第 3 章 宝くじと スポーツくじ - 公益財団法人 日工組社会安全研究財団

第 3 章
宝くじと
スポーツくじ
第1節
宝くじ
1.過熱するギャンブル産業
これまで述べてきたように、韓国では今日、江原道のカジノ、競馬、競輪、
競艇と、韓国民を対象としたギャンブル産業が過熱している。儒教道徳の国だ
けに、このようなギャンブル解禁ムードで欲望がむき出しになると、一挙に過
熱してしまうようだ。
この膨張するギャンブル産業に、2002 年 12 月からは一等賞金が日本円で何
十億円にもなる過激なロト宝くじが登場して、韓国民はますますフィーバーし
ている。経済大国の日本でも、宝くじの一等賞金は3~4億円程度だから、こ
の1等賞金がいかに過激なものかわかる。
ともあれ、韓国のギャンブル産業の市場規模は、2002 年(暦年)で 11 兆
5,539 億ウォンにもなる。1999 年が4兆 4,402 億ウォンだというから、わず
か3年間で 2.6 倍にも市場が拡大していることになる(朝鮮日報 03 年1月 19
日号)。内訳は、競馬が約 7.8 兆ウォン、競輪・競艇が約 2.3 兆円、江原道の
カジノが約 0.5 兆円、宝くじが約 1.0 兆円という構成だ。ここには 02 年末か
らのロトの売上は入っていないから、02 年から 03 年にかけては市場がいっそ
う拡大することが予想される。韓国レジャー産業研究所によると、市場は 14
兆ウォンを超えるのではないかと予測している。
ギャンブル産業の売上がこのように急膨張しているのは、政府や自治体が公
益産業の財源を確保する目的で、相次いで公営ギャンブルに参入しているため
である。ロト宝くじは建設交通部や科学技術部、文化観光部など9つの政府機
関が共同で推進している。
このため、政府は公益資金の確保に汲々として、国民の射幸心を煽っている
のではないかという批判も出ている。延世大学の李ドゥウォン教授は、
「政府と
地方自治体は当座の金に汲々として、射幸産業の副作用による“社会的支出”
を考えていない。将来ギャンブルによる副作用で、より大きな費用を払うこと
にもなりかねないという点を認識すべきだ」と指摘している(朝鮮日報 02 年
2月5日号)。
-81-
2.韓国宝くじの仕組み
話は前後するが、韓国ではいわゆる紙の宝くじは 10~13 種類ある。くじの
数があいまいなのは、くじの発行元が一定ではなく、さまざまな政府関連部局
や自治体がこれに関与し、かつまた種類ごとに法律も違うからだ。
国民体育振興公団、住宅銀行、科学技術文化財団、勤労福祉公団、中小企業
振興公団、医療公団、済州部、地方財政共済会、山林組合中央会など、実にさ
まざまな団体が宝くじを発行している。
宝くじの売上は 50%が払い戻され、残りの 50%が発行元に入る。このうち
80%が経費で 20%が収益である。この収益は、住宅、体育、科学技術振興、
地方自治、観光、緑化、中小企業、福祉などに使われる。所管は建設交通部、
科学技術部、文化観光部などバラバラで、統合する法律はない。宝くじが過熱
している今、こうした法律の整備が急務であるといわれる。
こうした法律がないこともあって、韓国の宝くじは一等賞金が非常に高くな
ったりする。2002 年 12 月には、60 億ウォンという韓国の宝くじ史上最高の
当選額が当たる「スーパーコリア連合宝くじ」が発売された。
「観光宝くじ」を
発行している済州(チェジュ)島と「自治宝くじ」を発行している 16 の市・道の
自治宝くじ発行行政協議会がイベント的に作ったこの「連合宝くじ」は、1 枚
当たり 3000 ウォンで販売され、発行規模は 2000 万枚・600 億ウォン。2002
年3月9日まで販売し、10 日に抽選が行われた。
「連合宝くじ」は1等が 30 億ウォン、
2等が 10 億ウォン2枚(1等前後賞)、
3等5億ウォン2枚(1等前々後々賞)。5枚連続当選した場合は当選額が 60 億
