1.診療録等の記載及び整備に関する事項

1.診療録等の記載及び整備に関する事項
(傷病名・転帰等)
1.診療録の傷病名欄には、疑い病名を含め実態を正確に反映した傷病名を記載するとともに、
それを忠実にレセプトの傷病名欄に転記すること。また、医師により転帰(治癒又は中止)
の決定次第、その旨と終了年月日を記載してレセプト上の傷病名の整理に繋げること。
2.レセプト上の傷病名欄に、傷病名以外のものが記載されているので改めること(患者の病状
等の説明は摘要欄を利用する)。また、主病の表示を行うこと。なお、傷病名やコメントに
アルファベットの略語は用いないこと。
3.傷病名に急性・慢性の区別のないものが散見された。傷病名には、左・右の区別の他、急性・
慢性の区別を行い、正確な傷病名を記載するよう心掛けること。
4.診療録の傷病名欄の記載は、原則一行に一傷病名を記載して転帰とその年月日を記載できる
よう改めること(なお、傷病名は訂正の場合を除き抹消しない)。
5.傷病名欄の傷病名は転帰が決定されても抹消しないこと。レセプト上の傷病名の整理は、転
帰(治癒又は中止)とその年月日を記載することで行うこと。また、一部に傷病名の記載漏
れ事例が認められたので注意すること。
6.診療録の傷病名欄には、医学的根拠のある妥当適切な傷病名を記載すること。
【不適切な傷病名】
・検査のための安易な疑い病名、所謂レセプト病名
・診断根拠に乏しい病名(甲状腺機能検査に異常の認められない症例に「甲状腺機能亢進症」
等)
・重複した傷病名(「びらん性胃炎」と「慢性胃炎」の併記等)
7.診療録の様式のうち、「労務不能に関する意見」欄がないので次回印刷時に改めること。な
お、当面はゴム印等を作成し、傷病手当金意見書を交付した場合は、必要事項を記載してお
くこと。
8.診療録の更新時には、過去の治療の要点を診療録に記載すること(多くは処方内容の記載の
みであった)
。
9.診療報酬は、診療録に記載されている事項について算定するものである。即ち、行った処置
(使用した薬剤を含む)及び検査は、漏れなく診療録に記載してレセプト請求内容と整合性
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をもたせること。
(症状・経過・処方・処置)
10. 症状・経過欄の記載をさらに充実させること。特に、初診時の主訴、病歴、診察所見の記載、
各種検査の施行に当たっての必要性等の記載を充実させること。また、診療録の更新時には、
それまでの主な検査や治療経過を転記しておくこと。
11. 外来診療録に医師の対面診察結果の記載が乏しい事例が散見された。対面診察の結果の記載
は、診療報酬上の診察料の算定と密接に関連していることを再認識し記載を充実させること。
また、担当医師の署名(又は捺印)に漏れのないように注意すること。
12. 症状・経過等欄の記載が、簡単な愁訴と血圧測定値の記載にとどまっているので、外来管理
加算の算定要件である患者からの聴取事項や診察所見の要点を記載してさらに充実させるこ
と。なお、診療録の記載は、受診者欄及び点数計算欄を除き原則医師が記載すべきであるが、
やむを得ない事情で代筆させる場合は、記載した者が誰であるかを明らかにするとともに、
その内容を確認した旨の医師の押印を行うなど責任の所在を明確にしておくこと。
13. 比較的来院日数の多い患者(通院リハビリテーション、静脈注射等)について、医師の対面
診察結果の記載が乏しい事例が散見されたので充実させること。
(初診・再診)
14. 初診料を算定する初診時の主訴、病歴等は努めて医師が記載すること。なお、代筆させる場
合は担当者の責任の所在を明確にしておくこと。また、再来院患者に初診料を算定する場合
は、初めての患者と同様に問診票を整備することが望ましい。
15. 慢性疾患患者における転帰の判断(中止又は治癒)は慎重に行うこと。即ち、診療中止後1
月以上経過した場合であっても、慢性疾患等明らかに同一の疾病であると推定される場合の
診療は、初診として取り扱わない。
16. 再診料における外来管理加算を算定する場合には、患者からの聴取事項や診察所見の要点を
記載するとともに、外来管理加算の時間要件(概ね5分超)に該当する旨を漏れなく記載す
ること。
17. 診察料における時間外加算は、緊急性を評価したものであるので、受付時刻とともに緊急性
に関する事項を診療録に記載しておくこと。
18. 夜間・早朝等加算を算定する場合は、週日(月曜~土曜日)においては受付時刻を、日曜日
においては休日の旨を記載しておくこと。
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(医学管理・在宅医療)
19. 各種医学管理及び各種在宅療養指導管理に際しては、下記の事項に留意し管理内容等の記載
を充実させること。
・特定疾患療養管理:別に厚生労働大臣が定める特定疾患を“主病”とし、その“主病”の治
療(投薬、注射)を現に行っており、かつ “主病”に対する療養上必要な管理を患者の生
活習慣や特性を考慮して行い、さらにその内容の要点を診療録に記載した場合に算定でき
るものであること。従って、“主病”の表示と管理内容に整合性をもたせること。なお、
退院後(自院、他院を問わず)1月以内は算定できないこと。
・ウイルス疾患指導料:療養上必要な指導及び感染予防(公衆衛生上、院内感染、家族内感
染防止を含む)に関する指導を行い、その内容の要点を診療録に記載した場合に算定でき
るものであること。
・特定薬剤治療管理及び悪性腫瘍特異物質治療管理:採血した日に算定可能であるが、その
報告結果の分析は速やかに行うこと。なお、診療録には、測定薬剤名又は腫瘍マーカー名
及び測定値、並びに測定結果に基づく治療計画の要点を記載すること。
・てんかん指導:診療録に診療計画と指導内容の要点、並びに診療内容を記載すること。
・難病外来指導管理:対象となる疾患の診療計画と個々の患者の病状を考慮した指導内容の要
点を記載する。
・診療情報提供:診療情報提供書は、原本を患者に交付し、その写しは個々の患者の診療録
に添付すること。なお、紹介された患者に係る返事や経過報告では診療情報提供料(Ⅰ)
の算定対象とはならないことに注意する。
・傷病手当金意見書交付:傷病手当金意見書を交付した場合には、診療録の“労務不能に関
する意見”欄に必要事項を記載しておくこと。
・在宅療養指導管理(在宅自己注射、在宅酸素療法、在宅持続陽圧呼吸療法、在宅自己導尿
等):それぞれの在宅療養を指示した根拠、指示事項(方法、注意点、緊急時の措置を含む)
及び指導内容の要点の3項目を診療録に記載する
・在宅自己注射指導管理:血糖自己測定器加算を算定する場合は、毎月の患者が測定した血
糖値の測定回数を明らかにするため、データの写しを診療録に添付すること。
20. 在宅患者訪問点滴注射指示書(有効期間は7日以内)は、訪問看護指示書と同様に医師の診
療に基づき交付すべきものであること。また、その写しは診療録に添付しておくこと。
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21. 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理に際しては、訓練内容とともに指導に要した時間
を記載すること。
(検査・画像診断)
22. 各種検査(画像診断を含む)に際しては、その必要性に関する症状・所見等を診療録に記載
するとともに、傷病名の記載漏れのないよう注意すること。
23. 検査結果等は必ず診療録に添付しておくこと。
24. 呼吸心拍監視の検査料を算定する場合には、医師が観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数の
それぞれの観察結果の要点を診療録に記載すること。
25. 内視鏡検査及びCT撮影に際しては、症状・所見等その必要性に関する事項を診療録上明確
