第2学年 1 題材 ようすを思いうかべながらきいたり,音楽であらわしたりしよう 2 教材 「そりすべり」「こぎつね」「汽車は走る」「しゅっぱつ」 3 学ぶ内容と学ぶ活動の設定 実践事例 「そりすべり」(ルロイ・アンダソン作曲) 楽 曲想 曲 分 析 町を出発して次の町に到着するまでの軽快に走る馬ぞ りの様子を楽しくユーモラスに描写した管弦楽曲。 学 ○ ぶ 内 容 学 ぶ 活 動 町を出発して次の町に到着するまでの軽快に 走る馬ぞりの様子を,想像豊かに聴き取る。 旋律;序奏とコーダの旋律で,出発と到着の様子が表現さ ・序奏とコーダの旋律から,出発と到着の馬ぞりの ・出発と到着の馬ぞりの様子を想像し れている。 A の旋律は,歯切れのよいビートにのった旋律。町 を出発し,軽快に走る馬ぞりの様子が表現されてい 様子を聴き取ること。 ・A と B,コーダの旋律の感じから,馬ぞりの様子 を思い浮かべながら聴き取ること。 る。 て聴く。 ・A と B の旋律を覚えて聴く。 ・A と B の旋律から,馬ぞりの様子 を想像して聴く。 B の旋律は,鈴や馬のひづめや鞭の音を入れてユー モラスに表現されている。 形式;序奏-A-B-A-コーダの三部形式で,出発から到 着までの軽快に走る馬ぞりの様子が表現されている。 ・序奏-A-B-A-コーダの形式から出発と到着, ・序奏-A-B-A-コーダの曲の形 その間の馬ぞりの様子を聴き取ること。 リズム;ずっと繰り返されているリズムで,馬ぞりが軽快 ・繰り返されているリズムから,馬ぞりが軽やかに に走っている様子を表現されている。 音色;馬のいななきがコルネットの特殊奏法によって,馬 走っている様子を聴き取ること。 を感じて聴く。 ・リズムや反復に気をつけて聴く。 ・馬ぞりの様子を想像して聴く。 ・馬のひづめの音や鞭をあてる音,馬のいななき, ・楽器の音色を感じて聴く。 のひづめの音や鞭をあてる音などが打楽器によって, 鈴の音などから,管楽器や打楽器の音色を聴き取 ・鈴やひづめや鞭の音から,馬ぞりの ユーモラスに表現されている。 ること。 様子を想像して聴く。 「こぎつね」 (勝 承夫 作詞 ドイツ民謡) 楽 曲想 曲 分 析 学 こぎつねのかわいらしい様子を歌った明るい感じの斉唱曲。 ○ 歌詞;物語風の歌詞で,山の中での様子,冬の山での様子,穴 ぶ 内 容 ぶ 活 動 こぎつねのかわいらしい様子を,想像豊か に表現する。 の中での様子を通して,こぎつねのユーモラスさやかわ ・歌詞の表す気持ちや様子を想像し,工夫して いらしさが表現されている。 学 ・正しく覚えて歌う。 表現すること。 旋律;細かなリズムの順次進行による旋律と,分散和音による ・指くぐりなどに気をつけて,鍵盤ハーモニカ 旋律が組み合わされてできている。 で演奏すること。 形式;A・B の1部形式。A でこぎつねの居場所が,B でこぎ つねの様子が表現されている。 ・旋律を覚えて演奏する。 ・こぎつねの様子や気持ちに合わせて,いろい ・様子や気持ちに合わせて演奏を工夫 ろな速さで演奏すること。 唱法;こぎつねの様子や気持ちに合わせて声の感じを工夫 する。 ・それぞれの歌詞に合った歌い方を工夫して表 ・様子や気持ちが表れるように工夫し して表現できる。 現すること。 て歌う。 強さ;A の繰り返しの強さを変えたり,歌詞にあった強弱を工 夫したりしてこぎつねの様子を表現できる。 「汽車は走る」(岡本 敏明 作詞・作曲) 楽 曲想 曲 分 析 軽快に走る汽車の様子を表現した歌入りの合奏曲。 学 ○ ぶ 内 容 活 動 ・歌詞を正しく覚えて歌う。 歌うこと。 対旋律;木琴などによる細かいリズムの同型反復の対旋律 ・拍の流れにのりリズムの動きを感じ取って軽やかに で,車輪の様子が表現されている。 ぶ 汽車の走る様子を想像しながら楽しく表現する。 主旋律;歌によるシンコペーションや細かいリズムの主旋 ・拍の流れにのり,旋律の動きを感じ取って軽やかに 律で,汽車の走る様子が表現されている。 学 ・リズムの動きを感じて演奏する。 演奏すること。 ベース;ドとファの繰り返しで,汽車の走る様子にアクセ ・それぞれのパートの楽器の音を聴きながら,合わせ ・音色やリズムに気をつけながら合 ントが与えられている。 