回避可能な IT システムの ダウンによる損失

Research Report
回避可能な IT システムの
ダウンによる損失
2010 年 11 月
目次
概要
3 ページ
主な調査結果
3 ページ
調査概要
4 ページ
平均収益損失
5 ページ
業種別の収益損失
5 ページ
企業規模別の収益損失
5 ページ
IT システムのダウンと復旧時間
6 ページ
昨年の IT システムのダウンと復旧時間
7 ページ
IT システムのダウンと復旧時間が収益に与える影響
8 ページ
業務部門への影響
9 ページ
まとめ
10 ページ
IT システムのダウンによる損失を回避するためのヒント
10 ページ
調査方法
11 ページ
IT システムダウンの影響を低減するための情報
12 ページ
CA Technologies について
12 ページ
Coleman Parkes Research について
12 ページ
Copyright ©2010 CA TECHNOLOGIES.All rights reserved. 本書に記載のすべての商標、商号、サービスマーク、ロゴは、該当する各社に
帰属しています。この文書は情報の提供のみを目的としています。本情報の正確性または完全性について CA TECHNOLOGIES は一切の
責任を負いません。この文書は、適用される法律で認められる範囲で CA TECHNOLOGIES が「現状のまま」提供するものであり、いか
なる種類の保証も伴いません。これには、特定の目的に対する市場性または適合性、非違法性についての黙示の保証が含まれますが、
これに限定されるものではありません。CA TECHNOLOGIES は、この文書の使用によって直接的または間接的に生じた損害について、
たとえ CA TECHNOLOGIES がかかる損害の可能性について明確な通知を受けた場合でも、一切責任を負いません。これには、利益の損
失、事業の中断、営業権、データの損失が含まれますが、これに限定されるものではありません。
2 ページ
概要
2010 年 11 月、CA Technologies は、北米の企業が体験している IT システムのダウンとデータ復旧に関し
て調査(*)を行いました。調査対象の 200 社から入手したデータを分析したところ、IT システムのダウン
が財務実績や企業経営に及ぼす影響について貴重な情報を得ました。
この調査では、北米全体で、IT の機能停止が頻繁に発生し、長時間に渡っていることが明らかになりました。
当然ですがこの期間中は、企業の基幹システムが停止してしまいますので、収益源が大幅に低下すること
になります。IT の機能停止に関連する売上損失は、IT システムの復旧に時間が掛かることで級数的に拡大
してしまいます。
判明した主な調査結果 :
・ 北米企業は、IT システムのダウンとデータの復旧にかかる時間を金額に換算すると、合計で 1 年あた
り 265 億ドルもの損失を被っています。各企業の損失は、平均で 1 年あたり 159,331 ドルとなってい
ます。
・ 北米企業は、合計で毎年 1,661,321 時間の IT システムのダウンを経験しています。これは、各企業で
平均 1 年あたり 10 時間となります。
・ 企業の基幹システムが停止するこのような期間中は、収益を生み出す能力が 29% も低下します。
・ IT システムダウンの後(すなわち、IT システムが稼働状態になったとき)も、各企業で 1 年あたり平
均 7.5 時間をデータの復旧に要しています。北米全体で、完全な状態で業務を実施できない時間がさ
らに 1,255,220 時間にも拡大しているのです。
・ データの復旧期間中は、企業の収益源はまだ大幅に影響を受けており、平均 17% も低下しています。
調査で浮き彫りになった売上への影響の多くは、優れたシステムとデータ保護および復旧方法を導入する
ことで回避できます。適切なデータ保護を導入しておくことで、IT システムダウンの頻度と期間をいずれ
も低減できます。
また、多くの企業が、データ保護ポリシーが堅牢でないため、IT システムで必要以上に長い中断を経験し
ています。IT 部門では通常、データを安全にバックアップすることには注意を払いますが、障害時にその
データを素早く復旧できるかどうかまでは気が回っていないのが現状です。この「復旧時間(速度)」は、
業務計画を考慮したり、災害復旧計画を再評価する適切な開始ポイントとなります。業務に必須の基幹シ
ステムとアプリケーションにおいては、システムとアプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えるた
めに、高可用性を確保できるソリューションの導入を検討する必要があります。今回の調査結果は、11 か
国の 1,808 企業を対象に行なったヨーロッパでの調査の結果とも一致しています。
* Coleman Parkes Research Ltd による調査
3 ページ
調査概要
総収益損失
地域
