水鳥公園からのたより 米子水鳥公園 (☎24−6139・ 24−6140) アメリカヒドリ 10月から11月は、水鳥公園に最もたくさんの鳥が集まる時期です。多 い時は1万羽以上にもなるのですが、これだけ多くのカモが集まっている と、よく探せば珍しいカモが紛れていることがあります。アメリカヒドリ も、そんな珍しいカモの一つです。 アメリカヒドリは北アメリカに生息するカモで、日本には毎年少数が越 冬のために飛来しています。水鳥公園で普通に見られるヒドリガモとよく 似ているのですが、顔が白くて小さな黒いまだら模様があり、目の後ろに 金属光沢がある緑色の帯模様があるのが特徴です。 毎年、水鳥公園にはアメリカヒドリのようなカモがやってくるのですが、 そのほとんどはヒドリガモとの交雑個体です。 交雑個体の外見には、両親である異なる2種類の特徴が現れているのですが、中にはアメリカヒドリの特徴が強 く現れているものがいて、アメリカヒドリだと間違えられることがよくあります。このような紛らわしい個体がよ くいる一方で、純粋なアメリカヒドリは数年に1度しか見られません。紛らわしい個体を見慣れているせいであま り珍しく感じない鳥ですが、実は印象以上に珍しいカモなのです。 水鳥公園では、近年出現頻度が増えていて、平成24年以降は毎年確認されていますが、平成24年、平成25年は 数日しか確認されませんでした。長期滞在したのは、開園後20年間のうち、平成15年、平成26年、平成27年の 3年だけです。昨年、一昨年と長期滞在してくれたので、今年もやって来てくれることを期待しています。 ところで、アメリカヒドリは交雑個体が多いとお話ししましたが、自然界では野生生物間の交雑個体はとても珍 しいです。ところが、その中でもカモ類は特に交雑個体が多いグループとして知られています。確かに、水鳥公園 でこれまでに確認されている200種類以上の鳥のうち、交雑個体と思われるものが見つかったのはカモ類だけです。 その中でもヒドリガモとアメリカヒドリの組み合わせが最も多いです。アメリカから迷ってロシアに来てしまった アメリカヒドリが、ごく近縁なヒドリガモと行動を共にするうちに仲良くなり、番いになってロシアで子育てをし ている例が多いのかな、と想像しています。 米子水鳥公園主任指導員 桐原佳介 つが きり は ら け い す け 11月に見られる生きものたち 鳥類:コハクチョウ、マガン、ホシハジロなどのカモ類、カンムリカイツブリなどのカイツブリ 類、ダイサギなどのサギ類、クロツラヘラサギなどのヘラサギ類、ノスリなどのタカ類、オオジュ リンなどの小鳥類、カワセミ、カワウ など。 当日受付。 集合:水鳥 園ネイチャー センター 手作り自然教室 バードカービング展 「第10回水鳥 園で生まれた木鳥たち」 「鳥の羽根のブローチを作ろう!」 水鳥 園を拠点に活動しているバー ドカービング米子の皆さんが作っ た、今にも動き出しそうな木彫りの 鳥を多数展示します。6日(日)午 後3時まで。出品:バードカービン グ米子。会場:水鳥 園ネイチャー センター 自然観察会「落雁を観よう!」 美しい野鳥の羽根を木彫りで本物 そっくりに作ってブローチに仕上げ ます。20日(日)午前9時30 ∼午 後2時。対象:小学生以上先着15人。 要予約。参加費:500円。会場:水 鳥 園ネイチャーセンター 子ども自由研究発表会 自然に関する自由研究に取り組んだ 小学生を招待して、研究成果を発表 夕暮れ空の中、マガンの大群が水鳥 してもらいます。ぜひ、子どもたち 園に舞い りる様子を観察しま の発表を見にお越しください。27 す。12日(土)午後4時30 ∼5時 30 。対象:小学生以上がおすすめ・ 日(日)午後2時∼5時。対象:小学 11月の催し 生以上・予約不要。会場:水鳥 園 ネイチャーセンター視 覚室 第11回フェザーカービング展 水鳥 園を拠点に活動しているバー ドカービング米子の皆さんが作っ た、本物そっくりな木彫りの鳥の羽 根を多数展示します。27日(日)午 後3時まで。出品:バードカービン グ米子。会場:水鳥 園ネイチャー センター ●米子水鳥公園の催しへの参加には 入館料が必要です。手作り自然教室 の参加費は、入館料を含めた大人・ 子ども一律の料金です。 ●入館料は、高校生∼69歳の方は 310円、その他は無料です。 ●水鳥公園のイベントは、とっとり 県民カレッジ連携講座です。 ■開館時間 午前8時30 ∼午後5時30 ■ 11月の休館日 毎週火曜日と4日、24日
© Copyright 2024 Paperzz