秋野菜にむけて

平成 24 年 8 月 30 日
㈱伊藤商会 家庭菜園サークル
「うまいもん作り隊」会員のみなさまへ
㈱伊藤商会 生産財事業部
家庭菜園サークル 事務局
先日はうまいもん作り隊食味コンクールのご参加いただき誠にありがとうございました。おかげさまで盛況の
うちに開催することができました。
さて、今月のうまいもん作り隊 News では「野菜のなり疲れ防止について」「秋野菜にむけて」をご
案内させていただきます。
なり疲れとは
トマトやキュウリなど「花を咲かせ実を成らせる」事に体力を使い果たし、栄養を自分を守る為に使い、実をつけ
る事に栄養を使わず花芽が止まってしまうことをいいます。
なり疲れを防止するには?
まず根を守ってあげましょう
作物は根から必要となる栄養を吸収します。しかし、今年の猛暑などにより作物の「根」はとても弱っていま
す。その為、栄養が吸収できず「なり疲れ」になるという現象が繰り返されます。
根を守るにはどうすればいい?
作物の周りにワラを敷き、朝晩たっぷりと水分を上げてください。また、根はリン酸やカリといった栄養を好
みますので、リン酸やカリの成分が入った肥料を追肥として少量あげましょう。その他にも発根促進剤とい
った肥料も効果的です。
秋野菜にむけて
これから秋野菜を栽培するに当って、何点か写真をつけて注意点をご紹介いたします。
① 欠乏症に注意しましょう!
欠乏症とは作物を栽培するに当り、必要な成分が無くさまざまな生育障害を起こしてしまうことをいいます。欠
乏症は作物に悪影響を与えます。
最近では微量要素という成分の欠乏を良く聞きます(微量要素とはホウ素、鉄、マンガンなどといった成分で「ミ
ネラル」という言葉になります。読んで字のごとく作物にとっては微量でいい成分なのですが、とても重要な成分
です)
② 病原菌は土の中にもいます!
作物の葉や果実に見られる病気はすぐに発見することができますが、土の中にも病原菌が住んでおり、作物に
悪さをすることがあります。その場合、病気になり症状がひどくなって初めて気づきますので早めの対応を心が
けましょう。
大根・・・「ホウ素」がないと「赤芯症」といい、外観は良いのですが、中心部が淡い黄褐色または赤褐色になっ
てしまいます。また、「サメ肌」といいザラザラした大根になるのも同じホウ素欠乏です。
白菜・・・「ホウ素」がないと「ゴマ症」といって字のごとくゴマのような黒い点々が発生します。又、「ホウ素」、「カ
ルシウム(石灰)」の欠乏は、葉が黄色くなったり、白菜の中が腐ってしまう「芯腐れ」という症状を引き起こしま
す(レタスも同じ症状になることがあります)
ほうれん草・・・「鉄」が不足していると葉脈(葉のすじ)を残して黄色くなってしまう症状が起きます。その他に
「カルシウム(石灰)」の不足により葉の先端が枯れてしまうことがありますので注意しましょう。
土壌の病気・・・「根こぶ病」これも字のとおり根にこぶができてしまう症状です。「根こぶ病」は白菜、キャベツ、
野沢菜などアブラナ科の野菜に多く、作物に生気がない場合ためしに抜いてみてください。根にこぶができてい
れば「根こぶ病」です。
これをさけるには、同じ物を同じ場所に作る「連作」をさけて下さい。又、石灰を入れるのも効果的ですがその
場合「石灰窒素」を活用してみてはいかがでしょうか?「石灰窒素」には根こぶ病対策はもちろん肥料効果もある
のでオススメします!
大根 赤芯病
ホウレンソウ ホウ素欠乏
白菜 ゴマ症
ホウレン草 カルシウム欠乏
白菜 芯腐れ
根こぶ病
このような症状にならないために、苗を植える前に土壌に「微量要素(ミネラル)」「石灰窒素」などをいれて、
秋野菜の豊作にむけて準備しましょう!!