採点基準 英語

第 2 回 11 月
名大本番レベル模試(2013 年 11 月 10 日実施)
採点基準
英語
*この採点基準では,部分点・別解の判断を要する問題のみ取り上げています。
英語
大問
Ⅰ
配点合計
60
Ⅱ
52
Ⅲ
40
Ⅳ
48
配点表
小問
配点
1
2
3
4
5
8
8
8
8
8
6
6
7
2×7
1
2
3
4
5
6
1
2
3
4
5
6
(1)-(3)
5
5
13
12
3×4
5
6
5
5
6
8
5×2
16×3
1
大問Ⅰ
1 下線部内容説明(8点)
【該当英文】
Then, in 1993, Barry moved to San Francisco to play for
*
the Giants and something
happened.
【解答例】
(例①) バリー・ボンズは,10 年間で体重を25パーセント近く増やし,本塁打の数を約3 倍
に伸ばし,新記録を達成したが,それに対し筋肉増強剤の使用の疑いを持たれている。
(例②) バリー・ボンズは,ジャイアンツに移籍すると筋肉をつけてたくましい強打者となり,
ホームランを量産して新記録を作ったが,蛋白同化ステロイドを使用したためだという疑いがあ
る。
【解答参考箇所】
(1) He got big. Over the next ten years, he increased his weight by nearly 25 percent. And
this was no typical middle-age ripening of the belly. He added muscle. The slim outfielder
became a beefy 228-pound slugger. (2) And it helped his game. From 1991 to 2001, he nearly
tripled the number of home runs he hit,(3) and in 2001 he had arguably the best offensive
year in the history of the game, destroying the previous home run record with 73.
中略
(4) However, some sports journalists claim that he must have discovered
anabolic steroids.
*
【解答要素と配点枠】
・以下の(1)~(4)毎に配点枠の中で減点。語句の誤訳によるミスは 1 点ずつ減点。文法・
構文の誤訳によるミスは 2 点ずつ減点。
・要素そのものの欠如は,その部分は 0 点。必要語句の訳しもれは語訳と同等の扱いで減点。
(1)体が大きくなったこと(2点)
①(10 年間で)体重を 25 パーセント近く増やした
(大幅に)
② 体[体格]が大きく[良く]なった
③ (脂肪が減って)筋肉がついた
(2)本塁打の数を約3倍に伸ばした(2点)
①
本塁打の数が(約)3倍になった
大きく増した ← ただ「増えた」も許容
②
長距離打者になった
(3)(本塁打の)新記録を達成した(2点)
(注)
「73 本の記録を破った」は不可
(4)筋肉増強剤の使用の疑いを持たれている(2点)
2
(注)
「蛋白同化ステロイド・アナボリックステロイド・薬物」なども許容
2 下線部和訳(8点)
【該当英文】
Certain trainers started wondering whether they could help athletes improve their
respective skills using a strategy that didn’t involve physical training at all.
【解答例】
(例①)訓練指導者の中には,肉体的な訓練をまったく伴わない戦略を用いて,運動選手が個々
の技能を高める支援ができるのではないかと考え始める者がいた。
(例②)一部のトレーナーは,身体的なトレーニングをまったく取り入れないような方策を用い
て,スポーツ選手がそれぞれに応じた技能を高める手助けができるのではないかと思い始めた。
【下線部和訳の基本原則】
(以下,下線部和訳問題はこの基本原則に従う)
(1) 基本的に部分的誤りと語句の無視は-2 点。(内容理解のミスは-3 点以上)
(2) 十分日本語化しているカタカナ語は不問だが,苦し紛れでカタカナで書いているものは不可
で-2 点。
(3) 日本語の誤字等は,別の意味にとられてしまうケ-スは-1 点。
(4) 各採点区分内で指定の点数を超えた時点で減点は行わない。
(5) 区分された句,節単位で全く成り立たたないものはその区分では得点を与えない。
[Ⅰ] Certain trainers(2点)
⇒ 訓練指導者の中には
⇒ 一部のトレーナーは
(注)certain を全く無視したものは0点
[Ⅱ] started wondering whether(2点)
⇒
ではないかと考え始めた
⇒
ではないかと思い始めた
(注)wonder を「驚嘆」
「疑念( doubt 系の意味)」で訳したものは0点
[Ⅲ] they could help athletes improve their respective skills(2点)
⇒
運動選手が個々の技能を高める支援ができる
⇒ スポーツ選手がそれぞれに応じた技能を高める手助けができる
(注)
「アスリート」は許容
(注) help は「促進する」の意味で訳しても可
[Ⅳ] using a strategy that didn’t involve physical training at all(2点)
⇒肉体的な訓練をまったく伴わない戦略を用いて
⇒身体的なトレーニングをまったく取り入れないような方策を用いて
(注)using は「用いながら」「用いつつ」も可
3
(注)physical は「物理的な」も許容
(注)at all の訳漏れは不可
3 下線部和訳(8点)
【該当英文】
If they imagined bowling strikes, they were more likely to bowl strikes than if they didn’t
visualize anything at all.