ウォンに及ぶ。実際、この宝くじで韓国史上最高の賞金 55 億ウォンの当選者
が誕生したことは記憶に新しい。
-82-
3.過熱するロト
こうした宝くじにいっそうの拍車をかけたのが、2002 年 12 月から発売され
ている韓国版ロト6である。1から 45 までの数字の中から6つの数字を任意
に選ぶくじだ。
発行は先述のように、建設交通部、科学技術部、文化観光部など9つの政府
機関の共同推進による。発売は国民銀行で、全国 5000 の同行支店と専門販売
店(スーパー、コンビニ、書店など)で買える。抽選は毎週土曜日、SBSテ
レビを通じて抽選される。テレビの視聴率は時には 25%以上にもなるという。
インターネットによるロト宝くじ購入代行サービスも続々現れている。
このロト宝くじは、第5回までは毎週の販売総額は 40 億ウォンから 50 億ウ
ォン程度だった。 しかし、第7回第8回と1等が出ず賞金額が増大すると、今
まで宝くじに関心のなかった市民までが売り場へ押しかけるブームとなり、売
上総額は 700 億ウォンにもなり、第9回の1等賞金は 258 億ウォンまで膨れ上
がった。それでも1等当せん者は出なかった。
その後ロトはさらに過激になり、03 年2月には3週間の繰り越しで、一等賞
金が 700 億ウォンにもなるというケースも出た。売り場には長蛇の列ができた
という。実際にも先述のように、03 年4月~5月に一等 407 億ウォン、240
億ウォンという高額賞金が続出している。
こうした状況の中で、韓国では「ホモ・ロットリウス」などという言葉も生
まれている。いわば「ロトに中毒した人」という意味だ。
「数字を見ると6つの
数字を組み立てる」「ナンバーを記入した紙を持ち歩く」
「賞金をどこに使うか
悩んだことがある」など、自己評価表の 20 項目のうち 14 項目以上に該当する
と中毒の部類に入るという。
有識者やマスコミからの批判も出てきており、03 年4月には政府は一等賞金
の占める割合を減らし、2等以下の賞金の占める割合を増やす案を検討してい
る。一等賞金の繰り越し、つまりキャリーオーバーを2回までに制限すること
も決定した。1等が出ない場合は、2等の当せん者で平等分配することも決め
た。そうなると最後のチャンスとばかり、韓国民はまた売場に長蛇の列をなし
たのである。ロト当選金の繰り越し回数を2回に制限するとしても、
「ホモ・ロ
-83-
ットリウス」はどうも姿を消しそうにないようだ。
宝くじは「貧者の税金」といわれる。貧しい人たちから税金よろしく少しず
つお金を集め、その一部を少数の人にあげるという意味だ。アメリカの賭博の
影響に関する研究委員会によると、高卒以下の学歴者は大卒者の4倍、黒人は
白人の5倍も宝くじを購入するという。
これに対し、韓国の「ホモ・ロットリウス」は低所得層だけでないようだ。
上流階級を除く韓国民のほとんどがロトに熱狂しているという。韓国の国民性
であろうか。
-84-
第2節
スポーツくじ
1.韓国におけるスポーツくじ
韓国において「体育振興投票券」とよばれるスポーツくじは、我が国と同じ
く、スポーツ競技の勝敗及び得点・失点などの結果を予測して的中したものに
一定の比率の当選金を支払うものである。
体育振興投票券は 1997 年、大韓蹴球協会がプロサッカークラブ及び韓国サ
ッカー全般の活性化のために政府に提案した内容に基づき、国内スポーツの発
展とワールドカップ開催成功のための基金調達を目的として、1999 年8月に
関連法が改定され、2001 年 12 月に受託事業者が選定されて始まったものであ
る。
体育振興投票券は、既存のくじと同じように「夢」を購入することと、社会
のために小さくても貴重な「寄付」をするというコンセプトとともに、既存の
くじの受身的な購入形態から脱して競技結果を分析・予想し、積極的な参加の
楽しさが感じられる「知的ゲーム」の要素を含む「先進形スポーツ・レジャー
