安定したハードウェアを採用することで プライベートクラウドの基盤を構築 カスタマー・プロファイル 信頼性の高いサーバやネットワークスイッチを活用することで仮想ネットワークの有用性 を強力にアピール 企業名: ミドクラジャパン株式会社 業 種: ソフトウェア開発販売 所在国: 日本 従業員数: 53 名 Web サイト: www.midokura.jp/ 課題 ネットワーク仮想化ソフトウェア「 MidoNet 」 の開発・販売を行っているミドクラでは、パブ リッククラウド ( AWS )での開発・テストに限界 を感じ、プライベートクラウド構築を決意。安定 性の高いサーバやネットワークスイッチなどの ハードウェアを求めていた。 ソリューション メインの R e d Hat Enterprise Linux OpenStack Platform を稼動させるハー ドウェアとして Dell PowerEdge™ 、Dell Networking、Dell PowerConnect ™を 採用。ユーザとしてだけでなく、パートナーとして デルおよびレッドハットと提携し、OpenStack 上の仮想ネットワークのベストソリューションとし て MidoNet が利用できることをプライベート クラウド上で実証し、新機能開発や MidoNet の品質向上に役立てている。 導入効果 • ミドクラ、レッドハット、デルの組み合わせで 本当の意味でのクラウドのメリットを享受で 「プライベートクラウドのメインの部分にデルのハードウェアを採用 し、レッドハットのOpenStackディストリビューションを稼働させる ことで、MidoNetが安定して利用できることを証明することができ、 お客様に安心して商用利用でOpenStackとMidNetを利用しても きるネットワーク仮想化環境を構築 • 企 業やプロバイダー などの 商 用 利 用 でも MidoNet が十分活用できるショウケースと してユーザにアピール • パブリッククラウドのように急激なコスト増に 悩まされることなく、コストを増やさずに開発 テスト環境としての柔軟性を確保 らえます。また、柔軟に利用できる開発テスト環境を手に入れること • 2 年間ハードウェア障害なしに安定稼動でき、 によって、新機能の開発やテスト検証にも役立てることができ、グロー のグローバル拠点からも安定して利用可能 バルな複数の拠点から安定してアクセスすることができています」 ミドクラジャパン株式会社 ダイレクターオブビジネス、アジアパシフィック 松尾 茜 氏 アメリカ、スペイン、 ドイツ、イスラエルなど ソリューションエリア • サーバ • ネットワーキング 2010 年に東京で創業されたミドクラジャパン株式会社は、グローバル ベンチャーとして東京、バルセロナ、サンフランシスコ、 ドイツ、イスラエ ルなどに拠点を持ち、ネットワーク仮想化ソフトウェア「 MidoNet 」を 提供している。MidoNet によって企業は、ネットワーク基盤の物理的 な制約から解放され、クラウドの柔軟性とスケーラビリティをより高度な ものにすることができるようになる。 「新しいモノを作ったり、開 発テストするために最も重 要 なことは、OSやプラット フォームがステイブル(安定) していることです。メイン のハードウェアは、さまざま な検証を行い、デルのハー ド ウェア 上 で レッド ハット のOpenStackディス ト リ ビューションを利用すること が最適だと考えました。また、 個人的には、ここ数年でデル はオープンソースに注 力し て、オープンソースで利用す るハードウェアとしての信頼 性と安定性を高めていると感 創 業 以 降、一 貫して ネットワーク仮 想 化ソ MidoNet を通じて、一貫してネットワーク フトウェアの 開 発 販 売を行 い、プロフェッショ 仮想化に取り組んできたミドクラでは、同社の ナ ル サ ービスやトレー ニングを提 供してきた 創 業 当 時に登 場した OpenStack にも 注 目 ミドクラジャパン株式会社(以下、ミドクラ)で し、クラウド基盤として OpenStack を採用し、 は、MidoNet の 開 発 環 境としてプライベ ー トクラウドを構築することを決意し、メインの OpenStack のネットワークプラグインとして MidoNet を稼動させることによって柔軟性と クラウドの基盤として安定性や信頼性が高い 迅速性を持ったシステムを構築できると考えて Dell PowerEdge 、Dell Networking 、 Dell PowerConnect を 採 用して、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform を構築。