【解答例】
(例①)運動選手がボウリングでストライクを投じることを想像すると,まったく何も思い描か
なかった場合と比べ,ストライクを投じる可能性が高まった。
(例②)選手たちがボウリングでストライクを取る場面を思い描くと,まったく何もイメージし
なかった場合よりも,ストライクを取る確率が高くなった。
[Ⅰ] If they imagined bowling strikes(2点)
⇒ 運動選手がボウリングでストライクを投じることを想像すると
⇒ 選手(たち)がボウリングでストライクを取る場面を思い描くと
(注)仮定法過去で訳したものは0点
(注)bowling strikes の訳が何を述べているか意味をなさないものは0点
(注)they を説明していないものは0点
[Ⅱ] they were more likely to bowl strikes(3点)
⇒ ストライクを投じる可能性が高まった
⇒ ストライクを取る確率が高くなった
(注)more が全く訳しこまれていないものは不可
(注)likely は「傾向」など類似の訳も可
[Ⅲ] than if they didn’t visualize anything at all(3点)
⇒ まったく何も思い描かなかった場合と比べ
⇒ まったく何もイメージしなかった場合よりも
(注)仮定法過去で訳したものは不可
(注)at all の訳漏れは,any の訳「何も」でカバーできていれば,「まったく」と訳に盛り込
まなくても可
4 下線部内容説明(8点)
【該当英文】visualization works.
【解答例】
(例①)ある動作を思い描くときとその動作を行うときでは脳の活性化する部分が同じであるた
め,運動を想像して脳を使うことは実際の運動技術の向上に非常に有効であるということ。
4
(例②)体の動きをイメージすると,実際にその動作をする場合と同じ脳の部位が活性化される
ので,運動技術の向上に大いに役立つということ。
【解答参考箇所】
The question is why ─ why is it that (1A) imagining using your body in a particular way
makes it easier for you to move your body in that same way later? The answer is remarkably
simple. (2A) When we visualize actions ─ activating mental images ─ we use the very parts
of our brain that control our body’s movements. When we imagine the footwork we employ
to serve a tennis ball, the part of our brain that controls foot motion starts firing. When we
think about how we hold a basketball in our hands, the part of our brain controlling hand
motion lights up. As a result, whether you call it mental imagery, visualization, or mental
rehearsal, (1B) imagining doing things is extremely effective at solidifying motor skills.(2B)
And that’s because, to a large extent, when we’re visualizing, our brain is doing the same
thing it would in actual practice.
※ 上記4か所の下線部のどれを使っても可。
【解答要素と配点枠】
・以下の(1)~(2)毎に配点枠の中で減点。語句の誤訳によるミスは 1 点ずつ減点。文法・
構文の誤訳によるミスは 2 点ずつ減点。内容面で不十分な場合は 3 点以上の減点。
・要素そのものの欠如は,その部分は 0 点。必要語句の訳しもれは語訳と同等の扱いで減点。
(1)どのようなことを述べているか(4点)
(a) ①②いずれでも可(2点)
① 運動[行動]を想像して脳を使う
「スポーツ」は不可
② 体の動きをイメージする
(b) ①②③いずれでも可(2点)
①(実際の)運動技術の向上に非常に有効であるということ
② 運動技術の向上に大いに役立つということ
③ 後で同様の動作をすることが容易になるということ
(2)理由(4点)
①
ある動作を思い描くときとその動作を行うときでは脳の活性化する部分が同じであるため
② 実際にその動作をする場合と同じ脳の部位が活性化されるので
③
脳は実際の動作と同じことを,動作をイメージする際行うので
5 下線部和訳(8点)
【該当英文】
Admittedly, we’re missing some things that might be quite useful, like the confidence and
experience we gain from actual action.
