事 例 B Bさんは,妊娠34週までは順調な妊娠経過をたどってい た.しかし,妊娠34週を過ぎてから陣痛が始まり,分娩に いたった. そのため,Bさんの児は未熟児集中治療センターに収容 され治療を受けた.そして1カ月後,無事に退院となった. Bさんには,次のような法的サービスが活用できる(表 1-52) ❺ 職業状況のアセスメント 1. 仕事内容,環境,通勤時間などについてアセスメント 2. 勤労妊婦に適用される法律 事 例 C ある会社に勤務していたCさんは,結婚後,妊娠した. 電車通勤していたCさんは,悪阻症状が強く,毎朝の通 勤ラッシュに苦痛を感じていた.また,Cさんの仕事内容 は主に立ち仕事であった. そのためCさんは,妊娠初期は通常と変わりなく仕事が できていたが,妊娠後期から貧血を発症したり,浮腫も生 じやすくなるなど,現在の仕事を継続するのが困難となっ た.しかし,Cさんは出産後も現在の仕事をつづけたかっ たため,上司に相談することにした.その後,無事妊娠を 継続し,出産となった. 出産後も仕事に復帰することができた. Cさんには,次のような法的サービスが活用できる(表 1-52,図1-56-①,②). 80 第3章:褥 婦 編 ❷ 疼痛,違和感 1. 後 陣 痛 初産婦では持続性の収縮,経産婦では間欠的な収縮と弛 緩を繰り返す.経産婦は疼痛と感じることも多い.全く 収縮を感じない場合は子宮収縮不全を疑う. 2. 創部痛,膣・外陰血腫の有無 ⑴ 会陰裂傷,会陰切開の縫合部の観察(表3-1) ・発赤・腫脹,出血,圧痛の有無 ⑵ 膣・外陰血腫の徴候 ・外陰の腫脹,激しい痛み,圧迫感の有無 ❸ 出血の可能性 1. 分娩時出血量の基準 分 娩中,および分娩後2時間までの出血量が500 ml 以 上のときを分娩時異常出血とする.分娩時の出血量は, 表 3-1 縫合部治癒状態の評価 ポイ ント 0 1 REEDAスコア 発赤 浮腫 皮下出血 redness edema eccymosis なし なし なし 創面の両側 会陰・創面 両側0.25 0.25 cm以 から cm 内 1cm以下 片側0.5 cm 以内 創面の両側 会陰・陰唇 両側0.25~ 0.5 cm以内 または創面 1cm から1~2 片側0.5~ cm間 2cm 創面の両側 会陰・陰唇 両側1cm 0.5 cm以上 ・創面から 以上 2cm以上 片側2cm 以上 2 3 分泌物 discharge なし 血清 癒合 approximation 閉じている 皮膚の離開 3mm またはそれ 以下 持続的出血 皮膚と皮下 脂肪が離開 出血・化膿 皮膚・皮下 脂肪・筋肉 層の離開 スコア 計 (文献75より引用) 209
© Copyright 2024 Paperzz