小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事が始まります

小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事が始まります
世界遺産センター
遺産の管理のための4つの機能のご紹介~
◆
外来種検査・処置機能
◆
保全事業にかかる機能
保護増殖室:固有のカタツムリ、オガサワラハンミョウを飼育します。
飼育の様子を見学いただけるようにします。
属島での作業者や
調査研究者対象
一般島民・
一 般 島
観光客対象
民・
観 光 客
検査・処置室
外来種の検査・除去処置などを行います
ウォークイン冷凍庫
資機材を属島や父島・母島の重要地域に持ち込む前
に、付着している可能性のある外来生物(動物)を
冷凍処理します。
情報集約・発信機能
保全にかかる機能
くん蒸室 冷凍処理が出来ないものを処理します。
クリーンルーム(倉庫)には、処理済みの資機材を、
島別・事業別に保管します。
外来種対処室
小笠原で捕獲されたネコを、内地に送る前に検査・処
置します。
その他、病気や怪我をした動物の診察についても、調
整中です。
エコツアーガイドや
ツアー参加者対象
外部靴洗い場
父島内のエコツアーの後に、靴底についた泥や種子
などを洗って落とします。
◆
情報集約・発信機能
展示ホール
小笠原諸島世界自然遺産の保全や管理に
かかわる情報を集めて展示します。
外来種検査・処置機能
◆
管理運営機能
管理運営機能
管理事務室 環境省職員が利用者の受付及び日常維持管理業務を行います。
説明会でいただいたご意見
3 月 7 日に行った説明会でいただいたご意見の一部を紹介します。
◆ 施設の運営は、環境省だけで行うのだろうか?関連機関も運営に参加し、各行政機関で行っている対策
の情報を集めて、総合的な視野で方針を考える拠点を目指してはどうか?
⇒施設の整備のみで関係機関の連携が図れる訳ではないが、展示情報については、環境省だけでなく他
の主体の行っている事業も載せていきたい。
◆ 観光施設としての性格は少ないということか。
島民や来島者に、小笠原諸島の自然環境
の価値、保全対策、外来種等に関する情
報を発信します。
会議室兼多目的室
最大 50-60 名程度収容できます
島民や来島者への情報発信や、行政関係
や遺産関係の会議等に利用します。
内地とテレビ会議ができます。
工事の概要
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規模構造
工事場所
工事期間
運用開始
発注者
請負者
鉄骨平屋建て 延床面積 846.5 ㎡
東京都小笠原村父島字西町
平成 28 年 3 月中旬
~平成 29 年 3 月下旬
平成 29 年 4 月
関東地方環境事務所
五洋建設株式会社
⇒支庁のビジターセンターも情報発信機能を担っているので、役割が重複しないように考えている。
◆ 外部靴洗い場は、いつでも誰でも使えるようにしてほしい。
⇒まずは予約制での利用の様子を見て検討することを考えている。
工事期間中、近隣の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜わりますようお願い申し上げます。
母島の固有カタツムリの保全~ツヤオオズアリ対策を実施します
小笠原自然情報センターだより 第 11 号 2016 年 3 月発行
小笠原諸島世界自然遺産地 地域連絡会議 事務局
◆ツヤオオズアリが確認された場
所では、小さな固有カタツムリ
(ノミガイ類)がいなくなってい
ることがわかってきました。
◆母島でツヤオオズアリが確認さ
ツヤオオズアリ
分布エリア
世界遺産の重要な価値を担うカタツムリを守るための取組をご紹介します。
父島の固有カタツムリの保全~プラナリアからの緊急避難
れた場所はまだ限られており、固
有カタツムリの重要な生息地へ
の侵入や拡散を防ぐため、防除を
行います。
◆ 父島島内では、カタツムリを食べるプラナリア(ニューギニアヤリガタリクウズムシ)の
分布域では固有のカタツムリが消え、残っているのは、2つの地域のみとなっています。
防除の実施
◆ そのうちの1つ、鳥山半島では、電気をめぐらした侵入防止柵
を設置して、プラナリアがこれ以上先に入るのを防ぐ対策を行
っています。
ツヤオオズアリ
◆実施場所:南崎、乳房山
◆方法:家庭用に市販されているア
リ駆除剤(有効成分:フィプロニ
ル)を、固定具を使用して設置。
◆実施時期:平成 28 年3月
~11月
薬剤設置の様子
ニューギニアヤリガタリクウズムシ
防除
実施エリア
対策の実施にあたっては、林内の踏圧による影響等に配
慮いたします。
対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
侵入防止柵
チチジマカタマイマイ
◆ しかし、鳥山半島でもプラナリアの分布域が拡大していることがわかったため、平成 28
年1月から、鳥山に残っているカタツムリを安全な場所に緊急避難させることとしました。
生息域内保全
対策の効果を測るため、以下の調査
も併せて行います。
◆カタツムリの生息状況調査
◆トラップによるアリの密度調査
◆薬剤の土壌残留性の試験
◆土壌動物の生息状況調査
小笠原諸島世界自然遺産の保全
緊急避難先① 鳥山半島先端のカタツムリ保護柵の中
鳥山半島の先端には、プラナリアが入らないように電気
をめぐらせた円形の柵が設置されています。プラナリア
の分布拡大が予想される場所にいるカタツムリを、この
柵の中に避難させています。また、柵の内外でカタツム
リを食害するネズミ対策として、兄島と同様にベイトス
テーションを使ったネズミ駆除を予定しています。
カタツムリを避難させる柵
◇◆お問い合わせ先◆◇
東京都小笠原支庁
Tel/Fax:04998-2-7174/7175
Tel/Fax:04998-2-2167/2302
E-Mail: [email protected]
林野庁小笠原諸島森林生態系保全センター
緊急避難先② 屋内の飼育施設
個体数が特に少ない種類のカタツムリは、持ち帰って、
屋内の施設で飼育を開始しました。
再導 入
環境省小笠原自然保護官事務所
生息域外保全
本チラシに関するお問い合わせは、下記のお問い合わせ先にご連絡ください。
もといた場所へ…
将来的には、鳥山などからプラナリアを駆除し、もとの
生息場所にカタツムリを戻すことを目指しています。
小笠原村環境課
Tel/Fax:04998-2-3111/3222
Tel/Fax:04998-2-3403/2650
詳しい情報は下記のホームページをご覧下さい。
小笠原自然情報センターHP:http://ogasawara-info.jp/
屋外の飼育施設
野生に近い屋外の環境で飼育する準備も進めています。
カタツムリ飼育ケースの様子
駆除手法の開発
既にプラナリアが入
ってしまった場所か
らプラナリアを駆除
するための技術開発
を進めています