大学生における美容意識調査 - 十文字学園女子大学・十文字学園女子

十文字学園女子大学
社会情報学部・社会情報学科
星野ゼミ卒業研究
アン
伊藤
ヨンジュ
紗也香
粕谷
香織
神保
玲美
手島 千奈美
渡邊
律子
-1-
目次
序章・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1.研究の背景
2.研究の目的と方法
3.本論文の構成
Ⅰ章・・・調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1.調査対象
2.調査の概要
3.回答者の属性
Ⅱ章・・・結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1.外見重視について
(1)初対面の際に気になるところ
(2)外見に一番気を使うとき
(3)外見上で憧れる芸能人
2.美容整形について
(1)整形経験者の調査結果
(2)整形しない理由
(3)整形箇所、条件
(4)整形告白
(5)周囲の整形状況
3.美容意識と実態について
(1)意識調査
(2)実態調査
(3)因子分析
(4)美容意識が行動に及ぼす影響(重回帰分析)
Ⅲ章・・・まとめと今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
1. まとめ
2. 今後の課題
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
付表
1. 調査票
2. 発表資料
-2-
序章
1.研究の背景
「美」とは圧倒的な力を持ち、この世で最も重視されているものの一つである。しかし
その領域は非常に広く、曖昧であるため断定することは極めて難しい。
「美しさ」には、定
義はなく、常に流動的なものである。
例えば、日本の奈良時代では、ふくよかな身体を持った女性が美人とされた。その時代
には「より良い子孫を残したい」という考えが強くあり、健康的な女性に、男性は自分の
子供を産んでもらいたいと考えたからだろう。
しかし、平安時代に入ると「長く美しい黒髪」や「衣装の美しさ」といった「見た目の
美しさ」が注目され始めた。894 年の遣唐使廃止によって、それまで大きな影響をもたら
していた大陸の文化が廃れ、日本は独自の「国風文化」を形成していった。その「国風文
化」には女性のふくよかな身体といった生々しいものを不浄のものと考え、嫌っていた。
ゆえに、奈良時代に好まれていた肉感的な身体は敬遠され、十二単や長い黒髪で身体を覆
い隠した女性が好まれた。
現代において「ふくよかさ」や「髪の美しさ」、「衣装の美しさ」が一番の「美しさの基
準」に選ばれることはなく、今も美しさとは流動的である事が分かる。
現代の「美しさの基準」もあらゆる背景によって作り上げられたものに違いない。以上
のように、時代の流れの変化による個人の感覚や判断力などが「美意識」である。
最近では美意識の変化や、メディアに取り上げられる機会が増えたことも伴い、美容整
形・エステなどが現代人の関心を集めている。ひと昔前、美容整形の話題が上がる時、そ
の多くは嘲笑や中傷する場面が多かった。親からもらった体に傷をつけるという道徳的な
整形への偏見と、人から聞く悪い噂を耳にした嫌悪感から、美容整形はネガティブなイメ
ージがつきまとってきた。しかし現在は、プチ○○という言葉の流行と、整形技術の進歩
による手術の手法の簡便化から、プチ整形という言葉が生まれ、美容整形の敷居を低くし
てイメージが変わりつつある。
エステと皮膚科と美容外科の境界も今や曖昧で、女性誌・美容雑誌もこぞって特集記事
を組み、医師や病院を紹介している。整形は「美しさを得る為の手段の一つ」として存在
している。
実際、雑誌やテレビなどのメディアから情報を得る受け手側であるは、整形についてど
う捕らえているのだろうか。
-3-
2.研究の目的と方法
多くの現代人の美意識が高まっている中で「美」を取り巻く整形、外見重視の傾向、美
意識や美容実態の男女差を明らかにしたい。
第1に、実際に整形した人としない人で外見重視の傾向が異なるかどうか明らかにする。
第2に、性別の違いによる美意識の差を明らかにする。
第3に、整形しない理由に男女の差があるか明らかにする。
第4に、美意識と実生活における行動の関連性について明らかにする。
首都圏在住の大学生男女を対象として美容意識についてアンケート調査を実施した。
統計ソフトとして、SPSSを用いた。
3.本論文の構成
Ⅰ章では、調査対象、調査の概要、回答者の属性について記した。
Ⅱ章の1では、外見について分析する。
「初対面の人と会う際に気になるところ」と「外
見に一番気を使うときはどんなときか」という質問をし、そこに男女の差があるかどうか
調べる。また、外見上で憧れる芸能人を挙げてもらい、どんな同性が理想とされているの
かを分析する。そして、そこから大学生の理想像を明らかにする。
Ⅱ章の2では、美容整形について分析する。
「整形の経験の有無」や、整形を経験した人
には「整形した理由」や「満足度」を調べる。また整形経験がない人は、
「整形に対してど
う思うのか」、「整形しない理由」、「整形するならどこを直したいか」、
「整形したことを周
りに言うか」
、
「周囲の整形状況」などを調べ、整形に対する意識や関心が実際どうなのか、
また男女で回答に差が見られるのかを分析する。
Ⅱ章の3では、美容意識と美容実態を分析する。意識や実態を調べ、それらにどんな傾
向があるのか、また男女差があるのか、意識と実態がどのように関連しているのかを分析
する。
Ⅲ章では、まとめと今後の課題について記した。
-4-
Ⅰ章
調査の概要
1.調査対象
私達は大学生を対象に、整形経験の有無や意識、または美容意識に伴うアンケートを実
施した。対象者は、十文字学園女子大学の1年生から4年生、電気通信大学などの男子学
