よんでんグループ アニュアルレポート 2016 四国電力の概要 CONTENTS トップメッセージ 特集 事業活動 CSR 活動 外部意見 お客さまのご意見 四国電力では、お客さまとの懇談会や発電所の見学会などの機会を捉え、地域の皆さまとの積極的な意見交換 や、ウェブサイトを通じた双方向のコミュニケーションに努めるなど、様々な機会を通じてお客さまのご意見に耳を 傾け、事業運営に役立てるよう努めています。 このうち、 「お客さま懇談会」では、社長をはじめとする経営層が、地方自治体や経済・産業団体、婦人・消費者 団体、教育関係者、マスコミ、大口お客さまなどに、当社事業を巡る最近のトピックスについて説明し、いただいた ご質問・ご意見に対して丁寧に説明するなど、有意義な意見交換の場となっています。ここでは、皆さまからのご意 見の一部を紹介します。 原子力発電に関して お客さま懇談会(徳島支店) 電力システム改革に関して 「国民は、原子力発電の安全性を確か 「自由化後も、不必要な無駄を省くこと めることができず、専門家に任せるしか は当然であるが、四国電力には地道に ないため、それについて、どれだけ議論 しっかりと信頼できる安定した電気を供 されているかを見ている。詳しいことは 給していただきたい。」 わからなくとも、あの問題は非常に議論 されている、と思うことができれば国民 「これまでも、地域によって供給コストが は納得する。議論を深めているものは、 異なっているなかで、ユニバーサルサー 必ず信頼を勝ち得ている。そのプロセ ビスが続けられてきた。国民は、引き続 スは、事業者にとって非常に厳しいと思 き、過疎地や離島に対しても平準化す うが頑張っていただきたい。」 ることを望んでいるのではないかと考 えている。自由化によって都市部だけ 「電気料金よりも、やはり事故を起こさ がメリットを享受することがあってはな ないことが重要と考えている。福島県 らないと思っており、その点は長期的な や東北地方では、現在も観光産業が壊 課題であると思う。」 滅状態のところもある。伊方発電所で 事故が起これば、愛媛県の観光・農林水 産業が壊滅するとの覚悟で、安全を期 してほしい。」 電気料金に関して 「今後、電力会社には、 『小売業』という 側面を非常に強く持ってほしいと思って いる。小売業は、原価が上昇しても、増 税されても価格に転嫁できず、経費の 削減を徹底して進めている。電力会社 にも同じような感覚で取り組んでいた だきたい。」 地域共生に関して 「県の振興策や県民が参加するイベン ト等にいろいろご支援いただいており、 大変ありがたいと思っている。今後は、 そういった点も競合他社との差別化に つながっていくのではないか。」 「出前エネルギー授業では、子どもの目 がすごく生き生きしているため、今後と も取り組んでいただきたい。」 76 財務情報・会社情報 よんでんグループ アニュアルレポート 2016 四国電力の概要 CONTENTS トップメッセージ 特集 事業活動 CSR 活動 77 財務情報・会社情報 外部意見 第三者意見 よんでんグループ CSR 活動について 四国における電力の安定供給という社会的責任を担っているよんでんグループは、そ また、今後、より良い誌面となることを期待する点として、次の 3 点を挙げたいと思い の基本的ミッションを実行しつつ、より一層透明性を確保した企業活動を進め、地域社会 ます。 からの信頼を獲得していくとともに、公共性を有する企業として地域に貢献する活動が 期待されており、そうした点が反映された CSR が望まれます。 今回の「よんでん CSR 活動」の記事についても、事業活動と CSR 活動のセクション • 海外事業に関する取り組みでは、具体的な事業内容を紹介することで、よりイメージ が湧きやすくなるのではないでしょうか。 •「CSR 活動の7つの柱」に基づき取り組んでいる活動の紹介では、特に「環境保全活 を中心に読ませていただきましたが、例えば、VOICE というコーナーを各所に設置して、 動の推進」に最も多く誌面が割かれており、そこでは、インプットとアウトプットについ 写真付きで取り組み例を紹介する記事を充実させるなど、具体的に内容を伝えようとす ての、詳細な内訳や、CO2排出量の変化が図示されています。これらが伊方発電所の る姿勢は評価できます。その他、評価すべき点として、次の 4 点を挙げたいと思います。 再稼働によって、どのように変化するのか、今後の動向に注目したいと思います。 • 原子力発電に関する取り組みでは、安全確保の取り組みを動画で紹介するといった •「開かれた経営の実践」での取り組みでは、外部意見として、お客さま懇談会におけ 工夫がなされており、読者にとってのわかりやすさの観点から、評価できます。今後 る地域各界の皆さまからのご意見を紹介していますが、その回答を記載することで、 も、 「伊方方式」や「対話活動」を通して、地域の皆さまの信頼や理解を得られるよ 読者である様々なステークホルダーの理解も深まり、双方向のコミュニケーションが う、引き続き積極的に情報開示に取り組んでいくことが望まれます。 図れるのではないでしょうか。 • 火力発電に関する取り組みでは、品質の良い、安価な石炭を調達・販売する目的で 豪州に新会社を設立し、燃料調達コストの低減を図り、競争力を強化しようと取り 東日本大震災から5年が経った今でも、原子力発電に対する社会の目は非常に厳しい 組んでいる点が高く評価できます。 ものがありますが、よんでんグループには、そうした社会の動きに真 に向き合いなが • 顧客志向の観点からは、省エネやライフスタイルに合った料金メニューの選択に資す ることができる「スマートメーターの導入」は、注目度の高い取り組みと思われます。 ら、電気事業という地域産業を支える社会的使命を遂行する企業として、さらなる発展を 期待しています。 •「従業員活力の維持・向上」では、子育て支援制度の取り組み事例が紹介されてお り、良い取り組みで高く評価でき、更に進めていただければと思います。 1965 年生まれ。1995 年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得のうえ満期退学。 国を挙げて地方創生に関する政策的取り組みが行われるなか、 「地域共生活動の推 進」が注目されます。エネルギー教育は、次代を担う子どもたちへの投資で、社会の貴重 な財産になると思われるので、ぜひ充実させ、さらに普及させていただきたい。地域の個 香川大学経済学部常勤講師、助教授などを経て現職。2011 ∼ 2012年米国 UCLA フルブライト 客員研究員。産業クラスターや映画産業における国際プロジェクトに関する経済地理学的研究、 クリエイティビティベースの地域活性化に関する研究を進めている。 性ある資源を活かす「産業活性化への協力」 「芸術・文化の振興支援」などは、さらに大 香川大学 大学院 地域マネジメント研究科(香川大学ビジネススクール) 教授・研究科長 きな広がりを持つようにしていただければと思います。 原 真志氏
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