10%
20%
30%
35.4
33.8
健康づくりのための情報の提供
28.4
26.2
がん検診等の充実
27.3
30.4
気軽に参加できる講習会や健康教室の開催
26.4
心や体の悩みを相談できる窓口の充実
22.4
21.2
19.7
健康づくりのための場の提供
地域に密着した健康づくり活動
19.6
18.3
健康づくりのための仲間・グループづくりの支援
19.4
19.2
14.9
15.1
保健師等の訪問の充実
その他
40%
1.6
1.1
平成24年度調査(n=571)
特にない
10.7
9.8
無回答
7.9
10.3
平成19年度調査(n=813)
資料:奥多摩町の地域保健福祉に関する調査(平成 24 年度)
18
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
③保育園、小・中学校、給食センターでの食育
奥多摩町にある各保育園・小学校・中学校、学校給食センターでは、それぞれ独自に園児、
児童、生徒に対する食育の実践に取り組んでいます。
【保育園、小・中学校、給食センターにおける取り組み】
取り組み内容
サツマイモやジャガイモの植え付け・収穫体験や、ピザ作りなどを通し
保育園
て、自分が食べる食事がどのようにでき上がるかを学びます。
全学年を対象とした夏休み親子料理教室の開催や、3 年生においては町
のわさび塾や地権者の方の指導を受け、植え付けから収穫まで 2 年がかり
小学校
で町の特産物である山葵栽培を行うなど、学年ごとに食について考える取
り組みを行っています。
全学年を対象とした食をテーマにしたポスターの作成や日本の食文化を
学ぶ機会を設けるとともに、学年ごとに椎茸栽培の体験学習や、町内飲食
中学校
店や地場産業への訪問などの校外学習、町外の他地域との交流などを通し
て食について学んでいます。
学校給食においては、給食担当者会議を開催し、食育の取り組みについ
て協議しており、給食センターで安全・安心な給食の提供に努めています。
給食センター
また、食育の推進に努めるとともに、バランスのとれた食事を提供し、成
長期における体力づくりに貢献しています。
資料:奥多摩町事務報告書(平成 23 年)
19
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
(3)施策の方向性
①正しい食習慣の周知
食生活の乱れによる生活習慣病を予防するため、町のホームページ(食育発信)やパンフレ
ット等を通じて正しい食習慣を周知するとともに、地域で食生活に関する講習会や調理実習を
実施し、食育リーダーの人材育成を図ります。学校においては独自の食育目標を掲げ、学校給
食センターの栄養士による食育授業を実施します。また、食育相談窓口を設置し、正しい食習
慣の意識啓発を図ります。
②保育園、小・中学校における食育推進
田植えから収穫まで一連の農作業を体験することによって、食の大切さや感謝の気持ちを学
ぶとともに、町の特産物「椎茸」
「山葵」を利用したお菓子作り等、様々な体験学習を行います。
保育園、小・中学校や各種団体との連携を強化し、町の自然、食、人を楽しみ、奥多摩の良さ
の再発見を図ります。
20
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
③食に対する意識向上
食に対する意識を高めるために実施している、保育園でのウェルカムランチ、小・中学校で
のウェルカム給食の周知を図り、今後さらに、旅館や高齢者施設によるウェルカムランチの実
施に繋げ、カロリーや栄養バランスに配慮した食事体験を促進します。また、町内の飲食店に
は食事バランスガイドの配置や、健康的なメニュー開発及びメニューにカロリー表示をしても
らうなど食に対する意識向上を図ります。
④地域での食育推進
地域における健康リーダーである保健推進員を通じて、各自治会では食育に関する取り組み
を進めています。今後も栄養士による調理実習、栄養指導講習会、
「食」に関する講演会などを
実施して、地域の人たちの食生活の実態を把握し、改善を図ります。
また、地域の高齢者の協力のもと、郷土食、健康食の調理実習を実施し、和食の良さを伝え、
バランスの良い食事を広めていきます。
⑤高齢者への食育を進める
一人暮らしの高齢者や主婦を対象とした、
「手を抜いてもバランスの良い食事作り、朝食作り
が出来る料理講習会」や高齢者の栄養指導講習会、男性の料理教室などの開催回数を増やすと
ともに、高齢者が参加しやすいよう身近な地域での開催に努め、栄養状態の把握や食生活の改
善を図ります。高齢期を迎える前から各種講習会への参加を呼びかけ、地域の食育リーダーと
して育成します。
21
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
(4)目標値
①内閣府「第2次食育推進基本計画」(平成 23~27 年度)
項
目
食育に関心をもっている国民の割合
現状値
目標値
(H24)
(H27)
72.3%
90%以上
週 10 回
週 10 回以上
1.5%
0.0%
28.0%
15.0%以下
学校教育における地場産物を使用する割合
25.0%
30.0%以上
栄養バランスに配慮した食生活を送っている割合
57.8%
60.0%以上
42.06%
50.0%以上
よく噛んで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合
69.4%