安定した開発テスト環境の 中で、MidoNet の新機能開発や品質向上を いる。その中で、レッドハットが OpenStack たことで、OpenStack のクオリティや安定性 行い、ミドクラ、レッドハット、デルの組み合わせ MidoNet を利用した仮想ネットワーク環境の によるプライベートクラウド構築の優位性をア 世界が広がることに大きく期待している。 メインのクラウドの安定性を確保するために デルのハードウェアを採用 クラウドの柔軟性を加速させる ミドクラで は、従 来 から AWS( Amazon 企業が本格的にクラウドの利用を検討するよ うになり、IT リソースを柔軟に活用して変化の Web Services )などのパブリッククラウドを 利用し、MidNet の開発やテストを行っていた。 早いビジネスに迅速に対応することが求められ しかし、事業が軌道に乗り、開発規模が拡大し るようになってきている。しかし、仮想化によっ ていくと、コスト、柔軟性、パフォーマンスの面 て CPU やメモリ、ストレージなどを柔軟に利用 で課題が出てきたという。 できるようになっても、物理ネットワークがボト ユ ー ザに提 供して いるトレー ニングなどで ルネックとなり、システム構築やサービス提供 20 名くらいが集まって、それぞれに 10 の仮想 マシン( VM )を提供すると 200VM が必要と なり、他の開発やテストで利用している VM を ミドクラジャパン株式会社 もある。 減を行えずにビジネスの要求を満たせないこと このような中で、現在注目されているのがネッ トワーク仮想化だ。ミドクラでは、ネットワーク 仮想化ソフトウェアとして MidoNet を提供し、 L2 から L4 までのネットワークをソフトウェア で実現することで、ネットワークもクラウド上の コンピューティングリソースとして利用できる ようにしている。 「これまでネットワークに関わっ てきた技術者がネットワーク仮想化を提供する のではなく、クラウドを熟知した技術者がネット ワーク仮想化を提供していることが MidoNet の最も大きな特長です。MidoNet は、ソフト ウェアベースで高度に分散化されたネットワー ク仮想化システムとなっており、負荷分散でき、 導入システム サービス Red Hat Enterprise Linux Open Stack Platform ハードウェア Dell PowerEdge R410 × 6 台 Dell PowerEdge R430 × 1 台 Dell Networking S4820T × 2 台 耐障害性の高いシステムを構築することが可 Dell Networking S6000-ON × 1 台 能です」とダイレクターオブビジネス、アジアパ Dell PowerConnect 2824 シフィックの松尾茜氏は話す。 2 心して OpenStack を利用できるようになり、 ネットワーク仮想化ソフトウェアで に時間がかかったり、柔軟なネットワークの増 サミル イブラジッチ 氏 が確保され、今後は企業やプロバイダーが安 ピールしている。 じています」 システムエンジニア のディストリビューションを提供するようになっ 含めると 1,000 以上の VM が必要になるが、 「このような新しいプロトコルや技術にもい 次第にこのようなリソースの急激な増加による ち早く対応してくれることも、デルを選択する コスト増に対応することは難しくなってきた。ま 理 由 の 1 つですね」と話すイブラジッチ氏は、 Cumulus Linux を 利 用 する際にも、デ ル が Dell Networking S6000-ON などで Cumulus Linux にい ち 早く対 応して いる ほか、Cumulus Networks とデ ル が 提 携 していることも高く評価している。Cumulus Linux を利用すれば、ネットワークスイッチを Linux でコントロールすることが可能となり、 た、東京で使うサーバが足りなくなり、米国リー ジョンのサーバを使わざるを得なくなることも あり、レイテンシの問題なども発生していた。 