にしておくこと。
(投薬)
26. ビタミン剤(VB群製剤及びVC製剤に限る)に係る薬剤料を算定する場合には、当該ビタ
ミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を診療録及びレセプトの摘要欄に記載すること。
なお、病名(「ビタミン欠乏症」は適切ではない)で判断できる場合は、レセプトヘの記載
は要しない。
27. 処方した薬剤は、必ず診療録に記載しておくこと(別紙に処方せんとして記載されているの
みであった)。
(リハビリテーション)
28. レセプトの摘要欄に記載する疾患別リハビリテーションの対象となる疾患名は、正確に記載
すること。また、標準的算定日数を超えて治療を維続することにより状態の改善が期待でき
ると医学的に判断される患者についての説明内容には、FIM、BI、関節可動域、歩行速
度及び運動耐用能等の具体的な指標を示した継続理由を記載すること。なお、廃用症候群に
ついては、毎月“廃用症候群に係る評価表”をレセプトに添付する必要があること。
(精神科専門療法)
29. 通院・在宅精神療法に際しての指示、助言等の働きかけの内容をさらに充実させること。
30. 入院精神療法を行った場合は、その要点を診療録に記載するとともに、算定した場合は、そ
の旨を記載して他の記載事項と明確に区別すること。なお、算定基準である週(暦週)1回
~3回の限度は厳守すること。
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(処置・手術)
31. 創傷処理、創傷処置等に当たっては、部位及び広さを診療録に記載しておくこと。
32. 皮膚、皮下腫瘍摘出術等の手術料は、腫瘍の長径(cm)によって手術点数が異なるので腫
瘍の発生部位とともに長径を明記しておくこと。
(麻酔)
33. 神経ブロックに際して局所麻酔剤又は神経破壊剤以外の薬剤(デカドロン注等)を用いた場
合には、医学的必要性をレセプトに記載すること。
34. 麻酔管理料に係る麻酔科標榜医の麻酔前の診察結果の記載が不明確であるので、診察日とと
もにその内容を具体的に記載すること。
(入院)
35. 医療安全管理体制及び院内感染防止対策についての委員会の開催記録(原則月1回程度の開
催)と職員研修の記録を整備すること(委員会記録と研修会記録が混同されていた)。また、
特に1日入院に際しては、看護の記録が認められなかったので、看護記録の整備と記載の充
実にも心掛けること。
36. 回復期リハビリテーション病棟の入院患者に関する管理表には、発症日(手術日)、算定開
始日・期間満了日等に加えて入院日(年月日)も記載しておくこと。
37. 栄養管理計画書には、必要に応じて2回目以降の栄養評価結果を日時とともに追記すること
(特に、寝たきりの状態にある者、手術患者、中心静脈栄養や経管栄養を行っている者等に対
して) 。
38. 入院患者の食事療法は、1日の回数がわかるように記録しておくこと。
(入院診療計画書)
39. 入院診療計画書は、入院した日から起算して7日以内に患者等に対し文書により交付し説明
がなされるものであること。なお、入院診療計画書の策定は、医師、看護師、その他必要に
応じて関係職種が共同して行うこと。
40. 入院患者に交付する入院診療計画書の写しが診療録に貼付されていない事例が認められた。
入院患者に係る主訴、病歴(現病歴、既往歴、家族歴)及び診察所見の記載をさらに充実さ
せるとともに、交付した入院診療計画書の写しは入院の都度診療録に貼付しておくこと。
(点数計算欄)
41. 点数計算欄の記載に当たっては、不要な空欄行は設けないこと。また、一部に鉛筆書きが認
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められたのでボールペン又はペンで記載すること。なお、やむを得ず空欄行が発生した場合
は斜線等で抹消しておくこと。
42. 様式第1号1の(3)(点数計算欄)を整備し、診療日毎に診療内容が分かるように種別毎
の点数を記載すること。
43. 点数計算欄には、毎月の合計点数を記載しておくこと。
44.診療録の点数計算欄とレセプトとの間において、一部所定点数又は合計点数の不一致事例が
認められた。点数計算欄の記載を正確に行うとともに、提出前のレセプトとの突合・チェッ
クを十分行うこと。
(その他)
45.診療録の記載事項の訂正は、二本線で抹消して行い見え消しとすること。
46.診療録の記載事項の訂正は、担当医師が的確に行うこと。
47. 精神科作業療法や会計カードの記録に、一部鉛筆書きが認められたのでボールペン又はペン
で記載するよう改めること。
48. 入院診療計画書、退院支援計画書、診療情報提供書、リハビリテーション総合実施計画書、
輸血同意書等の患者に交付する文書については、原本を患者に交付し、診療録にはその写し
を添付しておくこと。
49. 保険診療と自費診療の区別は厳格に行うとともに、電子カルテ上の記録も明確に区別するこ
と。また、同一診療日に保険診療と自費診療が混在するようなことのないよう十分注意する
こと。
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2.診療内容に関する事項
1.診断に当たっては、常に医学的立場を堅持すること。従って、診断根拠に乏しい病名やいわ
ゆる保険病名は用いないこと(必要と思われる場合は、レセプトの摘要欄に“傷病詳記”と
して病状説明を行うこと)。
2.診察は、医師が患者を直接診る対面の診察が基本であること。また、診察結果はその都度診
療録に記載すること。診療録に診察結果が記載されていない場合は、無診察治療とも疑われ
かねないので十分注意すること(なお、無診察治療は、医師法で禁止されている)。
3.レセプトの摘要欄に記載されたコメントと実際の診療内容とに齟齬が認められる事例が散見
された。レセプトの信憑性に係る重大問題であるので十分注意すること。また、レセプト上
の傷病名は全て日本語で記載すること。
4.外来診療における医師の診察は、患者を直接診る対面の診察が基本であること。また、診察
を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認するとともに、慢性疾患患者について
は、次回の来院指示を適切に行うこと。
(初診・再診)
5.再来院患者に対して、再び初診料又は小児科外来診療料の初診時を算定する場合は、前疾病
の転帰(治癒又は中止)が決定された場合に限られるが、特に前疾病の終診の日から1週間
~10日以内で同様の症状で同一疾患が継続していると推定される場合の転帰の決定は慎重
に、かつ適正に行うこと。
6.電話での再診は、医師が患者等からの“治療上の意見”を求められた場合において、“治療
上の指示“を行った場合に算定対象となるのでその取扱いは適正に行うこと。
7.平成20年4月以降は、再診料における外来管理加算の算定に時間要件(概ね5分超)が加
わったことに留意すること。即ち、対面診察結果(患者からの聴取事項や診察所見の要点)
の他に、時間要件に該当する旨を診療録に記載する必要がある。
(医学管理等)
8.特定疾患療養管理料は、例え厚生労働大臣が定める特定疾患を有している患者であっても“主
病”として治療(投薬、注射)を行っていない場合、管理内容が特定疾患に対するものでな
い場合、及び管理内容の要点が診療録に記載していない場合は算定対象とはならないこと。
9.特定薬剤治療管理料は、採血した日に算定可能であるが、その報告結果に基づく治療管理は
速やかに行うこと。なお、診療録には、測定薬剤名、測定値及び測定結果に基づく治療計画
の要点を記載すること。
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10. 悪性腫瘍特異物質治療管理を算定した同一月には、特別の場合(「点数表の解釈」H20.