80.0%以上
食品の安全性に関する基礎的な知識をもっている国民の割合
66.0%
90.0%以上
朝食または夕食を家族と一緒に食べる回数
朝食を欠食する国民の割合
〃
子ども
20~30 歳代男性
メタボリックシンドロームの予防や改善のための適切な食事、
運動などを継続的に実施している国民の割合
※現状値は平成 24 年 3 月現在の内閣府取りまとめ。調査は各府省により調査年度は異なる。
②「東京都食育推進基本計画(平成 23 年改正)」(平成 23~27 年度)
項
目
食育の意義を理解する
現状値
目標値
(H24)
(H27)
57.8%
70.0%以上
朝食を食べないことが多い
小 5:3.1%
小 5:0.0%
全く、ほとんど食べない
中 2:6.9%
中 2:0.0%
20~39 歳男性
29.3%
15.0%以下
20 歳代女性
36.7%
15.0%以下
小 4:3.0%
小 4:0.0%
中 1:4.8%
中 1:0.0%
子どもに食に対する感謝の心を教えている保護者
20.8%
40.0%
子どもに食に対するマナーを教えている保護者
24.9%
40.0%
児童・生徒に食品の栄養や働きについて指導している小中学校
35.6%
50.0%
児童生徒に地場産物について指導している小中学校
70.7%
20.0%
51.0%
70.0%
57.6%
70.0%
朝食欠食
ふだん家では一人で食べることが多い
たっぷりの野菜と毎日の果物でビタミン、ミネラル、食物繊維
をとる
牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムをとる
22
第 4 章 施策の展開
基本目標 1 健康的な食生活の推進
(5)ライフステージに応じた取り組み
①子どもの取り組み
・食生活に関心をもち、自分の身体に何がどれだけ必要か考える力を養います。
・親と一緒に、正しい食習慣を実践します。
・体験学習を通じて地域の食材についての理解を深め、感謝の心を育てます。
②大人の取り組み
・正しい食習慣を実践し、子どもの見本となります。
・自らの食生活を見直し、野菜の摂取増やカロリーに注意します。
・地域の伝統的な食生活を見直し、日常の食事に取り入れます。
・地域みんなでカロリーや栄養のバランスなど、食に対する意識の向上を図ります。
・地域の高齢者から知識の継承に努めます。
③高齢期の取り組み
・主食、主菜、副菜を基本に自分の健康状態にあった食事を選びます。
・地域の伝統的な食材や食文化に関する知識や経験を広く伝えます。
23
第 4 章 施策の展開
基本目標2 家庭における食育の推進
基本目標2.家庭における食育の推進
(1)現状と課題
毎日の家庭の食卓は、家族の絆を深める団らんの場であり、その日の出来事を語りあう、た
いへん貴重なものです。また、食事をするという行為自体が、味覚・嗅覚などの食の五感を身
に付けるとともに、規則的でバランスのとれた食習慣や、行儀・マナーなど基礎的な作法を学
ぶ機会となっています。奥多摩町では親子クッキング等において、そうした習慣を小さい頃か
ら身に付け、食生活への関心をもつことに力を入れているところです。
一方、生活環境の変化は急速に進行しており、個食化・孤食化といった食事のとり方の変化、
子どもだけではなく保護者も朝食をとらない、好きなものしか食べないといった食習慣の乱れ
が核家族化の進行や共働きの増加とともに広がっており、家庭の食育機能が低下している状況
が指摘されています。アンケート調査では、食事を「いつも誰かと一緒にとる人」は 65.1%
にとどまり、「時々は一緒にとる人」は 23.5%、
「誰かと一緒にとることはほとんどない人」
が 7.7%にとなっています。また、子どもを育てるうえで必要なこととして、
「食の相談・教育
の充実」を挙げた人は少なく、引き続き保護者の食育に対する意識向上を図ることが必要です。
食に対する意識については、
「朝食をきちんととる人」や「野菜をとること」
、
「間食・夜食を
控えることを意識している人」は多くなっていますが、外食のカロリー・栄養バランスや食事
の味付けは気にしないという問題もあります。
昔はどの家庭にも、その家庭の味というものがありましたが、近年の大量生産、大量消費さ
れる規格化された食品の普及により、食卓の個性が失われつつあります。家庭においては、で
きるだけ手づくりで調理し、家庭の味を子どもに伝えることが必要です。今後も、食品の生産
体験や調理実習などを通じて、食に対する感謝を忘れない心を育んでいくことが最も大切なこ
とだと呼びかけていきます。
24
第 4 章 施策の展開
基本目標2 家庭における食育の推進
(2)家庭における食の状況
①朝食をとる人が多いが、外食の栄養バランスを気にする人は少ない
食生活について「いつも」取り組んでいることでは、「朝食をきちんととる」が最も多く
81.3%となっています。次いで、「食事を朝昼晩の3回きちんととっている」が 73.6%と
なっています。
一方の「ほとんどない」取り組みは、
「栄養補助食品を利用する」が最も多く 57.8%とな
っています。次いで、
「外食ではカロリー・栄養バランスを気にする」が 32.4%となってい
ます。
【食生活の状況】
いつも
n=571
時々
朝食をきちんととる
ほとんどない
無回答
81.3
食事を朝昼晩の3回きちんととっている
10.5 6.0
73.6
食事は誰かと食べている
16.1
65.1
食事の時間は楽しい
23.5
59.5
