4月 定例 自然観察会 虫の眼で見るネイチャーランド 開催日時: H23 年 4 月 17 日 10:00∼ 12:00 天 気: 晴れ 参加人数: 30 名 講 師:伊達 功先生 森の中へはいると早春の冷たい風はさえぎられて、 明るい日差し だけが届いていました。寒さに身構えていた身体が、ほっと緩むよ うな気がしました。樹木に囲まれた穏やかな空間は、たくさんの命 の始まりを迎えているようです。 ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、キツツキの声がにぎやかでし た。枯葉の中から目を覚ましたばかりのアマガエルは、まだ緑の少 ない森の中では茶色の身体をしています。倒れたアカマツの幹には 冬を越したカワゲラの幼虫などもみられました。 公園のなかで湧水から流れる沢を一部せき止めた小さい池に、ト ウホクサンショウウオの卵のうがみられました。池に落ちた小枝に 絡むように産み付けられた白いひものような卵のうのなかに、ぷつ ぷつと黒い幼生が見えています。なかに卵が白く大きいものも見つ かりましたが、これはどうやら死んでいるようです。急な寒さで浅 い場所のものが凍ったためかもしれないということでした。日本の 固有種で主に東北地方の山間のきれいな水の流れのある場所に生息しています。雪解の頃が産 卵の季節で、卵から還った幼生は年内にはほとんどが陸へ上がり森の中で暮らしますため、今 の季節以外はなかなか出会う機会がありません。 倒れたアカマツの樹皮のなかに ムカデやトビムシ 沢にカゲロウの仲間(幼虫) 釣りの餌となる 緑色の残るウスタビガの繭に 卵が産み付けられていた。 堰止められた沢に トウホクサンショウウオの卵 1 枯葉のなかから 冬眠から目覚めたアマガエル 今回の観察記録 動物・昆虫など ジグモ・アマガエル(枯葉色)・ヤニサシガメ(幼虫)・カワ ゲラの幼虫・ムカデ・トビムシ(昆虫よりも原始的な特徴を持 つ)・トウホクサンショウウオ(卵襄)・ウスタビガ(繭・卵)・ カゲロウの仲間(幼虫)・アメンボの仲間 植物 アカマツ(冠雪害による幹折)コブシ・サンショ(枝がいい匂 い)・ツタウルシ(これからかぶれやすくなるので注意)・フ ジ(シカがこの樹皮をよく食べる。)・ハリギリ(トゲトゲで 芽を守る)。ウグイスカグラ・サイカチ(去年の莢果が落ちて いた)・ホオノキ・エゾエノキ・カシワ(落葉) 鳥 ヒガラ・シジュウカラ・ヤマガラ・ゴジュウカラなどさえずり・ コゲラ・アオゲラ・アカゲラ 来月は5月15 日 足澤 匤氏の案内で「植物の不思議探検隊」を開催します。木々が芽吹く季 節です。さわやかな森のエネルギーを感じてみましょう! 10時までにネイチャーセンターまで お集まりください。 2
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