とりのーと八十五号

とりのーと八十五号
今月のトリ「ヒドリガモ」
カモ目カモ科 10月に入り、各地で早めに渡って来たカモ類の姿が見られるようになって来ました。
カモの仲間は、カルガモを除いてはほとんどが冬鳥で、11月から3月ごろまでが観察に適した時期です。
公園の池や湖などで、多数の群れになることが多く、比較的見やすいので、初心者にも観察しやすい対象です。
ヒドリガモは冬鳥として全国に飛来し、マガモ、カルガモ、コガモなどと並んで、最も普通に見られるカモの一種
です。♂は額がクリーム色で、顔から首が茶褐色、体の上面は灰色で、黒く細かい斑が密にあります。♀は全体に褐
色です。
カモの仲間は♂が非常に派手で綺麗な色彩をしていますが、♀は総じて地味なため他のカモ類の♀と見分けが難し
いこともあります。また、カモ類の♂は秋から冬にかけて派手な繁殖羽に換羽するので、今頃はまだ地味な非繁殖
羽であることが多く、こういう時期には♂♀の区別が難しくなります。こういうところもカモ類観察の面白いとこ
ろであると言えるでしょう。
観察の森の池ではコガモが少数見られる程度ですが、牛久周辺には、カモ類が多く飛来する湖沼や公園が数多くあ
ります。牛久沼はマガモやカルガモが多く、コガモやヒドリガモも見られます。霞ヶ浦(土浦市内)はマガモとヒ
ドリガモが優勢ですが、霞ヶ浦は広いので場所が変わるとカモ類の分布も微妙に違います。土浦市の宍塚大池には
マガモが多いのですが、同じ土浦市の乙戸沼ではマガモはほとんど見られず、ヒドリガモが圧倒的です。このように、
場所によって飛来するカモの種類が違うのも面白いところです。
ところでヒドリガモは主にユーラシア大陸に分布する鳥ですが、アメリカにはよく似たアメリカヒドリという別の
鳥がいて、日本にも少数が渡って来ます。ヒドリガモとアメリカヒドリは繁殖域が重なるため、両種の交雑が比較
的多く見られます。ヒドリガモが多いところでは、アメリカヒドリまたはアメリカヒドリとの交雑種が観察される
ことがよくあります。
アメリカヒドリ♂の特徴は顔の緑色光沢ですが、ヒドリガ
モも光の加減によっては緑色光沢が見えることもあり、交
雑種ではないかと言われるところです。
純粋なアメリカヒドリであるかどうかは、白っぽい顔に細
かい黒斑、背のぶどう色などの特徴をよく見る必要があり
ます。
ヒドリガモ♂
アメリカヒドリ♂
牛久自然観察の野鳥通信 平成 28 年 10 月発行 文・写真:牛久とりの会 編集:蓮尾亮
森からのたより
【観察できた野鳥】
「9/18(日)定例バードウォッチング」
コジュケイ、キジバト、
アオサギ、ダイサギ、
チュウサギ、カワセミ、モズ、
コゲラ、ハシボソガラス、
ハシブトガラス、ヤマガラ、
シジュウカラ、ツバメ、
ヒヨドリ、エナガ、
メジロ、セグロセキレイ
計17種
観察舎でメジロを観察中
バッタ原では小雨が降り続き、遠くの方でカラスがちょっと鳴く程度なので早々に林の中へ移動です。雨が降る
中でのバードウォッチングは難しいのかと思い十字路に着くと、上空を10羽ほどのエナガの群れが通過してい
きました。その後をエナガの群れを追いかけるように2∼3羽のシジュウカラが飛んでいきます、雨がやみ始め
たからでしょうか?小鳥たちが活発に動きはじめました。
その後観察舎に行くと、近くにマメガキが植えられちょうど熟しはじめたいくつかの実に、今度は20羽ほどの
メジロの群れが集まり移動していきました。熟しているマメガキを見つけては、あっちにいったりこっちにいっ
たりととてもせわしなく移動していきます。参加者の皆さんは各々双眼鏡で見つけたようで満足そうでしたよ♪
コブナの流れの池では前回と同様の場所でカワセミがゆっくりと休憩中。この場所はもしかしたらカワセミのお
気に入りの休憩場所なのかもしれませんね。
林を抜けビートルズトレイルに行くと、少し離れた電柱のてっぺんから「ギチギチ」とモ
ズの高鳴きが聞こえます。モズは秋から冬にかけて高鳴きをすることで、自分の縄張り宣
言をするので、この声を聞くと秋を感じます。
モズ
次回の牛久自然観察の森の
その後にダイサギやチュウサギなどのサギ類を見かけたところで、少しずつ
黒い雲が近づいてきたのでバードウォッチングは終了となりました。
今回は雨の影響もあったせいか見られた野鳥は17種と例年に比べ少な
平成 11 月 20 日(日)
28 年 9:00〜11:00
く感じました。10月は16日に開催いたします、この時期は9月同様にも
しかしたら旅鳥も通過しますので、面白い出会いがあるかもしれませんね。
次回もお楽しみに♪(蓮尾)
バードウォッチング
□参加費無料 事前申込不要
□ネイチャーセンター集合
□双眼鏡の無料貸出がございます。
□強風・雨天時中止
※中止の際は、開始 1 時間前に
HP にて掲載。