生である。男女を対象とした理由は特定の階層の男女の美意識の差を詳しく分析したいと
思ったからである。
最近、以前より低価格かつ気軽に受けることができる整形手術に対し、若者がどう考え
ているのか知りたいと思った。また、対象者を大学生に絞った理由は、美容整形に関する
質問に対し、高校生以下は保護者の承諾がないと手術が受けられない関係上、正確なデー
タが取りにくいと予想されるためである。
2.調査票の概要
調査の内容は「1.外見で気になるところ」「2.美容整形」「3.美意識」「4.日常生活におけ
る行動」「5.アンケート回答者の属性」の 5 つである。
1では、外見に一番気を使うときはどんな時か、初対面の人のどこが気になるか、外見
上で憧れる同性の芸能人はいるか、もし自由に使えるお金が 100 万円あったとしたら何に
使うか、などについて質問した。
2では、美容整形をテーマに整形経験者と未経験者に、整形しない理由、整形箇所・条
件、整形告白、周囲の整形状況、他人が整形することをどうおもうか、新しい環境の中に
に入るなら整形したいか、について質問した。
3では、美意識について5段階評価を用いた。
「人にかわいい、かっこいいと思われたい」、
「今の時代美男美女が得をする」、
「整形に興味がある」などの質問項目を設定し質問した。
4では、日常生活における行動について5段階評価を用いた。
「出かけるときは必ず身だ
しなみを整える」、「体型維持の為に運動をしている」、「ファッションに気を使っている」
などの質問項目を設定し質問した。
5では、学年、学部、性別、住まい形態について質問した。
3.回答者の属性
サンプル数:266
《有効サンプルの内訳》
図表Ⅰ-3-1は学部別グラフである。その内訳は文系が 76%の 202 人、理系が 19%の
106 人、未記入 5%の 13 人である。
図表Ⅰ-3-2は学年別のグラフである。その内訳は1年生が 14%の 36 人、2年生が 21%
の 56 人、3年生が 43%の 112 人、4年生が 21%の 55 人、その他と未記入が 1%3 人で
ある。
-4-
40%の 106 人、女性が 59%の
図表Ⅰ-3-3は性別のグラフである。その内訳は男性が
157 人である。
図表Ⅰ-3-4は住まい形態についてのグラフである。その内訳は自宅が 73%の 196 人、
一人暮らしが 22%の 58 人、その他 4%の 10 人、未記入が 1%の 2 人である。また記入漏
れに関しては、未記入として処理した質問もある。
〈回答者の属性〉
学部別
学年別
N= 2 6 6
5%
1%
N= 2 6 6
14%
21%
19%
21%
76%
文系
理系
未記入
1年
図表Ⅰ-3-1 学部別
43%
2年
3年
4年
図表Ⅰ-3-2
性別
その他
学年別
住まい形態
N= 2 6 6
N= 2 6 6
4% 1%
22%
40%
60%
73%
男
女
図表Ⅰ-3-3
自宅
性別
一人暮らし
図表Ⅰ-3-4
-5-
その他
未記入
住まい形態
Ⅱ章
結果と考察
1.外見重視について
1-(1)
初対面の際に気になるところ
初めて会う人のどこが気になるのか調べるため、11項目のうち、あてはまるもの3つを
選んでもらった。複数回答のためサンプル人数266人に対し、サンプル回答数が745
となっている。
初対面の際に気になるところ
N=266
複数回答可のため
回答サンプルは745
%
男
女
そ の他
体型
*
*
言葉使 い
フ ァ ッシ ョ ン
*
*
立 ち振る舞 い
髪型
手
胸
脚
目
顔
60
50
40
30
20
10
0
** 1%水準で有意
図表Ⅱ-1-1 初対面の際に気になるところ
男女共に多かったのは、
「顔」
(男性 55.7%、女性 53.2%)、
「立ち振る舞い」
(男性 53.8%、
女性 48.7%)
、「言葉使い」(男性 49.1%、女性 55.1%)であった。
また、性別によって気になるところが異なるかどうか調べるため、カイ2乗検定を行った
ところ、「胸」(x 二乗値=9.075、P=0.003)と「ファッション」(x 二乗値=15.958、P=
0.000)の項目では1%水準で有意差がみられた。(図表Ⅱ-1-1)
男性と女性で差があった2項目のパーセンテージを見てみると、
「胸」が気になると答え
た男性は 7.5%に対し、女性は 0.6%であった。また「ファッション」が気になると答えた
男性は 28.3%に対し女性は 53.2%であった。
この結果によると胸とファッションに関して男女の考え方に差があるといえる。
異性の顔や体型を気にする傾向は男女ともに見られるが、ファッションに関しては特に
女性の考え方が厳しく、人を見るときの一つのポイントになっていると言える。反対に男
性は女性に比べて、人のファッションセンスにさほど興味はないようだ。
この結果によると胸とファッションに関して男女の考え方に差があるといえる。
なぜ女性は異性のファッションセンスを求めるのか、次に調べることにした。
-6-
1-(2)
外見に一番気を使う時
外見に一番気を使う時
N=266
同窓会 5% 年配の人と会う 3%
男2 女6
男6 女8
片思い中の人と会う
31%
男31女50
コンパ 7%
男11 女8
無回答 10%
友人と遊ぶ 11%
男11 女17
恋人とデート 18%
男15 女34
就職活動 15%
男18 女22
図表Ⅱ-1-2 外見に一番気を使う時
外見に一番気を使う時(男性)
コンパ
12%
同窓会
6%
年配の人と会う
2%
N=102
片思い中の人と
会う
31%
無回答
4%
友人と遊ぶ
12%
恋人とデート
15%
就職活動
18%
図表Ⅱ-1-3 外見に一番気を使う時(男性)
外見に一番気を使う時(女性)
同窓会
5%
コンパ
5%
無回答
3%
友人と遊ぶ
11%
就職活動
15%
年配の人と会う
4%
N= 152
片思い中の人と
会う
34%
恋人とデート
23%
