支援を必要とする子どもたちのための サポートブックⅡ 集団不適応を起こす子どもたちへの理解と支援 堺 市 教 育 委 員 会 はじめに 平成 19 年 4 月「学校教育法等の一部を改正する法律」の施行より、特別支援教育 がスタートします。平成 15 年 3 月、「今後の特別支援教育の在り方について(最終報 告)」が示され、従来の特殊教育(養護教育)の対象の障害だけでなく、LD、ADHD、 高機能自閉症等を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一 人の教育的ニーズを把握してその持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克 服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うことが求められました。 本市におきましても、特別支援教育推進のため、各学校に校内委員会を設置し、児 童生徒の実態把握や指導への支援策の具体化、教職員と保護者の共通理解、関係機関 との連携を進めております。加えて、特別支援教育のための支援策としまして、養護 学級(特別支援学級)の充実のため、児童生徒の状況に応じた養護学級(特別支援学級) 設置を行い、一人一人の障害に応じたきめ細かい指導に努めております。また通常の 学級に在籍する配慮を要する児童生徒に対する取組としまして、発達障害児等巡回相 談事業、専門家チーム設置事業を実施し、校内体制の支援や専門的な指導・助言等に より、個に応じた支援の充実を図っております。しかし、担任が「どうしたらいいの か」対応に苦慮することも多いのが現状です。 どの学級にも「学習への参加が難しい」「友だちとのトラブルが多い」など、気に なる子どもが何人かいます。そのような子どもたちの理解、安心できる居場所をつく るための指導・対応の工夫等、日頃の指導の中で担任がすぐ取り組めそうなヒントを 本冊子に紹介しております。 本冊子は、高機能自閉症、アスペルガー症候群を含む自閉的傾向のある児童生徒に 焦点をあてて作成しております。子どもの実態や背景によって、対応は様々ですが、 支援の手がかりとして活用していただければと考えています。 各学校において、指導や研修に活用していただき、特別な支援を必要とする児童生 徒だけでなく、すべての児童生徒の指導支援の充実につなげていただきたいと考えて います。 平成 19 年 4 月 堺 市 教 育 委 員 会 学校教育部長 石井雅彦 1. 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)障害とは P1 2. 困っている子ども像と認知の特性 P2 3. 広汎性発達障害の子どもたちへの対応の仕方 ・基本的原則にそった対応 ・具体的な対応 P6 P6 P6 4. 指導・支援の具体例 (1)学級集団をまとめるために (2)集団行動に困難を示す子どものために (3)学習に困難を示す子どものために (4)小集団による支援の工夫・アイデア P9 P9 P15 P21 P25 5. 中学校における進路を念頭においた指導 P30 6. 保護者との連携 P32 7.資料 P34 1.広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)とは 広汎性発達障害の人は、おもに対人関係をうまく取れ なかったり、状況が理解できないことなどから、社会生活 においてさまざまな困難を生じてしまいがちです。自閉 症、アスペルガー障害などがこれに含まれます。 行動の特徴から 捉えた自閉症 コミュニケー ションの障害 社会性の障害 自閉症やアスペルガー障害は、現在では約 100 人に1人の割合で、その約8 割は知的障害をとも なっていないと言われています。医療現場にお いて、医学的な診断基準によって診断されます。 そのような医学的な診断基準のもととなっている 3つの特徴があります。 知的障害をともなっている場合があった り、あるいは、ADHD や LD の特徴が見ら れる場合もあります。そのために、どこ からどこまでと明確には区別ができない という意味で自閉症スペクトラム障害 と呼ばれることもあります。 自閉症 反復的で常同的 な興味・行動 「3つの特徴はひとりの人に同時に見られる傾向があります」 実はこれらの3つの特徴を生じさせていると考えられる基盤があります。そのような基盤と しての「心理学的な特徴」によって、現実場面では行動面での特徴が生じてくるのだと考え てもよいでしょう。支援は、これらの「心理学的な特徴」に対してして行うことになります。 【自閉症の「心理学的な特徴」を大別にすると・・・】 知識を現実の状況に当ては めて捉える力と関連して 計画を立てて実行したり、視点を 変えて計画を見直したりする力と 関連して 他人の考えや感情を概念と して理解する力と関連して 感覚の感じ方と 関連して 1 2.困 っ て い る 子 ど も 像 特徴ある行動にはわけがあります! と 認 知 の特 性 行動の背景にある心理学的な特徴 を考えましょう! 行 動 ことばの独特な使い方(特別な 意味を持たせる)をするので、話 がかみ合わないことがある。 同じ話を繰り返して 言ったり、一方通 行になったりで、会 話がすすまない。 面 の 特 徴 話が回りくどいことが ある。 話がとぶことがある。 たくさんしゃべるのに、 言われたことは理解し ていないことがある。 学習中、集会、場面にかかわらず質問を する。先生の発言にとっさに反応する。 どうしてなの? 知識を現実の状況に当てはめて捉える力 心理学的な特徴 私たちは、生活のなかで、その場で目や耳に入ってくる情報やこれまでの関係する情 報を探し出して、それらを統合し、まとめることで意味付けることをしています。そのた め、たいていの場合は自分が今どういう状況にいるのかを理解でき、それに合わせて 適切に振るまおうとします。 ところが、自閉症児は目や耳に入ってくる情報やこれまで手に入れた情報のひとつ ひとつを別個に捉えたり、別々に応じていこうとしがちです。そのために、状況の全体 的な意味把握ができなかったり、一部の情報で反応したり、行動したりしてしまうことが あります。状況の中の一部の情報や刺激に対して行動してしまった場合、状況にそぐ わない振るまいになることも考えられるのです。このことは、人と話すときに、状況から そこでのテーマを捉えることが難しくて、話題について何を取り上げて話せばよいのか がわからずに、つい知っていることを全部話してしまい、話が回りくどくなったり、話がと んだりすることにもなります。 2 行 動 虫に夢中になったり、キャラ 面 クターに凝ってコレクションを したりする。 の 年齢のわりにとても難しいことを知 っている。 特 徴 何かひとつのことにとても詳しい。 心理学的な特徴 どうしてなの? 前のページに書いたように、情報をまとめることは苦手ですが、別個のままでその どれかに目を向けることは、得意です。結果として、あることがらについてひいでた 能力を発揮することにもなります。また、その事に没頭して、凝ったり、夢中になった りします。 慣用的な表現を読んで字 行 動 のごとくにそのままに理解 してしまう。 暗黙の了解がわかっていない。 ・・・・・ 面 ・・・ の 特 徴 プライバシーゾーンに入ってきて人 思ったことをそのまま、 相手の言うことには に嫌がられる。 口に出してしまう。 配慮せず、自分の都 合ばかり言う。 他人の考えや感情を概念と して理解する力 どうしてなの? 心理学的な特徴 私たちは相手が言ったことと思っていることとはしばしば違うということを知っていま す。相手は自分と違った考えや思いを持つことが理解でき、それを推測することもで きます。いわゆる「以心伝心」はそのような状態で期待されます。しかし、自閉症児は このような状態へ対応することがとても苦手であったり、できなかったりします。同様 に慣用的な表現が理解できないこともあります。「行間の意味を読む」ことや「暗黙の 了解」を理解することが苦手であったり、できなかったりします。 3 行 動 面 段取りがわからない時、動かなくなったり、 の パニックを起こしたりする。 特 徴 突然別のことをしたがる。 やることの優先順位がつけられない。 行動の計画を立てるのが苦手。 計画を立てて実行したり、視点を 変えて計画を見直したりする力 どうしてなの? 心 理 私たちは、何かやり遂げるべき目標(目的)があると、その達成に向けて、段取りを追って、取 り組むことができます。例えば、料理の途中で宅急便が届いても、一旦火をとめて、はんこを押し、 品物を受け取ったら、中断していた料理をまた続けて行なうことができます。受け取る情報をその 学 的 ままではなく、全体の状況を見渡して比較検討し、今どう行動すればよいのか、どのように行動の 計画を立てればよいのかを考え、行動に移すことができるのです。そのために、私たちは2つの な ことを同時進行でこなしたり、その優先順位をつけてやり遂げていくことができます。自閉症児 は、気になることや他の刺激があると、今やっていることを途中でやめて、気になることへ行動を 特 徴 移してしまうことがあります。到達すべき目標への注意がそれてしまったり、衝動的に気になるこ とを移してしまったりするのです。そのために、教室内がざわついていると、席を立ったり、あるい は「うるさい!」ととっさに文句を言ったりしてしまうこともあります。そのような場合には、落ち着き がないとみられてしまうこともあります。 4 急に触られると 警報機の音、運動会のピ 嫌がる。 行 動 ストルの音でパニックを おこす。 白いご飯しか食 面 べない。好き嫌 いが多い。 の 特 徴 大きな声をかけら キラキラ光るものが好き れたり、注意され だったり、臭いをよくかい ると、耳をふさい だりする。 だりしてしまう。 感覚の感じ方 どうしてなの? 心 理 学 的 な 特 徴 翻訳家であり自閉症者でもあるニキ・リンコさんは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩を「雨は 痛いけれども、負けたらいけないんだ」と理解していたと書いています。同じように、扇風機の風 が痛い、ご飯の味で米を研ぐ回数の違いがわかるなど、感覚器官の過敏な面をあげています。 あるいは、感覚器官が鈍感で、寒い日でも薄着でいたり、血の出る切り傷でも平気でいたりするこ ともあります。コロラド州立大学の準教授のテンプル・グランディンさんは、「・・・まるで万華鏡の 世界に身を置き、同時に雑音でガーガー鳴っているラジオを聴こうとしているようなものであ る・・・その上、音量スイッチが壊れていて、突如、音が雑音とともに大きくなったり、聞こえなくなっ たりする・・・」と書いています。 