ゲーム」として導入された。
しかしながら、熱狂しやすいお国柄を反映してか、知的ゲームとしての性格
よりも、射幸心を煽る展開となった。その熱狂ぶりは、テーハ・ミングの大合
唱、ヒディング監督の派手なガッツポーズに沸いた昨年6月の販売額にみてと
れる。このワールドカップ開催月では、その前後9ヶ月間続いたスポーツくじ
の販売額の半分を売り上げたのである。
「くじ」にもかかわらず、射幸心を刺激
された一部の人々による過剰な投資は、社会問題化する様相を呈し始めていた。
そして、逮捕者まで出したサッカーくじ運営会社幹部の不祥事により、9ヶ
月で販売は停止されてしまうという結果になった。
-85-
2.法規制と運営体制
体育振興投票券の関連法規としては、国民体育振興法(本節末の図表3-7
参照)、国民体育振興法施行令(図表3-8)、国民体育振興法施行規則(図表
3-9)などがあり、未成年者(満 20 歳未満)の購入禁止や、体育振興投票
券事業関連者(くじ対象スポーツ競技選手や監督・コーチ、くじ発行事業者、
くじ発行受託事業者など)の購入禁止、年間発行回数の制限(年間 90 回以内)
、
くじ発行対象種目をプロサッカーおよびプロバスケットボールとすること、な
どを定めている。
体育振興投票券の発行主体は、ソウルオリンピック記念国民体育振興公団で
ある。しかし実際に運営を請け負ったのは、体育振興投票券事業の公式受託事
業者である「スポーツ toto(株)」である。その関係は図表3-1のとおりで
ある。
体育振興投票券事業は、国民体育振興法の厳格な規定の適用を受けており、
法令においてその事業範囲をプール(pool)ゲーム形式に制限しているため、
ギャンブル性が強い固定配当ゲーム(fixed odds)などを施行できない構造に
なっている。
体育振興投票券対象競技の始まる 30 日前から、対象競技に関する広告を行
い、7日間に体育振興投票券の販売が行われる。対象競技の終了した翌日より、
当選金の支払いが行われる。
購買の手続きは投票券販売店に用意されている投票用紙を利用し、次の手続
きにより、購買を行う。
-86-
図表3-1
体育振興投票券運営組織
文化観光部
指定対象競技団体の管理・監督
国民体育振興公団
対象競技
業務委託
スポーツ toto(株)
競技結果の報告
専門業務委託
全体運営
TPI
朝興
TPS,
外
銀行
LGE
DS
当選金
購
消
費
者
買
* 体育振興投票券の発売
* 当選金の支給
* 発売システム運営、維持
* 返還金の支給
他
運営
関する
体育振興投票券は現金及びクレジットカードで購入可能であり、一度購入し
たくじの取り消し及び内容の変更はできない。全国に三千強ある体育振興投票
券発売機が設置されている販売店で購入可能である。販売店はコンビニエンス
ストア、ガソリンスタンド、一般の小売店、朝興銀行などを中心として構成さ
れている。販売時間は、午前3時から翌日の午前3時の時間内で、販売店の裁
量により、販売時間が設定される。
-87-
図3-2
体育振興投票券の販売スケジュール
30 日前
7 日前
10 分前
対象競技広告
発
売
開
競技告知
始
発売締め切り
競技開始・終了
競技終了後
当選結果告知
競技終了次日
公式当選結果告知
ゲーム結果発
当選金支給開始
表次日から
当選金指定銀行の
営業日
くじの種類は、勝ち、負け、引き分けを予測する勝敗式、得点、失点を予測
する点数式、その両者からなる混合式の3種類があり、くじの最小購入単位は
一口、1000 ウォン(日本円で約 100 円)である。1人あたりの総購入金額は、
10 万ウォン以下に制限されている。
くじの対象となる競技は、1つの競技あるいは一定の期間の間に行われる2
つの競技以上の運動競技とされており、初年度はサッカーとバスケットボール
を対象として実施された。年間発売回数は、90 回以下に制限されている。
-88-
図3-3
体育振興投票券の購入
