美 術 科 学 習 指 導 案

美 術 科 学 習 指 導 案
1
題材名
2
指導にあたって
日
時
平成20年7月8日(火)第2校時
場
所
美術室
指導学級
2年1組(男16名,女16名,計32名)
指 導 者
教諭
大内
隆
鑑賞「ゲルニカ」のメッセージ
(1) 題材観
先ず,題材に対する美術科の基本的な考え方として,以下の点について言及しておく必要があ
る。それは,生徒が自ら意欲的に美術活動に取り組むためには,生徒の実態を明らかにし,「好奇
心」を刺激するような題材を設定すること,学習していることが自分にとって「やりがい」があ
り,やればできるという「自信」につながり,そして,やってみてよかったという「満足感」を
味わうことができるような教材の精選,学習過程の工夫等を行うことである。このような実践を
繰り返し行うことによって,生徒の学習に対する自己強化が図られ,学習の持続力,さらには基
盤としての感性が養われ,基礎・基本の定着,そして豊かな表現力や生涯にわたって美術を愛好
しようという心情を育むことにつながっていくと考えるからである。
本題材は,学習指導要領の第2節美術科の内容2B鑑賞(2)各学年の鑑賞の内容の[第2学年及
び第3学年]ア作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などを理解し見方を深め,作品に対する
自分の価値意識をもって批評し合い,よさや美しさを幅広く味わうことという視点から,常に時
代の先駆けとして様々な表現様式を産み,現代美術に多大な影響を与えた20世紀最高の芸術家
パブロ=ルイス=ピカソ(1881-1973)の作品を鑑賞し,作品の制作意図を考え,その時代背景
等を知ることによって,作品のもつ意味や価値について理解を深め,鑑賞の能力や態度を養いな
がら,生涯にわたって美術を愛好しようという心情を育む基礎的な活動と位置づけることができ
る。
「ゲルニカ」は,スペインに誕生した共和制政府に対抗して1936年に起きた内乱を背景に,
1937年4月フランコ将軍から依頼されたナチスがバスク地方の小都市ゲルニカへ無差別爆撃
を行ったことに端を発する。それを知ったピカソが,暴力やファシズムへの怒りと抗議,そして,
ファシズムによる戦争犯罪をパリ万博で世界中に告発するために,わずか1ヶ月あまりという短
い期間で描き上げた現代美術の代表的な作品の一つである。また,ゲルニカは現在,スペインの
国立ソフィア王妃芸術センターに展示されているが,平和の象徴(シンボル)として,パリ万博
後は,スペイン共和制政府を支援するために北欧諸国やイギリスで展示され,さらには,第2次
大戦中や冷戦時代においては,アメリカ各地で展示され国際的な評価を受けてきた。
戦後63年目を迎えた日本においては,戦争の記憶も徐々に風化してきており,社会規範,道
徳心の著しい低下と共に,凶悪事件が頻繁に起きているが,平和の尊さや命の尊さについて再認
識する上でもこの作品を取り上げる意義は大きいのではないかと考え,本題材を設定した。
(2) 生徒の実態
今回の鑑賞は,20世紀最大の芸術家ピカソの作品鑑賞を通して,作品に込められたメッセー
ジを読み取り,作者の心情や時代背景などにふれていくことになるが,本題材に入る前に,生徒
の実態を調査した結果,以下のことが明らかになった。アンケート調査では男子16名,女子1
6名,計32名の内,29名の回答が得られた。
3-1
1
美術の分野の中で興味・関心があるものはどれですか?(複数回答も可)
①絵画分野(版画も含む):10名
②デザイン分野:11名
④工芸分野:8名
⑤鑑賞分野:3名
③彫刻分野:12名
鑑賞分野に興味・関心がある生徒が30名中のわずか3名という結果であった。
2
あなたは,次の芸術家の中で知っている芸術家はいますか?知っている芸術家の番号を全て
書き,芸術家について知っていること(作品や出身,時代,印象その他何でも)を書きなさ
い。
①レオナルド=ダ=ビンチ
②クロード=モネ
③ヴィンセント=バン=ゴッホ
④パブロ=ピカソ
⑤ルネ=マグリット
⑥葛飾北斎
芸術家名をピカソに限定せずに,尋ねた結果,1番回答が多かったのが,ダ=ビンチ24名,
