事例 3 北海道・中富良野町 (人口 5,920 人 面積 108.70k㎡) ∼ フラワー都市交流 ∼ 1.交流事業の契機 に求めたことにより誕生した。 中富良野町は、北海道の中央部富良野盆地に 位置し、東方には国立公園大雪山系十勝岳連邦 <花の都市提携交流構想> の峰々、西方には道立自然公園の芦別岳を主峰 ①趣旨 とする夕張山脈を望み、丘陵部は畑地帯、平坦 人々の心を癒し、まちを明るくする要素をも 部は水田地帯で、農業を中心にまちづくりが進 つ花をテーマとして地域開発を創造し、花に められてきた。 関する諸行事を通じて住み良い豊かな地域 中富良野町の町花であるラベンダーは、昭和 23 年頃から富良野地方で初めて栽培が始まり、 最盛期には 130ha も栽培されていたが、人工香 づくりを目指す都市が連携し、相互啓発によ る各地域のイメージアップを図る。 ②性格 料に押されて栽培は次第に少なくなり、ファー 個性ある地域社会づくりを目指す花の都市 ム富田などラベンダーを愛する人たちによっ の交流による各々のイメージアップを図る て作られ続けてきた。 ことを直接の目的とするが、花や自然の大切 昭和 52 年に、国鉄カレンダーでファーム富 さの啓蒙、花いっぱいの地域づくりの推進及 田ラベンダー園が全国に紹介され、それがきっ び花のモデル都市としての知名度アップを かけとなり、その紫の可憐な色合いと香りが再 目標とする。 び脚光を浴びるようになった。 ③参加都市 また、富良野地方を舞台とした民放ドラマ 全国的に花の郷土を提供しうる自然、地理的 「北の国から」が、昭和 56 年から全国放映さ 条件及び催し物を具備し、花をテーマとした れ、全国的なラベンダー観光ブームが巻き起こ 個性あるまちづくりを推進する熱意と長期 り、ロケ地のラベンダーを訪ねて道内外の観光 的展望を持った都市。 客が訪れるようになった。いまでは、町花とし ④事業 て町民に親しまれ、7月には家庭の庭先でも甘 情報・シンボル花の交換、物産・文化の交流、 い香りを漂わせている。 住民・観光客の相互交流、共同PR事業。 このラベンダーが縁となって、昭和 63 年に フラワー都市交流連絡協議会に参加すること となった。 昭和 58 年4月、砺波市においてフラワー都 市交流連絡協議会設立会議を開催し、4都市に よりスタートした。事業として、東京・大阪を 2.交流事業の経過・概要 フラワー都市交流連絡協議会は、昭和 57 年 11 月、富山県砺波市が次の様な「花の都市提 中心とした共同PR展、各都市持ち回りの総会、 シンボル花の交換、共同パンフレット・ポス ターの作成等を行っている。 携交流構想」への賛同及び参加を、山形県長井 中富良野町は、昭和 63 年4月からフラワー 市、静岡県下田市、鹿児島県和泊町の3市町村 都市交流連絡協議会に加入し、総会・芸能交流 会等の事業に参加している。平成5年度にはフ ラワー都市交流連絡協議会総会を開催し、各加 盟都市から 113 名が参加した。平成7年度には 中富良野町開基 100 年記念・フラワー都市芸能 交流会を開催し、各加盟都市から 77 名が参加 写真3−2 した。 3.交流事業の効果 交流夕食会の様子 写真3−1 トワークの輪を広げるとともに、市民団体等に おける自主的な交流や、新しいまちづくりへの 積極的な取り組み、住民からの提案の採用、各 加盟都市間の意見交換による方向性(ビジョ ン)の確認等を通して、更なる事業の発展、効 果を上げていきたい。 フラワー都市交流連絡協議会総会 「花で結ぼう虹の架け橋」をキャッチフレー ズに、花を通して全国各地の加盟都市との交流 が始まり、花をまちづくりのシンボルに、花に まつわる行事を通して、活力とやすらぎのある 住みよいまちづくりを推進している。 写真3−3 フラワー都市交流連絡協議会に参加するこ とにより、先進的な花をテーマにした様々な交 流の機会を通じて、町民・町議員が経験と見識 を深め、まちづくりに対する意欲をあらたにし、 各加盟都市との物産・人的な交流、共同PR事 業等の取り組みが、新しいまちづくりの方向性 となり、他のまちと異なる独自の魅力(シンボ ルフラワー)をもって競うことにより相乗効果 が生じ、全体の活力を高めている。 4.交流事業の問題点と今後の展望 今後とも花を通しての相互交流を深め、ネッ 地域の伝統芸能を披露
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