直接雇用み なし 制度と 中小企業対策 労政審、 労使の 譲れない 2 点

Vol.2
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派遣法の先を読む!
直接雇用みなし規定
派遣先が禁止業務で派遣を受け入
派遣先に対する労働契約申込みの
れたり、期間制限を超えて受け入れ
勧告制度
たりした場合、雇用関係が成立
均等待遇
就業形態にかかわらず、就業実態
なし
に応じて均等待遇を確保
マージン比率
同比率などをHPで公開義務付け
派遣先責任の強化
派遣先での不利益な取り扱いの禁
なし
止など
専ら派遣
一つの法人グループへの派遣で8
グループ内企業への8割規則
割を超えてはならない
製造派遣
専門業務を除き禁止
登録型派遣
政令26業務以外は常用雇用のみ 常用化の努力義務
情報公開を義務化
なし
きか」についての労使の攻防
です。「直接的な表現で法制
化することの是非」が争われ
ており、事務局と公益委員を
はさみ、ぎりぎりの折衝が続
いています。
もうひとつは、「施行期日
を含む中小企業への別枠規定
の有無」です。法改正による
倒産や廃業の危機が懸念され
ている中小企業に対して、何
らかの激変緩和措置が取れる
かどうかにあります。
もちろん、前号で掲載した
「 の論点」の中には、労使
譲れぬ問題点が多々ありま
す。しかし、平行線をたどる
労使の「主張」を「協議」に
転換して審議会の責務を果た
すには、この2点が避けて通
10
10
れない課題となっているよう
です。
【労政審の開催経過と進展】 自公案と3党合意の特徴
本号では同部会の審議の方
法、さらに自公案と3党合意
案(いずれも廃案)の特徴に
ついて解説します。同部会の
公労使委員の大半は、昨年の
自公案を詰めた顔ぶれであ
り、政権交代による〝二重諮
問〟を受ける格好となってい
ます。
そうした背景から、今回の
審議は「昨年答申した自公案
を下敷きに、3党合意案を照
らして『盛り込めるかどう
か』を詰めていく」手法を
取っています。
比較表で分かるように、自
公案には製造業派遣に規制は
ありませんが、3党合意案は
「専門業務を除いて禁止」を
明記。登録型派遣の是非で
も、自公が「努力義務」とし
ているのに対し、3党案では
「 専門業務以外は常用雇用
のみとする」となっていま
す。
顕著な違いと特徴は「派遣
先責任の強化」にも見られ、
3党案では「派遣先での不利
益な取り扱いの禁止」などが
細かく規定されています。
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10月 7日 長妻昭厚労相、労政審に「労働者派遣法の在り方」を諮問
直接雇用みなし制度と中小企業対策
労政審、労使の譲れない2点
自民・公明案
雇用契約期間が2カ月未満の禁止 日々または30日以内の原則禁止
答申に向けて大詰めを迎えている労政審ですが、労使の
折り合いが難航しています。関係者によると、仮予定され
ていた9日の労働力需給制度部会は見送られました。厚労
相の諮問から 日に1度のハイペースで開催されてきた
審議会ですが、労使の「譲歩」が見えない状態での開催は
意味がないためです。しかし、水面下での調整は活発化し
ており、〝落としどころ〟の焦点も絞り込まれている模様
です。 (PRISM編集部)
3党共同案(民主・社民・国民新)
日雇い派遣
関係者の話を総合すると、
争点は大きく次の2点に集約
されています。ひとつは「直
接雇用みなし制度を導入すべ
廃案となった労働者派遣法改正案の比較(概略版)
無断転載を禁止します
く り っ ぷ・法案策定と審議の流れ
大臣は審議会から答申を受けると、通常はその内容に沿
同日 労政審・職業安定分科会で公労使の各委員が自由討論 う形で政府与党の閣法として法案を策定。早ければ約1カ
15日 分科会の下部組織・労働力需給制度部会で論点整理 27日 同部会・「10の論点」をまとめ、実質審議を開始
11月 10日 同部会・「製造業派遣の原則禁止」の是非から再開
月で作業を進め、法案を国会に提出する。政府案のみの
ケースでも、または野党から対案が出された場合でも、衆
議院と参議院の所管する委員会で国会議員による質疑が展
開される。
20日 同部会・「10の論点」に沿って続行も、労使の主張は平行線 本改正案は衆参厚生労働委員会の場で議論され、専門家
26日 同部会・「10の論点」の主張一巡、
隔たりの大きい項目を整理
12月
水面下での調整活発化、部会開催の期日を模索 や有識者らを参考人として招へいすることも。最終的な採
決の権限は各委員長が持ち、現在、衆参ともに民主党議員
が務めている。