販売店などで投票用紙入手
投票用紙に予想記入
投票用紙と投票金額を販売員に渡す
販売機が投票用紙を判読
販売機が投票券の発券
販売員が投票券を手渡し
なお、以下の場合には、発売が無効とされる。
(ケース1)対象のスポーツ競技が 1 つの競技以上、4 つの競技以下の場合に、1 つの競
技以上がキャンセルされた時。
(ケース2)対象のスポーツ競技が5つの競技以上、8つの競技以下の場合に、2つの競
技以上がキャンセルされた時。
(ケース3)対象のスポーツ競技が9つの競技以上の場合に、3つ以上の競技がキャンセ
ルされた時。
また、以下のケースでは、キャンセルされたスポーツ競技についての予想は、
すべて的中したものとして扱う。
(ケース4)対象のスポーツ競技が5つの競技以上、8つの競技以下の場合に、1 つの競
技がキャンセルされた時。
(ケース5)対象のスポーツ競技が9つの競技以上の場合に、2つ以下のスポーツ競技が
キャンセルされた時。
-89-
3.収益の配分
体育振興投票券事業は売上の 50%を、当選金として予想を的中させた購入者
に支給する。そして売上の約 27%を大韓民国の体育振興のための基金として使
用する。
投票の的中者がいない場合は、その当選金は次回に発売される体育振興投票
券の当選金総額に合算する。
当選金が体育振興投票券の単位投票金額(1000 ウォン)に達していない場
合は、単位投票金額を当選金とする。当選金を支払うにあたって、その金額に
10 ウォン未満の単数がある場合は 10 ウォンとして計算する。
規約上、配当金の比率は売上の 50%、基金等に配当される金額の比率は売上
の 25%以上、体育振興投票券の運営に充てられる金額の比率は売上の 25%未
満と規定されている。
図表3-4
体育振興投票券収益の配分
当選金
50%
体育振興基金等
事業運営費
25%以上
25%以内
また、体育振興基金等への配分比率は以下のように定められている。
・ワールドカップ組織委員会運営費支援:10%
・地方自治団体ワールドカップ球場の建立費支援:40%
・基金への出資:30%
・主催団体に対する支援:10%
・文化観光部長官が定める文化・体育事業への支援:10%
当選金の支払いは、以下のとおり行われる。
・結果発表日の翌営業日から販売店及び指定支払銀行で支給開始
-90-
・支払期限は支給開始日から 1 年間有効
・当選金 1 万ウォン以下の場合は販売場所で即時支給
・当選金 1 万ウォン以上の場合、1 千万ウォン未満は指定取引銀行の本・支店
で、1 千万ウォン以上の場合は指定取引銀行の本店で所定の照会を経て支払
する。
・単位投票金額(1000 ウォン)の 11 倍以上の当選金額について税金 22%が
徴収される。
・当選金の支払いには必ず、身分を確認する手続きを行う。
図表3-5
当選金の払い戻し場所
当選金
当選金払い戻し場所
1 万ウォン以下
全販売店
1 万ウォン以上 1 千万ウォン以下
朝興銀行本店及び支店
1 千万ウォン以上
朝興銀行本店
未成年者(満 20 歳未満)の購入は禁止されており、販売員は年齢確認のた
めに身分証明証等の提示を求めることができる。また、当選金の支払いは、対
面で身分証明書の確認を行う。未成年者に販売をした販売店は罰則及び法的な
制裁を受けることがある。
写真1
韓国の体育振興投票券
-91-
4.最近の売上状況
本 格 的 な 販 売 が 行 わ れ た 最 初 の 年 度 で あ る 2002 年 度 は 、 総 額
22,332,617,000 ウォンの売上を記録した。月別の売上は図表3-6のとおり
であるが、その多くはワールドカップの開催月に発売されたものである。ワー
ルドカップ開催時には、ワールドカップの試合(韓国代表以外の試合も)が体
育振興投票券の対象試合に設定された。
その後、体育振興投票券の売上額の減少、運営を委託されていた「スポーツ