図表Ⅱ-1-4 外見に一番気を使う時(女性)
-7-
「外見に一番気を使う時」はどのような場合か調べた。図表Ⅱ-1-2に示すとおり、外
見に一番気を使う時は、「片思い中の人と会う時」(31%)である。また、異性と会うこと
を目的としている項目(片思い中の人と会う、恋人とデート、コンパ)のパーセンテージ
を合計してみても、全体の 56%を占めていることがわかる。第一印象が大切といわれる「就
職活動」(15%)に気を使っていると答えた人も多かった。(最近では、就職活動のために
整形をして第一印象をよくする人もいるという。)
次に、男女の意識の違いを分析すると、男性の1位は「片思い中の人と会う」(31%)、
2位は「就職活動」(18%)、3位は「恋人とデート」(15%)であった。(図表Ⅱ-1-3)
。
女性の 1 位も同じく「片思い中の人と会う」
(34%)、2位は「恋人とデート」、3位は「就
職活動」(15%)であった。(図表Ⅱ-1-4)
1 位は男女共に「片思い中の人と会う時」であり、2位と3位の順位は入れ替わってい
るものの、
「恋人とデート」と「就職活動」と答えている人が男女共に多かったため差はあ
まりなかった。
以上のことから、男女共に、異性と一緒にいる状況の時に、特に外見に気を使っている
ことが多いとわかった。コンパや同窓会などの特殊な状況の時に気を使う人は思ったより
少なかった。日常から外見や身だしなみを気にする人が多いということなのだろう。
1-(3)
外見上憧れる芸能人
外見上で憧れる同性の芸能人は誰かという質問に対し、男性の場合、名俳優的な存在で
ある椎名桔平、永瀬正敏、渡部篤郎があげられていた。その他に、お笑い芸人の松本人志、
木梨憲武、タレントのユースケサンタマリア、ミュージシャンの稲葉浩志らがあげら
れていることから、男性はその人の能力や個性に憧れを抱くようである。また、回答が、
ある特定の芸能人に全く集中していないことから、男性は、あまり流行にながされず、十
人十色の理想像ができあがっていると考えられる。
女性の場合、大きく分けて二通りのタイプの芸能人に集中した。
、松嶋菜々子(7人)などのいわゆる癒
まずは菅野美穂(15人)、中谷美紀(13人)
し系と呼ばれる芸能人である。これは近頃、普通っぽさが求められている傾向と、目まぐ
るしく変化する時代の中で、多忙な生活を送っている日本人にとって、見とれるほどの美
人より、一緒にいてホッとできる雰囲気を持った女性が好まれるようになったからである。
一方では、スラリとしたモデルを選ぶ人も多かった。たとえば長谷川京子(9人)、松
雪泰子(5人)、りょう(3人)、伊藤美咲(3人)などがあげられていて、体型を気
にする女性にとって、モデルは憧れの対象なのだ。
回答者 266 人中 156(男性57人、女性99人)もの回答数があったと言うことは、半
数以上の人に憧れる芸能人がいるということになった。
芸能人を手本に自分(見た目・内面を含め)を磨く人も少なくないのだろう。
-8-
2.美容整形について
2-(1)
美容整形について
図表Ⅱ-2-1は、整形経験者の有無のグラフである。
整形経験の有無
整形経験
者 4人
N=266
男1 女3
整形未経
験者 262
人
図表Ⅱ-2-1
整形経験の有無
整形をしたことがあると答えた人は、266人中4人(男性1名、女性3名)であった。
整形を実際にしてみて手術にかかった費用は10万円から40万円の間で、かかった日数
は3日、1週間、3ヶ月と手術内容によってまちまちのようだ。どこの箇所を直したかま
たは今後どこを直したいかは、目と腹部の脂肪吸引が多く、次に足の脂肪吸引、鼻、輪郭、
胸、シミ、ほくろとりであった。
整形をしてみて満足したかという質問には、
「大変満足している」から「まったく良くな
かった」の五段階評価のうち、満足している人は全体の 75%で、満足していないと答えた
人は一人もいなかった。整形をしたことを周りの人に言った時の反応は、
「すごく良かった」
から「まったく良くなかった」の五段階評価のうち、周りの評価が良かった人は 50%で、
どちらでもない・未回答は 50%であった。結果、反応が悪かった人は一人もいなかった。
整形するのにどれくらい悩んだかは、1ヶ月から1年もしくはそれ以上で、かなり悩んだ
末整形をした人がいた。整形した理由の回答は、コンプレックスがあったからと答えた人
が多かった。これは、Ⅱの「美しさに関する意識」で出た、整形をした人は自分にコンプ
レックスをもっている人が多いという結果にも繋がる。その他には、異性もしくは同性に
好かれたいためと答えた人も一人ずついた。
整形したことを周りの人に言ったかという質問には、整形した人全員が誰かに告白して
いて、友人に告白していた。(誰に告白したかという質問に関しては1人未回答。)また整
形をした人の周りには、必ず誰かが整形をしていることがわかった。他人が整形をするこ
とに関しても、素晴らしい・うらやましいと答え、整形した人に対して違和感がある人や、
-9-
否定的な人はいないようだ。
整形した人は外見重視の傾向があるか、Ⅱの「美しさに関する意識」をもとに分析した
ところ、身だしなみや髪型に気を使っている人が多いせいか、異性に対して、美意識が高
い人が好ましいと回答している。また、全員が人に良く思われたいと答えていて、特に女
性は、外見が美しいほうが得をすると考えている。その一方、見た目が大切だと思ってい
る人は1人、どちらでもないと答えた人は2人、あまり思わない人は1人であった。これ
は初対面の人のどこが気になるかは、顔や体の特定の部分だと答えている人は少なく、立
ち振る舞いと答えた人が一番多いことから、外見だけで人を判断しない傾向にあると言え
る。そして、美しさは内面から出るものだと考えている人が多いこともわかった。
整形した人は、自分に対しての外見には厳しいが、他人の外見に対してはそこまで厳しく
ないようだ。
2-(2)
整形しない理由