4月版P297参照)を除き腫瘍マーカーの検査料は算定できないので注意すること。
11. 悪性腫瘍特異物質治療管理における初回月加算は、当該初回月の前月に腫瘍マーカー検査を
行っている場合は算定できない。また、当該加算は、適切な治療管理を行うために多項目の
腫瘍マーカー検査を行うことを想定したものであるので、1項目の腫瘍マーカー測定では加
算の対象とはならないこと。
12. 悪性腫瘍特異物質治療管理が同一患者の同一月に外来と入院とで2回実施された事例が認め
られた。当該治療管理は暦月に1回に限られること。
13. 退院時リハビリテーション指導の対象患者は、退院後の在宅での基本的動作能力若しくは応
用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための訓練が必要と判断される患者であるこ
と。
14. 薬剤管理指導における退院時服薬指導加算は、退院後の外来で継続して薬剤の服用が必要な
患者が対象となること。
15. 薬剤情報提供に際しては、常に必要性を考慮すること。処方変更がないにもかかわらず、画
一的に月1回提供し、当該提供料を算定することは適切ではない。
16. 他保険医療機関宛に発行する診療情報提供書のうち、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できるの
は患者紹介の場合に限られるので注意すること。即ち、患者の受診を伴わない経過報告や患
者紹介の返事等は算定対象とはならない。
17. 療養費同意書は、医師が療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に限り交付するも
のであり、自己の専門外という理由で安易に交付することは認められない。
(在宅医療)
18. 在宅患者訪問点滴注射指示書で投与できる注射は、点滴注射に限られること。
(検査・画像診断)
19. 各種検査(画像診断を含む)は、患者個々の症状に応じて計画的かつ段階的に必要最小限の
項目を選択し施行すること。保険診療においては、検査結果が治療に反映しない検査は健康
診断的とみなされ認められない。
20. 各種検査(画像診断を含む)は、患者個々の症状に応じて計画的かつ段階的に必要最小限の
項目と回数で施行すること。また、各種検体検査の中で算定要件が定められている検査項目
に注意すること。なお、再入院患者に対する入院時感染症検査の施行は、前回退院日から3
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ヵ月超を目安とすること。今回、以下のような不適切な検査事例が認められた。
【不適切な検査事例】
・スクリーニング的に施行されたHbA₁c・・・「糖尿病の疑い」で施行する場合は、高血
糖によると思われる自覚症状がある場合又は尿一般検査や血糖検査で真に疑われる場合に
限る
・ヘモグロビンA₁c(患者の希望)
・末梢血液像、CRP定量(回数の過剰)
・CPRのスクリーニング的施行
・血液化学検査の画一的な多項目検査と蛋白分画との併施
・貧血の傷病名に対するビタミンB12定量精密測定、葉酸精密測定、フェリチンの同時測定
・再入院患者又は内視鏡検査で施行されたABO・Rh(D)血液型
・「胃潰瘍の疑い」で施行された、又は鏡検法と併施された迅速ウレアーゼ試験・・・現時
点でのヘリコバクター・ピロリ菌感染の診断は、消化性潰瘍の確定診断患者に限られると
ともに、ピロリ菌が陽性の場合は1項目の検査に限る
・消化性潰瘍以外で施行された迅速ウレアーゼ試験
・「B型肝炎の疑い」で施行されたHBe抗原精密測定及びHBe抗体価精密測定
・同一月に外来と入院で施行されたHBs抗原及びHCV抗体価精密測定
・肝機能検査で異常のない患者に施行されたHCV抗体価精密測定(術前検査以外)
・リウマトイド因子とLEテスト又は抗核抗体価の画一的併施
・甲状腺腫もなく、TSH・FT₃・FT₄の検査値に異常のない患者に施行された抗甲状腺
ペルオキシダーゼ抗体及びTSHレセプター抗体精密測定
・非特異的IgEと特異的IgEの画一的併施
・結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロン-γ測定と結核菌群核酸増幅同定検査の併施
例・・・主たるものに限る
・ECGとUCGの併施
・心臓部(肺)X-PとCT撮影(肺)との併施
・症状の変化を認めない経過観察でのCT撮影(頭部)
21. 外来迅速検体検査加算は、対象となる検査項目の全てが当日中に判明し、その結果を文書で
提供した場合に算定対象となること。
22. 尿沈渣顕微鏡検査は、尿中一般物質定性半定量検査若しくは尿中特殊物質定性定量検査にお
いて何らかの所見が認められた場合、又は診察の結果から必要と認められて実施した場合に
算定できるものである。
23. 尿沈渣顕微鏡検査は、自院で検査を行った場合又は外注では採尿後4時間以内に検査結果が
報告された場合に算定対象となること。
24. 「疑い病名」で尿沈渣顕微鏡検査を複数回行う場合は、レセプトの摘要欄に症状・所見等そ
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の理由をコメントすること。
25. ヘモグロビンA₁cは、原則「糖尿病」の確定診断患者の治療経過の観察に用いること。なお、
「糖尿病の疑い」で施行する場合は、高血糖によると思われる自覚症状がある場合又は尿一
般検査や血糖検査で真に疑われる場合に限る。また、算定は暦月に1回に限られる。
26. 血液化学検査の“まるめ”検査項目は、保険診療であることを踏まえて合理的に施行するこ
と。
27. NTx精密測定は、“骨粗鬆症の薬剤治療方針の選択時に1回、その後6月以内の薬剤効果
判定時に1回に限り、また薬剤治療方針を変更したときは変更後6月以内に1回に限り算定
できる”という算定要件が定められている検査項目であるので、その実施に当たっては注意
すること。
28. 腫瘍マーカー検査は、診察又は腫瘍マーカー以外の検査若しくは画像診断から悪性腫瘍の患
者であることが強く疑われる場合が保険適用となる。
29. 腫瘍マーカー検査は、悪性腫瘍の診断の確定又は転帰の決定までの間に1回を限度として施
行すること(高CEA血症の病名で頻回に測定された事例が認められた)
。
30. 現時点におけるヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断及び除菌の保険適用は、内視鏡検査又
は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者であること。
31. 消化性潰瘍患者に対するヘリコバクター・ピロリ菌の除菌後検査は適切な時期に行うべきで
あること。除菌後1~2年後に施行された患者が散見された。
32. 「胃潰瘍」の傷病名のみで迅速ウレアーゼ試験とT-M(1臓器)の請求事例が認められた。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断としては2項目の検査法を算定したことになるので、
悪性を疑ってのT-Mであればその旨を併記する必要があるので注意すること。
33. 大腸菌抗原同定検査は、D018細菌培養同定検査により大腸菌が確認された後、大腸菌の
O抗原又はH抗原の同定を行った場合に算定できるものであること(大腸菌の陰性例で算定
されていた)。
34. グロブリンクラス別ウイルス抗体価精密測定は、同一のウイルスについてIgG型ウイルス
抗体価又はIgM型ウイルス抗体価の両者を行っても、いずれか一方のみの算定であること。
35. HCV核酸定量検査は、「C型肝炎」患者のインターフェロン療法の決定及び同療法の治療
経過の観察に用いた場合に限られること。
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36. 聴力検査について、標準純音聴力検査と簡易聴力検査(ウェーバー法)の同時併算定は認め