毎食、野菜を食べている
29.1
55.5
39.2
44.5
間食・夜食を控えている
39.2
42.2
食事は味付けを気にする(薄味)
38.7
外食ではカロリー・栄養バランスを気にする
栄養補助食品(サプリメント・栄養ドリンク等)を利用する
15.4
0%
2.8
7.7
3.7
6.5
4.9
14.7
19.8
42.2
32.4
22.9
57.8
50%
4.9
12.6
37.3
20.3
7.5
36.8
よく噛んで食べている
2.3
2.8
3.7
3.9
4.2
5.1
3.9
100%
資料:奥多摩町の地域保健福祉に関する調査(平成 24 年)
25
第 4 章 施策の展開
基本目標2 家庭における食育の推進
②子どもの食育への関心は低い
安心して子育てをするために必要なことでは、
「出産や子育てに対する経済的な負担を軽減
する」が最も多く 48.2%となっています。次いで、
「延長保育や低年齢児保育等、保育サー
ビスを充実する」が 39.4%、
「子ども連れでも安心して活動しやすい、ひとにやさしいまち
づくりを進める」が 22.6%となっています。
「子どもが健やかに育つための食の相談・教育を充実する」は 5.1%にとどまっており、
平成 19 年度調査と比較して、概ね同様の傾向となっています。
【安心して子どもを健やかに産み育てていくために必要なこと】
0%
20%
40%
48.2
49.4
出産や子育てに対する経済的な負担を軽減する
延長保育や低年齢児保育等、保育サービスを充実す
る
30.6
子ども連れでも安全で活動しやすい、ひとにやさし
いまちづくりを進める
20.1
14.5
子どもや妊産婦への健診などの保健事業や医療サー
ビスを充実する
18.7
18.7
妊娠・出産・子育てについての不安や悩みを相談で
きるような窓口を増やす
18.2
20.4
育児休業制度や労働時間の短縮等を普及させる
17.5
16.9
子どもが健全に育つための体験学習や地域活動など
を充実する
17.3
15.9
家事・育児などに対する「男女共同参画」の意識づ
くりを行う
8.8
7.6
子どもが健やかに育つための食の相談・教育を充実
する
5.1
5.2
ボランティアの育成など民間活動を支援する
4.7
3.3
特にない
無回答
39.4
22.6
27.6
子どもが健やかに育つような住環境の整備を推進す
る
その他
60%
平成24年度調査(n=571)
1.4
2.7
平成19年度調査(n=813)
5.8
2.6
10.2
16.6
資料:奥多摩町の地域保健福祉に関する調査(平成 24 年度)
26
第 4 章 施策の展開
基本目標2 家庭における食育の推進
(3)施策の方向性
①三食きちんととる生活リズムをつくる
奥多摩町ではきちんと朝食をとる人が 8 割を超えていますが、子どもに対する食の相談・教
育への関心は低い状況にあります。三食をバランスよくとるといった正しい食生活を子どもの
頃から確立できるよう、親子クッキングなどを通して、きちんとした生活リズムの習得を支援
します。また、講習会などの後も、家庭で取り組めるよう努めます。
②家族みんなで食事をとる
奥多摩町では、食事はいつも誰かと食べる人が 65.1%(前回調査 66.1%)にとどまってお
り、孤食化が進んでいる傾向にあります。また、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯も増
加傾向にあります。
孤食や個食を防止し、家族みんなで食事をとるよう、保育園・小学校・中学校等と連携して、
家庭や地域・事業者などへ啓発し、家庭における食育を推進します。
③家庭の味の継承
家庭や地域に受け継がれてきた食事についての理解を深め、将来に向けて「家庭の味」
「故郷
の味」を伝えていくことができるよう、伝統食・郷土食に詳しい住民を講師に、調理講習会を
実施します。また、各種料理教室やふれあいまつりなどを通じて、各家庭に手づくりの大切さ
を周知し、それぞれの味を受け継いでいけるよう支援します。
④行儀・マナー教育
食事の作法は、その人がどういう教育やしつけを受けてきたか、人としての品格を判断され
ることもあります。作法とは、単にマナーだけの問題でなく、身体に悪い影響を及ぼすことも
あることから、食育のなかで行儀やマナーについて教育するよう保護者に呼びかけます。
「いただきます」
「ごちそうさま」は食材、農業者、調理者への感謝をあらわす最も基本とな
る作法です。奥多摩の子どもたちが将来恥をかくことがないよう、家庭だけでなく地域全体で
教えていきます。
27
第 4 章 施策の展開
基本目標2 家庭における食育の推進
⑤感謝する心の育成
私たちが食べているすべての食物は、豊かな自然の恩恵を受け、多くの人の努力によって生
み出され、食卓に並びます。栽培・収穫・調理を体験することによって、作る人の苦労を理解
し、食に対する感謝の心を育むことができるよう、親子で収穫・調理できる機会を提供します。
(4)目標値
項
【奥多摩町の現状値と目標値】
前回調査
目
(H19)
現状値
(H24)
目標値
(H27)
朝食をきちんととる
83.1%
81.3%
90.0%
食事は誰かと食べる
66.1%
65.1%
70.0%
―
73.6%
80.0%
朝昼晩の 3 回きちんととっている
資料:奥多摩町の地域保健福祉に関する調査(平成 24 年度)
(5)ライフステージに応じた取り組み
①子どもの取り組み
・毎日きちんと三回食事をとります。