図表Ⅱ-2-2は、男女別に「なぜ整形をしないのか」をまとめたものである。選択肢は
9項目で、よくあてはまると思う順位 1 から3位をつけてもらい、1 位3ポイント、2位
2ポイント、3位1ポイントで計算した。(複数回答可の質問)
ポイント数
200
なぜ整形しないのか
186
181
150
100
124
94
41
36 35
50
125
91
63 63
46
38
18
男性
女性
12 13
そ の他
今 の ま ま で満 足
完 治 す る ま で に時
間 が か かる
失 敗 が怖 い
0
周 囲 に反 対 さ れ て
いる
周 囲 の反 応 が気 に
なる
後 遺 症 が怖 い
痛 み が苦 痛
費 用 が高 い
0
166
図表Ⅱ-2-2 なぜ整形しないのか
男女ともに、整形の費用が高くてしないと答えた人(男性 94ポイント、女性 186ポ
イント)が多かった。男性は、今のままで満足している人が166ポイントで最も高い傾向
にある。これは自分らしさを大切にしている、もしくは整形に対してあまり興味がないと
考えられる。女性の場合、整形を考えたとしても、整形後の失敗(181ポイント)や後遺
症が残るかもしれない(124ポイント)といった恐怖心が強く出ていることがわかる。こ
- 10 -
の結果、女性のほうが整形することを踏まえた上で、したくない理由を考えている人が多
く、整形に対する興味が高かった。
また、その他で答えた人の整形したくない理由を見てみると、非常に様々な理由から整
形に抵抗があることがわかった。例えば、めんどうくさい、たいしてかわらない、意味が
ない、興味・関心がないといったものから、遺伝子が変わらないから子供がかわいそう、
今の自分に自信がある、お金をかけてまで綺麗になりたいと思わない、生まれてきた顔が
自分の顔だから、自分でなくなるようで怖いなど自分の中で整形を完全に否定している多
く意見もみられた。また、親からもらった顔・体なので今更なおしたくない、両親に悪い
など、自分以外がどう思うかといった点で整形を否定している人もいた。
2-(2)で「整形しない理由」を分析した。結果は「今のままで満足」に続いて「費用が
高い」と答える人が多く、
「今のままで満足」と答えている人以外は、お金さえあれば整形
をすると考えられる。そこで、もし自由に使えるお金が100万円あったら何に使うか、
という質問と関連付けて、本当にお金があれば整形をするかどうかを分析してみた。
もし100万円あったら、何に使うか?
ポイント数
300
280
241
250
男性
女性
200
157
150
129
101
100
58
50
18
2
14
24
9
3
11 19
そ の他
ゴ ー ジ ャ スな 食
事
車
ペ ット
ギ ャ ンブ ル
エステ
整形
ア ク セ サ リー
ブ ラ ンド の バ ッ
ク
洋服
旅行
0
13
44 51
47
40
97 82
85
図表Ⅱ-2-3 もし 100 万円あったら何に使うか
グラフを見ると、男女ともに「旅行」
「洋服」が圧倒的に多く「整形」は少数で、大学生
において、整形に関しては関心が低いとわかる。もし自由に使えるお金があったとしても
必ずしも整形をするわけではなく、日常的に欲求している「旅行をしたい」
「新しい洋服が
ほしい」といった望みをかなえるために使うようだ。つまり費用があっても、整形すると
いう仮説は成り立たない。
- 11 -
2-(3)
整形箇所、条件
図表Ⅱ-2-4は、「もし整形するならどこを直したいか」をまとめたものである。
1 位~3位まで順位を付けてもらい、1位のものを3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントとし、
合算して点数を付けた。(複数回答可の質問)
整形するならどこを直したいか
ポイント
180
160
140
158
156
146 143
117
120
105
100
80
77
63
44 45
60
53
48
32
40
23 12
20
13 17
6
0
そ の他
特 にな し
シ ミ ・ほ く ろ
腹 部 の脂 肪 吸
引
足 の脂 肪 吸 引
胸
輪郭
口
鼻
目
0
男
女
69
図表Ⅱ-2-4 整形するならどこを直すか
図表Ⅱ-2-4の結果によると、一番ポイントが高かったのは、男性では「鼻」(143ポイント)、女
性では「足の脂肪吸引」(158ポイント)である。世間ではプチ整形たるものが流行しており、メディ
アでは目や鼻が簡単に思い通りに直せると整形手術の技術のすばらしさ、手軽さを主張している。
このことから私達は男女共に目、鼻を直したいと考えている人が多いと想像していた。しかし実際
にデータをとってみると男性においては、1 位が「鼻」で143ポイント・2位が「特になし」で117ポイ
ントであり、女性においては 1 位が「足の脂肪吸引」で158ポイント・2位が「腹部の脂肪吸引」で1
56ポイントであった。女性に関して言うと、顔のパーツを気にする人よりも体型を気にする人の方
が多かったということになる。女性なら顔は化粧をすることによって自分の理想とする顔に近づくこ
とが出来るが、体型を変えるという事は非常に困難である。美容整形という枠の中で人々が期待
する事は自分では解決困難な美の追求を簡単に解決してくれるということなのだ。
- 12 -
2-(4)
整形告白
N=266
ただし無回答19なので
実際には147
(男性:N=98)
(女性:N=149)
整形したことを周りに言うか
44 (45%)
はい
98
(66%)
男性
女性
54
いいえ
0%
51 (34%)
(55%)
20%
40%
図表Ⅱ-2-5
60%
80%
100%
整形したことを周りに言うか
「はい」と答えた人は誰に整形したことを言うか
聞かれたら言
う
11%
先輩
1%
恋人
4%
家族
45%
友人
39%
図表Ⅱ-2-6
「はい」と答えた人は誰に整形したことを言うか