られない。また、セット検査とならないよう留意すること。
37. 初診時における眼科学的検査のセット検査は保険診療上適切ではないこと(なかでも精密眼
底検査は症状や屈折検査の結果等から必要と判断される者に限る)。
38. 検査について、外眼部疾患(霰粒腫)で精密眼圧検査が、手術後連日の施行例が認められた。
特に検査は画一的にならぬよう注意すること。
39. 臨床心理・神経心理検査において、点数評価のない検査(行動質問表)が認められた。また、
点数評価のあるものの“操作が容易なもの”と“操作が複雑なもの”との区別が間違ってい
るものも認められた。当該検査は、通知で示されたもののみが算定対象になるので注意する
こと。また、算定区分に間違いのないよう注意すること。
40. 初診時や診療経過中にいきなり耐糖能精密検査を行う場合には、その理由(健診後又は他医
師からの紹介等)を診療報酬明細書の摘要欄に記載することが望ましいこと。
41. 大腸ファイバースコピー検査の前後に施行した肛門鏡検査は算定対象とはしないこと。
42. 初診患者にいきなりCT撮影を行った場合(依頼患者を含む)には、レセプトの摘要欄に症
状・所見等の撮影理由をコメントすること。
(投薬・注射)
43. 薬剤の使用に当たっては、薬事法承認事項(効能・効果-適応症、用法・用量、使用上の注意
-特に禁忌)を遵守すること。また、規格・単位が複数ある薬剤については、保険経済の観
点からより安価な規格・単位の薬剤を選択すべきであること。なお、平成20年4月の“療
養担当規則”の改定で、後発医薬品の使用が努力義務として規定されたことに留意すること。
【不適切な事例】
(適応外使用)
・「急性肝炎」、「アレルギー性鼻炎」患者に強力ネオミノファーゲンシーの使用
・BMI35未満、肥満度70%未満の患者にサノレックス錠の使用
・「じんま疹」患者にリンデロン-VGクリームの使用
(禁忌例使用)
・「出血性胃潰瘍」患者にプリンペラン注射液の使用
・内視鏡的消化管止血術に際してガスチームの使用
・「消化性潰瘍」患者に対するアルディンカプセル、ピーエイ錠、ブルフェン錠等の消炎鎮痛
剤の使用
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(用量の過剰)
・点滴施行中のスプロールトローチ3錠の使用
(用法外使用)
・ペンタジン注射液の点滴静注での使用
・筋注用ペントシリンの静脈内投与
(重複使用)
・ニューキノロン系抗生剤(シフロキノン錠等)とブルフェン錠の併用
・クラビット点眼液とベストロン点眼用の併用
44. 慢性肝疾患に対するウルソ錠1日600mg以上の用量は、
「C型」慢性肝疾患に限られるこ
と。
45. ベシケア錠の適応症は、“過活動膀胱”における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁である
こと。
46. ビタミン剤の処方に当たっては、用量過剰とならぬよう注意すること。
47. インスリン注射(自己注射)とオイグルコン錠(SU剤)の併用は適切とは言えないので、
他の作用機序をもつ経口剤に変更すべきである。
48. 投薬期間に上限が設けられている薬剤を倍量処方することは認められない。また、処方せん
を発行した日において、同一患者に院内処方することは、緊急やむを得ない場合を除き認め
られないこと。
49. 保険経済の観点から、大規格単位の薬剤がある場合には小規格単位のものを複数用いるより
も安価となるため、処方時に考慮すべきである。
50. 院外処方せんは、患者又は患者の直接の看護者に対して、医師の対面診察に基づき交付しな
ければならないこと。また、交付に際しては、特定の薬局を指定してはならないこと。即ち、
電話での依頼で交付したり、訪問看護師に依頼して薬局で調剤を受け、それを持参させるよ
うなことは認められないので十分注意すること。
51. (編注:他院に)入院中の患者に対する院外処方せんの発行は原則認められないこと(真に
やむを得ない場合に限り、初回の1回数日間分にとどめること)。
52. 処方変更がないにもかかわらず、定時処方を7日分に限って週1回来院させることは、保険
経済の観点から適切とは言えないので、より効率的な診療を心掛けること。また、比較的来
院日数の多い患者(月10回以上)については、治療に支障をきたさない範囲において適切
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な受診頻度について指導すること。
53. 平成20年4月の「療養担当規則」の改定で“投薬及び注射を行うに当たっては、後発医薬
品の使用を考慮するよう努めなければならない”とされたことに留意すること。
54. 内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剝離術に際しての感染予防としての抗生物質注射剤2剤の併
用は画一的にならぬよう注意すること。また、内視鏡検査時のフロナーゼMSは、「胃内出
血」では禁忌となっているので注意すること。
55. 注射(静脈及び点滴)に際して、血管確保用等としてブドウ糖注射液が画一的に複数本使用
されている。幼小児等血管確保が真に困難な者に限ること。
56. プロゲデポーの用法で、注射間隔が5~6日と短すぎる事例が認められるので薬事法承認事
項を遵守すること。
57. 抗生物質の注射剤は、経口抗生剤が使用できない場合、又は経口抗生剤では治療効果が期待
できない場合等“療養担当規則”に沿って適性に使用すること。なお、経口抗生剤と併用す
る場合は、原則初回の1回にとどめること。
(リハビリテーション)
58. 疾患別リハビリテーションの適応は厳格に取り扱うこと。また、全ての患者の機能訓練の内
容の要点及び実施時刻(開始時刻と終了時刻)は診療録等に記載しておくこと。なお、評価
に要した時間は訓練時間には入れないこと。
59. 疾患別リハビリテーションは、専任医師の指導監督の下で行われるものであること。また、
疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、専任医師は定期的な機能検査等をもとに、
その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。なお、外科手術
後の患者は、FIM:115以下、BI:85以下の廃用症候群の患者を除き脳血管疾患等
リハビリテーションの対象とはならないこと。
60. 疾患別リハビリテーションにおけるそれぞれの標準的算定日数(従前は算定日数上限)を超
えた患者の取扱いは適正に行うこと。また、回復期リハビリテーション病棟入院料の算定対
象となる患者の“回復期リハビリテーションを要する状態”の判定は厳格に行うこと。なお、
当該病棟における専任医師(従前は専従医師)は、定期的な病棟回診の他、総合実施計画の
作成・評価、症例検討(カンファランス)等に積極的に参画するとともに、診療録等に記録
として残しておくこと。
61. リハビリテーション総合実施計画書は、その内容を患者に説明のうえ交付するものであるこ
と。
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(精神科専門療法)
62. 通院・在宅精神療法の算定基準(週1回、退院後4週以内の期間は週2回)を厳守すること。
なお、(編注:通院・在宅精神療法は)入院中の患者については算定対象とはならない。
63. 「心身症の疑い」では心身医学療法の適応とはならないので注意すること。
(処置)
64. 絆創膏固定術は、足関節捻挫又は膝関節靭帯損傷に限られること。
65. 皮膚科軟膏処置に際しては、診療録に図示する等処置範囲(部位)を明確にするとともに、
処置に使用した薬剤、使用量についても記載しておくこと。
66. 消炎鎮痛等処置で比較的来院日数の多い患者(月10回以上)については、治療に支障をき
たさない範囲において適切な受診頻度について指導すること。