て演奏すること。 わせて演奏する。 リズム;打楽器による同型反復のリズムで,汽車が進む様 子が強調され表現されている。 速さ;速さを変えて演奏することで,いろいろな走り方を ・場面に合わせて速さや強弱の工夫をしながら演奏す ・場面に合わせて速さや強弱を工夫 する汽車の様子が表現できる。 強さ;強さを変えて演奏することで,いろいろな走り方を する汽車の様子が表現できる。 ること。 して演奏する。 「しゅっぱつ」(プロコフィエフ作曲) 楽 曲想 曲 分 析 汽車に乗って旅行に出かける意気揚々とした心情を表した 管弦楽曲。 学 ○ ぶ 内 容 楽器によって描写されている。また,木管楽器によっ て動き続ける窓の外の冬景色と子どもたちの楽しい気 持ちが表現されている。 B は,車内で子どもたちが遊んでいる様子を表した旋 ぶ 活 動 汽車に乗って旅行に出かける様子を想像し ながら聴く。 旋律;序奏ではホルンで汽車の出発の合図が表現されている。 ・序奏の旋律から,出発の合図の様子を聴き取 A では,汽車が霧の中から走りだす様子が弦楽器と打 学 ・様子を想像して聴く。 ること。 ・A の旋律から,汽車が少しずつ速度を増しな ・様子を想像して聴く。 がら走りだす様子を聴き取ること。 ・B の旋律から,車内の楽しい様子を聴き取る こと。 律。バイオリンからいろいろな楽器に旋律が引き継が れながら曲が盛り上がっていく。 最後は汽車が無事に郊外の駅に到着した感じで力強く 表現されている。 形式;序奏-A-B-A の三部形式で,出発から到着までの汽 車の様子が表現されている。 音色;トランペットが汽笛の音を模倣し,汽車が蒸気を吹き 出す音も金管楽器によって表現されている。 速さ; 最後に速度が遅くなり,汽車が駅に到着した様子が表 現されている。 4 ・曲の形から出発と到着,その間の汽車の様子 ・形式をとらえて聴く。 を聴き取ること。 ・金管楽器の音色から,汽笛の音や蒸気を吹き ・楽器の音色を感じて聴く。 出す音などを聴き取ること。 ・最後の速度の変化から,汽車の到着の様子を ・速度の変化をとらえて聴く。 聴き取ること。 指導目標 ○ 歌詞の表す情景や気持ちを想像したり,楽曲の気分や仕組みの面白さを感じ取ったりして,思いを持って学習に取り組もうとする。 (音楽への関心・意欲・態度) ○ 情景を想像して,音色や強弱,速度を工夫しようとする。 ○ 基礎的な技能を身に付け,情景にふさわしい表現で,歌ったり演奏したりすることができる。 ○ リズムの繰り返しなどの仕組みや,楽器の音色,速度や強弱の変化を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さを感じ取りながら聴くことが できる。 (音楽表現の創意工夫) (音楽表現の技能) (鑑賞の能力) 5 指導計画(全7時間) 第1次 題材名 第2次 第3次 教材曲(配時) 1 ようすを 2 3 4 5 6 7 「そりすべり」 思いうか べながら 「こぎつね」 きいたり, 音楽であ 「汽車は走る」 らわした りしよう 「しゅっぱつ」 次 時 学 ぶ 内 容 学 ぶ 活 動 主 な 支 援 評 価 規 準 第1時(本時) 第1次 そりすべり ①序奏とコーダの旋律から,出発と到着の馬ぞりの ・出発と到着の馬ぞりの様子を 様子を聴き取ること。 想像して聴く。 ②馬のひづめの音や鞭をあてる音,馬のいななき, ・鈴やひづめや鞭の音から,馬 鈴の音などから,管楽器や打楽器の音色を聴き取 ること。 ・出発や到着の情景画 ○ の提示。 楽器の音色に気をつけて聴 いたり,楽曲の気分や情景を想 ・馬ぞりの絵の提示。 像したりして聴く活動に進ん ぞりの様子を想像して聴く。 ・打楽器の音を聴かせ ・楽器の音色を感じて聴く。 で取り組もうとしている。(音 る。 楽への関心・意欲・態度) ③繰り返されているリズムから,馬ぞりが軽やかに ・リズムや反復に気をつけて聴 ・リズム打ちをさせる。 走っている様子を聴き取ること。 く。 ④序奏-A-B-A-コーダの形式から出発と到着, ・序奏-A-B-A-コーダの曲 第2時 その間の馬ぞりの様子を聴き取ること。 