図表Ⅱ-2-5の結果から、男性と女性では整形したことを打ちあけるか、あけないかで
違いが出た。男性はわずかに「いいえ」と答えた人の方が多いが、女性は3分の2の98
人が「はい」と答えた。男性は、女性よりも整形に抵抗があるために打ち明けにくく、女
性は自分のことをわかってほしいという願望が強いために、周囲に整形を打ち明けると考
えられる。また、図表Ⅱ-2-6によると整形したことを言う相手は、家族 45%・友人 39%
であった。家族に言うと答えた人の理由は、親からもらった体を傷つけるため、経済的に
金銭面で両親の協力が必要だから、一緒に住んでいるので言わざるをえない、家族の許可
を得ることによって、安心できるからと考えられる。
- 13 -
2-(5)
周囲の整形状況
図表Ⅱ-2-7は、周りに整形した経験のある人はいるか・いないか、また、いると答え
た人は自分とどんな関係の人が整形をしたのかの割合をグラフにしたものである。
周りに整形した経験のある人はいるか
バイト・仕事
家族
先の人
1%
2%
その他
3%
異性の友達
4%
N=266
複数回答可のため
回答サンプルは273
恋人
0%
同性の友達
18%
いない
72%
図表Ⅱ-2-7
周りに整形した経験のある人はいるか
同性の友達が整形をした割合
男性
15%
85%
女性
図表Ⅱ-2-8
同性の友達が整形した割合
ほとんどの人が身近に整形した人がいないというのが現状だった。周りに整形経験者がい
ると答えた人は、全体の約 30%であった。内訳は、同性の友達が 18%、異性の友達が 4%、
その他が 3%、バイト・仕事先の人 2%、家族が 1%であった。
(恋人が整形した人につい
ては1人もいなかった。
)図表Ⅱ-2-8は、同性の友達が整形した人がいる人の男女の内訳
で、男性は 15%で、女性は 85%であった。
- 14 -
図表Ⅱ-2-9、図表Ⅱ-2-10は、周囲に整形経験者がいる人といない人に分け、他人が
整形することをどう思うかをグラフ化したものである。
周囲に整形経験者がいる人は
他人の整形をどう思うか
N=67
6%
5% 3%
複数回答可のため
サンプル数は65
11%
43%
12%
20%
図表Ⅱ-2-9
関心がない
うらやましい
好感がもてる
理解できない
素晴らしい
嫌悪感がする
軽蔑する
周囲に整形経験者がいる人は他人の整形をどう思うか
周囲に整形経験者がいない人は
他人が整形することをどう思うか
1%
N=199
1%
複数回答可のため
サンプル数は201
5% 2%
9%
11%
71%
図表Ⅱ-2-10
関心がない
理解できない
嫌悪感がする
うらやましい
軽蔑する
好感が持てる
素晴らしい
周囲に整形経験者がいない人は他人が整形することをどう思うか
図表Ⅱ-2-11は、身近に整形経験者がいる人といない人に分けて、新しい環境に入る
なら整形をしたいかどうかをグラフ化したものである。
- 15 -
新しい環境に入るなら整形したいか
周囲に整形 3人 33人
経験者
2% 17%
がいない
周囲に整形
経験者
がいる
3人
4%
0%
37人
19%
125人
62%
36人
53%
17人
25%
20%
ぜひしたい
図表Ⅱ-2-11
N=266
40%
したい
60%
したくない
12人
18%
80%
100%
絶対したくない
新しい環境に入るなら整形したいか
他人が整形することをどう思うかという質問に対して、1位はともに「関心がない」と
(経験者がいる人 43%、経験者がいない人 71%)であったが、2位以下に違いが見られ
た。経験者がいる人は、
「うらやましい」
(20%)、
「好感がもてる」
(12%)と答える一方、
経験者がいない人は「理解できない」
(11%)、
「嫌悪感がする」
(9%)と答えていた。
(図
表Ⅱ-2-9、図表Ⅱ-2-10)また、新しい環境に入るなら整形したいかという質問対して、
周囲に整形経験者がいる人と、いない人とわけて調査した。
「したくない」人と「絶対した
くない」人の割合を合計してみると、周囲に経験者がいる人は 71%で、周囲に経験者がい
ない人は 82%であった。経験者がいる人の方がしたくないと思う割合が低いことがわかっ
た。一方、
「したい」人と「ぜひしたい」人の割合も合計してみると、周囲に経験者がいる
人は 29%で、周囲に経験者がいない人は、19%であり、経験者のいる人の方がしたいと思
う人のほうが若干高かった。(図表Ⅱ-2-11)
新しい環境に入れば、以前の自分を知らない人が多いため、手術を望む人が多いと予想
していたが、実際、手術をしたいと思っている人は少なく、周囲に整形経験者がいる人も
いない人も、整形に対して抵抗があるとわかった。また、他人が整形することに対して、
整形経験者がいる人といない人では、好意的な意見と否定的な意見に分かれたが、自分自
身が整形をするとなると、両者ともに整形手術に対して、抵抗があるようだ。
結果、整形経験者が周囲にいる人は、整形のことを比較的ポジティブに考えていること
がわかった。これは、友人などが整形した様子を見てうらやましいと思う人が多いようで、
顔を変えるということ、手術の様子、手術後のことなどを経験者から具体的に聞くことに
よって興味が湧いているのである。一方、整形経験者が周囲にいない人は具体性がないた
め、ほとんどの人がネガティブに考えている。これは、整形したことのある人が周囲にい
ないから経験談を聞くこともなく、具体的な内容がわからないため、理解することも出来
ないというこの循環が変わらない限り、美容整形が浸透することはないのではないか。
- 16 -
3.美容意識と実態について
美しさに対する意識調査
整 形 に興 味 が あ る
人 に オ シ ャ レだ と思 わ れ た い
*
*
男 性 が自 分 の顔 や ス タ イ ル の美 し さ に こ だ わ る の は
お かし い
人 間 見 た 目 が大 切 で あ る