5
【解答例】
(例①)確かに,我々は,実際の行動から得る自信と経験など,非常に役立つ可能性のある事柄
を考慮していない。
(例②)正直なところ,実際に動いてみて得られる自信と経験といった,非常に有益になるかも
しれないことを我々は見逃してしまっているのかもしれない。
[Ⅰ] Admittedly(2点)
⇒ 確かに
⇒ 正直なことろ
(注)「認めざるを得ないことだが」など,admit の意味を込めても可
[Ⅱ] we’re missing(2点)
⇒ 我々は考慮していない
⇒ 我々は見逃してしまっている
(注)「見失っている」も可
[Ⅲ] like the confidence and experience we gain from actual action (2点)
⇒ 実際の行動から得る自信と経験など
⇒ 実際に動いてみて得られる自信と経験といった
(注)先行詞を experience のみにしたものは不可
(注)actual の訳漏れは不可
[Ⅳ] some things that might be quite useful(2点)
⇒ 非常に役立つ可能性のある事柄
⇒ 非常に有益になるかもしれないこと
(注)might 訳漏れは0点
(注)some は訳出しなくても可
6
大問Ⅱ
3下線部和訳(13点)
【該当英文】
She even agreed to drop down a level, since this was a new field for her and she was willing
to trade seniority for acquiring new skills.
【解答例】
(例①)彼女は地位が下がることに同意さえした。新人採用は彼女にとり経験のない分野であり,
彼女は新たな技能を身につけるためなら肩書など差し出すのはいとわないという気構えがあっ
たからだ。
(例②)新人採用の分野に彼女は経験がなく,彼女は新しい技能の獲得と交換に序列が低くなっ
てもかまわないという気持ちであったので,地位が下がることさえ嫌とは言わなかった。
[Ⅰ] She even agreed to drop down a level(4点)
⇒
彼女は地位が下がることに同意さえした
⇒
地位が下がることさえ嫌とは言わなかった
(注)even の訳漏れは不可
[Ⅱ] since(2点)
⇒ ので/から
[Ⅲ] this was a new field for her(2点)
⇒
新人採用は彼女にとり経験のない分野であり
⇒
新人採用の分野に彼女は経験がなく
(注)「フィールド」は不可
(注)this は「これ」でも可
[Ⅳ] she was willing to trade seniority for acquiring new skills(5点)
⇒彼女は新たな技能を身につけるためなら肩書など差し出すのはいとわないという気構えがあ
った
⇒彼女は新しい技能の獲得と交換に序列が低くなってもかまわないという気持ちであった
(注)trade は“A for B”の関係が分からなければ不可
4 内容説明(12点)
【該当英文】a much more suitable metaphor: Careers are a jungle gym, not a ladder.”
【解答例】
(例①)現代では仕事を移る機会が多いため,1つの職場で上を目指すことを意味する梯子の比
喩よりも,上に至る道が多様であるジャングルジムの比喩がより適切だから。(74 字)
7
(例②)現代では転職が頻繁であるため,キャリアの頂点への道が1 つしかない梯子よりは,上
昇への多様な道筋があるジャングルジムを比喩に用いる方が適切だから。(72 字)
【解答参考箇所】
(1)“As of 2010, the average American had eleven jobs from the ages of eighteen to forty-six
alone. This means that the days of joining an organization or corporation and staying
there to climb that one ladder are long gone. 中略
(2) There’s only one way to get to the top of a ladder, but (3) there are many ways to get to
the top of a jungle gym.
【解答要素と配点枠】
・以下の(1)~(3)毎に配点枠の中で減点。語句の誤訳によるミスは 1 点ずつ減点。文法・
構文の誤訳によるミスは 2 点ずつ減点。内容面で不十分な場合は 3 点以上の減点。
・要素そのものの欠如は,その部分は 0 点。必要語句の訳しもれは語訳と同等の扱いで減点。
(1)現代(のアメリカ)では仕事を移る頻度が高いこと(4点)
①
現代では仕事(職場)を移る機会が多い
②
現代では転職が頻繁である
③
一つの職場で働き続ける時代は終わってしまった
昇進を続ける
(注)「転職の多さ」になっていないものは0点
(注)「時代」に全く触れていないものは減点
(2)梯子の比喩が指す内容(3点)
①
1 つの職場で上を目指すことを意味する梯子(の比喩)
② キャリアの頂点への道が 1 つしかない梯子(の比喩)
(注)「上(トップ)への道が一つしかない」ことが分からなければ0点
(注) 単に「梯子と違って」で済ませたものは減点
(3)ジャングルジムの比喩が指す内容(5点)
①
上に至る道が多様であるジャングルジム(の比喩)
②
上昇への多様な道筋があるジャングルジム(の比喩)
(注)上記が欠け「自由に動ける」など他の引用が述べられているものは減点
(注)(2)(3)の関係が逆になっているなど不適切な場合は減点
(注)“offer more creative exploration”を訳しただけでは抽象的で減点
8
大問Ⅲ
5 語義説明(8点)
【設問指示】
Based on the conversation in the passage, explain what a major is in your own words.