収益損失(単位 : 10 億ドル)
北米
26.5
ヨーロッパ
23.5
IT システムのダウンとデータ復旧による総収益損失額は、北米全体で 265 億ドルにも上ります。この数字
は、ヨーロッパ全体の損失を上回っています(235 億ドル)。
業種
収益損失(単位 : 10 億ドル)
小売業
18.18
公共機関
4.46
金融業
2.29
製造業
1.57
会社規模
収益損失(単位 : 10 億ドル)
中小規模
15.05
中堅規模
1.097
大規模
10.34
小売業は全体として、IT システムのダウンによって深刻な影響を受けており、1 年あたり 181.8 億ドルも
の損失を被っています。これは、次に影響が大きい業種である公共機関(毎年 44.6 億ドルの損失)と比較
して 4 倍にも及ぶ大きな数字です。製造業への IT の機能停止の影響は最も少なく、15.7 億ドルの収益損失
となっています。
中小規模の企業は、IT システムのダウンによって一番大きな収益損失を受けています(1 年あたり 150.5
億ドル)。これは主に、国内で中堅・大規模企業よりも中小規模の企業の数が多いことに起因しています。
4 ページ
平均収益損失
企業レベルの収益損失を見て
みると、北米の企業は IT シ
ステムのダウンにより 1 年あ
たり平均 15 万ドル以上を損
失しています。この数字は、
1 年あたり 35 万ドルを若干
下回る収益損失であったヨー
ロッパの組織と比較すると半
分以下となります。最大の理
由は、ヨーロッパでは IT の
機能停止の時間が北米に比べ
て長かったことによります。
北米
ヨーロッパ
IT システムのダウンによる北米の企業の平均損失は 15 万ドル以上
1 企業あたりの収益損失は、金融業で一番大きく(1 年あたりで 22 万 4,297 ドル)、公共機関で一番少なくなっ
ていました(9 万 9,094 ドル)。この理由は、発生した総収益に対する損失の割合(%)ではなく、実際の収益
損失を評価したため、金融業では潜在的に発生する収益が大きいからだと考えられます。金融業が、他の業種と
比較して、ダウンタイムの規模が大きかったわけではありません。同様に、大規模企業は、中小・中堅規模の企
業に比べて、ダウンタイムによる 1 年あたりの収益損失が顕著に大きくなっています。ただし、大規模企業で
の 1 年あたりのダウンタイムは、中小規模の企業よりも少ないのです。
業種分野別の収益損失
金融サービス業 : $224,297
製造業 : $196,000 +
小売業 : $117,000+
公共機関 : $ 99,094
企業規模別の収益損失
中小規模 : $55,112
中堅規模 : $90,787
大規模 : $1 M +
金融業
製造業
小売業
公共機関
中小規模
中堅規模
大規模
5 ページ
IT システムのダウンと復旧時間
北米の企業では、サー
ビスが停止するごと
に 4.5 時間のダウンタ
イムと 3.4 時間の復旧
時間(システムとアプ
リケーションの復旧
平均復旧時間
(単位 : 時間)
からデータを完全に
平均ダウンタイム
(単位 : 時間)
復旧して利用可能に
なるまでの時間)を要
します。これに比較し
て、ヨーロッパの企業
の平均ダウンタイム
は 6.2 時間、復旧時間
は 4.1 時間でした。
北米
ヨーロッパ
公共機関では停止 1 回あたりのダウンタイム時間が 5.9 時間と最長ですが、停止後のデータ復旧時間は、金融業
や製造業よりも実際には短くなっています。小売業では、他の 3 業種よりダウンタイムおよび復旧時間が大幅
に短く、公共機関の合計 8.4 時間、金融業の 9.4 時間、製造業の 9.9 時間に比べて 3.8 時間でした。
平均復旧時間(単位 : 時間)
平均ダウンタイム(単位 : 時間)
金融業界
公共機関
小売業
製造業
中小規模
中堅規模
大規模
6 ページ
昨年の IT システムのダウンと復旧時間
同 様 に、 ヨ ー ロ ッ
パ で は、 北 米 に 比
べ て、 昨 年 の ダ ウ
ンタイムも復旧時
間も長くなってい
昨年の 1 企業あたりの
平均復旧時間(単位 : 時間)
昨年の 1 企業あたりの
ました(14.2 時間、
10.0 時間)。
平均ダウンタイム(単位 : 時間)
北米
ヨーロッパ
公共機関では他の業種
に比べて 1 年あたりの
サービス停止が長いた
め、ダウンタイムと復
旧時間の合計も一番長
くなっています(昨年
昨年の 1 企業あたりの
平均復旧時間(単位 : 時間)
昨年の 1 企業あたりの
平均ダウンタイム(単位 : 時間)
は 23.8 時間)。小売業
は、他より顕著に短い
8.4 時間でした。この
理由として考えられる
のは、金融業、公共機
関および製造業と比較
し て、 小 売 業 は IT シ
ステムによる収益への
影響が小さいというこ
とです。
金融業界
公共機関
小売業
製造業
中小規模
中堅規模
大規模
7 ページ
IT システムのダウンと復旧時間が収益に与える影響