・お菓子を食べすぎないようにします。
・家族みんなで食事をとるように心がけます。
・食に感謝し、食べ残したり、粗末にしたりしません。
②大人の取り組み
・子どもに食事の基本的な作法を教えます。
・一日に 1 回は家族そろって食事するようにします。
・家族みんなで食事をとるように呼びかけます。
・できるだけ手づくりで調理し、家庭の味を子どもに伝えます。
③高齢期の取り組み
・それぞれの家庭の味、地域の伝統的な調理法等を伝えます。
・毎日、3 回の食事といろいろなものを食べるようにします。
28
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
基本目標3.食に関する交流の推進と食文化の継承
(1)現状と課題
都市化の進展や後継者不足などにより都内の農地は減少し、豊かな自然環境を誇る奥多摩町
においても、食材の生産現場である農地などを見る機会は随分減ってきています。それに伴い、
家庭や地域で継承されてきた伝統的な食文化が、少子高齢化、核家族化の進行により失われつ
つあります。それに対し、奥多摩町では郷土料理本の発行や、郷土食・伝統料理の継承を目的
とした食育講習会を実施(平成 23 年度 4 回)し、高齢者から若い世代への伝承について取り
組んでいるところです。
本町の特産品である山葵や、しいたけ、しめじ、ジャガイモ、大根などの地元農産物の生産
を推進して郷土の農業を守り、さらには、都市部の住民が気軽に土に触れ合い、地元の人々と
交流できるような事業に取り組むことで町の活性化を図ることも重要です。一方、農業従事者
の高齢化が年々進み、町内の不耕作農地は約 35%に達し、耕作してもらうよう指導を続けて
いる状況です。
また、本町では主食である米の栽培は行っていないことと、山葵以外の農産物を生産してい
る専業農家がないことから、山葵以外の農作物の体験を行うのが難しくなっています。
冷凍保存技術の進歩などで食材の季節感がなくなり、旬という言葉も意味を成さなくなって
いることに加えて、本町は自然環境に恵まれているとはいえ急峻な地形を要しており、農地が
少ないこともあって、子どもたちが実際の食の生産に触れる機会も少ない状況となっています。
もっと季節や地域の食に関する情報を提供する必要があります。
地域の食文化を次世代に継承していくためにも、地域の保健推進員などの人的資源の活用を
図ります。
(2)食に関する交流・食文化継承の状況
①奥多摩町産の食材も給食に使用
現在、奥多摩町には小学校、中学校がそれぞれ 2 校ずつありますが、いずれの学校も完全給
食を実施しており、有機農産物を使用し、奥多摩町産もしくは都内産の食材の使用などに取り
組んでいます。
29
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
②奥多摩わさび塾
東京都山村離島振興施設整備事業として、観光ワサビ園を整備し、後継者育成対策として「奥
多摩わさび塾」事業を実施しています。奥多摩町の特産品である山葵生産の発展のため及び山
葵栽培の担い手の育成と栽培技術の伝承のため、奥多摩わさび塾を開催しており、平成 23 年
度の開催要項は以下のようになっています。
【平成 23 年度
奥多摩わさび塾開催要項】
(1)山葵栽培技術の伝承。
(2)山葵栽培後継者の育成を図る。
目 的
(3)山葵田災害復旧の支援を行う。 (4)受講者同士の連携と先輩農家との交流を図る。
主 催
奥多摩町農業委員会
奥多摩町
後援
奥多摩山葵栽培組合
下記のいずれかに該当する者
受講資格
(1)町内に在住する者。
(2)町内で山葵栽培を行っている者。
研修期間
平成 23 年 4 月から平成 24 年 10 月まで。(1 年 6 か月)
募集人員
10 名
募集期間
平成 23 年 4 月 16 日(土)~平成 24 年 3 月 10 日(土)
無
料
※但し、教材費等が発生した場合は、実費で徴収する。
参加費
また、カズサ(山葵田専用鍬)は各自準備する。
研修場所
奥多摩町大氷川地内余ヶ沢
指導者
講師
研修内容
山葵栽培農家(奥多摩山葵栽培組合員)
第1回
4/16(土)
開講式、基本講習、山葵田造成
第2回
5/14(土)
山葵田造成作業(石積み、作土投入、水路造成)
第3回
7/10(日)
床堀作業、作土投入
第4回
7/23(土)
水路作り、耕耘作業、苗の植付作業
第 5 回 9/3(土)
病害虫及び農薬講習
第6回
9/17(土)
台風被害復旧、防護ネット設置、苗の補植、防虫ネット設置
第7回
10/22(土) 収穫研修・6 期生修了式
第8回
11/26(土) 霜よけ作業、落ち葉除去作業、水管理作業
第9回
事務局
東京都農業改良普及員
3/10(土) 霜よけネット作業
奥多摩町役場観光産業課農林水産係
資料:奥多摩町事務報告書(平成 23 年)
30
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
③おくたま海沢ふれあい農園
「おくたま海沢ふれあい農園運営委員会」を中心に、
「楽農倶楽部」、
「三つ釜工房」、
「箍の会」
の3部会で構成され、農園利用者に提供する講習会の実施、農園の景観維持活動、イベントを
企画しての地域と利用者の交流促進、町や地域のイベントへの出店協力を行っています。
体験イベントでは、新たな取り組みとして、利用者向けの交流イベント、農園音楽祭、町内
小学校の児童による農作業体験を実施しました。また、農園収穫祭や農園で作った野菜苗・花