toto(株)」の社長の汚職による逮捕事件(体育振興投票券販売の権利を得るた
めに金大統領(当時)の子息に裏金による贈賄行為を行った事件)などから、
「スポーツ toto(株)」は経営不振に陥り、02 年 10 月販売を停止した。
現在、製菓会社である「東洋」という会社が体育振興投票券の運営権を購入
し、今後、プロサッカー、プロバスケットボールに加え、プロ野球もくじ対象
競技としながら、体育振興投票券の販売を再開する予定であるとされている。
図表3-6
体育振興投票券の売上(2002 年)
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1,136,699,000(ウォン)
1,683,462,000(ウォン)
2,184,168,000(ウォン)
1,127,657,000(ウォン)
1,428,415,000(ウォン)
10,340,808,000 (ウォン)
1,210,160,000(ウォン)
1,162,232,000(ウォン)
2,059,016,000(ウォン)
販売停止
-92-
5.日本との比較
日本の toto と韓国の体育振興投票券を比較すると、以下のような特徴がみら
れている。
(1)日本の toto はプロサッカーのみを対象にするのに対し、韓国の体育振興投
票はプロサッカーおよび男子バスケットボールを対象とする。
(2)日本では1等の当選金の上限を1億円と定めているが、韓国のトトには限界
がない。
(3)韓国の体育振興投票券の配当金割合は、1等 40%、2等 30%、3等 30%
である。
(4)日本ではテレビでプロモーションをしているのに対し、韓国ではTVでのそ
れは禁止されている。
(5)日本ではいわゆる1節で運営されているが、K リーグ所属のチーム数(10)
の少ない韓国では2節にわたる単位でくじが実施されている。
始まって9ヶ月で中断された韓国のサッカーくじは、くじの基本的性格づけ
の重要性について示唆しているように思われる。政府の依頼を受け、財閥系の
企業が運営する韓国のプロサッカーリーグ・K リーグは、基本的に市場主義に
基づいたものではない。そのため、運営クラブの地域政策や観戦者に向けたマ
ーケティング努力の遅れ、ひいては地域密着の遅れが指摘されてきている。
一方、我が国の多くのサッカーくじ購入者は、応援するクラブやプレイヤー
をもった人々、あるいはサッカーの好きな人々である。スポーツくじが、そう
したスポーツマインドをもった人に支えられる性格が弱くなれば、射幸心のみ
を背景にした購買活動がみられるようになっていくのである。
今後は、昨年 10 月以降のスポーツくじ販売中断期間が、韓国におけるスポ
ーツくじの基本的性格を再確認した上での再出発の契機となることが期待され
る。
-93-
参考資料1
条
項
第 19 条 2
区
国民体育振興法(1999.8.31 一部改正)
分
体育振興投票券
の発行
内
容
備
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団は基金助
考
98.12.31
成するために体育振興投票券を発行することができる。
体育振興投票券を発行する時はくじの種類、条件、金額
また方法に対して文化観光省長許可を取ること。
体育振興投票券当選金を受ける権利は支給日から 3
ヶ月間が過ぎると無効となる。無効になった当選金は国
民体育振興公団の基金となる。
第3条2
投票券の発行
第 22 条 2
投票券発行事業
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団は国民余
98.8.31
暇体育育成及び体育振興などに必要な財源助成のため
に体育振興投票券発行事業をすることができる。
体育振興投票券の種類、投票方法、単位投票金額、対
象スポーツ競技その他など必要な事項は、大統領令で決
める。
第 22 条 3
発行事業の委託