調査対象企業に対して、サービス停止により、企業の収益発生にどのような影響があったかを質問しました。北
米では、業務の基幹システムに障害が発生すると、ダウンタイム中に企業の収益生産能力が 29% 低下するとい
う回答が得られました(ヨーロッパ : 32%)。システムが稼働状態になったとしてもデータの復旧作業が追加で
必要になりますので、企業の収益生産能力は改善するものの、まだ影響が見られます(北米 : 17%、ヨーロッパ :
25%)。
業務の基幹システム
に障害が発生した
場合、北米の企業で
は、通常のレベルと
比較して、収益生産
収益へのダウンタイムの
影響
収益への復旧時間の影響
北米
能力がほぼ 3 分の 1
(29%)に低下すると
見積もられています。
ヨーロッパ
ダウンタイムの影響を最も受けるのは中小規模の企業で、収益生産能力が一番大きく低下します(中堅規模の企
業 19%、大規模の企業 28% に比べて 39%)。
収益への影響について
は、調査対象の市場分野
で有意な差が見られま
した。ダウンタイム中、
公共機関は、収益生産能
力が 42% も低下すると
見積もられています。し
かし、製造業では、ダウ
収益へのダウンタイムの
ンタイムの影響は少な
影響
く 20% と 見 て い ま す。
収益への復旧時間の影響
今回の調査では、製造業
を除くすべての業種で、
収益への影響は、ダウン
タイムと比べて復旧時
間中は少ないと答えて
います。製造業では、復
旧時間中も収益が 19%
低下したままだと答え
ました。
金融業界
公共機関
小売業
製造業
中小規模
中堅規模
大規模
8 ページ
調査対象企業の 71% が、直近に起こった IT システムのダウンによって影響を受けたシステム / アプリケーショ
ンがミッションクリティカルであったと答えています。また、
4 分の 1 以上(26%)が、非常にミッションクリティ
カルであったと回答しました。クリティカルでなかったのは 7% のみでした。
非常にミッションクリティカル
かなりミッションクリティカル
それほどミッションクリティカル
まったくミッションクリティカル
ではない
ではない
業務部門への影響
IT システムのダウンで影響を受ける部門は、業務(62%)、財務(48%)および調達(39%)でした。
業務
財務
調達
マーケティング
HR/ 人事
営業
流通
その他
9 ページ
まとめ
「回避可能な IT システムのダウンによる損失レポート(2010 年)」は、IT システムの停止が北米企業に及
ぼす影響だけでなく、北米全体で多くの企業が、何らかの障害による IT サービスの不可避の停止から直ち
に復旧できるようにするツールや手順を持っていないために、収益を生み出す大きなチャンスを無駄にし
ていることを実証しています。
この問題は、企業の規模や市場分野には関係なく、北米全体の企業に影響を及ぼしています。また、ヨー
ロッパの企業も同様です。ヨーロッパでは、ダウンタイムと復旧時間が長く、北米と比較して、2 倍以上の
収益を損失していることになります。長年に渡り、IT 部門は重要なデータを効率よくバックアップすること
に集中してきましたが、復旧に要する時間についてはあまり問題視されませんでした。バックアップの目的は、
企業や部門がデータを復旧できるようにすることにありますが、その復旧を短時間ですませることは重要
視されてこなかったのです。
バックアップしたデータやシステムを迅速、かつ簡単に復旧できる、または高可用性を確保できるソリュー
ションを活用することで、重要なアプリケーションやシステムを直ちに復旧することができるようになり
ます。さらに企業や部門は、収益を生む可能性を最大限に向上しつつ、データ損失を最小限に抑えながら、
物理的障害や論理データ破壊などの致命的な損害に対応できるのです。
IT システムのダウンによる損失を回避するためのヒント
・業務の基幹システムおよびデータを特定する
ダウンタイムが企業や部門に与える影響を最小限に抑える最初のステップは、収益を直接生み出す元
となるアプリケーションとデータを特定することです。多くの企業や部門が、データ保護に一般的な
手法を取り入れ、すべてのデータを処理するのに同じポリシーを適用しがちです。同じポリシーを適
用してしまうと、復旧が必要な場合、一般のクリティカルではないデータも同じレベルで復旧しよう
とするために基幹システムが悪影響を受けてしまいます。
システム停止の頻度を最小限に抑えるようにインフラストラクチャを設計する
・ITベアメタル復旧(
Bare Metal Recovery)ソリューションを使用すると、サービス障害後のシステム復旧
時間を短縮できます。しかし、クリティカルなビジネス業務システムおよびアプリケーションの場合は、
最高レベルの可用性を実現するインフラストラクチャソリューションへの投資の導入をお勧めします。
これには、クラスタサーバ、レプリケートストレージおよび高可用性ソフトウェアなどの技術が含ま
れます。
・高速の復旧を可能にするデータ保護ソリューションを実装する
