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現代若者文化の位相と地域性 (3)LINE 利用の規定要因

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子ども・青年・中高年(1) 現代若者文化の位相と地域性
現代若者文化の位相と地域性 (3)LINE 利用の規定要因
桃山学院大学
阪口祐介
1 目的
「ケータイ利用の低年齢化」「スマホの登場」「LINE の普及」など、2000 年代初頭におけるメデ
ィア環境は激しく変容し続けている。こうした変化の中心にいる若者を対象として、新たなメディア
の利用実態とその規定要因を 2014 年に実施された調査データから捉える。特に 2012 年頃より若者の
あいだで爆発的に普及はじめた LINE に注目し、その特徴を他のメディア利用とも比較しながら明ら
かにする。
若者のメディア利用に影響(関連)する要因として以下の二つに焦点をあてる。第一に、友人関
係・友人志向である。先行研究では、メディア利用と友人数・友人志向との関連性が問われ、たとえ
ばケータイといった新たに登場したメディアがどのような友人関係・友人志向と親和的であるかにつ
いて分析がなされている。そこで本研究でも、メディア利用と友人数・友人志向との関連性を問う。
第二に、メディア利用の地域差および階層差に着目する。この分野における既存の若者研究では、都
市の大学生が分析対象になることが多かったが、国内外の情報行動の研究では必ず言及される<デジ
タル・デバイド>という視点は不可欠である。2000 年代に広がった LINE やケータイからのインタ
ーネットといった新たな情報行動は都市居住層、高階層に偏るのか、それとも普遍的に浸透している
のかについて明らかにする。
2 方法
2014 年に 16~29 歳を対象として実施された調査を使用する。従属変数である LINE 利用は、「メ
ッセージ数(一日平均送信数)」と「グループ数」を主に使用する。また、他のメディアとしては、
「携帯メール数(週平均送信数)」「PC・携帯ネット利用時間(週平均分)」などを使用する。主
な独立変数は、ジェンダー、世代(年齢)、階層(職業・学歴)、親の階層(教育年数)、文化資本、
都市度(DID 人口比率)に加えて、友人数(親友・仲の良い・知り合い)、友人志向(拡大・深
化・関係切り替え志向)である。度数分布を確認した上で、クロス分析や重回帰分析を行い、LINE
利用の規定要因を他のメディア利用の規定要因とも比較しながら実証的に明らかにする。なお、メデ
ィアと友人関係の関連性の変容について確認するために、2002 年に青少年研究会が実施した調査も
使用する。
3 結果
分析の結果、以下のことが明らかになった。第一に、約 9 割の若者が LINE を利用しており、ケー
タイでの主要なコミュニケーション手段は、メールから LINE へと移行していることが確認された。
第二に、LINE 利用頻度については女性、若年層で多いという従来のケータイ利用と同様の傾向がみ
られたが、社会階層差や地域差はあまなりないことがわかった。ただし、選択的人間関係と密接に関
連するグループ数については、高学歴層、正規、都市居住層で多いことが示された。第三に、インタ
ーネット時間については PC、ケータイともに教育年数の強い正の効果がみられるという<デジタ
ル・デバイド論>に親和的な結果がみられた。最後に、2002 年調査と比較すると、ケータイでのコ
ミュニケーション頻度(メール・LINE)と友人数(特に知り合い程度の友人)の関連性が強まって
いた。この結果は、友人数の多さが新たなツールでのコミュニケーション頻度を高め、そのツールの
活発利用者が友人数を拡大させていく程度がより大きくなったこと、いわば「つながりの格差」が拡
大していることを示唆する。
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