67. ギプス処置(四肢ギプス包帯の「2」手指及び手、足(490点)と「3」半肢(780点)
の区別、ギプス包帯とギプスシーネの区別、ギプスシーネと副木固定の区別・・・副木固定
は創傷処置で取扱う、治療装具の採型ギプス等)の取り扱いは適正に行うこと。
(手術)
68. 手術料K002デブリードマンの取り扱いに不適切な事例が認められた。当該手術は、植皮
術等を前提に行う場合に適用されるものであり、K000創傷処理における汚染された挫創
に対するデブリードマン加算とは明確に区別すること。
69. 内視鏡的ポリープ・粘膜切除術(胃及び結腸)の早期悪性腫瘍粘膜切除術(粘膜下層剥離術
も含む)は、肉眼的に悪性が強く疑われても病理診断で悪性と診断されたもの以外は適用で
きないこと。
70. 輸血同意書は、輸血の反復の必要性が明らかである疾患の患者であっても月1回は交付する
ことが望ましい。なお、同意書の交付なくして輸血手技料の1回目の算定は認められないこ
と。
(麻酔)
71. マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔における“別に厚生労働大臣が定める麻酔
が困難な患者”の診断は適正に行うこと。
(入院)
72. 再入院患者に対する入院時検査(HBs抗原及びTPHA試験)は、原則として前回退院後
3ヵ月を目安として施行すること(なお、当該検査を入院中の患者に連月で施行した事例も
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認められた)。
73. 入院基本料加算における救急医療管理加算の対象となる重症患者の状態の判断、及び重症者
等療養環境特別加算の対象となる患者の指示は医師が行うとともに適正に取り扱うこと。
74. 精神科療養病棟の入院患者(統合失調症の患者に限る)に対して、非定型抗精神病薬を定時
処方している場合は、1月に1度、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する必要が
あること(なお、レセプトには、投与薬剤名を記載すること)。
75. 特別食は治療の一環であることを認識し、診断確定患者に対して提供すること。なお、栄養
食事指導の対象患者についても同様であること。
(その他)
76. 退院後介護老人保健施設に入所する患者については、退院時処方は行わないこと(薬剤料は
算定できない)。
77. 保険診療と自費診療とは明確に区別すること。即ち、保険診療においては、診療に係る一部
負担金を除いて他の自費徴収は特に通知で示されたもの以外は一切認められないこと。また、
自費診療においては、保険診療に係る一切の請求は認められないこと。なお、保険診療の診
療録と自費診療の診療録は区別すること。
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3.診療報酬請求に関する事項
(初診・再診)
1.診察料(初診料及び外来診療料)は、医師が対面診察を行いその結果を診療録に記載した場
合に算定すること。また、他科で診療継続中の患者に初診料が再算定された事例が認められ
たので、過去の受診歴や転帰を十分確認のうえ適正に算定すること。なお、入院当日の外来
診療料は入院基本料等に含まれ別に算定できないこと。
2.介護療養病床から一般病床に転床した患者については、転床月に初診料は算定できない。ま
た、各種検査に伴う検査判断料も算定できないこと。
3.初診即入院の場合は、入院レセプト1枚で請求すること。
4.健康診断で受診した日の初診料は別に算定できないこと。
5.再来院患者に対し、再び初診料を算定する場合は、前疾病の転帰が決定され終了年月日とと
もにその旨が診療録の傷病名欄に記載された場合に限られるが、特に前疾病の終診の日から
1月以内での転帰の決定は慎重に、かつ適正に行うこと。なお、明らかな慢性疾患について
は、診療中止後1月以上経過していても再診扱いであること。
6.診療中止後1月以上経過しても、明らかな慢性疾患の患者は再診料を算定すること(なお、
学校検診後の受診は、校医以外は初診料を算定して構わない)。
7.再診料は、医師が対面診察を行い、その結果を診療録に記載した場合に算定できるものであ
ること。また、外来管理加算は時間要件(概ね5分超)に該当した場合に算定すること。
8.外来管理加算は、処置、リハビリテーション等を行わず、計画的な医学管理を行い、併せて
時間要件を満たす旨が診療録に記載されていることを確認して算定すること(消炎鎮痛等処
置が行われているのに外来管理加算で算定されている事例が認められた)。
9.医師の指示による同一日の2回目以降の診療は、同日再診料の算定対象とはしないこと。
10. ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌後検査に再来院した患者に初診料を算定することは適切で
はない。再診扱いであること。
11. 電話再診料は、患者の病状の変化に応じ療養について医師の指示が必要な場合において、治
療上の意見の求めに対し、治療上必要な指示を行った場合に算定できるものであり、検査結
果の報告では算定できないこと。
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12. 時間外加算及び休日加算は、その時間に来院した事実及び緊急性に関する事項が診療録に記
載されている場合に算定すること。
13. 週日(月~金曜日)の時間外加算の対象となる時間は、概ね午前8時前と午後6時以降であ
ること。
14. 夜間・早朝等加算の算定時には、診療録に受付時刻を記載しておくこと。
(医学管理等)
15. 特定疾患療養管理料やウイルス疾患指導料等の各種医学管理料は、診療録に管理内容や指導
内容が記載されていることを確認のうえ算定すること。
16. 特定疾患療養管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾患を「主病」として、現に治療を行っ
ている患者に対して、その管理内容の要点が診療録に記載されていることを確認して算定す
ること。
17. 特定薬剤治療管理料は、測定した薬剤名及び測定値、並びに測定値に基づく治療計画の要点
が診療録に記載された場合に請求できるものであること。なお、当該管理料を算定した日に
は、その他の検査が行われていても採血料は別に算定できないこと。
18. 悪性腫瘍特異物質治療管理料は、腫瘍マーカーの測定結果に基づいた治療計画の要点を診療
録に記載した場合に算定できるものであること。また、当該治療管理料には血液採取料が含
まれているため、当該管理料を算定した日においては他に検体検査を行っても別に算定でき
ないこと。
19. 悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定した患者に対して、生化学的検査(Ⅱ)判断料が算定でき
る腫瘍マーカー検査は、急性及び慢性膵炎に対するエラスターゼ1精密、肝硬変・慢性B型
又はC型肝炎に対するAFP又はPIVKAⅡ精密、子宮内膜症に対するCA125精密、
CA130精密又はCA602精密、及び家族性大腸腺腫症に対するCEA精密に限られる
こと。
20. 手術前医学管理料を算定した同一月に心電図検査を算定した場合には、算定の期日にかかわ
らず、所定点数の100分の90で算定すること。
21. 手術前医学管理料算定月においては、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料及び
免疫学的検査判断料は算定できないこと。
22. 外来で術前検査を行い、その検査料を算定した患者については、入院での手術前医学管理料
は算定しないこと。
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23. 手術後医学管理料を算定した同一月には、尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料及び