このような感覚処理でみられる過敏性や鈍感性のほかに、視覚から入れる刺激と聴覚から入 れる刺激の両方を同時に処理することが難しいというように、2つのことを同時に処理することが 苦手であったり、できなかったりすることもあります。あるいは、二人の人が同時にしゃべっている 時、片方を意識外に押し出して、一方に集中することも難しいことがあります。 このような自閉症児の感覚処理の特異性については、まわりの理解が得にくく、集団生活など でストレスを多くためている場合もあります。例えば、感覚受容に過敏性がみられるときは、刺激 に慣れさせるよりも、刺激を緩和する方向での環境設定が望まれます。 参考文献 「DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引き」アメリカ精神医学会、2000 年、医学書院 「自閉症の謎を解き明かす」、ウタ・フリス(著)、冨田真紀・清水康夫(訳)、1991 年、東京書籍 「アスペルガー症候群と高機能自閉症の理解とサポート」、杉山登志郎(著)、2004 年、学研 5 3.広汎性発達障害の子どもたちへの対応の仕方 基本的原則に沿った対応 (1) 構造化(分かりやすい環境づくり) スケジュールを視覚化するなど、手順が見て分かる視覚支援が有効です。それだけではなく、手順 が明らかになっている、仕組みがよく分かっているなど、理解しやすいということも分かりやすい環境 づくりに含まれます。 (2) 目的を明確にする 広汎性発達障害の子どもたちに接していくとき、こちらの意図や彼らにどんな風に行動してほしいの かということを、明確に提示して対応することが大切です。彼らは、雰囲気を読んだり、状況を判断した りすることに困難があるので、よく分かるように直接的な表現などを使いながら対応することが大切で す。 (3) 広汎性発達障害の特性に寄り添う(共感的に伝える) 広汎性発達障害の子どもたちが見せる一見特異な行動も、広汎性発達障害の特性を理解すれば 「あっなるほど!」と、納得できます。パニックになっている子どもがいれば、なぜパニックになっている のだろうと、広汎性発達障害の特性から考えてみることも大切です。 (4) 否定的な対応をしない(ポジティブシンキング) 広汎性発達障害の子どもたちは二元論的な考え方の世界でくらしています。つまり肯定されるか否 定されるかという二者択一の価値観に基づいて判断しています。そして、否定的だと判断したときに、 いわゆるパニックになります。だから、広汎性発達障害の子どもが「否定」と感じるような表現や対応を しないということが大切です。 (5) 連携を大切にする(専門機関との対応) 広汎性発達障害の子どもたちへの対応は、障害の重い子どもも軽い子どもも同じで、周囲の理解が 必要になります。そのために、保護者と学校がそれぞれの情報を交流し合うことが重要です。また、専 門機関の適切なアドバイスや支援も重要になってきます。広汎性発達障害の子どもたちを取り巻く周 囲が手をつなぐことで、彼らは成長し、生きやすくなります。 具体的な対応 (1) 分かりやすい環境づくり ①1日のスケジュールを提示する ・ 黒板の隅に時間割と場所や簡単な内容を提示しておく。変更は赤で書くなど、ルールを決めて おく。 ・ 1時間の学習の進め方を小黒板で提示する。 〈例〉漢字小テスト → 本読み → プリント → 答え合わせ(話し合い) → 感想 ・ 行事があるときなどは、1週間のスケジュールを提示するのもよい。 6 ・ 終わりの時刻や何をすると終わりかを明確に伝える。(タイムタイマーなどの利用) ②教室掲示はシンプルに! はっきりと! ・ 掲示物はできるだけ後方へもっていき、黒板に集中できるようにする。 ・ 教室の棚には無地のカーテンをつけて、中の物が見えないようにする。 ・ 透明ガラスには目の高さに紙を貼って、外が見えないようにする。 ・ においや音などへの過敏性に対しては、静かな環境づくりと個人用マスクやヘッド フォーンの利用などを工夫する。 ・ 机やロッカーには絵を描くなどして、置き場所を分かりやすくしておく。 (2) 目的を明確に ①情報の提示は一度に一つだけにする ・〈例〉「体操服に着替えて、運動場に並びます。」 ⇒ 「体操服に着替えます。(間を おいて)運動場に出ます。→ 並びます。」 (黒板に順番を書いておくのもよい) ・ 手をつないだり、肩に手を置いたりして話すと触覚情報に注意が向いてしまい、指 示がはいりにくくなるので、顔を見て指示だけを伝える。 ②要点だけを伝える ・ 持ち物は「何」と「いくつ」を明確に伝える。途中で付け足さない。 ・ 順序良く、整理して話す。 ・ ことば数はできるだけ少なくする。 ③断定的に伝える ・ 直接的な指示をする。 ⇒ 「今は口を閉じます。5分したら、話してもらいます。」など。 ・ 困っているときに「大丈夫よ! 安心して」などの感情的な言葉かけよりも、どう行 動すべきかを具体的に言う。 ⇒ 「血が出ているので、ティッシュで足をふきます。 保健室へ行きます。消毒をしてもらいましょう。」 (3) 広汎性発達障害の特性に寄り添う(共感的に伝える) 特性 … 人とのかかわりの困難性(人とうまくつきあえない) ①人の表情や身振りに注目をさせて、気持ちを考えさせる。言えないときは、選択 肢で選ばせる。相手の気持ちをはっきりと伝える。 ・ 人とのかかわりに関心を持たせる。 〈例〉「今日、学校で誰と遊んだの?」 ・ 表情に注目させる。 〈例〉色々な表情の絵から「どんな顔をしてる?」「怒っている 顔はどれ?」「友だちのこの顔はどの気持ちだと思う? うれしいかな?怒ってるか な?」 ・ 色々な気持ちを表す言葉を使う。 〈例〉楽しいときの気持ちを表現しにくい。⇒ 「やった。わくわく。にこにこ。うれしい。」の言葉から自分の気持ちを選択させる。 ②相手の話を聞くとき、聞き方や自分の気持ちの伝え方を教える ・ 名前を呼ばれたり、挨拶をされたりしたら、「はい」と返事をして、呼んだ人の方を向く。 ・ 友だちと話をするときは、1メートルくらい離れて、顔の真ん中くらいを見て話す。 ・ 手をつないだり、肩をくんだりするときは「いいですか」と相手に聞いてから行動する。 7 ③できないことに対する不安を取り除く ・ 難しい問題であることをあらかじめ伝える。 ・ 100 点以外の点を取ることもあることや平均点が合格という評価もあることや、自分 の出来具合を数値化して表現することなどを教える。 ・ 得意なことでほめるようにする。他で認められると自信がつき、100 点にこだわらな くなる。 (4) 否定的な対応をしない(ポジティブシンキング) ①肯定的な言い方で伝える ・ 「~してはいけません。」という言い方では、何故いけないのかが分からず、拒否さ れたという思いだけが残る。注意ではなく、具体的に何をすべきかを伝える。 〈例〉体育のときに並ばずに走り回る ⇒ その子の並ぶ位置に円を描き、「この中に 入ります。」と指示する。「並びなさい。」では、どこに行けばよいかが分かりにく い。 ②具体的にほめる 〈例〉「がんばったね。」 ⇒ 「この文字、きれいに書けたね。」 ③結果よりプロセスをほめる ・ 失敗しても「また次がある」「負けてもまた勝てるよ」と励ます。 (5) 連携を大切にする(専門機関との対応) ①保護者に対して ・ 一緒に考えていく姿勢を伝える。 ・ 保護者が子どもについて気になる点を受けとめる。 ・ 良かったことを必ず伝えて、気になることは行動の事実だけを伝える。 ・ 「どう対応すべきか」保護者が判断できるように支援する。 ②専門家との連携 ・ 将来を見通した今の成長を知るためにも専門家からの助言をもらえるようにする。 ・ 担任が替わっても、対応が一定できるように特性の理解を大切にする。 ③校内のチームで考える ・ 担任が替わると対応が変わってしまうことが、最も子どもの不安につながる。担任 以外の先生方とも共通した対応をする。 ・ 引き継ぎを大切にする。 ④学級集団への理解 ・ 「みんなちがって、みんないい」の考えのもと、お互いの助けてほしい所を伝え合っ て、互いに支え合う。 ・ 学級全体の保護者へもそれぞれの分かりにくさや得意なことを具体的に伝える。ト ラブルがあったときなどは、「なぜ、トラブルになったか」「お互いの気持ちはどうだっ たか」「トラブルに対して、どのように解決し合ったか」などを学級懇談会などでエピ ソードとして紹介し、学級の様子を知ってもらうようにする。 8 4.指 導 ・ 支 援 の 具 体 例 (1)学級集団をまとめるために ①学習の環境を整えよう ―――片付ける物と場所をはっきりと――― こんな指導していませんか? 「何度言えば、きちんとできるの。」 個別支援のアイデア 〇個人の持ち物 ・ 机の引出しや整理箱には、片付ける物の名前を書いて貼っておく。 ・ 机の引出しの中は、箱を活用したり、仕切りを作成したりしてどこに何を入れるか絵で示す。 〇整理整頓 ・プリントの整理の練習をする。 ノートにはるもの、ファイルするものを区別して、配付と同時に指示し、整理できるよう配る時間の 工夫をする。 ・持ち物は、まずは一箇所にまとめることから始める。 ・本人と一緒に整理整頓を練習する。 学級全体支援のアイデア 〇教室全体(できるだけシンプルにして余計な視覚刺激をへらす工夫を!) ・ 教室内のロッカーや本棚の中が視覚刺激にならないように、外からは見えないようにカーテンをし て、外側に何が置かれているかわかる提示をする。 ・ 黒板の周囲はできるだけシンプルにして、学習に集中できるようにする。掲示物は教室の側面か、 後ろ側に貼る。 ・ 廊下や窓から外が見えないように、シートなどで半分は半透明にする。 ・ 週末には学級全体で机中片付けタイムを設定しよう。 (ポイント制で見える評価と継続できる評価を行うと効果的) 9 ②時間環境を整えよう ――― スケジュールの提示 ――― こんな指導をしていませんか? 「何度いったら、わかるの。」 個別支援のアイデア ・変更があれば、スケジュールを示すだけでなく、本人にも変更点とその理由を伝えてあげましょう。 ・テストは教科と範囲を事前に伝えておくことで不安が減ります。 学級全体支援のアイデア 〇1日の流れが見通せるようにしよう。 黒板には1日の流れや時間割の変更を示すスケジュール表を提示する 4 月 11 日 1 国語 黒 2 算数 板 3 社会→体育 (運動場) ○ 1時間の授業の流れを明確に! ・ 小黒板に授業の流れを提示しておく。 〈例〉算数・・復習問題(3 問 5 分) →今日の問題(一人で考える→みんなで考える→答えを知る 25 分)→練習問題(5 問 15 分) ○ 年間行事は教室内に常掲しておく。 ・ 大きな行事は特に不安が大きくなりやすいので、教室内に常掲しておくと、見通しを持ちやすくな る。 ・ 行事に対しての取り組みなどは、後何日で本番になるかを書いて、本番までのスケジュールを示 しておくとよい。 〈例〉 子ども祭りまで 11 月 4 日~11 月 14 日 5 時間 道具作り 11 月 16 日~11 月 18 日 2 時間 役割分担決めと練習 11 月 19 日 1 時間 飾り付け 11 月 20 日 いよいよ本番! 10 ③聴き合えるクラスにしよう ――― 聴く・話す 基本ルール ――― こんな指導をしていませんか? 「ちゃんときいていますか。」 個別支援のアイデア 〇指示を出す時には注意喚起を行う。 ・ 名前を呼んでから話す。 ・ 肩にそっと手を置いて顔を見てから話す。 ・ 指示を出す人の方を向いたらOKサインを出す。 〇話す時には見る人を指名する。 ・ 一番後ろの人を見て、その人に通じたらOKサインをだしてもらい、 必ず、相手に通じることを意識させるようにする。 学級全体支援のアイデア 〇教室全体 ・ 全体に落ち着いた、学習しやすい教室環境にする。 ・ 全体指示を出す時は、いくつの指示かを先に提示し、短い言葉で指示を出す。 ・ ハンドサインによる指示 (指1本→言いますよ。指2本→付け足し。指3本→同じです。 指4本→質問。指5本→待って下さい。OKサイン→いいですよ。など) 〇聴くルールを示す。 ・ 聴くルールを提示する。 (1,相手の話す内容を知る。2,話す相手を見る。3,うなずいて聴く。など) 〇発表のルールを示す。 ・ 話す人は指名されてから話す。 ・ 話すルールを提示する。 (1,みんなに伝える。2,伝える人の方を向く。3,伝えたいことを先に言う。等) 11 ④安心できるルールをつくろう ――― ルールを明確に――― 「何しているの。」 こんな指導をしていませんか? 個別支援のアイデア 〇1日の流れの中ですることや具体的な行動目標をカードに書いておき、できたらチェックしてポイント がもらえるようにしていく。 学級全体支援のアイデア 〇学習ルール ・ 時間規律を守る。 (始まりと終わりはチャイムの合図で徹底する。教師が終わりの時間を守ることで、始まりの徹底 ができるようにする。→時計はスケジュールと同じように見える位置に掲示する。) ・ 学習課題に対する時間提示をする。 (「話し合いは5分です。」と提示し、1分前に声をかけて、延長が必要な場合は「何分下さい」と言 わせるようにする。延長についてはきっぱりと終わるようにする。) ・ 課題が終わった後の過ごし方を提示する。 (〈例〉好きな本を席に座って読む。自分の決めた自主勉強をする。など) ・ 聴くルール、話すルールを守る。 ○ 生活ルール ・ 係活動や清掃当番は役割分担や道具分担を細分化して、評価を明確にする。(ほうきやぞうき んに、番号や氏名を記入して分かりやすくする。) ・ 登校したら、することを提示する。 〈例〉 毎日 1 宿題を前の机の上に出す 2 連絡帳を先生の机の上に出す 今日 3 PTA の申し込みはかごの中に出す 出した人は、遊ぶ 12 ⑤安心して参加できる授業 ――― 課題と手がかりをわかりやすく――― こんな指導をしていませんか? 「何しているの。 はやく書きなさい。」 個別支援のアイデア 〇分からない時やイライラした時に助けを求めるカードを用意して、出すことができたら、必ず支援を する。 〈例〉「5分間だけ保健室に行かせてください。いいですか。」 「分からないので、ヒントをください。いいですか。」 など ・教室内に安心コーナーを作り、イライラした時など一定の時間を過ごすことができるようにする。 〈例〉教師机の横に他児から見えないコーナーを作り、タイマーをセットして、一定時間で気持ちを切 り替えることができるようにする。 学級全体支援のアイデア 〇教室全体 ・ 課題はいつも同じ色や枠囲いで提示をする。 (課題が明確になることは学級全体の子どもにとっても、進む方向が分かりやすくなる。) ・ 手順表を示すことで、進み方が分かりやすくなる。(スモールステップ) →手順表の段階を省いて示すことにより、自分で試行錯誤できる子に対しても使える。 ・ 書き込みプリントやワークシートを使用する。 →書き込み量を変えることで、一人一人の力量にあったノート作りができる。 ・ 「ヘルプサイン」を作ることで、分からない時には教えてもらえるという安心感を持たせることがで きる。 〈例〉個別で課題に取り組んでいる時には黙って手をあげて、指示を待つ。 →必ず個別に対応する約束を守る。 ・ 自分の得意なことと苦手なことを掲示して、苦手なことはみんなに助けてもらって解決していく学 級ルールを設ける。 (「助け合おう」という言葉がけでなく、お互いにどんな手助けがいるかを示しておく。できた時に は、「できたよ。ありがとう。」や「できたね。よかったね。」シールを貼れるようにする。) 13 ⑥認め合える学級集団つくり ――― つなぎあう支援 ――― こんな指導をしていませんか? 「また、けんか? 何しているの。」 個別支援のアイデア 〇 トラブルがあった時は場所をかえてクールダウンをさせる。 (すぐに叱らない。) ・聞き取ったメモを見せて、自分の行動でやり直しをしたい所を振り返らせ、どうやり直したいかを考 えさせる。 ・やり直すための方法を一緒に考えて、友達に謝れない時は代弁してもらうことも可能であることを 告げて、どうするかを選択させる。 学級全体支援のアイデア 〇 ルンルン言葉とイガイガ言葉の使い分け ・ 学年始めに相手の気持ちに優しく響く言葉(ルンルン言葉)と傷つける言葉(イガイガ言葉)を話 し合い、傷つける言葉を使った時は必ず「ごめんなさい」を言うルールを徹底する。(みんなでみ つけた「ルンルン言葉」と「イガイガ言葉」を見える所に掲示しておく。) ○ 禁止・命令口調ではなく、「~します。」の言い方で。 ・ 指示は明確に、簡潔に「~します。」と伝えましょう。 ○ トラブルに対しては一人ずつ聴き取り、メモをする。 ・ メモをすることで、視覚的に振り返りをさせ、どこがよくなかったかを自分で振り返ることができる ようにする。 ・ 自分の気持ちを言葉ではっきりと伝えることができるようにする。 ・ 相手の気持ちに対して、どうすべきだったかを振り返らせ、行動させる。 教師が結論を言うのではなく、つなぎあって自分でトラブルの修正を させることが大切。 14 (2)集団行動に困難を示す子どものために ①登 校 時 ――― 活動の見通しを ――― 「いつになったら、片付けられるの。はや こんな指導をしていませんか? く片付けなさい。」 個別支援のアイデア 〇机の上にチェック表をはって、登校後の活動を知らせましょう。 ○今日の予定を黒板に書いておきましょう。(変更点は特に) 学級全体支援のアイデア 〇教室環境を分かりやすく、すっきりさせましょう。 〇持ち物に名前を書くことを徹底しましょう。 〇とりあえず置く場所を作って、一緒に整理しましょう。 ○持ち物を置く場所に、持ち物の絵や写真などを貼りましょう。 ②集 会 ――― 個人的な指示を ――― こんな指導をしていませんか? 「ちゃんとしなさい。 おしゃべりをやめなさい。」 個別支援のアイデア 〇声かけや身体に軽く触れる等して、安心感を持たせましょう。 〇音や大きな集団に対してがまんできない場合は、無理をさせないで集団から外し、少しずつ慣れさ せましょう。 がまんできない時は「○分休憩します」と自分で決めさせましょう。 立つ位置に、輪などを置いて場所を指定しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇突然のおしゃべりや奇異にみえる行動が出ても、周りの友だちは、できる限り、笑ったり、反応した りしないようにさせましょう。 〇望ましい行動がとれたときは、うまく行動できたことを認め合える学級づくりに努めましょう。 15 ③朝の会の時間 ――― 興味を持って取り組める課題を ――― 「なぜ、いつも勝手なことばかりしている こんな指導をしていませんか? の。」 個別支援のアイデア 〇個別に声をかけて今日の体調を把握しましょう。 〇連絡帳を活用し保護者と連携し、情報を交換しましょう。 〇自分の力でできる課題をあたえ、時間内に終える分量にしましょう。 ○朝の学習課題は火曜日は視写というようにルールを決めましょう。 学級全体支援のアイデア 〇一人一人が集中して取り組める課題にしましょう。個別の課題を与えることも有効です。 ④教 室 移 動 ――― 視覚的指示で ――― こんな指導をしていませんか? 「まだ、いたの。みんな行ってしまっ たよ!」 個別支援のアイデア 〇何時何分に教室を出発するなど、スケジュールをはっきり分かるように提示しましょう。 特別教室の位置を示す校内地図などを持たせましょう。 学級全体支援のアイデア 〇移動教室で同じグループや近くの席になる子どもと誘い合って移動するよう声をかけましょう。 〇教室を移動する時は慣れるまでクラス全員で並んで移動しましょう。 16 ⑤昼 食 時 ――― 食事のルールを決めて ――― 「早く食べなさい。まだ、何も食べてない こんな指導をしていませんか? でしょう。」 個別支援のアイデア 〇偏食については、「苦手なものを少しでもがんばって食べようとする力を育てる機会」と考えましょ う。感覚の敏感さから抵抗のあるものもあると心得ましょう。 〇学級の給食のルールをきちんと守る姿勢を育てましょう。 学級全体支援のアイデア 〇学級の給食のルールを話し合って決めましょう。 〈例〉 ・どのメニューも一口は食べましょう。 ・おかわりは全部食べてからにしましょう。 ・量の調節は、「いただきます。」の前にしましょう。 ⑥掃除の時間 ――― 仕事の手順や内容を分かりやすく ――― 「また、ほうきを振り回して、 ここんな指導をしていませんか? んな指導していませんか? お友だちにあたったらどう するの。」 個別支援のアイデア 〇作業の手順を視覚的に提示しましょう。 そうじの仕方 〈例〉ほうき ④ 机を前に運ぶ。 ① 机を後ろに運ぶ。 ⑤ 後ろ半分の床をはく。 ② 前半分の床をはく。 ⑥ 後ろ半分の床をふく。 ③ 前半分の床をふく。 ⑦ ごみを集めてゴミ箱にすてる。 〇仕事を覚えるまでは、具体的に指示し、できた時はほめて意欲につなげましょう。 掃除場所を頻繁に変えず、なるべく固定しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇学級の掃除分担場所の仕事を学級全体で話し合い、掃除の仕方について確認しましょう。 17 ⑦係活動 ・ 委員会活動の時間 ――― 分担と協力を示す ――― こんな指導をしていませんか? 