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団は体育振
98.8.31
興投票券発行事業の効率的運営するために大統領令に
よる文化観光部長の許可を得た団体また個人が体育振
興投票券発行事業を委託運営する。
第 1 項の規定により体育振興投票券発行事業の委託
承認対象になる団体また個人は次の条件を具備しなけ
ればならない。
・体育振興投票券発行事業行い際必要な経済的、技術的
能力があること。
・国内外で体育振興投票券発行事業また類似事業に関し
て処罰受けたことがない者であること。
第 22 条 4
類似行為
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団と委託事
業者以外の団体、個人は体育振興投票券の発行すること
及び事業の実施ができない。
-94-
99.8.31
第 22 条 5
当選金
受託事業者は体育振興投票券を購買し、スポーツ競技
99.8.31
結果を的中した人に対しては、発売金額の 100 分の 50
以上を当選金として支給すること。
第 22 条 6
委託運営費
受託事業者は体育振興投票券の発売金額に対して文
99.8.31
化観光部長が決める比率の金額を体育振興投票券発行
事業事項にかかる運営費及び受託手数料などを含んで
受託運営費にあてることが可能である。その場合、発売
金額 100 分の 25 を超えることはできない。
第 22 条 7
売上金の使用
受託事業者は毎年体育振興投票券発売事業の総売上
99.8.31
のうち、第 22 条 5 の規定によって当選金と第 22 条 6
の規定に決めている委託運営費を除外した金額につい
ては、文化観光部長令が指定しているソウルオリンピッ
ク記念国民体育振興公団に帰属する。
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団は、規定に
よって受託事業者から帰属した金額に対しては文化観
光部長の承認を受けて次の事を目的にしている事業に
使用する。
・2002 年ワールドカップ大会支援法による 2002 年ワ
ールドカップ大会組織の運営支援
・2002 年ワールドカップサッカー競技場建設地方自治
体の競技場建設費支援
・基金の出願
・体育振興投票券発行対象運動競技を主催する競技団体
の支援
・文化観光部長が指定する文化、体育事業の支援
収入金の配分比率と配分時期及び方法などに関して
必要な事項は大統領が決める。
第 22 条 8
投票券の購買制
限
受託事業者は未成年者に対して体育振興投票券を販
売また当選金を支給してはいけない.
-95-
99.8.31
次の項にあたる者は体育振興投票券を購買、紹介する
事ができない。
・体育振興投票券
発行者と受託事業者
・体育振興投票券
発行事業に関して監督の地位にいる
者
・体育振興投票券発行対象運動競技選手、監督、コーチ、
審判また競技団体の役職員
・その他体育振興投票券
第 22 条 9
事業計画及び承
認、監督など
発行事業で働いている者
ソウルオリンピック記念国民体育振興公団は次年の
99.8.31
体育振興投票券発行事業の運営計画と収入支出予算書
を受託事業者から提出し、毎年 12 月まで文化観光部長
の承認をえなければならない。
受託事業者は
毎事業年度終了後 2 ヶ月以内で事業
実績と決算報告書をソウルオリンピック記念国民体育
振興公団を通じて文化観光部長に提出する。
文化観光部長はこの法を施行するために必要と認め
る場合、受託事業者に対して監督上の必要な命令と処罰
することができる。
第 32 条
罰
則
体育振興投票券発行対象運動競技選手、監督、コーチ
99.8.31
と競技団体役職員がその業務に対して不正な請託を受
けて物、金または財産の上利益を受けると懲役 5 年また
は 1,500 万ウォン以下の罰金にする。
第 33 条
