PRESS RELEASE 報道関係者各位 (本資料は米国報道資料の抄訳です) 2016 年 10 月 28 日 ボストン コンサルティング グループ 仕事への満足度(エンゲージメント・スコア)下位 75%の企業では シニアマネジメント層の満足度に男女差 ~BCG 調査 エンゲージメント・スコア上位 25%の企業では、シニアマネジメント層の満足度は男女ほぼ同等 ボストン発、2016 年 10 月 27 日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ (以下、BCG)は、2002 年以降蓄積してきた、世界各国におけるアンケート調査のデータなどを基に、従業員 の意欲や仕事への満足度を測る「エンゲージメント・スコア」を男女別・階層別に分析し、レポート「The Rewards of an Engaged Female Workforce」にまとめました。 エンゲージメント・スコア下位 75%の企業では、女性シニアマネジメント層の満足度は男性より低い 全体的に、職階が上がるとともに、エンゲージメント・スコアが上昇する傾向が見られました。エンゲージメント・ スコア上位 25%の企業では、スタッフ層からシニアマネジメント層に至るエンゲージメント・スコアの上昇率は男 性で 5%、女性で 7%と、職階による男女の満足度・意欲レベルの上昇率や全体的な満足度に大きな差が見 られませんでした。しかし、それ以外の企業(下位 75%)では、スタッフ層からシニアマネジメント層への満足度・ 意欲レベルの上昇率は、男性が 12%に対し、女性では 4%と明らかな差異がありました(図表1)。下位 75%企 業における満足度の男女差はシニアマネジメント層で最も顕著でした。 図表1 : エンゲージメント・スコア下位75%の企業では 職階による満足度の上昇率に男女差 エンゲージメント・スコア上位25%の企業 エンゲージメント・スコア下位75%の企業 エンゲージメント・スコア エンゲージメント・スコア 5.0 5.0 +7% 4.5 4.5 +5% +12% 4.0 4.0 3.5 3.5 +4% 3.0 3.0 スタッフ マネジャー 男性 注: シニア マネジャー スタッフ マネジャー シニア マネジャー 女性 世界各国の営利企業36社のデータを分析。各項目につき1(非常に不満)から5(非常に満足)までの5段階で評価。 n=125,445(うち女性が52,075) 出所: BCG Engaging for Result (EFR) 調査、2005-2015; ボストンコンサルティンググループ分析 © The Boston Consulting Group 2016 - All Rights Reserved. 「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」に課題 エンゲージメント・スコアの分析は、「仕事への評価」「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」「メン ターシップ、スポンサーシップ、上司との強いつながり」「報酬、昇進の機会」「業務への貢献」「企業全体の目標 や価値観」という 7 つの領域について行いました。 -1- エンゲージメント・スコア下位 75%企業の、領域別エンゲージメント・スコアのスタッフ層からシニアマネジメント 層への変化率を見ると、女性従業員では「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」で満足度が低 下していることが分かりました(図表 2)。 図表 2: エンゲージメント・スコア下位 75%企業における エンゲージメント・スコアのスタッフ層からシニアマネジメント層への変化率(領域別) 領域 男性 女性 15% 6% ワークライフ・バランス 7% -2% 同僚との協力、良好な関係 8% -2% メンターシップ、スポンサーシッ プ、上司との強いつながり 12% 1% 報酬、昇進の機会 20% 10% 業務への貢献 13% 2% 企業全体の目標や価値観 12% 2% 仕事への評価 BCG ピープル・チームのリーダーで、本レポートの共著者であるシニア・パートナーのマット・クレンツは、「組織 内の人材の満足度は企業全体のパフォーマンスとも関連するため、シニアマネジメント層に見られる満足度の 男女間のギャップは、大きな課題です。しかし、上位企業が示すように、このギャップは解消できるはずです。 女性シニアマネジメント層に働きやすい環境を提供するためには、経営チームはこの課題を優先課題と位置 付け、今目の前にある問題に取り組む必要があります」とコメントしています。本レポートでは企業がこの男女の 満足度のギャップの解消に向け、どのようなことに優先的に取り組むべきか、先進企業の事例とあわせて解説 しています。 ■調査レポート 「The Rewards of an Engaged Female Workforce」 https://www.bcgperspectives.com/content/articles/people-organization-leadership-talent-rewards-of-engagedfemale-workforce/#chapter1 ■調査概要 BCG では、女性が活躍できる組織づくりに継続的に取り組んでいます。今回、この取り組みの一環として、女 性の採用に多くの投資を行っている企業が多い一方で、社内の女性人材、特にシニア層の女性人材に対して 十分に投資をしているか、というポイントについて調査を行いました。BCG 社内の 2 つのデータベース―― 2002 年以降蓄積してきた Engaging for Result (EFR)調査、2014 年に行った Decoding Global Talent 調査 ――に加え、ワークライフ・バランスに関しては InHerInsight のデータを使って分析しています。 エンゲージメント・スコアとは、従業員の意欲や仕事に関する満足度を測る指標です。具体的には、「仕事への 評価」「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」「メンターシップ、スポンサーシップ、上司との強い つながり」「報酬、昇進の機会」「業務への貢献」「企業全体の目標や価値観」の 7 つの領域につき、自身の満足 度を 1(非常に不満)から 5(非常に満足)までの 5 段階で評価するアンケート調査の分析により算出されてい ます。 -2- ■日本における担当者 津坂 美樹 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター ハーバード大学政治学部および東アジア研究学部卒業(Magna Cum Laude)、同大学経営 学修士(MBA)。BCG ニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。BCG グローバルのチーフ・マ ーケティング・オフィサー(CMO)、BCG グローバル・エグゼクティブ・コミッティ(経営会議)のメ ンバー。監訳書に『ウーマン・エコノミー――世界の消費は女性が支配する』、『世界を動かす 消費者たち――新たな経済大国・中国とインドの消費マインド』(いずれもダイヤモンド社)。 木村 亮示 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 京都大学経済学部卒業。HEC 京都大学経済学部卒業。HEC経営大学院経営学修士(MBA)。国際協力銀行、BCG 経営大学院経営学修士(MBA)。国際協力銀行、BCGパリ・ パリ・ オフィスを経て現在に至る。 オフィスを経て現在に至る。BCG BCG戦略グループのアジア・パシフィック地区リーダー。BCG 戦略グループのアジア・パシフィック地区リーダー。BCGピピ ープル・チームの日本リーダーを務める。共著書に『BCG ープル・チームの日本リーダーを務める。共著書に『BCGの特訓――成長し続ける人材を生 の特訓――成長し続ける人材を生 む徒弟制 む徒弟制』、監訳書に『戦略にこそ「戦略」が必要だ: 』、監訳書に『戦略にこそ「戦略」が必要だ:正しいアプローチを選び、実行する』 正しいアプローチを選び、実行する』 (いずれも日本経済新聞出版社)。 (いずれも日本経済新聞出版社)。 ■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざま な業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊 密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた 業績をあげられるよう支援を行っています。 1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には名古屋に中部・関西オ フィスを設立しました。現在世界 48 ヶ国に 85 拠点を展開しています。http://www.bcg.co.jp/ bcg.perspectives サイトでは、さまざまな業界・分野に関する BCG の知見をまとめたレポート、記事およびイ ンタビュー映像などをご紹介しています。https://www.bcgperspectives.com/ ■ 本件に関するお問い合わせ ボストン コンサルティング グループ マーケティング 嶋津・直江 Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333、Mail: [email protected] -3-
© Copyright 2024 Paperzz