インター ナ ル なプライベ ートクラウドを構 築 することを 考 えたミドクラ で は、メイン の OpenStack コントローラなどで 使うハ ード ウェアとして、デルを選択し、サーバやネットワー クスイッチを利用している。 「新しいモノを作っ サーバと同じような感覚でネットワークを扱え たり、開発テストするために最も重要なことは、 るようになる。イブラジッチ氏は、安定性のある OS やプラットフォームがステイブル(安定)し サーバを開発しているデルであれば、スイッチ ていることです。ソフトウェエア会社としてさま ングの世界でも安定したハードウェアで動かす ざまなハードウェアでテストする必要がありま ことができることを期待しているようだ。 すが、メインのハードウェアは安定して OS な どが動くものでなければなりません。さまざま デルとレッドハットの組み合わせで な検証を行って、デルのハードウェア上でレッド MidNet を有効利用できることを証明 ハットの OpenStack ディストリビューション デ ル とレッド ハット の 組 み 合 わ せ の 上 で を利用することが最適だと考えました。また、 MidoNet を 安 定 稼 動 さ せることによって、 MidoNet のユーザに対してリファレンス的に 個人的には、ここ数年でデルはオープンソース に注力して、オープンソースで利用するハード 安定して利用できる組み合わせを情報として示 ウェアとしての信頼性と安定性を高めていると すことができることも、プライベートクラウドの 感じています」とシステムエンジニアのサミル 大きなメリットの 1 つだ。ミドクラでは、デルの イブラジッチ氏は話す。 ハードウェア上で OpenStack と MidoNet ミドクラで は、日 本 国 内 のデ ータセンター が 1 年半以上安定して稼動しており、そのこと にプ ライ ベ ートクラウドを 構 築し、メイン の を実績としてユーザに伝えているという。 「他 クラウドと 2 つ の テストクラウドを 運 用。現 社のハードウェアではいくつかトラブルがあり 在 は、6 台 の Dell ましたが、デルのハードウェアはこれまで問題 PowerEdge R410 、 1 台 の D e l l P o w e r E d g e R 4 3 0 、2 台 の Dell Networking S4820T 、1 台 の Dell Networking S6000-ON 、Dell PowerConnect 2824 を導入しており、そ の台数は規模の拡大によって増え続けている という。 が発生しておらず、リモートアクセスで問題な く管理でき、ストレージや電源の故障などもあ りません。デルとレッドハットのインテグレーショ ンにも問題を感じないので、ステーラブルなク ラウドが必要ならデルとレッドハットの組み合わ せがよいとお客様にお勧めできます」とイブラ ジッチ氏は話してくれた。 柔軟な開発テスト環境上で新たなプロトコルや Cumulus Linux も試していく プライベートクラウドを構築することによっ また、MidNet の新たな機能を開発する場 合は、最後にプライベートクラウドでテストして、 1 週間から 10 日稼動させ、安心できる機能で て、パブリッククラウドと比較してどのようなコ あることを証明してからユーザに提供すること ストメリットがあるかを聞くと、松尾氏は、 「コス ができるようになったことも、パブリッククラウ トはケースバイケースなので、定性的に比較す ドではできなかったことだ。ユーザが試用した ることはできません。規模もどんどん大きくなっ り、開発パートナーの検証センターとしてもプ てきている中で、コストを増やすことなく、やれ ライベートクラウドを活用し、すぐに環境を用意 ることが増えたことが大きなメリットです」と答 して、必要がなくなったらすぐにリソースを解放 える。前述のような急激なコスト増に対応する できるようになったこともメリットの 1 つとなっ 手間も省くことができ、計画的にリソースを増 ている。 やしながら柔軟な開発テストが行えるようになっ たというのだ。 ミドクラ、レッドハット、デルの 3 社でネットワー たとえば、パブリッククラウドでは標準的な組 ク仮想化を広めていく み合わせのシステムによる開発テストしか行え ミドクラとデルはパートナーシップを組んで ないが、プライベートクラウドにすることによっ おり、今後も価値の高いネットワーク仮想化の て、OSPF( Open ソリューションを提供していく予定だ。