罰
則
第 32 条に規定されている者がその業務に関して不正
99.8.31
な請託を受けて第三者に物また財産上の利益をあげる
場合 5 年以下の懲役また 1、5000 万ウォン以下の罰金
に処する。
第 34 条
罰
則
第 32 条また第 33 条の規定によって物また財産上の
利益を約束、供与と供与の意思を表現する者は懲役 2 年
以下また 1,000 万ウォン以下の罰金にする。
-96-
99.8.31
第 35 条
没収、課徴金
第 32 条また第 34 条の財物は没収する。財物の没収
99.8.31
が不可能な場合財産上の利益を受けた金閣を課徴する。
第 36 条
資格停止
第 32 条また第 34 条の罪に対しては 10 年以下の資格
99.8.31
停止をする。
参考資料2
条
項
第 42 条 3
区
国民体育振興法施行令(2000.7.27 一部改正)
分
投票券の種類
内
容
備
体育振興投票券の種類はその投票方法によって次の
考
2000.727
ように区分する。
・勝敗式:体育振興投票対象運動競技の結果を予測して
勝、負また引き分けを表示するようにしている投票方式
・点数式:体育振興投票対象運動競技の結果を予測して
得点、失点を表示する投票方式
・混合式:体育振興投票対象運動競技の結果を予測して
勝、負、引き分けの投票方式と得点、失点の投票方式で
構成された方式
体育振興投票券のうち、勝敗式投票券に投票した者に
対する等位決定方法は次のようにする。
・1等:体育振興投票対象運動競技の結果と体育振興投
票券に投票した結果が全て一致する場合
・2等:体育振興投票対象運動競技の結果と体育振興投
票券に投票した結果が1つ一致しない場合
・3等:体育振興投票対象運動競技の結果と体育振興投
票券に投票した結果が 2 つ一致しない場合
第 42 条 4
投票券の発行承
認
国民体育振興公団は体育振興投票券を発行したい場
合、発行対象運動競技と投票方法などに関しては次のよ
うな事項が含む申請書を文化観光部長に出して承認を
受けること。
-97-
2000.727
1.運動競技の種目及び参加チーム名
2.運動競技の開催時期、場所
3.体育振興投票券の種類と投票方法
4.体育振興投票等位決定に関する事項
第 42 条 5
投票券の発行
体育振興投票券の単位投票金額は 1,000 ウォンとす
2000.7.27
る。また、1人 10 万ウォン以上の購入を制限する。
体育振興投票券は 1 つの競技また一定期間に行う 2 つ
以上の運動競技を対象に発行する。
体育振興投票券は年間 90 回を超過して発行すること
はできない。
体育振興投票券は体育振興対象運動競技の開催場所
と一定が確定された後発行すること。体育振興投票対象
運動競技が 1 つ競技の場合その対象競技始まる 10 分前、
2 つ競技以上の場合は最初の競技始まる 10 分前締め切
る。
体育振興投票券の種類、対象運動競技、投票方法、投
票金額は文化観光部長令によって決める
第 42 条 6
投票券発行対象
運動競技
体育振興投票券発行対象になる運動競技はサッカー、
2000.7.27
バスケットボールである。
運動競技を計画性があって安定的に開催すること。
第 42 条 7
投票券発行の無
効
体育振興投票券の発行後投票対象競技が中止また開
催されてもその結果を確定することが出来ない場合は
無効にする。
・体育振興投票対象運動競技が 1 つ競技以上 4 つ競技以
下場合:1 つ競技以上
・体育振興投票対象運動競技が 5 つ競技以上 8 つ競技以
下場合:2 競技以上
・体育振興投票対象運動競技が 9 つ競技以上場合:3 つ
競技
-98-
2000.7.27
第 42 条 8
投票券発行事業
2000.7.27
委託承認
第 42 条 9
受託事業者の要
件
第 42 条 10
委託運営の範囲
体育振興投票券発行事業の委託運営する場合委託運
営の範囲は次のようである。