ディスクベースのバックアップ技術を導入すると復旧時間の短縮が期待できます。また、ソフトウェ
ア・レプリケーション ( 複製 ) は継続的なデータ保護(CDP とも呼ばれる)が実現できるため、定期的
なバックアップやスナップショットでデータが損失したり、破壊されることがありません。レプリケー
ション技術は、クリティカルなデータおよびデータベースのバックアップソリューションを補足する
のに最適です。データの論理破壊や物理障害から保護するソリューションを導入することをお勧めし
ます。バックアップの粒度に基づいて、より詳細な復旧が行なえます。すなわち、クリティカルなデー
タを最優先できます。
パートナーを選ぶ
・正しいソリューション
すべての企業に 1 つのソリューションで正しく対応できるわけではありません。したがって、企業や
部門固有のニーズを理解し、包括的なソリューションを提供できる、専門のデータ保護パートナーを
選択することが重要です。
10 ページ
調査方法
この調査は、2010 年 11 月に Coleman Parkes Research(*)が実施しました。北米の企業を対象として、
200 人の CIO/IT ディレクター / マネージャーへの聞き取り調査を行いました。
この調査は、以下のような市場分野に区分しました。
金融業
公共機関
小売業
製造業
また、この調査は、以下のように企業規模を区別分けしました。
従業員 50 ∼ 499 人(「中小規模」)
従業員 500 ∼ 999 人(「中堅規模」)
従業員 1000 人以上(「大規模」)
ヨーロッパでは、以下の国で 1808 人を対象にオンラインで聞き取り調査を実施しました。英国、フランス、
ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダ、ノルウェイ、スウェーデン、フィンランド、デンマーク
収益損失の計算方法
回避可能な IT システムの停止による総収益損失では、システムがオフラインとなっていた合計ダウンタイ
ム時間数、システム復旧から全データの復旧までの合計時間数、企業規模 / 市場分野別の総 / 平均収益生産、
システム復旧およびデータ復旧中の収益生産への影響、および 1 年あたりの回避可能な合計 IT システムの
停止数を評価しています。
3 つの異なる企業規模カテゴリの総合的な見積と、各企業規模カテゴリの平均収益数値は、公開された資
料から取得しました。このデータを使用して、調査に記載した収益情報への影響をまとめました。該当す
る調査結果で行なった感応度チェックによると、企業規模加重を各調査記録に適用する必要はありません
でした。
* 調査は、Coleman Parkes Research Ltd が実施
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IT システムダウンの影響を低減するための情報
IT ダウンタイムをさらに低減する方法については、弊社の Web サイトをご覧ください(arcserve.com/jp)。
CA www.ca.com について
CA Technologies は、メインフレームをはじめ、物理環境から仮想環境、クラウドに至るまで、あらゆる IT
環境における専門知識とノウハウを有する IT マネジメント・ソフトウェア / ソリューション・ベンダです。
CA Technologies は、IT 環境を管理し、安全確保のための手段を提供することで、お客様が IT サービスを
柔軟に行えるよう支援しています。CA Technologies の革新的な製品とサービスは、IT 組織にとって不可欠
な洞察力とコントロール能力を提供します。フォーチュン 500 の多くの企業が CA Technologies の製品 / サー
ビスを活用し、絶えず変化する IT エコシステムを管理しています。CA Technologies の詳しい情報につい
ては、< www.ca.com >(米 CA Technologies)、< http://www.ca.com/jp >(日本)をご覧ください。また、
ARCserve シリーズについては< http://www.arcserve.com/jp >をご覧ください。
Coleman Parkes www.coleman-parkes.co.uk について
Coleman Parkes Research は、8 年以上前に設立され、ビジネス ツー ビジネス分野を専門として、最高品
質のアクションを中心にした調査を行なっています。同社は、金融、小売業、政府省庁、サービスおよび
製造業を含め、あらゆるビジネス コミュニティへのサービスおよび製品サプライヤに調査を提供していま
す。特に製造業は、同社のディレクターが長い経験を有している専門分野であり、他社には真似ができない、
オープンで的確な製造業ベースの調査を実施します。
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