「委員会、行った? 忘れてない?」 個別支援のアイデア 〇決まった手順で活動に取り組ませましょう。 〇「飼育小屋のゴミをはく。」など、活動をはっきりさせましょう。 〇本人の興味や関心のある領域で活動をさせましょう。 学級全体支援のアイデア 〇一緒に活動する子どもの協力を得て、誘ったり、一緒にしたりすることで活動への意欲付けを図りましょう。 ⑧休 み 時 間 ――― 安心できる居場所づくり ――― こんな指導していませんか? こんな指導をしていませんか? 「また、けんか? なぜ仲良く遊べないの?」 個別支援のアイデア 子どもによっては、遊びにじょうずに入れなかったり、反対に無理に誘われたりすることがストレスになる 子どもがいます。 ○本人のしたいことをできるように支援しましょう。 ○図や絵を使って、遊びのルールを説明しましょう。 ○トラブルが起こった時は、再現して事実を確かめましょう。 学級全体支援のアイデア 〇学級活動などで、集団で遊べるゲームや全員が参加できる活動をし、休み時間の遊びに発展でき るような取り組みをしましょう。 〇終わりの会などで、休み時間の遊びでしたことなどを出し合い、クラスの子どもの遊びについて担 任はつかんでおきましょう。その中で支援を要する子どもにあった遊びに誘いましょう。 18 ⑨終 礼 時 ――― よさを認め合う場に ――― 「しっかり話を聞いていないと こんな指導をしていませんか? 明日こまりますよ。」 個別支援のアイデア 〇一日のめあてを具体的に決めてカードに記入し、持たせておきます。守ることができた日は、大いにほ めて、視覚的に分かるシール等で評価しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇終わりの会では、困ったことだけでなく、よかったことも出し合いましょう。 〇終わりの会では、友だち同士のトラブルなどが生じた場合に善悪の判断だけでなく、どうすればよかっ たのか、望ましい行動について話し合いましょう。 ⑩学校行事への参加 ――― 事前の予告を視覚化して ――― こんな指導していませんか? こんな指導をしていませんか? 「みんなに迷惑ですよ。 ちゃんとしなさい。」 個別支援のアイデア 〇スケジュールは事前に必ず知らせ、見通しを持たせましょう。昨年も同様の行事があった場合、ビ デオや写真を見せることも有効です。 〇サポートしてくれる友だちを決めて一緒に行動させましょう。 学級全体支援のアイデア 〇みんなと一緒に行動できなかったり、集団からはなれてしまったりすることは、本人のわがままでは なく、苦手なことに対する不安からくるものだと理解し、支援できることを学級全体で話し合いましょ う。 〇対応のじょうずな子どもに学びましょう。 19 ⑪友だちと仲良く過ごすために ――― 子ども理解と行動の予測 ――― 「休み時間は、みんなで こんな指導をしていませんか? 運動場で元気に遊びなさい。」 個別支援のアイデア 〇問題行動の背景を考え、いつ、どんな時に起こるか、友だちとのやり取りをよく見守りましょう。 〇興味を持っている遊びを中心に、ルール等、具体的に教えましょう。 〈例〉 「これ、かりてもいい?」「私も入れて。」 〇一人で自由に過ごす休み時間も認めましょう。 学級全体支援のアイデア 〇あたりまえと思っているあいさつ「入れて」「いいよ」など、遊びに入るための声かけスキルを学級全体で 練習しましょう。 〇子どもの興味は、みんな違うことを理解し合い、一人遊びもいいという雰囲気づくりをしましょう。 20 (3)学習に困難を示す子どものために ①国語 : (ア) 話す ――― 内容の整理と助詞に気をつけて ――― 「ちゃんと分かるように こんな指導をしていませんか? 話しなさい。」 個別支援のアイデア 〇話し方の練習をしましょう。 まずは、話したいことを思いつくまま話させて、下記の項目のカードを使って整理しましょう。 〈例〉 「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」や「はじめに」「つぎに」「おわりに」や「みたこと」「思ったこと」の項 目のカードを活用する。 助詞の使い方の理解は、正しい使い方、誤った使い方を対比させて学習することが有効です。 学級全体支援のアイデア 〇誰かが話しているときは、きちんと聞くルールを確立しましょう。 〇話すときの手順の学習は、まわりの子どもにも同じように指導し、クラス全体でアドバイスできる環境 を作りましょう。 〇話す機会はあらかじめ知らせておき、練習ができるよう配慮しましょう。 ① 国語 : (イ)読む ――― 練習方法を工夫して ――― こんな指導をしていませんか? 「どこ見て読んでいるの。」 個別支援のアイデア 〇教師や保護者が何度も読んで聞かせることから始めましょう。次に一緒に音読することを続けましょ う。上手に読むポイントを一緒に考えましょう。 〇定規を当てたり、指でなぞったりして、読んでいるところに注目させましょう。 〇模範に音読CDを活用するのも有効です。 学級全体支援のアイデア 〇読み聞かせをし、意図的に文節で区切って読み、必要な子どもには文節ごとに斜線を書き込ませた り、漢字にルビをふらせたりしましょう。 〇上手な音読は、なぜ上手なのか明らかにして、しっかりほめて、意欲的に取り組めるよう支えましょう。 〇文章の内容にあった絵や写真を提示して、視覚的な情報を補い、内容理解を助けるようにしましょう。 21 ①国語 : (ウ) 書く ――― 書けたという達成感を持てるように ――― こんな指導をしていませんか? 「早く、書きなさい。 きれいに書きなさい。」 個別支援のアイデア 〇座席を黒板の近くにしましょう。 〇形や位置の弁別などができるような遊びを経験させましょう。 〈例〉 型はめパズルや線つなぎ 〇板書と同じプリントを用意しておき本人の状況に合わせて書き写す量を調整しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇文字の形を「へん」や「つくり」で意識させましょう。 〈例〉 漢字の成り立ちの話をしたり、「へん」と「つくり」を組み合わせる漢字クイズをしたりして練習しまし ょう。 〇文字の間違い探しなど、クラス全体で、正誤に気づかせる活動を取り入れましょう。 〇今、書いているところが分かる、分かりやすい板書を工夫しましょう。 ①国語 : (エ) 作文 ――― モデルを示して ――― こんな指導をしていませんか? 「ちゃんと、書きなさい。 もっと書けるでしょ。」 個別支援のアイデア 〇思い出したことをどんどんカードに書いていきましょう。 書いたカードを書く順番に並び替えましょう。 カードに書かれたことを膨らませながら文章にしましょう。 〇作文を構成する手順を簡単に示しましょう。 〈例〉 「いつ、どこで、だれが、何をした」 「はじめに、次に、それから、何をした」 〇作文を書き上げたときは、整っていないことがあっても、書き上げたことを積極的に評価しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇作文を書き始める前に子どもが表現したことを、黒板に書き上げて作文を書くときのキーワードを提 示しましょう。 〇作文に慣れ、楽しく書けるように日常的に「書く」ことを取り入れましょう。 〈例〉 一行作文 ・ 学習の振り返り 〇書く負担を軽減する方法も考えましょう。 〈例〉パソコンの活用。 用紙の工夫。 22 ②算数・数学 : (ア) 計算 ――― 補助手段を活用して ――― こんな指導をしていませんか? 「なんで、できないの。」 個別支援のアイデア 〇計算の手順等を手元に置きましょう。 〇プリントの工夫をしましょう。 〈例〉 繰り上がった数、繰り下がった数を書く場所を明示しましょう。 〇かけ算の九九表を見たり、電卓を使ったりすることも認めましょう。 〇買い物ごっこやゲーム等 体験的な学習も取り入れましょう。 (お金に置き換えて考えさせるとよく分かる場合があります。) 学級全体支援のアイデア 〇学級内にゆっくりでもきちんとできていることを認める雰囲気をつくりましょう。 〇本人自身の計算力の向上を評価し、それぞれの子どものペースを大切にしましょう。 ② 算数・数学 : (イ)図形 ――― 操作活動を取り入れて ――― こんな指導をしていませんか? 「よく見てごらん。 なぜ、できないの。」 個別支援のアイデア 〇定規やコンパス等 本人の使いやすいものを選びましょう。 持ち方、使い方も 〈例〉 定規 : 線がはっきりしたもの 繰り返し練習させましょう。 コンパス : 重くてしっかりしたもの 〇空間や位置の分別、形の分別を含む遊びを取り入れましょう。 学級全体支援のアイデア 〇操作活動を多く取り入れましょう。 〈例〉 授業の導入段階などで、具体物を操作して活動しながら、形や位置がイメージできるように しましょう。 〇普段の生活の中で、ゲーム等の結果を表やグラフにして、身近に見る環境づくりも心がけましょう。 23 ②算数・数学 : (ウ) 文章題 ――― 得意な解き方を見つけよう ――― こんな指導をしていませんか? 「よく読んでごらん。 大事な言葉をさがしなさい。」 個別支援のアイデア 〇問題提示の工夫 〈例〉 絵や図など視覚的な手がかりを文章と一緒に提示しましょう。 (線分図を描いて、全体と部分等 分かりやすく提示しましょう。) 複雑な問題文は、やさしい言葉に言い換えましょう。 〇問題文の工夫 〈例〉 子どもが経験したことや関心のあることで問題をつくりましょう。 学級全体支援のアイデア 〇文章を読み取るときにポイントとなる言葉、数に線を引かせ、それを手がかりに考えさせましょう。 〇簡単な数に置き換えて、練習させることも有効です。 ③ テ ス ト ――― 少しでも抵抗感を減らすために ――― こんな指導をしていませんか? 「静かにしなさい。 みんなが集中できないでしょ。」 個別支援のアイデア 〇よく似た問題で練習させましょう。 〇問題文のキーワードに印を付けたり、難しそうな問題は後回しにしたりするなど、テストの解き方を練 習させましょう。特に中学校では、問題用紙と解答用紙が別になっているので、解答の仕方の練習を させましょう。 〇必要に応じて補助手段も活用しましょう。 〈例〉 問題文が読めない子どもには、先生が読んで説明しましょう。 書くことに特に抵抗のある子どもには、口答による解答を担任が代筆する方法も考えましょう。 テストを行う場所の配慮の必要な子どもにも配慮しましょう。 学級全体支援のアイデア 〇クラスみんなでテスト中の本人の行動に対して、できる限り無反応でいるよう理解し合いましょう。 