苗の販売会といった町内に向けたイベントを企画し、海沢地域住民だけではなく多くの町民が
参加し、地元と利用者、来園者との交流を図っています。
滞在型
1,108 人
日帰り型
427 人
【おくたま海沢ふれあい農園の利用状況】
一般
部 員
ボランティア
行 事
来園者
757 人
148 人
2,978 人
56 回
1,425 人
視察・見学・
取材
52 回
177 人
合 計
7,020 人
資料:奥多摩町事務報告書(平成 23 年)
④子ども家庭支援センター(きこりん)
子ども家庭支援センター(きこりん)では、
「畑で発見・食べて笑顔!」と銘打って、おくた
ま海沢ふれあい農園との共同企画で野菜づくりの体験を計画し、実施しています。きこりん利
用者は、子育て中の家族が大半です。普段、時間に追われることの多い生活が予想されます。
野に出てゆったりした親子の触れ合いができたり、収穫した食材を調理して家族で試食を楽し
んだりしてもらおうと計画しています。
ここ2,3年の活動では、じゃがいも、さつまいも、大根などの種まき・収穫を体験しても
らいました。子どもは立派な収穫よりも動物の形に嬉々としていました。試食では、町の管理
栄養士に調理してもらった粉ふき芋、大根中華まんなどを笑顔で食事する家族の様子が印象的
でした。
31
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
(3)施策の方向性
①地域の食文化の継承
地域の食文化を次世代に伝えるために、町の伝統料理を知っている方が講師となって調理実
習の「郷土食講習会」などを開催します。また、郷土食料理本「たまもの」の利用や、
「奥多摩
食の文化祭」にて色々な料理を紹介します。
②地産地消の推進
特産品の山葵以外にも、奥多摩町ではジャガイモ、大根、白菜、きゅうり、トマトなど多く
の野菜を栽培しており、しいたけやしめじは市場にも出荷されています。特にジャガイモは「治
助芋」として商品登録し、消費拡大に努めています。
これら地元の食材を学校給食やふれあいまつりに使用するなど地場産を啓発し、地産地消に
取り組むことで、子どもたちの郷土への愛着を育めるように支援します。
③生産者との交流促進
実際に食のできる現場を身近に感じることができないことが、食に対する感謝やもったいな
いといった基本的な認識をもつことを妨げていることから、保育園、小学校、中学校などでの
体験学習ができるよう、関係者が連携・協力して生産体験の場の整備を推進します。
32
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
④奥多摩型グリーンツーリズムの推進
奥多摩町では、都市部住民と町民との交流促進を目的に、
「おくたま海沢ふれあい農園」を開
設し、奥多摩型グリーンツーリズム事業の拠点として整備しています。今後も収穫と試食会を
組み合わせて魅力的な活動を実施し、町内外への周知に努め利用促進を図ります。
⑤食育推進ネットワークづくり
食育推進協議会委員を中心に、
「おくたま食育ネットワーク」を構築し、
「食」に関する活動
をしている個人・団体が連携し、人材の育成、活動への派遣を行います。また、ホームページ
を魅力的なものにして食育について発信していきます。
(4)目標値
【奥多摩町の現状値と目標値】
項
目
平成 20 年
各地区での調理実習、栄養指導講習会
おくたま海沢ふれあい農園利用者
33
現状値
(H24)
目標値
(H27)
5回
7回
10 回
7,770
7,020 人
増加
第 4 章 施策の展開
基本目標3 食に関する交流の推進と食文化の継承
(5)ライフステージに応じた取り組み
①子どもの取り組み
・地域や家庭の食文化に関心をもちます。
・土とふれあう機会をもち、生産者と交流します。
②大人の取り組み
・地域の食文化を次世代に継承する講習会などに参加します。
・地元の食材をもっと利用します。
・奥多摩型グリーンツーリズムを利用し、都市住民と交流を図ります。
・食育を推進するネットワークに参加します。
③高齢期の取り組み
・自分の知っている地域の食文化を伝えます。
・奥多摩型グリーンツーリズムを利用し、都市住民との交流を図ります。
・食育を推進するネットワークに参加します。
34
第 5 章 推進体制
第5章
推進体制
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
1.食育推進計画の推進体制
(1)町民の役割
食生活は生きることの基本的行為であり、その結果は直接自分自身に返ってくるものであ
ることを自覚することで、子どもから高齢者まですべての町民が責任をもった食生活を営む
ことが大切です。食育とは単に食事に関する知識の伝達ではなく、食を通してこころとから
だが健康になることを目指します。
(2)地域の役割
食に関する行動は家庭や保育園、学校が大きな影響をもちますが、同様に地域の協力も欠か
せません。子どもたちに対する地域の人々による食育支援、高齢者への食生活改善に関する情
報提供や講習会の実施、次世代へ地域の食文化を継承するといったことを通して、地域社会の
つながりの確保までを見据えた真の食育に取り組みます。
(3)行政の役割
保育園・小学校・中学校などにおける食育の推進強化に努めるとともに、栄養や生活習慣
病についての講習会や調理実習などを通じて、本町における食育に関する環境の充実を図っ
