心が動いて交わされる言葉 12月の大事にしたいこと 月の大事にしたいこと

12
月
園だより
平成25年11月29日
渋谷区立本町幼稚園発行
http//academic3.plala.or.jp/hon-yo/
心が動いて交わされる言葉
園長 森山未来
子供たちの遊びには、思わず微笑んでしまう楽しい表現や言葉があふれています。
ある日の砂場遊びから……この日、子供たちは年長児も年少児も一緒になって今まで作ったことも
ないような大きくて高い山を作りました。出来上がった山を見て一同歓声を上げて眺めています。
「うわ
ぁ、でっかい!」「すごいのできた」
「富士山ぐらいじゃない?」「富士山もっと大きいよ」「いいの!富
士山なの!」
「こどもの富士山ってことじゃない?」
「どっちでもいいの、でっかい山なの」
「もっと高く
したい!」「高くする?」
「もういいよぉ」
「高くしようよ」「えー、でもそろそろトンネル作らない?」
「トンネル?いいねぇ」
。一同トンネル作りに賛成。このあと子供たちは山の両側に分かれてああでもな
いこうでもない、穴が上向きだ!もっと下に掘って!あのシャベルがいいんじゃないか、〇〇ちゃんに
代わって!と穴を掘り進め、途中からは「♪もう少し♪もう少し」と節をつけてみんなで声を合わせ始
めました。そして「あれ?つながったかな?」という瞬間、顔を見合わせ、両側から手を差し込み、ト
ンネルの真ん中辺りで指先がかろうじて触れる感じで握手をし、
「きゃあ~!!」と山が出来た時以上の
歓声を上げました。
自分の感じたこと、提案したいこと、友達を受容すること、友達の思いに自分の意見を重ねるこ
と、そして仲間と一体感を味わう掛け声など、子供たちは遊びながら様々な言葉を選び、使い分け
ています。幼児教育でいう「言葉」や「表現」は、まさにこのような子供たち自身の主体的な遊び
の中で、心が動いてお互いにやり取りすることではぐくまれていきます。
今、子供たちは「発表会」に向けて劇あそびをしています。台本のない劇遊びでは、例えばロバ
役のAちゃんが「△△しようよ」と発したひと言に「何て答えたらロバさんうれしいかな?」と考
える場面や、どんな会話がやり取りされるとお話の内容が伝わるのかを考える場面で、子供たちの
言葉力(会話力)と表現力が発揮され活かされます。参観の折には、このやり取りの過程も思い浮
かべながらご覧いただけたらうれしいです。
子供たちの言語表現は、家庭での会話、幼稚園で教師や友達と交わす会話、テレビから聞こえて
くる会話の影響を大きく受けます。気持ちの良い言葉が交わされる環境は大人が作るものです。自
分の口から発せられる言葉、特に子供に投げかける言葉を吟味して、まずは私たちの周辺から心地
よい会話を作り出していきたいと思います。
12月の大事にしたいこと
4歳児
もも組
月の大事にしたいこと
5歳児 すみれ組
・発表会に向けて、劇遊び・わらべうた・歌・合奏な
どいろいろな表現を楽しんでいます。皆で一緒に取
り組む楽しさを味わいながら、友達の動きや言葉を
取り入れて、イメージをふくらませてその子なりに
表現していくことを大切にしています。
・楽しい戸外遊びをして、体を動かして遊ぶと寒くな
い、皆で一緒にすると楽しいという気持ちがもてる
よう援助し、友達とのかかわりを楽しめるようにし
ます。
・餅つきや大掃除などを通して、一年が終わり、新し
い年がくることを知らせていきます。
・来週はいよいよ発表会です。自分なりに言葉や動
きを考えたり、友達と小道具や大道具を作ったり
して準備を進めています。子供たちが自信をもっ
て「お客さんに見てもらいたい」と思える発表会
になるように、劇、合奏、ことば遊び、手話、歌
と、皆で力や気持ちを合わせながら準備を進め、
やり遂げる充実感を味わえるようにしていきま
す。
・餅つき、年末子ども会などの行事や、絵本、歌な
どを通して一年の締めくくりを感じ、新しい年を
迎えることに期待をもてるようにしていきます。