・体育振興投票券の発行
・当選金の支給
・体育振興投票券
発行システムの運営
・体育振興投票券発行無効金の返還
参考資料3
条
項
第 22 条
区
国民体育振興法施行規則(2000.11.3 一部改正)
分
体育振興投票券
記載事項
内
容
備
文化観光部が定める事項とは次の各号の事項である。
・第 22 条の 2 の規定による体育進行投票券発行業者で
ある振興公団の名称および法
第 22 条の 3 第 2 項の
規定による受託業者(以下‘受託業者’とする)の名称
・体育振興投票券の発売回数
・第 22 条の 2 の 5 第 1 項の規定による当選金の支給対
象になる体育振興投票券の的中者の等位、等位の決め方
および各等位別の当選金の支払い比率に関する事項
・体育進行投票券の当選者に対する当選金の支払い期限
(当選金の支払い開始日から 1 年)および支払い方式
・体育進行投票券の発行対象となる運動競技の結果の公
表方式
・販売された体育進行投票券の支払い禁止に関する事項
・未成年者に対する体育進行投票券の販売および当選金
の支払い禁止に関する事項
-99-
考
2000.11.3
第 22 条
運動競技主催団
第 42 条の 6 条の規定により体育進行投票券の発行対
体の指定申請な
象となる運動競技を主催する団体(以下‘主催団体’と
ど
する)と指定されたい者は申込書に次の各号の書類を添
付して文化観光部長に提出すること。
・体育振興投票券の発行対象となる運動競技の開催計画
書
・団体の代表者(法人の場合、代表者および役人)の氏
名・住所・および住民登録番号などを記載した書類、定
款および法人登録謄本(法人の場合に限られる)、人的
構成など組織の把握ができる書類
・第 42 条の 6 各号の規定による主催団体の条件を満た
す証明ができる書類
文化観光部長は主催団体を指定した場合、主催団体の
名称および事務所の場所に関する事項を官報公示する
第 22 条
運動競技の結果
の報告
主催団体は当年、体育振興投票券の発行対象となる運
動競技が終了された時、その結果を確認し、すばやく振
興公団および受託業者に知らせること。
第 24 条
体育振興投票券
文化観光部が定める体育振興投票券当選者の等位別
当選者の等位別
の比率とは次の各号の比率である。ただし、第 42 条の
の比率
3 第1項
第 2 号および第 3 号の規定による点数式お
よび混合式の体育振興投票当選者は除外する。
・1 等の当選者だけに当選金を支払いすることで体育振
興投票券が発行された場合:100 分の 100
・1 等および 2 等の当選者に支払いすることで体育振興
投票券が発行された場合:
あ. 1 等:100 分の 60
い.2 等:100 分の 40
・
1 等・2 等および 3 等の当選者に支払いすることで
体育振興投票券が発行された場合:
-100-
あ. 1 等:100 分の 40
い. 2 等:100 分の 30
う.3 等:100 分の 30
体育振興投票券当選者の等位別の比率
第42条の 3
第 1 項 第 2 号および第 3 号の規定による点数式および
混合式の体育振興投票当選者、等位別の比率は振興団体
が文化観光部長の承認を得て決める。
第 25 条
受託業者の事業
計画内容
文化観光部で決める事項とは次の各号の事項である。
・未成年者に対する体育振興投票券
販売禁止など青少
年保護に関する事項
・体育振興投票券発行事業の売り上げ捏造防止など事業
の透明性の確保に関する事項
・体育振興投票券の販売の認証方法に関する事項
・主催団体との協力に関する事項
第 22 条
罰金の徴収手続
き
罰金の徴収手続きに関する税金徴収関連事務処理規
則に従う。この場合、納入領収書には異議申請の方法お
よび異議申請期間を記載すること。
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