ていきます。また、高齢者の食生活に対して、若年層の食の乱れが目立つ状況にあることか
ら、食の知識を積極的に若い世代に伝えていく環境整備を推進していきます。
(4)関係機関との連携
奥多摩町保健福祉センターを中心に、保育園・小学校・中学校、子ども家庭支援センター、
JA西東京、食育関連のNPO、保健推進員等と連携を図り、食育推進計画の着実な推進を図
ります。
35
第 5 章 推進体制
2.食育推進計画の評価
食育推進計画を実効性のあるものとして推進していくために、計画の策定・実行・点検・評
価という、一連のサイクルによって計画の目標達成を目指していきます。
【食育推進計画の策定・実行・点検・評価図】
計画の見直し
計画の策定
・従来の取り組みや目指
すべき方向性などを
もとに計画を策定し
ていきます。
・社会情勢の変化や住民
の意見を参考に計画
の見直しを行ってい
きます。
Act
Plan
Check
Do
計画の点検・評価
計画の実施
・実施が計画に沿ってい
るか、実施状況と目標
達成度の確認をして
いきます。
・具体的な事業展開を行
っていきます。
36
第6章 資料編
第6章
資料編
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
1.奥多摩町基礎データ
(1)人口と世帯数の推移
本町の人口は年々減少を続けており、
平成 15 年度の 7,421 人から平成 24 年度には 5,963
人と約 1,500 人の減少となっています。それに伴い高齢化率も上昇していますが、高齢者人
口については平成 21 年度に 2,546 人とピークを迎えますが、それ以降は減少に転じ、ここ
10 年の間ではトータルで 5 人の減少となっている一方、年少人口が約 40%、生産年齢人口
が約 30%の大幅な減少となっています。
世帯数については、平成 15 年度の 3,067 世帯から平成 24 年度には 2,835 世帯へと 10
年間で 7.6%の減少にとどまっていますが、1 世帯当たりの人員は 2.42 人から 2.10 人と
13.2%減少し、ひとり暮らし世帯や夫婦のみの世帯が増えていることがうかがえます。
【人口(外国人登録含む)の推移(人)】
合計
10,000
7,421
7,256
6,915
6,906
6,727
6,586
6,463
6,286
6,159
5,963
老齢人口
生産年齢人口
年少人口
8,000
6,000
2,498
2,501
2,512
2,523
2,525
2,530
2,546
2,536
2,534
2,493
4,000
4,289
4,155
3,866
3,842
2,000
3,701
3,575
3,447
3,322
3,213
3,087
634
600
537
541
501
481
470
428
412
383
平成
15年度
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
0
資料:奥多摩町「住民基本台帳」(各年 4 月 1 日現在)
37
第6章 資料編
【世帯数の推移(世帯・人)】
6,000
3.00
2.42
2.38
2.30
2.29
2.26
2.23
2.18
2.15
2.14
2.10
4,000
2.00
世帯数
3,067
3,048
3,010
3,010
2,976
2,955
2,961
2,920
2,882
2,835
2,000
1.00
0
1世帯
当たり人員
0.00
平成
15年度
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
資料:奥多摩町「住民基本台帳」(各年 4 月 1 日現在)
(2)出生率と母親年齢別出生数の状況
人口 1,000 人当たりの出生率は、東京都全体、西多摩郡内では、ほぼ横ばいで推移してい
ますが、本町においては増減を繰り返し、平成 23 年度では都の約 4 割、郡部の約 5 割の出生
率となっており、深刻な状況が続いています。母親の年齢別の出生状況では、全体として少子
化及び出産の高齢化の傾向にあります。
【出生率の推移(人)
】
東京都
10.0
郡部
8.2 8.2 8.0
6.8 6.3 7.8 6.7 8.2 6.6 8.5 8.4 6.3
6.2 6.4 8.2 奥多摩町
6.5 5.8 6.0
4.0
8.3 8.4
3.6 3.1 3.4 3.5 3.4 2.6 3.2 2.3 2.0 2.0
0.0
平成
15年度
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
資料:東京都「人口動態統計」(各年度)
38
第6章 資料編
【母親年齢別出生数の推移】
平成
平成
平成
平成
平成
16 年
17 年
18 年
19 年
20 年
25
23
17
22
22
平成
15 年
総 数
22
平成
21 年
平成
22 年
平成
23 年
14
12
19
15 歳未満
1
0
0
0
0
0
0
0
0
15~19 歳
4
0
0
0
0
0
0
0
0
20~24 歳
6
4
2
3
1
2
1
2
1
25~29 歳
7
7
6
4
3
10
3
4
6
30~34 歳
3
8
11
5
6
3
1
4
6
35~39 歳
1
6
3
2
12
6
7
2
6
40~44 歳
0
0
1
3
0
1
2
0
0
45 歳以上
0
0
0
0
0
0
0
0
0
資料:東京都「人口動態統計」(各年度)