次いで順に言うとピカソ16名,ゴッホ15名,葛飾北斎14名,モネ6名,マグリット1名で
あった。生徒の知識としては,このような結果は,順当ではないかと考える。ただし,ピカソに
ついて,知っていることに関しては,多くが名前だけ知っていると回答しており,ゲルニカを描
いた芸術家という回答は3名,不思議な感じ,落書きみたい,独特な感じの絵ということを書い
ている生徒も3名であった。つまり,ピカソについてある程度の予備知識を持っている生徒は少
ないことが分かった。
(3)
指導観
以上のような生徒の実態を踏まえ,授業を組み立てることが必要であるが,その前に鑑賞の授
業で押さえなければならないこととして,「2,3年生は心身ともに急速な発達がみられ,自我
意識が強まるとともに人間としての生き方や価値観が形成されていく時期である。これに合わせ
て見方を深め,美術を生活や社会,歴史などの関連で見つめ,自分の生き方とのかかわりでとら
え鑑賞を深めさせたい。」という視点である。このような視点から鑑賞授業を実践できるものと
して,ピカソのゲルニカは最適な資料であると考える。
次に授業の組み立てであるが,
①ピカソの略歴をどう理解させるか。
生徒の多くが名前しか聞いたことがないということから,ピカソについて略歴を簡単に理解さ
せる必要があると考える。そのための手立てとしては,ピカソの顔写真や様々に変容していった
表現様式等の作品提示によって,ピカソへの興味・関心を高めていきたい。
②ゲルニカの鑑賞を深める手立て(1)
ゲルニカの鑑賞をより深めさせるために,そこに何が描かれているのかを明らかにする必要
がある。そこで,ゲルニカの鑑賞ワークシートを活用して,描かれている人物や動物,物など
を整理して,それらが何を表しているのかを考えさせるようにしていきたい。
③ゲルニカの鑑賞を深める手立て(2)
鑑賞活動では生徒一人ひとりが自分の考えを導き出すこととそれを発表することが大切な活
動となるが,ピカソについて名前しか知らない生徒が多いという実態を踏まえると,他者の意
見を聞きながら,自分の考えをさらに広げていく学習形態をとることが必要と考える。そこで,
グループ活動を取り入れ,互いに意見を出し合いながら,鑑賞を深めることができるようにし
たい。
④ゲルニカの鑑賞を深める手立て(3)
ゲルニカは,縦3m49㎝,横7m77㎝の巨大な絵画である。この作品をピカソは,わず
か1ヶ月で描き上げたと言われている。そのようなピカソの心情をより深く考えさせるために
は,ゲルニカの実際の大きさを実感させることが必要だと考える。そのための方法として,美
術室の横壁に紙テープを使って,ゲルニカの原寸の大きさを目立たないように貼っておきたい。
3-2
ゲルニカを拡大した資料も黒板には貼るが,原寸大のものを貼ることはできないのでそのよう
な工夫をしたい。
⑤ゲルニカの鑑賞を深める手立て(4)
ゲルニカが描かれた時代背景等をより理解させるためには,言葉や文章だけでは伝わりにく
いところも多々あるので,映像資料を活用したい。
以上のような点に留意して,指導計画・学習過程等を考えていきたいと思う。
3
(1)
校内研究テーマとの関連
教科のテーマ
本校の研究テーマ『自ら学ぶ生徒を育むための指導のあり方~望ましい学習習慣の育成を通し
て』を受け,美術科では本年度の教科テーマを『望ましい学習習慣を身につけ、自己の思いを豊
かに表現しようとする生徒を育む』とした。
(2)
教科テーマに迫るための手立て
学習指導要領では、美術科の目標を「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、美術の創造活動の
喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かにし、美術の基礎的能力を伸ば
し、豊かな情操を養う」としている。つまり、生涯に亘って美術を愛好しようとする心情を育む
と同時に豊かな感性、基礎的能力の伸長を通して、人間としての豊かな心を育てることを目標と
している。
この点を踏まえると共に,校内研究テーマから,美術科では「自ら学ぶ生徒」を○意欲・関心