醜 いも の を 見 る と気 分 が悪 く な る
*
美 し さ と は内 面 か ら に じ み出 る も の だ
*
*
美 し く あ り た い と思 う の に男 女 の差 は な い
整 形 す る 人 と は付 き 合 いた く な い
エ ス テ に興 味 が あ る
*
*
外 見 ば かり に こだ わ る の はお か し い
- 17 -
男 性 が整 形 す る こ と に抵 抗 が あ る
今 の 時 代 、美 男 美 女 が 得 を す る
外 見 が美 し け れ ば 幸 せ に な れ る
*
*
女 性 な ら 美 し く な り た い と思 う の は当 然 で あ る
*
自 分 の 顔 や 体 型 に コ ン プ レ ック ス を 持 っ て い る
人 間 中 身 が大 切 で あ る
・
*
*
フ ァ ッシ ョ ン に興 味 が あ る
*
*
他 人 の目 が気 に な る
身 だ し な み に気 を 使 う 男 性 は好 ま し い
人 に か わ い い 、か っこ い い と思 わ れ た い
美容意識調査
図表Ⅱ-3-1
注: **1%水準で有意 *5%水準で有意
美容意識
*
*
3-(1)
そう思う
ややそう思う
男性
女性
どちらでもない
あまり思わない
全く思わない
直したいところ
(男)
腹部の脂
肪吸引
9%
口
その他 2%
3%
胸
0%
直したいところ
(女)
足の脂肪
吸引
0%
輪郭
9%
鼻
6%
特になし
30%
シミ・ほく
ろとり
12%
鼻
13%
目
22%
胸 輪郭
5% 5%
口
1%
その他
1%
目
27%
特になし
8%
シミ・ほくろ
とり
13%
図表Ⅱ-3-2
足の脂肪
吸引
16%
腹部の脂
肪吸引
18%
図表Ⅱ-3-3
男性の直したいところ
女性の直したいところ
図表Ⅱ-3-1は美しさに対する意識について男女の意識差を示したグラフである。20 個
の質問に対し、
[そう思う]
[ややそう思う]
[どちらでもない]
[あまり思わない]
[全く思
わない]の 5 項目を設け調査を行い、男女別にカイ 2 乗検定を行いグラフにした。
その結果男女共に、「人間中身が大切である」と答えた人は全体の 91.7%と多かった。
次に、「女性なら美しくなりたいと思うのは当然である」83.2%、「人にかわいい・かっこ
いいと思われたい」81.3%という順になった。「エステに興味がある」(男性 16%、女性
62%)と「自分の顔や体型にコンプレックスを持っている」
(男性 41%、女性 76%)とい
う項目に大きな男女差が表われ、女性が上回っていた。
女性は男性に比べ外見にコンプレックスを持っている。前回の「整形をするならどこを
直しますか(複数回答可)」という質問に対して、図表2-2-(3)では 1 位から3位まで順
位を付けてもらい、1 位は 3 ポイント、2 位は 2 ポイント、3 位は 1 ポイントで換算した
が、今回は一位のみをグラフにした。その結果、女性は[目]が 27%と1番多く、次いで[腹
部の脂肪吸引]など体の一部を上げたが、男性は[特になし]が 30%と1番多く、次いで
[目]22%であった。つまり、
「特になし」が男性より下の順位の女性は、男性よりコンプレ
ックスを持っていると言える。(図表Ⅱ-3-2、図表Ⅱ-3-3)
女性が男性よりもコンプレックスを持っている人が多いのは、たとえ人が気にならない
ところでも、女性の美意識が高い故に、自分の外見に満足できずにいるからだと考えられ
る。
「美しくなりたいと思うのに男女の差はない」という質問では[ややそう思う]と男女共に
ほぼおなじ回答だったが、男性の美しさとは身だしなみに気を使う程度であり、女性の美
しさとは身だしなみはもちろんのことエステなどにも興味を持ち、男性が考える美しさ以
- 18 -
上のことを求めていることがわかる。したがって、男性と女性では美しさのレベルに違い
がある。そして、その女性の美意識の高さが、男女の美意識の差を生み出す要因になって
いるのではないのか。
3-(2)
美容の日常実態について
図表Ⅱ-3-4は美容の日常実態について男女の実態の差を示したグラフである。それぞ
れ15個の質問に対し、[かなりしている][ややしている][どちらともいえない][あま
りしていない][全くしていない]の 5 項目を設け調査を行い、男女別にカイ 2 乗検定を
行いグラフにした。
その結果、女性は「むだ毛処理をしている」
(56%)という項目が一番多かった。次に「眉
の手入れ」
(84%)、
「出かけるときは必ず身だしなみを整える」
(85%)という順になった。
男性は「出かけるときは必ず身だしなみを整える」(67%)、「ファッションに気を使って
いる」
(49%)、
「髪型に気を使っている」
(42%)という順になったが、女性より数値が低
かった。女性より男性の数値が若干高かった項目が1つある。それは、
「体型維持の為に運
動をしている」
(男性 27%、女性 20%)である。しかしこの調査はファンデーションやマ
ニュキアなど女性が使うことが多い項目が 5 つ位あったので、女性が上回るのは当然の結
果だ。小数ではあったが、意外にも眉の手入れや、むだ毛処理を行っている男性がいるこ
とがわかった。
3-(3).因子分析
図表Ⅱ-3-5は、美容意識についての因子分析の結果である。因子の抽出は主因子法を
用い、バリマックス回転を行った。第1因子は、人の目を気にする人を示す「おしゃれ」
因子である。第2因子は、主に外見にこだわる人を示す「外見重視」因子である。第3因
子は、美意識に対する男女の差を示す「男女美意識」因子である。第4因子は、美容につ
いての興味を持つ人を示す「興味」因子である。第5因子は、主に内面を重視する人を示
す「内面重視」因子である。初期の固有値が 1.119 である事から5つの因子に決めた。5
つの因子で全因子の分散の 56.1%説明できる。
