コースID 授業科目名 履修区分 授業担当者 単位数 授業の概要 到達目標 700030 食管理特論 T科目 高橋 智子 2 摂食・嚥下機能に障害のある人の食事の経口摂取の重要性について、医学、調理科学および栄養学の分野 より捉える。 ‘ひと’が、食物を取り込む摂食機能は、胎内から獲得されている重要な運動機能のひとつである。摂食機能 は、その機能が発達途上にある時期(主として乳幼児期)と、発達獲得された機能を使い続ける時期(主として 成人以降)に大別することができる。摂食機能障害は、この両時期を通じて起こりうる。発達期の障害(発達 障害)では、摂食機能の発達そのものが障害されるので、まだ、獲得されていない機能を獲得させようとする発 達療法(ハビリテーション)を必要とする。一方、成人や高齢者の摂食・嚥下機能障害(中途障害)に対する療 法は、一度獲得されている機能の障害や減退に対する療法(リハビリテーション)である。このような発達障害、 中途障害における摂食機能の回復を目的とした療法に共通する課題は、いかに安全に食物を経口的に摂取 させるかである。授業では、摂食・嚥下障害について、医学的側面より把握する。また、摂食・嚥下障害者の 食事を経口摂取可能とするには、食事の物性的側面を考慮する必要がある。そこで、経口摂取を可能とする 食形態の物性面(力学的特性としてのテクスチャー特性、流動特性など)の特徴を把握する。加えて、食事を 経口摂取することが、摂食・嚥下障害者のQOL、栄養状態などに、どのように影響するかを確認する。 1. 2. 3. 4. 5. 摂食・嚥下機能の発達障害と中途障害の理解 摂食・嚥下障害についての医学的側面よりの理解 摂食・嚥下障害者の障害程度と経口摂取可能とする食形態 摂食・嚥下障害者の経口摂取を可能とする食形態の物理的特性の特徴把握 摂食・嚥下障害者の栄養状態の評価・判定 授業計画 1. 摂食・嚥下機能の発達障害と中途障害① 発達障害 2. 摂食・嚥下機能の発達障害と中途障害② 中途障害 3. 摂食・嚥下障害についての医学的側面よりの評価① 嚥下造影検査 4. 摂食・嚥下障害についての医学的側面よりの評価② 咀嚼筋電位測定 5. 摂食・嚥下障害についての医学的側面よりの評価③ 嚥下内視鏡検査 6. 摂食・嚥下障害者の障害程度と経口摂取可能とする食形態① とろみ調整食品 7. 摂食・嚥下障害者の障害程度と経口摂取可能とする食形態② ペースト食 8. 摂食・嚥下障害者の障害程度と経口摂取可能とする食形態③ ゼリー食 9. 摂食・嚥下障害者の障害程度と経口摂取可能とする食形態④ 刻み食 10. 摂食・嚥下障害者の経口摂取を可能とする食形態の物理的特性の特徴① テクスチャー特性 11. 摂食・嚥下障害者の経口摂取を可能とする食形態の物理的特性の特徴② 流動特性 12. 摂食・嚥下障害者の経口摂取を可能とする食形態の物理的特性の特徴③ その他の物理的特性 13. 摂食・嚥下障害者の栄養状態の評価・判定① 身体計測 14. 摂食・嚥下障害者の栄養状態の評価・判定② 生化学検査 15. まとめ テキスト 1. 金子芳洋・向井美惠編『摂食・嚥下障害の評価法と食事指導』 医歯薬出版(株) 2001 2.中濱信子ほか著『おいしさのレオロジー』 (株)アイ・ケイコーポレーション 参考文献 評価方法 ①金子芳洋・千野直一監修『摂食・嚥下リハビリテーション』医歯薬出版株式会社 ②日本栄養改善学会監修『栄養ケア・マネジメント基礎と概念』医歯薬出版株式会社 ③『日本人の食事摂取基準2015年版』 第一出版 ④高橋智子ほか「摂食・嚥下機能が低下した高齢者の栄養状態の評価」「日本摂食・嚥下リハビリテーション 学会誌」Vol.10(2) 161-168, 2006 ⑤高橋智子ほか「摂食機能に応じた食形態のテクスチャーの特徴-特別養護老人ホームの食事と市販レトル ト介護食品の比較-」『栄養学雑誌』Vol.62(2) 83-90 2004 ⑥手嶋登志子・大越ひろ編著 『おいしく食べてQOLを高める高齢者の食介護ハンドブック』 医歯薬出版 科目修了試験(リポート形式)の成績による。
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