・態度○発想・構想○技能○鑑賞の4つの観点から以下のように捉え、これらの項目が美術科に
おける「望ましい学習習慣」が身に付いている生徒と位置づけ、目指す生徒像を『美術に進んで
取り組み、豊かに表現しようとする生徒』とした。
そのような生徒を育成するために,
①授業の準備・構えをしっかり行う態度を育み、題材への興味・関心を高めるために、授業準備
の徹底と生徒の実態や既習事項を踏まえた題材の設定を行う。
②普段から身の回りにあるいろいろな事物に目を向けさせ、イメージを膨らませる姿勢を持たせ
るために資料提示を工夫したり、学習課題を与えることで、意識を高めていく。
③豊かに表現するためには、用具・材料の使い方を理解し、使いこなすと同時に、それを表現に
生かすために、指導計画の中に習得するための時間を設定したり、学習過程の中で習得できる
工夫をしたり、グループや個別等の学習形態を工夫する。
④広く美術を理解したり、個々の作品について理解し、興味・関心を高めていくために、資料を
有効に活用したり、指導計画の中にどう位置づけていくかを考える。
⑤①~④の実践により、生徒がどのように変容しているかを知るために適切な評価項目を設定し
実践の反省と生徒への評価を行う。
※美術科の捉える「望ましい学習習慣」とは,
意欲 ○チャイムが鳴る前に美術室に入り,服装や持ち物等の準備を整えている。
関心 ○何を学習するのかということに関心を持ち,授業に取り組む構えができている。
態度 ○題材のねらいを理解し,自分なりに発想したり,制作しようという思いを持っている,
発想・制作している。
発想 ○身の回りにある物に関心を持ち,美術的な感覚や視点で,イメージを膨らませたり,
構想
生活や学習に生かそうという思いを持っている,生かしている。
3-3
技能 ○既習の美術用具や道具,材料,さらには,新たに出会った用具,道具,材料等の使い
表現
方を理解し,制作・表現活動に生かそうとしている,生かしている。
鑑賞 ○美術作品や身近に制作した作品に関心を持ち,進んでそのよさや美しさ,面白さを味
わおうとしている,味わっている。
4
題材の目標
観点
関心・意欲・態度
発想・構想
技能・表現
鑑
賞
①作品に興味を持ち,作 ③作品に現れた作者の心 ⑤作品を味わい,描かれ ⑥ゲルニカに込められた
評価
規準
品の制作に至る経緯や
情を想像することがで
ているイメージから自
作者の思いや表現意図
時代背景等を考えよう
きる。
由に発想し,自分の意
を感じ取ることができ
見を発表したり,感想
る。
としている。
④作品に描かれたイメー
②他者の意見を聞き,自
分の考えをさらに広げ
ジを読み取ることがで
を書いたりすることが ⑦作品を鑑賞し,形や色
きる。
できる。
彩等造形的な特色を感
ようとしている。
5
じ取ることができる。
指導と評価の計画
題材名
鑑
時
間
学習内容
賞
1 ①学習内容について知る。
(一斉)
②ピカソの顔写真や作品を
「ゲルニカ」
見る。(一斉)
のメッセー
ジ
③ゲルニカを鑑賞し,描か
れている様々なものにつ
いて整理し,何を描いた
(表した)絵なのかを考
える。
(グループ)
具体的評価規準
指導を要する生徒への
手 立 て
・本時の活動を理解し,意欲を高める ・観察 ・全員に教師の話をきちん
ことができる。
と聞ける態度を持つように
・ピカソの顔写真や何枚かの作品を見
促す。
ながら,ピカソについて簡単な略歴を ・観察
理解することができる。①④⑦
・描かれたものの意味を個々に考えワ
ークシートに記入することができる。
④⑤
・描かれたものについてグループで協
力して話し合い、考えをまとめること
ができる。②③⑦
・まとめた意見を積極的に発表した
り,聞くことができる。②⑤
④描かれた時代背景を知る。 ・映像を通して描かれた時代背景につ
(一斉)
いて,理解を深めることができる。
①②
⑤ゲルニカを鑑賞し,作者 ・ピカソの思いを考え,ワークシート
の心情やゲルニカのもつ にまとめることができる。③⑤⑥⑦
普遍的な価値について考 ・意見を発表したり,聞くことができ
える。
る。②⑤
(個別)
・ゲルニカのもつ普遍的な価値につい
て考えを深め,感想にまとめることが
できる。②③⑥⑦
