人口ピラミッドから 日本の人口問題を考える • 1歳階級の人口ピラミッドを描くと 5歳階級では見えなかったことが 見えてくる • 日本の現代史が刻まれている 2012年の人口ピラミッド 1990年の人口ピラミッド と比較してみると 22年前の人口ピラミッドから z 現在の人口ピラミッドの大まかな形 態が予想できる。 z 22歳分,上方に移動している z 高齢者層は減少 z 22歳以下は,その後の出生数(率) を反映 日本の人口ピラミッド2012年10月 66,67歳が少ない 66,67歳が少ないのは? 昭和19~21年(1944~1946年) 出生数が少なかった ↑ 終戦前後の混乱で出生数減少 多くの男性が戦争のために召集され, 本来,父親になるはずであった,男達 が長期間,家にいない 日本の人口ピラミッド2012年10月 62~65歳が多い 62~65歳が多いのはなぜ? 昭和22~24年(1947~1949年) 出生数が大幅増 昭和19~21年(1944~1946年)の終戦前後 の混乱で出生数が極端に少なかったことの反 動で子供がたくさん生まれた 出征していた男達が帰ってきた 貧しいながらも,平和な時代 →通常の家庭生活が戻る 第1次ベビーブーム(最初から第1次…ではない) 団塊の世代(堺屋太一の小説のタイトル) 日本の人口ピラミッド2012年10月 73歳が少ない 73歳が少ないのは? 昭和13~14年(1938~1939年) 出生数が少なかった ↑ 日中戦争による動員で出生数減少 日本の人口ピラミッド2012年10月 高齢者層を拡大 男女の非対称性 高齢者層, 男女数の非対称性はなぜ? • 男性より女性が長寿である (各年齢層において,男性のほうが ,女性より少し死亡率が高い) • 出生時は,男性が女性よりも多い 高齢者層の男女数の非対称性を論じる前に… もっと大局的にみると • 全体的に見れば,人口ピラミッドは, ほぼ左右対称 • 男性の人口が多い年齢は女性の人口 も多い • 出生時は,男女数は似たようなもの (厳密にいうと違いますが) 日本の人口ピラミッド2012年10月 高齢者層を拡大 この年代層(80代後半から90代) の非対称性が読み取れるか? 男女の非対称性 高齢者層(特に80代後半~90代) 男女数の非対称性はなぜ? 男性より女性が長寿であることに加えて • 第2次世界大戦の直接の影響で 男が少ない • 戦争で亡くなる男が多かった とは言え,21世紀に入るとこの傾向も目立た なくなってきた 1990年の人口ピラミッドで高齢層 の男女の非対称性をみると 性比(1990年)をみると 60代後半から70代前半, 不自然な性比の落ち込み 性比(2012年)では 不自然な性比の落ち込みは ほぼ消滅 戦争の影響にも2つのタイプ z 1910年代後半~1920年代前半生まれ (終戦時の20代,現在は90代に) 男だけが少ない 出生数が少なかった訳ではない 生まれてきたが,亡くなる人が多かった z 66,67歳, 73歳は,男女とも少ない 出生数そのものが少なかった
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