24 (4)小集団による支援の工夫・アイデア ①あいさつ ――― あいさつの仕方を身につけよう ――― 小集団支援のアイデア ① 「○○さん、おはよう」とあいさつの仕方を具体的に示す。 ・相手の顔を見てあいさつをする。 ・元気な声ではっきりとあいさつをする。 ・心をこめてあいさつをする。 ② 友達とペアになったり、グループで円になったりして、実際にあいさつの練習をする。 ②友達になろう ――― 自分を知ってもらい、相手のことも知ろう。 ――― 小集団支援のアイデア ① 自己紹介の原稿を作成する。 ・今、熱中していること ・得意なこと ・今、気になっていること等 ② 自己紹介の練習をする。 ・聞こえる声で ・視線を合わせて ・表情豊かに ③上手な聞き方の練習をする。 ・相手に体をむける ・相手を見る ・あいづちを打つ ・最後まで聞く ④ 自己紹介を順番に行う。 25 ③仲間をさそおう ――― 仲間の誘い方を身につけよう ――― 小集団支援のアイデア ① いっしょに遊ぼう」と仲間の誘い方を具体的に示す。 ・相手に近づく。 ・相手の顔を見る。 ・聞こえる声で笑顔で言う。 ② 友だちとペアになって、実際に誘い方の練習をする。 ④仲間に入れて ―――遊び等に入るためのスキルを身につけよう―――― 小集団支援のアイデア ① 「入れて」「私もやりたい」等、言い方の練習をする。 ・相手に近づく。 ・相手の顔を見る。 ・聞こえる声で、笑顔で言う。 ② グループで練習をする。 ・4 人で練習する場合、3 人対 1 人になって交代で練習しましょう。 ⑤断り方 ――― 断る方法を身につけよう――― 小集団支援のアイデア ① けんかにならない断り方を示し、練習をする。 〈例〉 ・「ごめんね。時間がないからできないよ。」 ・「やってあげたいと思うけど私にはできないことだよ。」 ・「たのんでくれてうれしいけれど、それはできないよ。」 *相手を見ておだやかに話す練習をする。 ② グループで練習をする。 ・まずは 1 対1で練習する。 ・3人で練習する場合、2人対 1 人になって交代で練習しましょう。 26 ⑥学習の仕方 ――― 学び方を身につけよう ――― 小集団支援のアイデア ① 書くことの指導 ・きれいな字ときれいでない字の両方を提示し、どちらがよいか選ばせる。 ・なぜ、よいと思ったのか一緒に考える。 ・自分で選んだ理由の通り書く練習をする。 ・文字の形や位置などの弁別が出来るようなトレーニングも有効です。 〈例〉間違い探し、迷路、線つなぎ ・ていねいに書く練習をする時は、必要な時間の目安を示して、その時間にあわせて ていねいに書く練習をさせる。 ② 図形の指導 ・図形を書く技術を身につける。 〈例〉 視覚情報を提示しながら「線」「辺」「角度」等説明する。 定規を使って、まっすぐな線を引く。 始点と終点をきちんと合わせる。 分度器で角度を測る練習をする。 コンパスで円をかく練習をする。 ③ 文章題の指導 ・文章題を読んであげましょう。 ・問題を何度も読みながら、一緒に絵に描いて見ましょう。 ・四則計算に対応する問題文の言葉一覧表を活用しましょう。 問題文の言葉のヒント 足し算→「あわせて」「いっしょに」など 引き算→「残りは」「違いは」など かけ算→「○ずつ、全部で」など わり算→「同じように分けると」など ・ポイントとなる言葉や数に線をひかせ、一緒に取り組むことで、できたという達成感 を持たせましょう。 27 ⑦一緒に遊ぼう―よりよい人間関係を築くためのスキルを身につけよう― 小集団支援のアイデア ① 風船運び 準備物 ・風船・バスタオルサイズの布(2 人で 1 枚) ルール ・二人組で向かい合って布を持つ ・1 番前の二人組の布の上にスターターが風船をおくことでスタート ・順番に並んで、風船をおくっていき、最後の二人組の布の上にのったときがゴール。 ・風船が途中で落ちたときは、1 番最初にもどる。 ・風船に直接手で触ったり、足でけったりしない。 ・途中で風船が割れてしまったときは、失格。 ② まほうのじゅうたん 準備物 ・厚手のビニールシート(ブルーシートを切ったもの) ルール ・シートの上にグループ全員が立って乗り、先頭の子どもがシートの端を 持つ。 ・二人目以降の子どもは、前の子どもの肩に手をあてる。 ・かけ声をかけながら、跳ぶようにして前に進む。 ・早くゴールまでたどり着いたチームが勝ち。 ③ 全員ビーチボールつき(人数は実態にあわせて) 準備物 ・大き目のビーチボール ルール ・ボールを落とさずにグループの全員がビーチボールをパスし終えるはやさを競う。 ・途中でボールが下に落ちたり、同じ人が 2 回触ったら、もう 1 度やり直す。 ・全員が早くつけるように隊形や順番を工夫することがポイント。 28 ⑦一緒に遊ぼう―よりよい人間関係を築くためのスキルを身につけよう― 小集団支援のアイデア ④ じゃんけんゲーム 準備物 ・特になし ルール ・グループで何をだすか、グループで相談して決める。 ・グループで同じものを出さないと負け。 ・じゃんけんに勝ったらポイント。 ・ポイントの多いグループが勝ち。 ⑤ 人生ゲームづくり 準備物 ・画用紙(大・小) ルール ・人生ゲームの札を作る。 〈例〉 「お手伝いをしてお小遣い100円もらう」 「弟のたんじょう日にプレゼント代を兄と200円ずつ出し合う」 「消しゴムをなくしたので80円で買う」など ・書いた札を並べてすごろくゲームのルールで行う。 ・書いてはいけないことをグループで話し合う。 ⑥ ビンゴゲーム 準備物 ・9マスの用紙または16マスの用紙 ルール ・書き込む内容は「数字」だけでなく、「漢字」「くだもの」「乗り物」などの言葉を書き込む。 ・書き込んだ後、順番にみんなで発表しあってチェックをする。 ・たて、よこ、ななめ、一列に並ぶと「ビンゴ」です。 29 5、中学校における進路を念頭においた指導 教師間連携・教師と保護者間連携が、小学校以上に必要 中学校では進路決定を控えているため、入学当初より保護者の意向をしっかり把握しておく必要があ ります。通常の学級で「定期テスト」を受けるという確認、他の生徒と「同じ問題でテスト」を受けるという 確認等をとっておくことが大切です。 進路が高校進学以外であれば、個別のカリキュラムで生徒に合った課題に取り組むことになります。し かし、高校進学希望である場合、通常の学級のカリキュラムの中で配慮のある指導を行うことになるた め、課題そのものが本人に合っていない場合も生じることがあります。また、教科の指導内容がより専門 的になり、進度も速いので、小学校と同じような感覚では、本人が混乱することもあります。そのような事 柄を事前に保護者に十分説明し、理解を得ておくことが重要になります。 一斉授業だけでは学習の定着は難しい面があり、個別指導や家庭学習が必要となります。本人が中 学校のカリキュラムの中でいかに意欲的に楽しく取り組めるかを大切に指導方法を工夫・改善していき ましょう。 通常の学級での授業における配慮 ◆ ◆ ◆ ◆ 座席位置 教師の目の届く範囲にし、声かけができるようにします。但し、中学生という年齢期は、非常に 周りを意識し特別扱いされることに抵抗を感じる時期でもあるので、本人の気持ちを尊重する ことも大切です。 プリント等の配布物の管理 整理して保管することが難しい生徒がいます。授業内でノートに貼らせたり、プリントの大きさを ノートに収まる大きさにしておいたりする配慮があれば、スムーズに進めることができます。 提出物 配慮を要する生徒の多くは、個別に声かけを必要とすることが多くあります。提出物について は、家庭とも連絡をとって提出を習慣化させるように1年時より心がけるようにしましょう。 入り込み指導 実習教科などで支援ができるような体制であれば、できるだけ入り込み指導を行い、個別に声 かけ等を行うようにしましょう。 抽出授業を行う場合 配慮を要する生徒の指導においては、生徒や教科の特性により通常の学級で授業を受けるので はなく、個別指導を行う場合があります。その場合、通常の学級の教科担当者と個別指導にあたる担 当者との連携がとても大切になります。特に、当該教科の評価の在り方については、学校内で共通 理解を図り、本人の不利益とならないように保護者とも確認しながら進める必要があります。実技教 科を抽出している場合は、3年時からの評価が進路決定に大きく影響するため、教師間及び教師と保 護者間、本人とも十分に連携を図り、互いに納得しながら進めるようにしましょう。 30 個別カリキュラムを組む場合 通常の学級のカリキュラムに沿って学習を進めていくのが原則になりますが、指導内容によっては、 個別指導だけでは十分定着しない場合があります。そのような場合は、生徒の特性に合わせて、取り 組むべき領域を決めて、ポイントを絞って指導することが効果的です。 〈参考例〉 [数学]中学 1 年 これだけは ※ かけざんはできていることが必要 ※ 整数の計算は確実に ※ 計算部分については、常に復習に取り組む 混乱しやすい内容 ★ 方程式と式の計算を混同する。 ★ 文字式の計算のまとめが定着しない。 ★ 分配法則をとばしてしまう。 〇正負の計算 〇文字式の計算 〇方程式の計算 〇座標のよみ・かき 〇比例のグラフがかける・よめる 〇角の二等分線、垂直二等分線が引ける 数の操作が得意な生徒、図形・グラフが得意な生徒など、個人の特性に応じた所に力を入れて指 導するほうが、本人も意欲的に取り組むことができます。 場合によっては、小数・分数の計算を個人に応じて省くことも認め、整数の計算だけを確実に取 り組むことで意欲的に取り組み、効果も見込めることがあります。 [英語] 学習が進んでくると単語を覚えられないという困難に出 会うことがあります。単語の練習ばかりしていたのでは、 英語学習の楽しみがなくなりますので、書き換えや並べ替 えの学習を取り入れて、単元のポイントの練習を行うこと も大切です。 英語学習では、簡単な会話のやり取り練習が欠かせない ので、コミュニケーション能力を高めるためにも、十分に 取り入れるようにする必要があります。 これだけは ※ アルファベット・ローマ字がで きていることが大切! 混乱しやすい内容 ★字体によっては見分けにくいも のもあるので注意して指導す る。 〈例〉a と g b とd テストに向けて ◆ 解答用紙の書き方、問題に対する答え方の練習を事前に行い、慣れておく必要があります。 ◆ 「記号で答えなさい。」「選んで書きなさい。」などの指示が分かるように指導しておきましょう。 ◆ 鉛筆は文字が太くなり答案用紙に書きにくくなるので、シャープペンシルを使うほうがきれいにか ける生徒もいます。0.5mmが細すぎる場合、0.7mm~0.9mmを使用する方法もあります。 ◆ 教室でテストを受ける場合は、個別の配慮を受けることができない場合がほとんどです。