入江映惠先生

ビックパレットふくしま活動報告書
入江映惠
5月2日~12日までの11日間の活動報告をさせていただきます。
一日の流れ
8:10
医師、看護師、薬剤師合同のミーティング
(看護師より夜間、深夜帯の報告等)
8:20
薬剤師ミーティング
8:45
ラウンド担当の看護師さんとの打ち合わせ
(昨日からの体調不良の方やお薬で問題が上がっている患者さんを事前
にリストアップしてから出発します)
9:00~11:00
午前のラウンド、その後報告書作成
12:00
お昼休み
13:30
午後のラウンド
16:00
ラウンド終了次第報告書の作成など
17:00
薬剤師ミーティング
17:10
全体ミーティングにて終了
調剤室について
初日のみ調剤室担当になったのですが、平日ということもありとても忙しかったです。
到着したばかりで在庫も把握できないまま医師からの質問を沢山受け、とても慌しく終わ
った一日でした。
現在BPで調剤するのは急性期の処方のみであり、そのほとんどが風邪でした。
その他私の滞在期間中、便秘、不眠、コリ・痛み、火傷、皮疹、小児の風邪などもありま
した。
週に1、2回ほど臨時で眼科医、歯科医の診察も行われるので、その日は多少処方件数も
増えます。
医師からの質問としては
・ペニシリン系の抗生物質は何があるか
・一包化されている薬の刻印鑑別
・PLの在庫がなくなってしまい、それに代わる OTC は何か
などでした。
ラウンドについて
基本的に看護師または保健師1人と薬剤師1人でペアを組みます。
BP 全体を5つのエリアに分けていて、1つは広島からの薬剤師の先生が担当。残り4つを
埼玉と郡山からのヘルプで来てくださった先生で担当します。
全ての看護師に一人ずつ薬剤師が付くことは人数的に不可能なので、そのような場合には
ラウンド終了後に看護師より申し送りをもらい、薬剤師介入の要望があった方のみ、空い
た時間に薬剤師一人で訪問しました。
ラウンド中、見受けられたケース
・一か月以上喘息薬や降圧薬を服用していないが自覚症状がなかった為放置していた。
・メーカーの変更や規格違いの薬に変わり、怖くて服用できていない。
・一包化だったものがヒート調剤になり飲めなくなった。
(救護所のユニパックでできる限
りの一包化をしたり、ヒートの裏に日付を書いたりしました)
・定期薬を外の病院にもらいに行くことが面倒になり、手持ちを隔日服用にしている。
・甘いパンばかりで食べる気がしないので DM 薬を自己判断にて中止している。
・インスリンの使用済みの針を枕元に放置している。
・救護所で風邪薬を処方してもらったので定期薬を中止している。
など。
BP に来て不眠や高血圧になり、初めて薬を服用することになった方も多くいらっしゃいま
す。
ここではお薬手帳が全てなので、気になった点は全てお薬手帳に記入して別の薬剤師との
情報共有ができるようにしました。
今後仮設住宅や別の避難所に移動していった後も、避難者の方々が自分で薬の管理をして
いけるよう薬剤師がフォローしていくことが大切となります。
看護師と同行することにより、薬剤師だけでは気づけない点も多くあり、とても勉強にな
りました。また看護師側からも、薬に関する訴えは多くあり看護師だけでは対応しきれな
いので、薬剤師さんが同行してくれるととても助かるという声をいただきました。
※今後救護所の縮小化と薬剤師の人数削減により、ラウンドの体勢は変わります。
ラウンドは基本同行ぜず、看護師側から要請のあった方のみ後で訪問する方針に。
また薬剤師のみのラウンド報告書も中止。情報一元化管理のため、看護師と同じ用紙に
記載することになりました。
郡山市内の他の避難所の様子
1日だけですが郡山市内の2つの避難所に連れて行って頂く機会がありました。
BP とは異なり避難者の数も100人前後で若い方が中心。ほとんどの方がマイカーで避難
してきていることもあり、何かあれば自分で近隣の病院を受診されているそうです。
何かお手伝いできることがあればという形で訪問しましたが、医師と看護師だけで医療体
制は十分に成り立っているとのことで、私たちの出番はありませんでした。
翌日別の薬剤師が訪問した避難所では、OTC が不足しているとのことで、BP から OTC を
お届けに行ったそうです。
同じ市内の避難所でも BP とは衛生面やサポート面で大きな差があるように感じました。
活動に参加して
前任の先生方の報告書のおかげで、活動には比較的スムーズに入ることができたと思いま
す。ありがとうございました。しかし実際行ってその現状を目の前にし、衝撃を受けるこ
とも多々ありました。
1カ月前と比較するとかなり改善されてきているというお話でしたが、それでもまだ決し
ていい生活環境とは言えず、毛布のダニや食品の腐敗、栄養の偏り、配給物資の不足など、
問題は山積みでした。震災発生から2カ月が過ぎ避難所生活でのストレスもかなり大きく、
そこからくる体調不良がほとんどのように思います。今後メンタルケアが最も必要とされ
てくると感じました。
個人の生活スペースに自分も含め一日に何人ものスタッフが訪問するのを見ていると、ど
うラウンドをしていくべきなのか悩むこともありました。それでも避難者の方からの感謝
の言葉で支えられてきたと思います。
薬剤師としてではなくても、一人の人としてできることは沢山あると感じました。
滞在中本当に沢山の医療スタッフの方と仕事をさせていただき、学ぶことの多い11日間
となりました。ありがとうございました。