Answer in English in a sentence of about 12 words including the given words “It is.”
【基本原則】
(1)「(大学で学ぶ)主要科目」であることが分からないものは0点
(2)「大学(院)で」と限定されているかどうかは不問
(3) 他は個別に指定がない限り一つの誤りに関し2点ずつ減点
(4) 7語以上,16 語以内なら8点満点で採点。6語以下と 17 語以上は4点満点で採点。
9
大問Ⅳ
【和文英訳の基本原則】
(1) スペルの誤りは-1 点。
(2) 単語熟語の誤りは-2 点。
(3) 冠詞と名詞の数の誤りは-1 点。
(4) 文法的誤りは-2 点。
(5) 語句の不足・訳し漏れは-2 点。
(5) 各採点区分内で指定の点数を超えた時点で減点は行わない。
(6) 区分された句,節単位で英語として全く成り立たない場合は,その区分に得点を与えない。
(1) 彼らは,破壊していたものに名を付けたり,あるいは,それらを生態学的に分析しようと
努めたりすることはほとんどなかった。(16点)
【解答例】
(例①)They seldom gave names to the things they were destroying or tried to analyze them
ecologically.
(例②)Very few of them gave names to the things they were ruining or tried to make
ecological analyses of them.
[Ⅰ] 主語+ほとんどなかった(2点)
(注)seldom, rarely, hardly, scarcely を使ってもよいし,主語で表してもよい
[Ⅱ] 破壊していたものに名を付けたり(6点)
・「破壊する」
(注)destroy,ruin は可だが,demolish,disrupt なども許容
(注)
「していた」は,過去形,過去進行形
・「名を付ける」
(注)動詞で name も可。term は減点
[Ⅲ] あるいは,それらを生態学的に分析しようと努めたりする(8点)
(注)analyze のつづりは analyse も可(また「観察する」
「調査する」との言い換えも可)
(注)
「あるいは」は and では不可
(2) 一本の木を切り倒そうとしているとき,一本の木を殺しているというだけではなく,長
い目で見ると一つの大都市を破壊しようとしているのだ。(16点)
【解答例】
(例①)When you are trying to cut down a tree, you are not only killing it but you are also
trying to destroy a great city in the long run.
(例②)Trying to cut down one tree means not only killing the tree but also trying to ruin a
mighty city over the long term.
10
[Ⅰ] 一本の木を切り倒そうとしているとき(5点)
・「切り倒す」
(注)
「切り倒す」は cut down, chop down, fell (vt)。cut のみは不可
(注)
「そうとしている」は try to だが,be about to も許容
(注)主語は you,we,one,they を許容
[Ⅱ] 一本の木を殺しているというだけではなく(5点)
・「一本の木」
(注)ここでも a [one] tree としたものも可
・「殺す」
(注)kill, put O to death など
・「だけでなく」
(注)not only は not merely も可。not just も許容
[Ⅲ] 長い目で見ると一つの大都市を破壊しようとしているのだ(6点)
・「長い目で見ると」
(注)eventually でも可
・「大都市」
(注)big [large] city も可。metropolis も許容
(3) 一種類の生物を絶滅させれば,周辺の他の数多くの種を危機に陥れる結果に至ることがあ
るのだと心にとめておかなければならない。(16点)
【解答例】
(例①)We must remember that if we extinguish one kind of species, it may lead to crises for
many other creatures around it.
(例②)You must bear in mind that exterminating one kind of species may result in putting
many other species living around it at risk.
[Ⅰ] 一種類の生物を絶滅させれば(5 点)
・「れば」
(注)if,when どちらも可
・「一種類の生物」
(注)単に one [a] species も可
・「絶滅させる」
(注)make O extinct,make O become [go] extinct,make O die out [off]も可
(注)wipe out,slay も許容
[Ⅱ] 周辺の他の数多くの種を危機に陥れる結果に至ることがある(6 点)
・「周辺の」
(注)~ that live around [near] it も可
・「危機に陥れる」
11
(注)bring ~ to a crisis も可
(注)put O in a pinch, pinch (vt)は許容
・「ことがある」
(注)might,can,could も可
(注)sometimes,occasionally を入れても可
[Ⅲ] だと心にとめておかなければならない(5点)
・「心に留めておく」
(注)remind oneself that ~も許容
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