生化学的検査(Ⅰ)判断料は算定できないこと。特に外来での検査時に注意すること。なお、
手術を行った日は当該医学管理料の算定対象とはならない。
24. 退院前訪問指導料は、指導の実施日にかかわらず退院日に算定すること。
25. 診療情報提供料(Ⅰ)を請求する場合には、レセプトに交付日を記載すること。なお、紹介
先も記載することが望ましい。
26. 診療情報提供料(Ⅰ)は、紹介された患者に係る返事や治療経過の報告のみでは算定対象と
はならないので文書の内容を十分確認のうえ算定すること。また、訪問看護に係る経過報告
も算定対象とはならない。
27. 他保険医療機関への受診を伴わない診療情報提供書は、診療情報提供料(Ⅰ)の算定対象と
はならないこと。また、他保険医療機関に入院中の患者に係る診療情報提供書も同様である
こと(ただし、特殊な検査又は画像診断の依頼で、その結果報告に係るものは除く)。
28. 診療情報提供料(Ⅰ)は、同一保険医療機関に対しては月 1 回に限り算定すること。
29. 療養費同意書交付料は、医師が療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対して、
同意書を交付した場合に算定できること(鍼灸師からの依頼で算定されたものが認められた)。
(在宅医療)
30. 往診料における緊急往診加算は、診療に従事している時間であって、午前8時から午後1時
までの間で速やかに往診しなければならないと判断して往診した場合に算定できるものであ
ること。
31. 訪問診療は、在宅で療養を行っている患者に対して定期的に訪問して診療を行った場合の評
価であること。患家の求めに応じて患家に赴いて診療した場合は往診となること。
32. 各種在宅療養指導管理料(在宅自己注射・在宅持続陽圧呼吸療法等)は、当該在宅療養を指
示した根拠、指示事項及び指導内容の要点が診療録に記載されていることを確認して算定す
ること。また、在宅自己注射指導管理料における血糖自己測定器加算は、血糖の測定回数に
より点数が異なるので注意するとともに、測定された血糖の結果は診療録に貼付しておくこ
と。なお、「医科点数表の解釈」C150の血糖自己測定器加算の4~6は、Ⅰ型糖尿病の
患者に限られること(「医科点数表の解釈」平成20年4月版P257~258参照)。
33. 在宅自己注射指導管理料における血糖自己測定器加算は、患者が測定した毎月の血糖測定回
数に応じて所定点数を算定すること。なお、院外処方でインスリン製剤を処方した場合には、
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レセプトの摘要欄に薬剤名と1日の使用単位数及び支給日数を記載すること。
34. 在宅自己注射指導管理料における血糖自己測定器加算は、患者が測定した血糖値のデータを
診療録に添付するとともに、毎月の測定回数を確認したうえで所定点数を算定すること。
(検査・画像診断)
35. 時間外緊急院内検査加算及び時間外緊急院内画像診断加算は、入院患者には算定できないこ
と。即ち、外来で施行して、その結果により入院となった場合は算定できるが、入院後に結
果が出た場合は算定できない。
36. 検査料が包括される入院料(特定入院基本料、療養病棟入院基本料及び回復期リハ病棟入院
料等)を算定した患者が同一月に一般病棟等出来高算定病棟に転棟した場合は、全ての検査
判断料は算定できないので注意すること。また、手術後医学管理料を算定した患者ついては、
同一月において尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料及び生化学的検査(Ⅰ)判断料
は別に算定できないこと(特に、入院前の外来レセプトでの算定に注意する)。
37. 外来迅速検体検査加算は、実施した検体検査であって、別に厚生労働大臣が定める検査の全
ての結果について、検査当日のうちに文書で説明した場合に算定すること(一部に外注で当
日に説明できない事例にも算定されていた)。なお、当該加算と時間外緊急院内検査加算は
同時に算定できないので注意すること。
38. 尿沈渣顕微鏡検査は、尿一般検査で何らかの所見が認められ、又は診察の結果からその実施
が必要と認められて実施した場合に算定できるものであること。また、同一検体について尿
中細菌顕微鏡検査と併せて行った場合は、主たるもののみを算定すること。なお、尿蛋白定
量を、定性検査で蛋白陽性ということのみで画一的に算定することは認められない。疾病の
診断又は治療経過の観察として行った場合に限ること。
39. 尿沈渣顕微鏡検査は、自院で行った場合又は外注の場合は検査結果が4時間以内に報告され
た場合に請求すること。
40. 総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールを併せて測定した場合
は、主たるもの2つの所定点数を算定すること。また、平成20年4月の診療報酬改定で、
蛋白分画は生化学的検査(Ⅰ)の“まるめ”算定項目となったので注意すること。
41. クレアチニン試験紙法(尿)の検査料は、生化(Ⅰ)のまるめ項目として取り扱うこと(尿・
糞便等検査判断料は別に算定できる)。
42. クレアチニンクリアランステストを腎クリアランステスト(150点)として算定すること
は認められないこと(クレアチニンクリアランスの点数は設定されていない)。
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43. 血液化学検査の「リパーゼ」は、今回(平成20年)の改定で“まるめ項目”となったので
請求に当たっては注意すること。
44. 膣分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)は、破水の診断のために妊
娠満22週以上37週未満の者を対象として行った場合に算定できるものであること。
45. 旧点数のTIBC及びUIBC(各々11点で請求)は、平成20年4月以降は削除された
ので請求できないこと。
46. 内分泌学的検査(「医科点数表の解釈」D008の9~20に掲げる検査)が3項目以上同
時に行われた場合は包括での算定となること(P290~293参照)。
47. 内分泌学的検査は、包括の範囲が平成20年4月の点数改定で変更になっているので注意す
ること(GHが包括項目となった)。
48. BNP精密測定は、心不全の診断及び病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定で
きるものであること。
49. エリスロポエチン精密測定は、赤血球増加症の鑑別診断及び重度の慢性腎不全患者又はエリ
スロポエチン若しくはダルベポエチン投与前の透析患者における腎性貧血の診断のために行
った場合に算定できるものであること。
50. 悪性腫瘍特異物質治療管理料とは別に算定できる腫瘍マーカーは、項目が限られているので
注意すること(「医科点数表の解釈」平成20年4月版 P296~297参照)。
51. 腫瘍マーカーの検査料は、同一月に複数回行っても 1 回としてまとめて請求すること。
52. グロブリンクラス別ウイルス抗体価精密測定を行った場合は、2項目を限度に算定できるも
のであること。
53. 結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロン-γ測定と結核菌群核酸増幅同定検査を併せて
行った場合は、主たるもので算定すること。
54. 同一検体について、一般細菌と結核菌の細菌顕微鏡検査を行った場合は、併せて1回として
請求すること。
55. 細菌薬剤感受性検査料を、細菌培養同定検査を行った翌月に請求する場合は、微生物学的検
査判断料は別に算定できないこと。
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56. マイコバクテリウムアビウム・イントラセルラー核酸同定検査は、他の検査で結核菌が陰性