・意見を発表したり,聞くことができ
る。②⑤
⑥感想にまとめる。
(個別)
評 価
方 法
・観察
・プリ
ント
・プリ
ント
・プリ
ント
・観察
・観察
・プリ
ント
・観察
・プリ
ント
・観察
・本時の学習を振り返り,作品や作者 ・ プ リ
について気づいたことを感想にまとめ
ント
ることができる。⑤
3-4
・描かれているものを見つ
けやすいようにワークシー
トを活用する。
・グループ活動を取り入れ
ることで,意見を出し易い
雰囲気をつくる。
・映像によってその時代の
情勢を理解しやすいように
する。
6
本時の指導(指導計画の第1/1時)
(1) 題材名
鑑賞「ゲルニカ」のメッセージ
(2) 本時の目標
①ピカソがゲルニカに込めた思いを考え,現代にも通じる普遍的な価値について感じ取る
ことができる。
②感じたことを発表し合い,絵から様々な意味を読みとるができることを理解し,鑑賞す
る態度を身につけることができる。
(3) 本時の指導にあたって
ピカソのゲルニカは20世紀の代表的な絵画であることを理解させ,加えて絵画の持つメッ
セージ性という点についても理解させたい。そして,ゲルニカの鑑賞を通して,「作品を読み
取る」方法や見方,人それぞれに感じ取り方が違い,それが鑑賞には大切な要素であることに
も気づかせたいと思う。そして,いろいろな作品と出会った時に,作品の意味・価値について
深く味わい,美術を生涯にわたって愛好していこうという心を育む基本となるよう,鑑賞の楽
しさを感じ取れるように①資料の工夫②ワークシートの活用③映像資料の活用④学習形態の工
夫等を図りながら,授業を展開していきたいと思う。
(4) 学習過程
別紙参照
(5) 評価
【生徒の目標に対する評価】
○ゲルニカに描かれた様々なものを整理し,何を表しているかを考えることができる。
○ゲルニカの造形的な要素を理解し,ゲルニカに込めたピカソの思いを感じ取り,作品の持つ普
遍的な価値について考えを深めることができる。
○他の発表をしっかり聞くことができる。
○グループ内で他の考えや意見を聞き,自分の気づかなかった鑑賞の視点を得ることができる。
○作品の持つメッセージ性に気づき,美術と時代や社会との関わりについて考えることができる。
【教師の指導・計画などに対する評価】
○生徒が作品をしっかり鑑賞しながら,考えをまとめたり,発表する環境を整え,生徒の学習活
動が円滑に行われるように準備・計画を行い,柔軟な指導が行えたか。
○鑑賞のための資料の精選,提示の仕方と工夫,映像機器の適切な操作等が行えていたか。
○生徒のやりがいや自信・満足感につながるような支援ができたか。
(6) 準備物
【教師】○ピカソの顔写真
○ピカソの表現様式の変遷が分かるような作品資料
○ゲルニカの拡大コピー
○ゲルニカの各要素を示すための磁石
○ゲルニカの大きさを示すための紙テープ
○ワークシート
【生徒】☆筆記用具
○パソコン
○プロジェクター
※美術資料集
(7) 座席表(個人情報保護のため省略)
3-5
(4) 学習過程
段階
学習活動
指導上の支援・留意点
(時間配分)
導入
①あいさつ
評価
方法
指導を要する生徒への手立
て(A/Cの手立て)
・明るく,しっかりとしたあいさつを心がける。 観 A:あいさつがきちんとできる。
10 分
察 C:きちんとあいさつができるよ
うに声がけする。
②本時の学習内容に ・教師の話をしっかり聞く態度に留意する。
ついて知る。
1)ピカソの顔写真
「今日は,作品の鑑賞をします。」
観 A:話をきちんと聞くことができ
察 る。
・スクリーンにピカソの写真を映し出す。
C:注目させ,話をしっかり聞く
や作品を見る。 「この人誰か知っている?」
「・・」
「分からない」
(一斉)
ように促す。
「この人物は20世紀を代表する世界的に有名な
A:鑑賞への意欲を高めることが
芸術家です。」「では,この芸術家が描いた作品を
できる。
見てみましょう。」
C:資料提示等によって興味を持
・年代を追って作品を提示する。
たせ,鑑賞への意欲を高める。
「どんな感じがする?」「とても上手」「変な絵」
「何描いてるか分からない」「落書きみたい」
・「さあ,この人はいったい誰か分かったかな?」