図表Ⅱ-3-6は、美容の実態についての因子分析の結果である。因子の抽出は主因子法を
用い、バリマックス回転を行った。第1因子は、自分を磨くために手入れをする人を示す
「手入れ」因子である。第2因子は、身だしなみに気を使う人を示す「身だしなみ」因子
である。第3因子は、美を維持するために努力する人を示す「努力」因子である。初期の
固有値が 1.279 である事から3つの因子に決めた。3つの因子で全因子の 58.6%説明でき
る。
- 19 -
美容の日常実態
注: **1%水準で有意 *5%水準で有意
かなりしている
ややしている
男性
女性
どちらともいえな
い
あまりしていない
全くしていない
マ ニ ュキ ア を 塗 っ て い る
*
*
む だ 毛 処 理 を し て いる
*
*
フ ァ ンデ ー シ ョ ンを 使 用 し て いる
*
*
眉 の手 入 れ を し て いる
*
*
よ り 美 し く な る た め に努 力 を し て いる
肌 の手 入 れ は欠 か さ な い
体 型 維 持 の為 に運 動 す る
*
*
*
*
*
*
サ プ リ メ ン ト な ど 美 容 補 助 食 品 を 使 用 し て いる
**
美 しく な る た め に はお金 を惜 しま な い
香 水 や コ ロ ンを 使 用 し て いる
一 日 に何 回 も 鏡 を 見 る
*
*
*
髪 型 に気 を 使 って いる
フ ァ ッ シ ョ ン誌 を ま め に 読 む
*
*
フ ァ ッシ ョ ン に気 を 使 う
*
*
必 ず身 だ しな みを整 え る
- 20 -
日常実態調査
図表Ⅱ-3-4
*
*
図表Ⅱ-3-5 美容意識についての因子分析
質問項目
第1因子 第2因子 第3因子
第5因子
第4因子
(おしゃ (外見重 (男女意
(内面重
(興味)
れ)
視)
識差)
視)
0.805
0.023
-0.054
0.096
0.021
人にオシャレだと思われたい
人にかわいい、かっこいいと思わ
0.694
0.281
0.058
0.041
れたい
ファッションに興味がある
0.570
0.013
-0.012
0.250
他人の目が気になる
0.515
0.291
0.002
0.006
女性なら美しくなりたいと思うのは
0.474
0.138
0.241
0.059
当然である
身だしなみに気を使う男性は好ま
0.434
0.030
-0.120
0.091
しい
外見が美しければ幸せになれる
0.145
0.593
0.213
0.111
人間見た目が大切である
0.253
-0.095
-0.110
0.565
今の時代、美男美女が得をする
0.233
0.520
0.068
0.029
醜いものを見ると気分が悪くなる
-0.060
0.450
0.034
0.157
男性が整形することに抵抗がある
0.174
-0.020
0.803
0.087
整形する人とは付き合いたくない
0.084
0.079
0.428
-0.195
男性が自分の顔やスタイルの美
-0.164
0.039
0.401
0.254
しさにこだわるのはおかしい
美しくありたいと思うのに男女の
0.134
-0.039 -0.334
0.050
差はない
0.679
整形に興味がある
0.199
0.188
-0.088
0.640
エステに興味がある
0.393
0.041
-0.020
人間中身が大切である・
0.095
-0.013
-0.063
-0.071
美しさとは内面からにじみ出るも
0.115
-0.166
0.016
0.043
のだ
固有値
3.780
2.044
1.702
1.448
説明された分散の合計(%)
21.0
32.4
41.8
49.9
因子抽出法: 主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法
a
8 回の反復で回転が収束しました。
- 21 -
0.052
0.129
0.086
0.155
0.032
-0.154
-0.023
-0.169
0.014
0.190
-0.010
-0.207
0.076
-0.114
0.120
0.740
0.444
1.119
56.1
図表Ⅱ-3-6
美容の実態についての因子分析
第1因子 第2因子
第3因子
質問項目
(手入 (身だし
(努力)
れ)
なみ)
むだ毛処理をしている
0.883
0.181
0.021
ファンデーションを使用している
0.847
0.171
0.151
眉の手入れをしている
0.626
0.380
0.111
マニュキアを塗っている
0.574
0.205
0.250
肌の手入れは欠かさない( 洗顔・ローション・乳液など)
0.540
0.251
0.379
ファッションに気を使っている
0.200
0.864
0.098
出かけるときは必ず身だしなみを整える
0.216
0.674
0.088
ファッション雑誌をこまめに読む
0.253
0.548
0.275
髪型に気を使っている
0.116
0.487
0.260
一日に何回も鏡を見る
0.317
0.425
0.318
美しくなるためにはお金を惜しまない
0.181
0.432
0.627
より美しくなるために努力をしている
0.437
0.287
0.596
サプリメントなど美容補助食品を使用している
0.232
0.085
0.448
体型維持の為に運動をしている(ストレッチ・ジョギングなど)
-0.041
0.036
0.404
香水やコロンを使用している
0.185
0.275
0.366
初期の固有値
5.976
1.540
1.279
説明された分散の合計(%)
39.838 50.102 58.630
因子抽出法: 主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法
a.