であることが確認された場合にのみ算定できること(結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフ
ェロン-γ測定と同時に算定されている事例が見られた)。
57. 超音波検査(断層撮影法)の“胸腹部”と“その他”を同時に施行した場合は、部位数にか
かわらず主たるもののみを算定すること。また、同一月のうち異なる日に行った場合は2回
目以降は所定点数の100分の90で算定すること。
58. 腹部の超音波検査(断層撮影法)は、350点ではなく530点を適用できる。
59. 頚動脈の超音波検査(断層撮影法)におけるパルスドプラ法加算は、明らかな狭窄所見が認
められた場合にのみ算定すること。
60. ノンストレステストの算定には十分注意すること(医科点数表の解釈P329を参照)。特
に、切迫早産の場合は妊娠30週未満の患者に限定されていることに注意すること(妊娠3
4週の患者に算定された事例が認められた)。
61. 呼吸心拍監視の検査料は、医師が観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結
果の要点を診療録に記載した場合に算定できるものであること。
62. 眼底三次元画像解析の検査に際してのインスタントフィルムの請求は認められないこと。
63. 眼底三次元画像解析と眼底カメラ撮影(通常の方法の場合)が併せて算定された事例が認め
られたので注意すること。
64. 常用負荷試験(耐糖能精密検査も同じ)には、血液採取料が含まれるため、同一日に例え他
に検査のための採血を行っても血液採取料は別に算定できないこと。
65. 内視鏡検査又は内視鏡的手術、並びに胃・注腸透視の前処置薬及び検査薬の薬剤料は、投薬
日にかかわらず全て合算して検査又は手術、並びに画像診断の項で請求すること。
66. 内視鏡フィルム代(現像料及び郵送料を含む)は、実費相当額を10円で除して得た点数で
算定すること。
67. 内視鏡検査におけるフィルム代は、購入価格で請求すること。なお、購入価格については随
時見直しを行いその都度ソフトを改めること。
68. 細胞診検査(婦人科材料)に際して、画一的に子宮頚管粘液採取料が請求されている。症状・
所見から必要と判断される場合に頚管スメアを採取すること。
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69. 画像診断管理加算1は、画像診断を専ら担当するとして届けられた常勤の医師が読影した場
合に算定できるものであること。従って、遠隔画像診断では算定しないこと。
(投薬)
70. 内服薬を7種類以上処方した場合の薬剤料及び処方料の算定は適正に行うこと(薬剤料は、
所定点数の100分の90に相当する点数を、又処方料は29点を算定する)。
71. 内服薬を7種類以上処方した場合の薬剤料は、所定点数の90/100の算定となるが、加え
て臨時薬が処方された場合は臨時薬についても90/100の減算対象となること。
72. 投薬日数及び服用時点がともに同じ内服薬は、例え薬効が異なっていても又何種類あっても
1剤としてまとめて算定すること。
73. 内服薬と頓服薬とは明確に区別して請求すること。
74. 処方せん料における長期投薬加算は、(編注:厚生労働大臣が定める特定疾患が主病である
患者に対して)厚生労働大臣が定める特定疾患に適応症を有する薬剤を1回に28日間分以
上処方した場合に算定できるものであること。
75. 難病外来指導管理料を算定した患者については、特定疾患処方管理加算又は長期投薬加算は
算定できないこと。
76. 院外処方せんを発行した月においては、院内で投薬を行っても調剤技術基本料は算定できな
いこと。
77. 同一月に処方せんの交付がある場合は、入院においても調剤技術基本料は算定できないこと。
78. 同一診療日に同一患者に対して院外処方と院内処方がある場合は、その理由を付記したうえ
で処方せん料と院内処方に係る薬剤料のみを算定すること。従って、院内処方に係る調剤料
及び処方料は算定しないこと。
79. ミドリンP点眼液の用量は、片眼0.2ml、両眼0.4mlで請求すること。
(注射)
80. 精密持続点滴注射加算は、1時間に30ml以下の速度で体内又は注射回路に特定の薬剤を
注入した場合に限り算定できるものであること。従って、特定の薬剤を輸液ポンプを用いて
注入したと言うだけでは算定できないこと。
81. 外来化学療法加算は、抗悪性腫瘍剤の注射を行った日に限り算定できるものであること(単
に、外来化学療法室で注射を行ったのみでは算定対象とはならない)。また、無菌製剤処理
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料1(悪性腫瘍に対して用いる注射剤を注射する場合)と無菌製剤処理料2の区別を正確に
行うこと。
82. 点滴注射の実施料(手技料)は、“1日につき”の算定であること。外来と入院で同一日に
2回算定した事例が認められた。
83. 点滴注射に際して側管注射した薬剤は、点滴注射の薬剤と合算して請求すること。
(リハビリテーション)
84. リハビリテーション料の請求に当たっては、1日毎の実施単位数の総計で請求すること。
85. 疾患別リハビリテーション料を請求する場合は、レセプトの摘要欄に対象疾患名、発症日、
手術日又は急性増悪日も記載すること(実施日数のみの記載にとどまっている)。
(精神科専門療法)
86. 入院精神療法の算定に当たっては、当該療法の内容の要点が診療録に記載されていることを
十分確認のうえ算定すること。なお、通院・在宅精神療法料も同様であること。
(処置)
87. 創傷処置のうち100cm²未満の処置 (45点)は、入院中の患者は算定できないこと。な
お、術後創傷処置であればその旨を明記すること。
88. 創傷に対する非外科的処置(テープ等によるもの)は、創傷処理ではなく創傷処置で算定す
ること。
89. シーネ固定を行った場合や足関節捻挫又は膝関節靭帯損傷以外でテーピング等を行った場合
は、その範囲に応じて創傷処置を算定すること。
90. 間歇的陽圧吸入法は、気管支喘息等の気道狭窄症状を呈する患者が適応であること。また、
ネブライザー(12点)は、副鼻腔内陰加圧ネブライザー、喉頭及び喉頭下ネブライザー及
び鼻腔ネブライザーを行った場合に算定できるものであり、吸入とは区別すること。
91. 人工腎臓は、行われた時間に基づき正確に算定すること(5時間未満の施行例が5時間以上
で算定されたものが認められた)。また、障害者加算に関しては適切に算定すること。
92. いぼ焼灼法等の“3箇所以下”と“4箇所以上”との区別は、個数ではなく部位数で判断す
ること。
93. 導尿(尿道拡張を要するもの)は、尿道の狭窄がないケースでは算定できないこと(基本診
療料に含まれる)。特に、女性の場合に注意すること。
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94. 間歇的導尿は、脊椎損傷の急性期、骨盤内手術後の尿閉の患者に対し、排尿障害の回復の見
込みのある場合に行うもので、6月間を限度として算定できるものであること。
95. 睫毛抜去の「1」少数の場合(25点)と「2」多数の場合(45点)の区別を正確に行う
こと。即ち、5~6本の睫毛抜去は、「1」を算定する。
96. ネブライザー(12点)は、耳鼻咽喉科処置であるので、吸入に際しては薬剤料のみを算定
すること。
(手術)
97. 手術当日の酸素吸入に係る酸素加算は算定できないこと(酸素吸入の処置料とともに手術料
に含まれる)。
98. 手術当日に、手術に関連して行う注射の手技料は、術前、術後にかかわらず算定できないこ
と。
99. 創傷処理は、切、刺、割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行った場合に算定できる