(3)保育園・小学校・中学校の状況
保育園児数は平成 15 年度から減少傾向にあり、平成 24 年度には 107 人まで減少して
います。また、平成 15 年度末に小河内小・中学校が、氷川小・中学校にそれぞれ統合され
ました。その後も少子化が進み、児童・生徒数ともに減少しています。
【保育園状況の推移(人)
】
200
合計
氷川保育園
151
149
145
64
67
63
158
136
69
61
100
144
146
136
60
68
57
128
107
古里保育園
53
42
87
82
82
89
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
75
84
78
79
75
65
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
0
平成
15年度
資料:奥多摩町「事務報告」(各年度末現在)
※ 平成 24 年度は、12 月末日現在。
39
第6章 資料編
【小学校児童数の推移(人)】
合計
300
274
263
241
222
212
201
192
184
182
173
小河内小学校
氷川小学校
4
古里小学校
240
131
130
117
180
103
97
91
85
84
81
80
120
60
139
133
124
119
115
110
107
100
101
93
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
0
平成
15年度
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
資料:奥多摩町「事務報告」(各年度 5 月 1 日現在)
【中学校生徒数の推移(人)】
合計
200
149
130
123
135
137
120
120
113
110
93
小河内中学校
氷川中学校
古里中学校
3
67
100
62
55
66
66
59
54
51
48
41
79
68
68
69
71
61
66
62
62
52
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
0
平成
15年度
資料:奥多摩町「事務報告」(各年度 5 月 1 日現在)
40
第6章 資料編
(4)高齢者人口と要介護認定者の推移
本町の高齢者数全体では平成 21 年度から減少傾向に入っており、前期高齢者は平成 15 年
度から減少傾向にありますが、後期高齢者は増加傾向にあります。
10 年間の推移では大きな伸びとはなっていませんが、構成割合では、平成 15 年度が前期
高齢者 47.6%、後期高齢者 52.4%だったものが、平成 24 年度には前期高齢者 40.1%、後
期高齢者 59.9%へと変化し、後期高齢者の占める割合が増加しています。
要介護認定者の推移をみると、平成 19 年度の要支援及び要介護認定者数は 358 人でした
が、平成 24 年度には 392 人に増加しています。要支援1・2、要介護2はそれほどの伸び
を見せていませんが、要介護1、要介護3以上の増加がみられ、重度化が進んでいます。
【前後期高齢者数の推移】
合計
3,000
2,000
2,498
2,501
2,512
2,523
2,525
2,530
2,546
2,536
2,534
2,493
1,190
1,165
1,120
1,122
1,105
1,070
1,065
1,060
1,035
999
前期高齢者
後期高齢者
1,000
1,308
1,336
1,392
1,401
1,420
1,460
1,481
1,476
1,499
1,494
平成
15年度
平成
16年度
平成
17年度
平成
18年度
平成
19年度
平成
20年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
0
資料:奥多摩町「住民基本台帳」(各年 4 月 1 日現在)
【要介護認定者の推移】
合計
400
358
34
300
54
369
364
31
34
65
67
61
69
73
29
41
70
50
35
48
平成
19年度
平成
20年度
382
399
39
45
81
87
66
65
70
65
392
49
83
要介護5
要介護4
要介護3
77
200
要介護2
72
100
66
60
56
43
68
要介護1
50
要支援2
36
39
23
45
37
31
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
44
0
83
34
要支援1
資料:厚生労働省「介護保険事業報告」(各年 10 月 1 日現在)
41
第6章 資料編
2.食育推進協議会
(1)設置要綱
○奥 多 摩 町 食 育 推 進 協 議 会 設 置 要 綱
平 成 22 年 9 月 14 日
要 綱 第 26 号
(設 置 )
第 1 条 食 育 基 本 法 (平 成 17 年 法 律 第 63 号 )に基 づき、町 の食 育 推 進 計 画 の策 定 及 び
総 合 的 な食 育 の 推 進 を図 るた め 、奥 多 摩 町 食 育 推 進 協 議 会 ( 以 下 「協 議 会 」 と いう 。 ) を
設 置 する。
(協 議 事 項 )
第 2 条 協 議 会 は、次 の事 項 について協 議 する。