別室受 験の体制が取れるようであれば、生徒の状態に応じて相談し、慣れていくことも大切です。 31 6.保 護 者 と の 連 携 教育相談の基本的視点 (1) 個人情報の保護に細心の注意を払いましょう。 知り得た家族構成や生育歴など、個人のプライバシーに関する情報の取り扱いには最大限の注意を 払いましょう。 (2) 保護者と共に子どもの成長を喜び合える関係づくりをしましょう。 共に子どもを育てていく者として、保護者と共に 子どもの教育について、考え、お互いの立場を 尊重しつつ、受容的・共感的に意見交換してい くことが大切です。 保護者の子育ての苦労に対してのねぎ らいの言葉かけをし、子育てのパートナ ーとして支援に取り組むことを提案しま しょう。 (3) 子どもとの信頼関係を深めましょう。 まず、子どもと担任との信頼関係を築くことが保護者と担任との信頼関係の基になります。 (4) 相談内容の整理 保護者との話し合いにおいては、保護者が何を求めているのかを的確に聴くことが大切です。保護 者が「情報提供を求めているのか」「何を相談しようとしているのか」「なぜ、そのような相談をするの か」「本当の悩みは何か」ということを的確に把握するためには、複数の教職員で対応し、保護者に寄 り添って相談することが重要になります。 相 談 における基 本 的 な構 え 〈待つ〉 〈聴く〉 〈受容〉 相談者の沈黙の間、 黙って待つ。 ていねいに心を 傾けて聴く。 全て受け止める。 〈共感〉 つらい気持ちで相談していることをベースに一緒 に考える。 32 〇「お母さん、考えすぎですよ。」 具体的な対応 〇「今まで随分甘やかしてきましたね。」 保護者を悩ますことを言ってし まっていませんか? 〇「子どもたちを公平に扱いたいので、 一人だけ、特別扱いできません。」 〇「みんなが困っていますよ。」 保 護 者 の気 持 ちに寄 り添 いながら相 談 しましょう。 〇保護者が学校を訪ねてくるときには、何ら かの目的があるはずです。まず、うなずき、 同調し、何を求めているのか的確に把握し ましょう。共感し受容することから相談を スタートさせましょう。 〇まず、できる支援や配慮の取り組みを行 い、変化が見られたときにその効果を伝え、 特性にあった支援の有効性を示していくよう にしましょう。 〇子どもから学んだことや子どもの肯定的なと ころを伝え、保護者の考えや希望、将来へ の思いを聞くことも大切です。 〇子どもの指導に関しては、同僚職員、専 門機関とも相談しながら、保護者と意見交 換をしましょう。また、普段から保護者とコミ ュニケーションをとるように心がけましょう。 〇課題を探り、長期・短期の目標を決め、指導方法を考え、実践していくときに、常に 学校と保護者が同じ方向を向いて、子どもに関わることが大切です。保護者が子ど もの障害について理解し、受容していく過程での支援には、「優しさ」「思いやり」 「強さ」が必要です。その上で、子ども理解をし、的確な支援を説明しましょう。 33 7.資料 校内委員会の開催 手順例 校内委員会記録用紙 参考例 P.(46)参照 (1)学級担任・学年集団等からの相談・報告(児童生徒の実態報告) アセスメント(様式1~3)を学級担任、教科担任、コーディネーター等が協力して作成し、それに基 づいて、報告する。 ① 様式1は必ず作成する。 ② 様式2~3の作成 (ア)学級担任が中心になって作成する場合 ・学習上の課題が多い児童生徒の場合 : 様式2-①を活用 ・行動上の課題が多い児童生徒の場合 : 様式2-②を活用 (イ)学年集団が中心になって作成する場合 : 様式3を活用 アセスメント(様式1) P.(35~37)参照 アセスメント(様式2-①) P.(38~41)参照 アセスメント(様式2-②) P.(42・43)参照 アセスメント(様式3) P.(44・45)参照 (2)報告を受けて、事例から考えられる支援内容や確認事項等を参加者各自が意見を出す。 話し合いの視点 ① 支援の観点 学習面の実態把握と支援、行動面の実態把握と支援、対人関係の実態把握と支援 ② 支援の対象 対象児童生徒への支援、担任教員への支援、他の児童生徒への支援、保護者への支援 (3)支援の優先順位を決める ① すぐに(明日)できる支援は何か・・・実効性、緊急性、順序性を考える。 ② 具体的内容・方法等、確認事項を明確にする・・・いつ、どこで、誰が、何を、どうする ③ 次回の校内委員会の開催予定を決める。 (4) 個別の指導計画を作成する。 個別の指導計画 参考例 P.(47・48)参照 (5) 校内委員会は、1 度ではなく、事例に応じて適宜、開催する。 (6) 巡回相談や専門家チームの支援を要すると判断した場合 これまでの校内委員会での記録等の資料を収集・整理し、申請書を作成し、教育委員会学校教育 部に提出する。 34 35 36 37 堺市アセスメント(様式2-① ) 【№1】 児童生徒理解のために (秘) 様式例 平成【 】年 【 】月 【 】日作成 作成者【 【 】学校 【 】年 【女・男】 【平成 年 月 日生】 氏名【 】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 教 科 ・ 領 域 等 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を 観 チェックする。 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 3 2 1 0 よ く (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 あ やその他気づいたこと」の欄に記入する。 る や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 ことばの意味を聞き違える 3 2 1 0 似た音の単語を間違える 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 長い話を聞けない 3 2 1 0 状態や程度・様子をあらわす言葉がわからない 3 2 1 0 幼児語を使う 3 2 1 0 語彙数が少ない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 話題がとぶ 3 2 1 0 冗談がわからない 3 2 1 0 似た文字の弁別ができない(ぬ/め・わ/れ・し/く など) 3 2 1 0 文字の順序を読み間違える(はしご→はごし) 3 2 1 0 読 長音や拗音を間違えて読む む 1字1字のひろい読みをする 3 2 1 0 3 2 1 0 文字や行をとばして読む 3 2 1 0 内容を読み取れない 3 2 1 0 鏡文字を書く 3 2 1 0 漢字の偏とつくりを反対に書く 3 2 1 0 文字を省略したり(がっこう→がこう)転化させたり(花だん→ 花ざん)当て字(お母さん→お母三)を書いたりする 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 促音や拗音を間違えて書く 3 2 1 0 書き順を覚えられない 3 2 1 0 ひらがなや漢字を覚えられない 3 2 1 0 リズム模倣・数列の数唱ができない 聞 く 集団の中で指示が聞けない 聞いたことをすぐ忘れる 話 ことばの意味を間違える す 順序だてて話せない 国 語 】 書 く 枠やマスの中に文字が書けない 黒板の字を視写するのに時間がかかる 38 具体的な言動や その他気付いたこと 堺市アセスメント(様式2-① ) 【№2】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 教 科 ・ 領 域 等 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を 観 チェックする。 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 3 2 1 0 よ く (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 あ やその他気づいたこと」の欄に記入する。 る や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い 3 2 1 0 3 2 1 0 数の大小が比較できない 3 2 1 0 +、-、×、÷、=などの記号の意味が理解できない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 はさみ、鉛筆、消しゴムの使い方がぎこちない 微 細 ボタンのかけはずし、ひも結びがうまくできない 運 箸をうまく使えない 動 定規、コンパスがうまく使えない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 机の中、ロッカーの中がとても乱雑である 3 2 1 0 宿題や提出物、学校で使うものの忘れ物が多い 3 2 1 0 何か言われても言い返せない 3 2 1 0 教室に一人残ってしまっている時がある 3 2 1 0 仲間と協力して作業することができない 3 2 1 0 (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 89を98と読んだり、十五を105と書いたりする 数 数唱ができない 算 数 繰り上がりのある足し算ができない 計 算 繰り下がりのある引き算ができない 筆算で桁をそろえて計算ができない 九九の暗唱ができない 形が見分けられない 図 形 図形を描くことがうまくできない 位置や空間の概念がわからない(立体図形など) 文章題の式を立てられない そ の 時間の概念を表すことばの意味が理解できない(昨日 他 /今日・明日/あさって・速い/遅い) アナログ式の時計が読めない 歩く、走る、跳ぶなどの運動がぎこちない 運 動 社 会 的 行 動 跳び箱やマット運動がうまくできない 粗 大 ボール運動がうまくできない 運 リズムにあわせて体を動かすことがうまくできない 動 バランスをとるのが難しい スキップがうまくできない 39 具体的な言動や その他気付いたこと 堺市アセスメント(様式2-① ) 【№1】 児童生徒理解のために (秘) 記入例 平成【 】年 【 】月 【 】日作成 作成者【 学級担任 】 【 ○○△ 小 】学校 【 4 】年 【女・男】 【平成 年 月 日生】 氏名【 A 】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 教 科 ・ 領 域 等 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を 観 チェックする。 