の形を感じて聴く。 そりすべり ①A と B,コーダの旋律の感じから,馬ぞりの様子 ・A と B の旋律から,馬ぞりの を思い浮かべながら聴き取ること。 ②身体表現をしながら,楽曲の楽しさを味わって聴 くこと。 様子を想像して聴く。 ・馬ぞりの様子を想像して聴 く。 ・掲示物を使って,前 ○ 音色や反復の面白さを感じ 時までの学習を振り 取ったり,様子を想像したりし 返らせる。 ながら楽曲の楽しさに気付い ・身体表現をしながら 聴かせる。 て聴いている。(鑑賞の能力) 第3時 第2次 こぎつね ①歌詞の表す気持ちや様子を想像し,それぞれの歌 ・正しく覚えて歌う。 詞に合った歌い方(声の感じ,強弱・速度)を工 ・様子や気持ちが表れるように 夫して表現すること。 工夫して歌う。 ・縦書き歌詞の提示。 ○ ・身体表現しながら歌 様子を思い浮かべながら歌 い方を工夫し,どのように表す わせる。 かについて自分の考えや願い を持っている。(音楽表現の創 第4時 意工夫) こぎつね ①旋律を指くぐりなどに気をつけて鍵盤ハーモニカ ・旋律を覚えて演奏する。 で演奏すること。 ②こぎつねの様子や気持ちに合わせていろいろな速 ・様子や気持ちに合わせて演奏 第5時 第3次 さや強弱で演奏すること。 を工夫する。 ・鍵盤ハーモニカの拡 ○ 指くぐりに気をつけながら, 大図を活用する。 楽曲の気分に合った表現で演 ・縦書き歌詞と拡大楽 奏している。 (音楽表現の技能) 譜の提示。 しゅっぱつ ①曲の形から出発と到着,その間の汽車の様子を聴 ・様子を想像して聴く。 ・挿絵の提示。 ○ き取ること。 汽車の様子を想像して進ん ②A の速度の変化を聴き取り,列車が少しずつ速度 で楽しく歌ったり,身体表現し ・速度の変化をとらえて聴く。 ・身体表現をしながら を増しながら走り出す様子を聴き取ること。 た り し て い る 。( 音楽 へ の 関 聴かせる。 心・意欲・態度) 汽車は走る ③主旋律を正しく歌い,それに合わせて打楽器で反 ・主旋律を覚えて歌う。 復のリズムを加え,汽車が前へ進んでいる様子を ・リズムの動きを感じて演奏す 表現すること。 る。 ・拡大楽譜の提示。 ・リズムがある場合と ない場合を聴き比べ 第6時 させる。 汽車は走る ①主旋律とリズム演奏に,鍵盤ハーモニカなどで同 ・拍の流れを感じながら,主旋 ・掲示物を使って,前 ○ 様子を思い浮かべながら演 型反復のベースと対旋律のパートを加え,汽車が 律とリズムに合わせて演奏 時までの学習を振り 奏の仕方を工夫し,どのように 走る様子や車輪の様子などを表現すること。 する。 返らせる。 表すかについて自分の考えや ・ベースや対旋律があ る場合とない場合を 聴き比べさせる。 願いを持っている。(音楽表現 の創意工夫) 第7時 しゅっぱつ ①速度の変化を聴き取ること。 ・速度の変化をとらえて聴く。 汽車は走る ②それぞれのパートの楽器の音色やリズムを聴きな ・音色やリズムに気をつけなが がら,合わせて演奏すること。 ③速さや強弱の工夫をしながら演奏すること。 ・グループの工夫を絵 ら合わせて演奏する ・場面に合わせて速さや強弱を ○ 友達の楽器の音を聴きなが や言葉で模造紙にか ら,楽曲に合った表現で演奏し かせる。 ている。(音楽表現の技能) 工夫して演奏する。 6 本時の目標(1/7) ○ 楽曲の気分や仕組みの面白さを感じ取って,思いを持って学習に取り組もうとする。 ○ 軽快に走る馬ぞりの様子を,走る場面の移り変わりやそれぞれの場面の様子を捉えて想像豊かに聴き取ることができる。 7 (音楽への関心・意欲・態度) (鑑賞の能力) 展開 学ぶ内容と学ぶ活動 1 教師の支援(・)と評価(☆) 馬ぞりの様子について知り,本時のめあてをつかむ。 ○ 馬ぞりが人を乗せて町から町へと行くこと。 ・馬ぞりの絵を提示し,馬ぞりは町から町へと人を乗せて 移動することを伝え,馬ぞりのイメージを持たせる。 ○ 序奏とコーダの旋律から,出発と到着の馬ぞりの様子を聴き取ること。 馬ぞりは何をしているのでしょう。 (♪「序奏」を聴かせる) ・序奏を聴かせ,情景画とつないで出発の様子を捉えさせ る。 