「ピカソ」※名前が出ない場合は,教える。
展開
35 分
2) 「 ゲ ル ニ カ 」 を ○「ゲルニカ」の拡大コピーを黒板に貼り,本時 観 A:ゲルニカの鑑賞への意欲を高
見る。
はピカソの描いた作品「ゲルニカ」を鑑賞する 察 めることができる。
ことを告げる。
C:資料提示等によって興味を持
③「ゲルニカ」を見 ○ワークシートを配布する。
たせ,鑑賞への意欲を高める。
て,グループ毎に ○ゲルニカの各部分に描かれているものが何かを 観 A:グループで協力しながら,作
感想を出す。
(グループ)
考え,ワークシートに記入させる。
察 業や話し合いを進めることができ
「ゲルニカは,どんな絵なのか考えてみよう。」
「考
る。
える手立てとして,どんなものが描かれているか プ C:ワークシートへの記入や話し
をワークシートに書き出してみながら,何を表し リ 合いにしっかり取り組ませる。
た絵なのか話し合ってみよう。後で,グループ毎 ン
に班長さんから発表してもらいますよ。」
ト
○グループでまとまって話し合いを進めているか
机間指導しながら,話し合いの進み具合等を観
察し,次の指示について考える。
4) グ ル ー プ 毎 に 感 ○班長に話し合ったことを発表させる。
想を発表する。
観 A:各代表の発表をきちんと聞く
察 ことができる。
(グループ)
C:話している人に注目させ,話
④「ゲルニカ」が戦 ○ピカソが「ゲルニカ」を制作した動機や時代背
をしっかり聞くように促す。
争を告発する絵で
景等について,映像資料を活用しながら,生徒 観 A:説明をきちんと聞き,映像を
あることを知り,
に印象づけられるようにする。
察 しっかり見て,ゲルニカ制作の経
制作の経過や描か 「祖国スペインの内乱により共和制政府軍に対抗
過を知ることができる。
れた時代背景を知 したフランコ将軍がナチスに空爆を依頼し,バス
C:説明をしっかり聞き,映像を
る。(一斉)
見るように促す。
ク地方の小都市ゲルニカが爆撃され,多くの市民
が犠牲となった。それを知ったピカソが,ちょう
どパリ万博のスペイン館に展示するために依頼さ
れていた作品のテーマをファシズムによる無差別
爆撃を世界中に告発するものとしてゲルニカの制
作に取り組んだ。」
3-6
○美術室の壁に貼った紙テープに注目させる。
観 A:壁のテープに注目し,説明を
「ゲルニカの大きさは,縦349㎝,横777㎝ 察 きちんと聞くことができる。
の大作であるが,ピカソはこれをわずか1ヶ月あ
C:壁のテープに注目させ,説明
まりで描き上げた。」
をしっかり聞くように促す。
⑤「ゲルニカ」の普 ○「ゲルニカ」の拡大コピーに注目させ,ピカソ
遍的な価値につい
の心情についてじっくり考えさせる。
て考える。
(個別)
1)課題Ⅰ
観 A:ゲルニカの普遍的な価値につ
「なぜ,ピカソは ○じっくり考えさせ,ワークシートに記入させる。 察 いて,自分の考えをまとめること
爆弾や爆撃機を描か
ができる。
ないで,人物や動物
プ C:ゲルニカの普遍的な価値があ
等を描いたのだろ
リ ることに気づかせ,自分なりに考
う?」
○何人かに発表させる。
ン えをまとめられるように促す。
ト
2)課題Ⅱ
「なぜ,ピカソは ○じっくり考えさせ,ワークシートに記入させる。
白と黒,灰色だけで
ゲルニカを描いたの
だろう?」
終結
5分
○何人かに発表させる。
⑥再度「ゲルニカ」 ○本時の学習を振り返り,作品や作者について感 観 A:作品や作者について感じたこ
を鑑賞し,感想に
じたことや学んだことを感想にまとめさせる。 察 とや学んだことをまとめることが
まとめる。
※資料集にある「ゲルニカ」もあわせて見なが
(個別)
ら,まとめるように促す。
できる。
プ C:本時を振り返らせ,自分なり
リ に作品や作者について感じたこと
ン や学んだことをまとめられるよう
ト に促す。
○あいさつ
(8) 資料
○明るく,しっかりとしたあいさつを心がける。
・ワークシート(1)
・・・「ゲルニカ」に描かれた人物や動物等を書き出すためのプリント(省略)
・ワークシート(2)
・・・課題Ⅰ,課題Ⅱや感想を書くためのプリント(省略)
3-7