(1) 町 の食 育 推 進 計 画 の策 定 に関 すること。
(2) 食 育 推 進 計 画 の推 進 及 びその評 価 に関 すること。
(3) 食 育 に関 する情 報 収 集 、共 有 、並 びに町 民 への周 知 に関 すること。
(4) 関 係 機 関 、関 係 団 体 等 との連 携 に関 すること。
(5) 前 号 に定 めるもののほか食 育 の推 進 に関 すること。
(委 員 )
第 3 条 協 議 会 の委 員 は、12 名 以 内 をもって組 織 する。
2 委 員 は、次 の各 号 に掲 げる者 のうちから、町 長 が委 嘱 する。
(1) 町 保 健 推 進 員 1 名
(2) 農 業 関 係 者 3 名
(3) 子 ども福 祉 関 係 者 2 名
(4) 町 立 学 校 関 係 者 1 名
(5) 給 食 施 設 関 係 者 2 名
(6) 一 般 住 民 2 名
(7) 東 京 都 西 多 摩 保 健 所 職 員 1 名
(委 員 の任 期 )
第 4 条 委 員 の任 期 は 2 年 とし、再 任 を妨 げない。ただし、補 欠 の委 員 の任 期 は、前 任 者
の残 任 期 間 とする。
(会 長 及 び副 会 長 )
第 5 条 協 議 会 に、会 長 及 び副 会 長 各 1 名 を置 き、委 員 の互 選 によりこれを定 める。
2 会 長 は、協 議 会 を代 表 し、会 務 を総 理 する。
3 副 会 長 は、会 長 を補 佐 し、会 長 に事 故 あるときは、その職 務 を代 理 する。
42
第6章 資料編
(協 議 会 )
第 6 条 協 議 会 は会 長 が招 集 し、会 長 が議 長 となる。
2 協 議 会 は、委 員 の半 数 以 上 の出 席 がなければ開 くことができない。
3 協 議 会 の議 事 は、出 席 委 員 の過 半 数 で決 し、可 否 同 数 のときは議 長 の決 するところに
よる。
4 会 長 は、必 要 があると認 めたときは、協 議 会 に関 係 者 の出 席 を求 め、提 言 、意 見 又 は説
明 を聴 くことができる。
(報 酬 )
第 7 条 委 員 には、報 酬 は支 給 しない。ただし、協 議 会 に出 席 した者 に対 しては、旅 費 とし
て議 会 の議 員 の議 員 報 酬 及 び費 用 弁 償 等 に関 する条 例 (昭 和 31 年 条 例 第 11 号 )に
規 定 する旅 費 相 当 額 を支 給 する。
(関 連 組 織 )
第 8 条 協 議 会 の関 連 組 織 として、町 内 の給 食 施 設 に所 属 する職 員 により組 織 する奥 多
摩 町 給 食 施 設 連 絡 会 、町 の食 育 推 進 に賛 同 す る町 民 に よ り組 織 す る奥 多 摩 町 食 育 推
進 サポーターの会 をそれぞれ設 置 する。
2 前 項 に規 定 する関 連 組 織 の設 置 に関 して必 要 な事 項 は、福 祉 保 健 課 において別 に定
める。
(庶 務 )
第 9 条 協 議 会 の庶 務 は、福 祉 保 健 課 において処 理 する。
(委 任 )
第 10 条 この要 綱 に定 めるもののほか、協 議 会 の運 営 に関 して必 要 な事 項 は、会 長 が別
に定 める。
附 則
1 この要 綱 は、平 成 22 年 10 月 1 日 から施 行 する。
2 この要 綱 の施 行 の日 以 後 最 初 に招 集 される協 議 会 は、第 6 条 第 1 項 の規 定 にかかわら
ず、町 長 が招 集 する。
43
第6章 資料編
(2)委員名簿
平成 25 年 3 月 31 日現在(敬称略)
選 任 区 分
1
保健推進員
氏
名
所 属 等
備 考
望 月
和 子
濱 野
芳 男
奥多摩町農業委員会 会長
堀
隆 雄
おくたま海沢ふれあい農園
4
天 沼
晋 志
観光産業課農林水産係 課長補佐
5
瀬 貫
重 人
子ども家庭支援センター 相談員
竹 内
和 美
氷川保育園 主任保育士
乙 津
秀 敏
奥多摩町立古里小学校 副校長
森
美 香
奥多摩町学校給食センター 栄養士
荒 井
優里奈
介護老人福祉施設
クリーンウッド奥多摩 栄養士
加 藤
勝 代
石 田
裕 美
2
3
農業関係者
H24.12~
副会長
会 長
子ども福祉関係者
6
7
町立学校関係者
8
給食施設関係者
9
10
一般住民
11
12
保健所職員
近 藤
治 美
13
一般住民
平 原
幸 子
東京都西多摩保健所 生活環境安全課長
~H24.11
(3)事務局名簿
氏
事務局
名
役
職
名
清 水 信 行
福祉保健課長
加 藤 貴代美
国保健康係長
重 田 亜祐子
国保健康係 管理栄養士
44
備
考
第6章 資料編
(4)食育推進計画の策定経過
奥多摩町食育推進計画は、奥多摩町食育推進協議会委員により、関係各課・団体の意見を取
り入れながら、以下のように策定しました。
【食育推進健計画の策定経過】
開催月日
内
容
平成 24 年 6 月 25 日(月)
(参考講話)東京都第 2 次食育推進計画について
平成 24 年 11 月 13 日(火)
食育推進計画シート検討協議
平成 25 年 3 月 18 日(月)
食育推進計画(まとめ)
45
他
他
他
奥多摩町食育推進計画
平成25年3月発行
発
行
奥多摩町
奥多摩町氷川1111
福祉保健課
奥多摩町保健福祉センター
電 話:0428-83-2777(代)
FAX:0428-83-2833