5 回の反復で回転が収束しました。
- 22 -
3-(4)美容意識が行動に及ぼす影響(重回帰分析)
図表Ⅱ-3-7
重回帰分析
美容意識(標準偏回帰係数:独立変数)
手入れ
をする
おしゃ 有意 外見重 有意 男女美 有意
れ
確率
視
確率 意識差 確率
興味
0.230 **
0.078
0.410 **
0.156 **
-0.022 0.303
0.053
0.031
0.073
0.039
0.0155 0.438
0.104 **
0.006
0.191 **
-0.076
-0.01 0.094
-0.187 **
有意 内面重 有意
確率
視
確率
定数
R2乗
(
行
動
身だしな
みに気 0.637 **
を使う
)
従
属
変
数
努力を
する
0.172 **
**1%水準で有意
注
3-(3)で因子分析した結果を元に、美容に関する意識が、実際の行動にどのような影響
を及ぼしているのかを調べるために、重回帰分析を行った。図表Ⅱ-3-7はその分析結果
である。
独立変数「興味」因子は標準化係数 0.410 で従属変数「手入れをする」因子に規定力が
あるといえる。つまり整形やエステなど外見を美しくすることに興味がある人は、自分を
磨くために手入れをするということが説明できる。独立変数「おしゃれ」因子は標準化係
数 0.637 で従属変数「身だしなみに気を使う」因子に規定力があるといえる。つまりおし
ゃれに見られたい人は、身だしなみに気を使う傾向が強いと説明できる。独立変数「興味」
因子は標準化係数 0.191 と値が低いが、従属変数「努力をする」因子に規定力があるとい
える。しかしこれは決定係数(R²)が 0.094 である為、モデルの当てはまりがあまり良くな
い。つまり美容に対して努力する人は、意識に影響されていると説明されにくい。
- 23 -
Ⅲ章
まとめと今後の課題
3-1 まとめ
実際に整形した人としない人では、外見重視の傾向がそこまで異ならないことがわかっ
た。初対面で気になるところを質問した結果、整形した人もしない人も「立ち振る舞い」
と「顔」を重視するという結果が出た。また、意識調査においても「人間見た目が大切で
ある」や「人間中身が大切である」という項目にそれほど違いが現れなかった。しかし整
形した人のサンプルが 4 人と大変少ないので正確なデータとはいえないが、今回の調査で
はこういう結論に達した。
男女の意識の差で有意差が大きかった項目は「ファッショに興味がある」
「自分の顔や体
型にコンプレックスを持っている」「男性が整形することに抵抗がある」「エステに興味が
ある」「美しさとは内面からにじみ出るものだ」「人におしゃれだと思われたい」であり、
全ての項目において女性が上回っていた。
整形しない理由に男女によっての意識の違いが見られた。男性は「今のままで満足」と
答えた人が166ポイントと最も多く、次いで「費用が高い」94ポイントという結果だ
った。女性は「費用が高い」と答えた人が186ポイントと最も多く、次いで「失敗が怖
い」181ポイントという結果だった。女性は整形することを踏まえた上で、整形しない
理由を考えているが、男性の場合はそうでないことが結果からわかった。つまり女性のほ
うが整形に対する興味が高いといえる。
美容に関する意識が、実際の行動に強く影響を及ぼしたのは、2つあった。「おしゃれ」
因子というのは、標準化係数 0.637 で「身だしなみ」因子に規定力があるといえる。つま
りおしゃれに見られたい人は、日頃から身だしなみに気を使う傾向がある。
「興味」因子は
標準化係数 0.410 で「手入れをする」因子に規定力があるといえる。つまり、整形やエス
テに興味がある人は、自分を磨くために手入れをするということがわかった。
3-2
今後の課題
今回の調査・研究によって、大学生の美容意識は高いが、整形に関してはテレビや雑誌
等のメディアで騒がれているわりには関心が薄い事がわかった。整形をするより、むだ毛
処理やおしゃれなど身だしなみに気を使う傾向があった。特に女性はスタイルに重点を置
いている結果が出た。したがって大学生が考える美とは、顔や体に人工的に手を加えて美
しく飾る事だけでなく、自分自身の素材を最大限に引き出して、自分らしさを磨く事であ
ると考えられる。
これらの事を踏まえ、今後調査したい事が大きく三つある。
一つ目は、整形している人のサンプルを増やしてもう一度分析し直したいという事であ
る。整形している人のサンプル数を増やす事で、より正確な分析が出来、整形する要因な
- 24 -
ど詳しく調べられると思ったからである。
二つ目は、整形だけでなくダイエットなどスタイルについて詳しく分析したいという事
である。今回調べてみてスタイルに重点を置く結果が出たので、それについて詳しく調べ
てみたいと思ったからである。
そして三つ目は、今回の調査対象は大学生を対象とした意識調査であった為、今後大学
生以外にも美容意識に対する意識調査などを行い、
「美」の捕らえ方や、整形に対する価値
観の違いなどを年代別に調査し比較する必要があるという事である。
以上の三点を調査・研究する事が今後の課題である。
- 25 -
参考文献
1.http://www6.ocn.ne.jp/~galazees/kouza.heian.html
2.加藤周一『浮世絵の女たち』平凡社
3.渡辺淳一『源氏に愛された女たち』集英社
4.松村博司『栄花物語全注釈』角川書店
5.新日本古典文学体系25
枕草子
岩波書店
6.『福武古語辞典』福武書店
7.『国史大辞典』吉川弘文館
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