クラウド Shortest Path First )な どの新しいプロトコルを試すことができるよう でサーバやストレージだけでなく、ネットワーク になったという。 も仮想化していくというミドクラが実現したい 3 世界を広めていくために、同じようなビジョンを リティ、シングルポイント障害( SPOF )などの 持ち、同じようにグローバルなビジネスを展開 課題を MidoNet でどのように解決できるか しているデルは心強いパートナーとなっている。 を知ることができるようになった。 グローバルベンチャーやオープンソースによっ ミドクラで は、将 来 的に社 内に残って いる て提供される魅力的で新しい技術を導入する サ ー バなどの 物 理リソースもプライベ ートク 場合は、安定感や信頼性、グローバルなサポー ラウドに統合するほか、さまざまな活用を行っ トなどに不安を持つこともあるが、ミドクラ、レッ て いきたいと考えて いる。 「 2014 年 11 月に ドハット、デルの 3 社が協力することで、ユーザ MidoNet はオープンソース化され、利 用 者 に技術革新と安心感の両方を提供することが も増えてきました。ミドクラとしてはエンター できるようになってくる。松尾氏によれば、米国 プ ラ イ ズ 向 け MidNet として Midokura や欧州では実際にデルと共同で提案する案件 Enterprise MidoNet( MEM )を提 供して が増えてきているという。 いますが、オープンでも安定して使えることを また、OSCA( Open 推進していかなければならないと考えていま Standard Cloud Association)で「OpenStack Networking Plug-in 比較 - OVS と MidoNet -」というホ も仮想化しなければ、本当の意味でのクラウド ワイトペーパーも、ミドクラはデルと共同で公表 のメリットは生まれないことを多くの方にわかっ す。クラウドを構築するときには、ネットワーク している。OpenStack では、標準の仮想ネッ たいただき、オーバレイのソフトウェアソリュー トワーク環境として Open vSwitch( OVS ) が提供されているが、これらと MidoNet など ションがネットワーク仮想化に有効であること のプラグインにどのような違いがあるのかとい と最後に松尾氏は話す。ネットワーク仮想化が う資料はこれまで豊富ではなかった。しかし、 注目されている中、ミドクラ、レッドハット、デル OSCA という公平な場でホワイトペーパーを の 3 社は強いパートナーシップを組み、企業や を日本国内でも広く推進していきたいですね」 出すことでユーザは安心して情報を確認するこ サービスプロバイダーに今後も優れたソリュー とができ、OVS のパフォーマンスやスケーラビ ションを提供していく。 ミドクラジャパン株式会社 ミドクラジャパン株式会社 システムエンジニア ダイレクターオブビジネス、アジアパシフィック サミル イブラジッチ 氏 松尾 茜 氏 「クラウドを構築するときに は、ネットワークも 仮 想 化 しなければ、本当の意味で のクラウドのメリットは生ま れないことを多くの方にわ かった い ただき、オーバレ イ の ソフト ウェア ソリュー ション が ネット ワーク 仮 想 化に有効であることを日本 国内でも広く推進していき たいですね」 ミドクラジャパン株式会社 ダイレクターオブビジネス、アジアパシ フィック 松尾 茜 氏 ユーザ導入事例ウェブサイトにて、他にも多くの事例をご覧いただけます。 www.dell.co.jp/casestudy July 2015. ©Dell Japan Inc. 4 ● PowerEdge 、PowerConnect 、Dell ロゴは、米国 Dell Inc. の商標または登録商標です。 ●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。 ●取材 2015 年 4 月 10022260 デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町 580 番地 ソリッドスクエア東館 20F Tel. 044-542-4047 www.dell.co.jp
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