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 3 2 1 0 よ く (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 あ やその他気づいたこと」の欄に記入する。 る や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 その他気付いたこと ことばの意味を聞き違える 3 2 1 0 似た音の単語を間違える 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 長い話を聞けない 3 2 1 0 状態や程度・様子をあらわす言葉がわからない 3 2 1 0 幼児語を使う 3 2 1 0 語彙数が少ない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 話題がとぶ 3 2 1 0 冗談がわからない 3 2 1 0 似た文字の弁別ができない(ぬ/め・わ/れ・し/く など) 3 2 1 0 文字の順序を読み間違える(はしご→はごし) 3 2 1 0 読 長音や拗音を間違えて読む む 1字1字のひろい読みをする 3 2 1 0 3 2 1 知識が豊富で難しいこと も興味のあることはよく 0 知っている。 文字や行をとばして読む 3 2 1 0 内容を読み取れない 3 2 1 0 鏡文字を書く 3 2 1 0 漢字の偏とつくりを反対に書く 3 2 1 0 文字を省略したり(がっこう→がこう)転化させたり(花だん→ 花ざん)当て字(お母さん→お母三)を書いたりする 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 促音や拗音を間違えて書く 3 2 1 0 書き順を覚えられない 3 2 1 0 ひらがなや漢字を覚えられない 3 2 1 0 リズム模倣・数列の数唱ができない 聞 く 集団の中で指示が聞けない 聞いたことをすぐ忘れる 話 ことばの意味を間違える す 順序だてて話せない 国 語 具体的な言動や 書 枠やマスの中に文字が書けない く 黒板の字を視写するのに時間がかかる 40 理解には時間を要する。 堺市アセスメント(様式2-① ) 【№2】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 教 科 ・ 領 域 等 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を 観 チェックする。 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 3 2 1 0 よ く (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 あ やその他気づいたこと」の欄に記入する。 る や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い 3 2 1 0 3 2 1 0 数の大小が比較できない 3 2 1 0 +、-、×、÷、=などの記号の意味が理解できない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 形が見分けられない 図 形 図形を描くことがうまくできない 位置や空間の概念がわからない(立体図形など) 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 文章題の式を立てられない そ の 時間の概念を表すことばの意味が理解できない(昨日 他 /今日・明日/あさって・速い/遅い) アナログ式の時計が読めない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 授業に参加することが難 3 2 1 0 しい 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 机の中、ロッカーの中がとても乱雑である 3 2 1 0 宿題や提出物、学校で使うものの忘れ物が多い 3 2 1 0 何か言われても言い返せない 3 2 1 0 並ぶところが覚えられな 教室に一人残ってしまっている時がある 3 2 1 0 仲間と協力して作業することができない 3 2 1 0 (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 89を98と読んだり、十五を105と書いたりする 数 数唱ができない 算 数 繰り上がりのある足し算ができない 計 算 繰り下がりのある引き算ができない 筆算で桁をそろえて計算ができない 九九の暗唱ができない 歩く、走る、跳ぶなどの運動がぎこちない 運 動 跳び箱やマット運動がうまくできない 粗 大 ボール運動がうまくできない 運 リズムにあわせて体を動かすことがうまくできない 動 バランスをとるのが難しい スキップがうまくできない はさみ、鉛筆、消しゴムの使い方がぎこちない 微 細 ボタンのかけはずし、ひも結びがうまくできない 運 箸をうまく使えない 動 定規、コンパスがうまく使えない 社 会 的 行 動 41 具体的な言動や その他気付いたこと 自分のロッカーの位置や い 堺市アセスメント(様式2-② ) 様式例 児童生徒理解のために (秘) 平成【 】年 【 】月 【 】日作成 作成者【 】 【 】学校 【 】年 【女・男】 【平成 年 月 日生】 氏名【 】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 行 動 特 性 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を チェックする。 3 2 1 0 よ く あ (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 る やその他気づいたこと」の欄に記入する。 や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い 3 2 1 0 3 2 1 0 物をよくなくす。忘れ物が多い 3 2 1 0 いつでも体を動かしている 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 衝 突然怒り出したり、たたいたりする 動 性 人の話をさえぎったり、途中で自分の話をしてしまう 3 2 1 0 3 2 1 0 遊びたいのに入れない 社 会 協力して活動するのが苦手 性 3 2 1 0 3 2 1 0 一人でいることが多い 3 2 1 0 コ ミ 会話が継続できない 3 2 1 0 ニ ケ 独り言が多い 3 2 1 0 含みのある言葉が理解できない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 観 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 順序だてて活動を行えない 不 注 集中力がなく活動が持続しない 意 多 おしゃべりがとまらない 動 性 授業中離席する ュ ー ョ シ ン その他気付いたこと 順番を待つことができない 気 に な る 行 動 具体的な言動や 強くこだわっているものがある こ だ わ 空想にふけることがある り 知識はあるが応用がきかない 42 堺市アセスメント(様式2-② ) 記入例 児童生徒理解のために (秘) 平成【 】年 【 】月 【 】日作成 作成者【 学級担任 】 【 ○○△ 小 】学校 【 4 】年 【女・男】 【平成 年 月 日生】 氏名【 A 】 該当するものに○ 【記入のための手引き】 行 動 特 性 (1)普段の学校生活や学習活動の様子から各項目を チェックする。 3 2 1 0 よ く あ (3)チェック項目にある内容以外については、「具体的な言動 る やその他気づいたこと」の欄に記入する。 や や あ る た ま に あ る ほ と ん ど な い 観 (2)評価できない項目については、評価欄に斜線を引く。 点 (4)教師から見て指導上特に気になる項目の○に赤線を引く。 順序だてて活動を行えない 3 2 1 0 不 注 集中力がなく活動が持続しない 意 3 2 1 0 物をよくなくす。忘れ物が多い 3 2 1 0 いつでも体を動かしている 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 多 おしゃべりがとまらない 動 性 授業中離席する 順番を待つことができない 気 に な る 行 動 衝 突然怒り出したり、たたいたりする 動 性 人の話をさえぎったり、途中で自分の話をしてしまう 遊びたいのに入れない 社 会 協力して活動するのが苦手 性 一人でいることが多い 会話が継続できない 3 2 1 0 ニ ケ 独り言が多い 3 2 1 0 含みのある言葉が理解できない 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 3 2 1 0 ュ コ ミ ー ョ シ ン 強くこだわっているものがある こ だ わ 空想にふけることがある り 知識はあるが応用がきかない 43 具体的な言動や その他気付いたこと 自分の興味がある話題を 一方的に話す。 周りの友だちの言葉に過 剰に反応する。 被害者意識が強く、周り から攻撃されていると 思っている。 自分の感情が抑えられ ず、一人で何か話してい ることが多い。 堺市アセスメント(様式3) 児童生徒理解のために (秘) 【 】学校 ( )年( )組 氏名( 場面 気がついたこと 様式例 ) 対応等 授業 部活動 その他 44 堺市アセスメント(様式3) 児童生徒理解のために 【 ○○△小 】学校 ( 4 )年( )組 氏名( 場面 気がついたこと 記入例 (秘) A ) 対応等 ・集中力がなく、常に声かけを必要 ・肩に触れる等、周りの生徒にわか とする。 らないように配慮して注意を促 す。 ・解決の課程で支援をしてもすぐに ・座席の配置に配慮する。 修正ができない。 授業 ・忘れ物が多い。 ・休まずに練習に参加していること を認めている。 ・すぐ、保健室へ来る。 ・本人の心の安定を図るために訴え を聞くようにしている。 部活 動 その 他 【留意点】 ・ 職員室の学年教師集団の席に、用紙を置いておき、気になる児童生徒について、気づいたことや行 った指導・支援を書きとめていく。