ものであること。また、創傷処理におけるデブリードマン加算は、汚染された挫創に対して
ブラッシング等を行った場合に算定できるものであること。
100. 肛門部スキンタグの局麻下切除術は、K000創傷処理の4(470点)に準じること。
101. 外耳道異物除去術の算定に際しては、異物の種類を注記することが望ましいこと。
102. 骨移植術の「3」同種骨移植(非生体)9,900点は、自家骨又は同種骨移植に加え人工
骨の移植を行った場合に算定できるものであり、人工骨のみの移植では適用できないので注
意すること(人工骨のみの移植は、材料代のみで骨移植術は算定できない)。
103. 内視鏡的大腸ポリープ切除後の1週間以内での止血術は内視鏡検査として算定すること。
104. 輸血料は、同意書を交付した場合が1回目の450点の算定となること (月の初回の輸血日
に算定されていた)。
(入院)
105. 入院診療計画書の患者等への説明・交付、並びにその写しの診療録への貼付は、院内感染防
止対策、医療安全管理体制及び褥瘡対策とともに入院基本料の算定要件であること。
106. 一般病棟から包括病棟(亜急性期又は回復期リハ病棟)へ転棟した患者の投薬料の算定に誤
りが認められたので注意すること(投薬料、注射料、検査料等は、一般病棟の入院期間に限
られる)。
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107. 療養病棟における医療区分3の“医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施して
いる状態”を適用する場合は、医師の毎日の診察と呼吸心拍監視の観察記録が必要であるの
でその適用は適切に行うこと。
108. 療養病棟(介護を含む)から一般病棟に転棟した患者については、当該月は調剤技術基本料
及び全ての検査判断料は算定できないこと。なお、退院した同一月の外来受診についても同
様である。
109. 検査料が包括されている入院料(回復期リハビリテーション病棟入院料、亜急性期入院医療
管理料等)を算定した患者については、同一月に一般病棟等出来高算定病棟に転棟した場合
は、全ての検査判断料は算定できないこと。また、手術前医学管理料及び手術後医学管理料
を算定した患者については、同一月の外来においても尿・糞便等検査判断料、血液学的検査
判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料及び免疫学的検査判断料は算定できないので、外来レセ
プトと入院レセプトとの突合を怠らないこと。
110. 「パーキンソン症候群」は、難病患者等入院診療加算の対象疾患とはならないこと。
111. 入院基本料加算における医療安全対策加算(入院初日)は、入院起算日が変わらない再入院
の場合は算定できないこと。
112. 後期高齢者退院調整加算は、一般病棟において後期高齢者特定入院基本料を算定している患
者は算定対象とはならない。即ち、退院支援計画作成加算を算定した患者が当該退院支援計
画に基づく退院調整により退院した場合は退院加算(100点)を算定することとなる。
113. 回復期リハビリテーション病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない
場合は、当該病棟が一般病棟である場合は特別入院基本料を適用すること。
114. 入院中の患者の死亡後の薬剤料は請求できないこと。
(特定保険医療材料)
115. 気管内チューブ等体内に留置するカテーテル・チューブ類は、24時間以上体内留置した場
合に算定できるものであること。従って、請求する場合は、留置した時刻及び抜去した時刻
の記録が看護記録等で必要となる。なお、気管内チューブについて24時間未満で算定でき
る場合は、挿管後24時間を経過しないうちに死亡した場合であること。
116. プラスチックカニューレ型静脈内留置針は、成人の場合はおおむね24時間以上にわたって
経皮的静脈確保を必要とする場合又はショック状態もしくはショック状態に陥る危険性のあ
る場合に算定できるものであること。
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117. 特定保険医療材料は、薬事法上承認又は認証された使用目的以外に用いた場合には算定でき
ないこと。
(その他)
118. 健診後の精査等で受診した患者については、その旨をレセプトの摘要欄に記載すること。
119. 公費負担部分の薬剤料及び検査料を請求する場合の公費部分は、レセプトの摘要欄にその旨
を明示すること。
120. レセプト請求に際しての診療実日数の取り扱いは適正に行うこと。即ち、医師が診療を行っ
ていない場合はカウントしないこと。
121. 特別養護老人ホームの入所者に係るレセプトには、(施)の表示を行うこと。
122. 特別養護老人ホームの職員が行った医療行為については、診療報酬を算定できないこと。
123. 通所リハビリテーションの時間帯に施行された診療行為は、急変時を除き、通所リハビリテ
ーションの費用に含まれるものであること。
124. 妊婦健診以外での同日の自費診療と保険診療の併用は認められないこと(不妊健診で自費と
保険診療の再診料(外来管理加算を含む)の同日算定が認められた)。
125. 職員の勤務時間内での受診について夜間・早朝等加算を算定するのは適切ではないので今後
配慮願いたい。
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4.その他の事項
1.職員の保険診療に当たっては、常に節度をもって取り扱うとともに、他の患者と同様に医師
の対面診察を行い、診療録の記載を充実させること。また同様に、一部負担金も受診の都度
徴収すること。なお、医師の自己診療は保険給付の対象とはならないので念のため。
2.受付での受給資格の確認は、原則患者の受診の都度行うこと。
3.医師(非常勤を含む)の異動及び各種届出事項に変更がある場合には、その都度速やかに当
事務局保険課医療係に届け出ること。なお、平成20年10月1日から九州厚生局へ組織が
変更されるため、今後は、九州厚生局熊本事務所長宛に届け出ること。
4.保険医等(非常勤を含む)の異動届出については、当該届出事項に変更(常勤⇔非常勤等)
がある場合にも、その都度速やかに当事務所に届け出ること。
5.平成20年3月5日厚生労働省告示第62号及び第63号に基づく施設基準に該当するもの
として九州厚生局長に届け出た施設基準について、届出後において当該届出と異なる事情が
生じた場合には、速やかに届出の内容の変更を行わなければならないこと(電子化加算につ
いて平成20年4月1日からそれぞれ当該基準を満たさなくなったとして当該辞退の届出を
要したにもかかわらず未届けであった)。
6. ペンレスの保険適応外使用分を自費徴収している事例が認められた。このような保険外使用
の薬剤やその他材料費等を別途保険外徴収することは認められないこと。
7. 大腸内視鏡検査等に際して施用する穴あきパンツの費用については、「療養の給付と直接関
係ないサービス等といえないもの」(平20.5.8通知、点数表の解釈(平成20年4月版)
P838~P840参照)に属するため、患者からは徴収できないこと。
8. 療養の給付と直接関係のないサービス等(平成20.5.8通知「点数表の解釈」
(平成20年
4月版:P838~840参照)の取扱いについては、院内の見やすい場所、例えば受付窓
口、待合室等に当該費用徴収に係るサービス等の内容及び料金について患者にとって分かり
やすく掲示すること。
9. 看護師等の配置等に係る兼務者(病棟と褥瘡対策専任との兼務等)の時間比例計算は適切に
行うこと。
10. 領収証に保険外負担欄がないので様式を改めること。
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