出発 と到着の 馬ぞりの様 子を想像して聴く。 楽器の音色を感じて聴く。 鈴の音が聞こえます。 馬ぞりが出発したのかな。 次は,馬ぞりは何をしているのでしょう。 (♪「コーダ」を聴かせる) ・コーダを聴かせ,到着の馬のいななきを全体で確認する。 ☆ 聴こえてくる楽器の音色に気をつけて聴いたり,情景 馬がヒヒーンと鳴いています。 を想像したりして聴く活動に進んで取り組もうとしてい 馬ぞりは止まったみたいです。 る。(音楽への関心・意欲・態度) ・出発と到着を板書で矢印でつなぎ,その間の様子を聴き めあて 2 しゅっぱつから とうちゃくまでの 馬ぞりのようすをききとろう。 馬ぞりの走っている様子を聴き取る。 ○ ・全曲を聴かせ,どの部分を聴いているのか分かるように, 繰り返されているリズムから,馬ぞりが軽やかに走っている様子を聴き取ること。 出発から到着までを続けて聴きます。 馬ぞりは何をしているのでしょう。 取ることを意識させる。 リズムや反復に気をつけて聴く。 矢印の間で馬ぞりの絵を移動させる。 ・スレイベルとウッドブロックの音を聴かせて,ずっと続 いていることを確認する。 楽器の音色を感じて聴く。 楽しそうに走っています。 鈴と,馬の足の音が聴こえます。 ・A と B の変わり目がわかるところまで聴かせて,馬ぞり ○ 走る様子が変わっていることを聴き取ること。 馬ぞりの走る様子は,ずっと同じでしたか。 の走る様子が変わったと思うところで,挙手させる。 馬ぞりの走る様子を想像 して聴く。 途中で変わるところがありました。 3 形式をとらえて,場面の様子を想像しながら「そりすべり」を聴く。 ○ A の旋律の感じから,馬ぞりの様子を思い浮かべながら聴き取ること。 はじめの場面では,馬ぞりはどんなふうに 走っているのでしょう。 鈴を鳴らしながら,うれしそうに走 楽器の音色を感じて聴く。 っています。速い感じで,町の中を 鈴やひづめの音から,馬ぞ 走っています。 りの様子を想像して聴く。 ・A の主な旋律を覚えさせ,口ずさみながら全体を聴かせ ○ A から B への変化,A の反復を聴き取り,A-B-A の形式をとらえて聴くこと。 て,A とは違う旋律が出てくることに気づかせる。 ・A の旋律で歌えなかった部分が曲の中間部にあることを 歌いながら聴きましょう。 (♪全曲を聴かせる) Aの旋律を覚えて聴く。 序奏-A-B-A-コーダ 途中で歌えないところがありまし の曲の形を感じて聴く。 た。終わりは,また歌えました。 おさえ, 「はじめ」 「中」 「おわり」として旋律の変わり目 を聴き取らせる。 ・はじめと終わりは同じように走っていることを板書で確 認する。 はじめと終わりは,馬ぞりは同じように走 っているのですね。 ○ B の旋律の感じから,馬ぞりの様子を思い浮かべながら聴く。 ひづめや鞭の音か 「中」の場面では,馬ぞりはどんなふうに走 ら,馬ぞりの様子を っているのでしょう。 想像して聴く。 同じリズムが続いていて,雪が深く リズムや反復に気を て進まない様子だと思いました。 つけて聴く。 ・鞭の音に気づかせ,聴こえたときに挙手をさせる。 ・ひづめや鞭について,絵とつないで確認する。 どんな音かな。みんなで聴いて,聴こえたら 手を挙げましょう。 (♪B の部分を聴かせる) 手をたたくような音が聴こえました。 楽器の音色を感じて 聴く。 むちの音だと思います。馬を進ませるた めに,むちを打ちながら走っています。 むちの音が鳴るときだけ,鈴とひづ めの音が止まります。 A とB の旋 律 を 比 べ て聴く。 ・情景画とつないで,曲の場面の変化を意識しながら聴か 4 曲の全体を聴いて本時学習を振り返り,次時の見通しをもつ。 序奏-A-B-A 始めから終わりまで,馬ぞりの様子を想像しながら -コーダ の曲の形 聴きましょう。(♪全体を聴かせる) を感じて聴く。 せる。 ☆ 音色やリズムの反復や面白さを感じ取ったり,様子を 想像したりしながら楽曲のよさに気づいて聴いている。 (鑑賞の能力)
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