(文書管理は厳重に) ・ 一人の児童生徒について、ある程度、記入され、情報が集まった時点で、校内委員会のアセスメン トとして活用する。 45 校 内 委 員 校内委員会 開催日 会 年 の 記 月 録 記入例 日 ( ) 出席者 対象児童生徒名 学年組・担任名 子どもの 実態報告 学年集団等から 具体的な 支援メモ ・どのような場で ・だれが ・どのように まず取り組め そうなこと 4 年 組 担任 ・ 被害者意識が非常に強い ・ 周囲の注意をいじめと捉える。「憎い」という言葉がでたので、1 対 1 で話をして対応した。 ・ 泣いたときは、パニック的な泣き方をする。 ・ 突然怒り出すので、周りがびっくりしてしまう。 ・ 工作が 1 番にできたときは、とても満足していい自分が出せる。 ・ 1 番の願いは、友達関係がうまくいくようになってほしい。 ・ 先日、音楽の時間、音楽室から飛び出した。原因は友達ともめたこ とにあった。その時の様子は、顔色が変わっていて、激情していた。 ・ いつも廊下で一人いることが多い。 ・ トラブルは全面的に避ける必要はない。トラブルが起きた時、どう 対応するか具体的に教えていくことが大切と思う。 ・ 頑張っていることを認めてカードに書きためていってはどうか。 ・ かなり、ストレスをため込んでいる気がする。ゆっくり本人の思い を聞くことが大事ではないか。 ・ 聞く力が弱いのではないか。自分が悪く言われているように誤解し ている可能性もある。分かっていると思うことも説明する必要があ るように思う。 ・ つらいことがあったときは、友達に言ったり、飛び出したりするよ り、先生に相談する方が良いと教えないと分からないと思う。 ・ 自信をもたせる指導が大事ではないか。 ・ もめた時に全員に考えさせる機会を設ける。 ・ トラブルが起きたときは、どうしたらいいか具体的に教える。 「怒りたくなった時は、担任に相談しに行く。 」と本人と相談して決 める。 ・ 学級の担任と交換ノートをし、思っていることを絵や文で書かせて みる。 46 個 別 の指 導 計 画 (児 童 生 徒 理 解 のために) 作成者( )〔平成 様式例 年 月 日作成〕 長期目標 (年間指導目標) 目標の設定理由 (担任が気にな る、指導上困って いる状況など) 短期目標 (学期指導目標) 校内委員会等にお ける指導方法に関 する具体的なアイ デア ◆指導方法は適切であったか 評価 4 3 (記載日 2 年 月 日) 1 (欄に〇をつける) 適切であった 適切でなかった 指導方法に関する 評価 評価に基づく 今後の方針 47 個 別 の 指 導 計 画 ( 児 童 生 徒 理 解 の た め に ) 記入例 ○○△小 】学校( )年氏名( A )【平成 年 【 作成者( ) 〔平成 年 月 月 日生】 日作成〕 長期目標 ・自分の気持ちを落ち着かせる方法を身につける。 (年間指導目標) 目標の設定理由 (担任が気にな ・周りからの何気ない言葉に攻撃的になり、周りの友達とコミュニケーション がとれない。 る、指導上困って いる状況など) 短期目標 ・自分の気持ちが抑えられなくなったときは、担任や他の先生に相談にいく。 (学期指導目標) ・トラブルがあったときは、チャンスと捉え、トラブルの原因を把握し具体的 校内委員会等に にどうすればいいのか学習する。 おける指導方法 ・ロールプレーなどを用い、場の状況や相手の心情に目をむけて練習をする。 に関する具体的 ・自分がいやなことに対しては、なぜいやなのか自分の思いを話したり、書い なアイデア たりする練習をする。 ◆指導方法は適切であったか (記載日 年 月 日) 評 価 (欄に〇をつける) 4 3 2 1 〇 適切でなかった 適切であった 指導方法に関す ・トラブルの回数は、極端に少なくなった。 る評価 ・相手の心情を考えることは、なかなかできないので、表情のカット集を活用 して、練習すると有効であった。 ・ 「なぜ、いやなのか」を話させることで教師が本人の捉え方の特性がわかり、 周りの子どもに説明することができ、少しづつ周りの子どもの本児に対する 理解が進んでいる。 評価に基づく 今後の方針 ・この方法で支援を進める。 【留意事項】 〇校内委員会開催後、1ヶ月後に評価を行い、指導方法の検討をする。 ・ 効果が出ていれば、引き続き支援を行う。改善が見られない場合は、もう一度、校内委 員会で話し合い、指導方法について検討する。 〇改善に向けての今後の指導アイデア【例】 ・ 得意な工作の分野での作品展を学年で取り組む。 ・ トラブルが起こった曜日、時間、教科、相手、発生前の様子を整理して、苦手な場面、 時間の過ごし方を練習する。 ・ 周りの子どもに具体的な対応の仕方を依頼する。 〈例〉 :係活動に遅れる ⇒ 活動に行く前に声をかける。 〈例〉 :体育 ⇒ 今日の体育は何をするのか、見通しを持たせ、全てに参加するこ とを要求するのではなく、少しでも参加するところを本人と決め、周りの 子どもに伝えておく。 ・頑張れたことを目に見える形式で評価する。 (表にシールを貼る 等) 48 国の動向 〈参考資料〉 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 近 年 の 流 れ 府 の 動 向 堺市の動向 「学習障害児に対する指導について(報告)」 平成11年7月2日 「学習障害及びこれに類する学習上の困難を有する児童 生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議」 「 21世紀の特殊教育の在り方について一人 一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について 堺市学習障害(LD)児等支援 研究委員会の設置 平成 13 年 6 月 ~ (最終報告) 」 平成13年1 月 15 日 「21 世紀の特殊教育の在り方に関する調 査研究協力者会議」 15 年 3 月 「学習障害児(LD)に対する指導 体制の充実事業」平成12 年~14 年 重点施策実施5か年計画(障害者プラン) LD(学習障害)のある子ども ○47 都道府県・政令指定都市にて実施 を理解するために」 ○「校内委員会」「専門家チーム」「巡回 ○平成 19 年度までに、小・中学校における支援体制を 整備するためのガイドライン策定 「一人一人が輝いて 平成 14 年 2 月発行 平成14年12月24日 相談」など ~ 平成16 年度 保護者に配布 「今後の特別支援教育の在り方について(最終 報告) 」平成15 年3 月 28 日 「特別支援教育の在り方に関する調査研 学習障害児に対する指導体制の充実 事業(国のモデル事業) 「特別支援教育推進体制モデル事業」 平成 15~16 年度 府下 3 市が受ける(堺市、高槻市、河 ○47 都道府県にて実施 内長野市)平成13・14 年度 ⇒専門家チーム会議を発足 ○LD・ ADHD ・高機能自閉症などの総合的 究協力者会議」 〇特別支援教育の在り方の基本的考え方 〇特別支援教育を推進する上での学校のあり方 〇特別支援教育体制を支える専門性の強化 な教育支援体制の整備 ○「校内委員会」「特別支援教育コーディ サポートブック作成委員会発足 ネーター」など ○一定地域を推進地域として指定 童生徒の教育的支援の在り方に ついて」 (最終報告)平成16 年4 月 平成 16・17 年度小・中学校特別支援 教育コーディネーター実践研修 特別支援教育を推進するための制度 の在り方について(中間報告) 〇各市町村において、今後、特別支援教 (中央教育審議会)平成 16 年 12 月 1 日 育の中心となる教員として市町村教委 〇特別支援教育の理念と基本的な考え方 推薦の者 100 名対象に実施。 〇盲・聾・養護学校制度の見直しについて LD(学習障害)等のある子ど 〇小・中学校における制度的見直し もの担任へのサポートブック 〇教員免許制度の見直しについて 学習につまずきのある子どもたち への理解と支援 16 年 4 月発行 LD(学習障害)等巡回相談事業 平成 15・16・17・18 年度 特別支援教育サポーター派遣事業 平成 18 年度 症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガ イドライン(試案) 」 平成16 年1 月 平成 14 年 12 月~15 年 3 月 「LD等、学習上困難のある児 「小・中学校におけるLD、ADHD、高機能自閉 平成 16・17 年度小・中学校等への障 害教育地域相談・支援事業 〇府教委、市教委、盲・聾・養護学 校との連携 〇府内7地域単位での支援体制の 構築 〇泉北ブロックは、府立堺養護学 校が推進校として調整役割を担 う。美原支所は富田林養護学校 が推進校。 「発達障害者支援法」平成 17 年 4 月1日 〇「発達障害」の定義 〇発達障害児への適切な措置を講じること、など。 特別支援教育を推進するための制度の 在 り 方 に つ い て ( 答 申 ) (中央教育審議会)平成 17 年 12 月 8 日 〇盲・聾・養護学校制度の見直しについて 特別支援教育専門家チーム 相談事業 平成 18 年度 学校教育法等の一部を改正する法律 平成 19 年 4 月 1 日施行 〇小・中学校における制度的見直し 〇教員免許制度の見直しについて 編集協力委員名簿 <平成 17 年度・18 年度 特別支援教育推進委員会推進委員> 氏 名 所属団体等 もりた よしき かない たかあき たむら よしひこ 森田 好樹 金井 孝明 田村 仁彦 ほり 堀 よねだ かずお 一夫 かずこ 米田 和子 とまひろ 苫廣みさき すぎもと みつえ まつひさ まなみ 杉本 光枝 松久 真実 やまだ 山田まゆみ やまだ 山田 あさい みつる 充 いくこ 浅井 郁子 はらだ 原田 いずみ 泉 さかぐち たかみ うめかわ よしこ にしむら きょうこ 阪口 孝美 梅川 佳子 西村 恭子 いわもと ち え 岩本 千栄 堺市立堺病院 百舌鳥養護学校 百舌鳥養護学校 百舌鳥養護学校分校 向丘小学校 五箇荘東小学校 金岡小学校 東百舌鳥小学校 宮園小学校 日置荘小学校 御池台小学校 さつき野小学校 大浜中学校 殿馬場中学校 陵南中学校 庭代台中学校 挿絵・カット 監修:大阪自閉症研究会 発行:大阪府「ええやん ちがっても」引用 平成19年発行 堺市教育委員会学校教育部 教務担当養護教育グループ 〒 590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 ℡ 072-228-7436
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