『高齢者に関する間接的指導のタイプ』 本郷小学校第2学年図画工作科学習指導案 1 題材名 ひらいて見てね、わたしのえてがみ 2 題材の目標 (1)生活の中から自分が楽しいと感じたことやすきなこと、発見したことなどを絵と文章にして表 すことに興味や関心をもつ。 (造形への関心・意欲・態度) (2)伝えたい相手に語りかけるような気持ちで,伝えたい内容を考える。 (3)表したい内容に合わせて,工夫して表す。 (発想や構想の能力) (創造的な技能) (4)友達の表し方や工夫したことについてよさを認めたり、自分の活動との違いに気づいたりする。 (観賞の能力) 3 題材観 (1)指導内容について この題材は、生活の中でたのしかった出来事、すきなこと、発見したことなど、伝えたい内容を 伝えたい相手のことを考えながら絵に表す内容で、児童は普段の生活の中で感じている感謝の気持 ちを身近な両親やクラスの友達に伝える絵手紙を書くことが出来ていた。そこで、初めに書いた絵 手紙で児童が書いていなかった学校行事「運動会」の内容を、「おじいさんおばあさん」に伝える 活動として1時間特設した。 (2)人権問題(高齢者)をどのように指導したか 絵手紙の相手をおじいさんおばあさんにし、相手のことをイメージさせながら分かりやすい絵や 文章について考えさせた。また、考える手助けとして、文字の大きさ、色、間隔と、絵の大きさを 具体的に示した見本を用意し、目に見える形で比較させながら考えさせた。 (3)授業を進めていく上でのそのほかの配慮 おじいさんおばあさんを対象としての絵手紙作りなので、事前に運動会におじいさんおばあさん が来ているか、来ていない場合は絵手紙を渡すことが出来るかについて調べ、すべての児童が意欲 を持って取り組めるように配慮した。 絵手紙を作る材料も、自分のイメージに合うものが作れるように、多種類の色画用紙や画用紙、 紙を用意した。 4 指導計画(総指導時数 5時間) (1)誰にどんな絵手紙を書くか考えよう。 (2)手紙に貼る絵や手紙をかこう。 (3)色画用紙を組み合わせてとびらを作ろう。 (4)作品を完成させて、おたがいの作品を観賞しよう。 (5)学んだことを生かして、おじいさんおばあさんに運動会の絵手紙を出そう。(本時) 5 人権教育との関連 心を開き、材料や自分自身、友達などとかかわり合うよさを知る活動である。ここでは、生活の中 でたのしかった出来事、すきなこと、発見したことなど、伝えたい内容を伝えたい相手のことを考え ながら絵に表す内容である。5時間目には、楽しかった運動会の様子を、おじいさんおばあさんのこ とを考えながら相手に分かりやすい絵や文章に表し絵手紙を作っていく。このことは、本校の人権教 育で育てたい能力・態度「相手に対して優しい気持ちをもつことができる。(感受性)」につながる ものと考える。 6 本時の指導 (1)題目 「学んだことを生かして、おじいさんおばあさんに運動会の絵手紙を出そう。」 (2)ねらい 楽しかった運動会の様子を、おじいさんおばあさんのことを考えながら相手に分かりやすい絵や 文章に表して絵手紙を作ることができる。 (3)人権教育上の視点 楽しかった運動会の様子を、おじいさんおばあさんに伝えるときに、相手に分かりやすい絵や文 章にするには、どのような内容の文が良いか、文字の大きさが良いか、どのような絵が良いかなど を考える活動を通して,相手のことを思いやる気持ちを育てたい。(感受性) (4)生かしたい児童 A児…作品作りに対する意欲があるが、すぐに作品を仕上げて終わりにしようとする傾向がみら れる。具体的なアドバイスを与えると、より良い作品に手直ししていくことができるので、作品作 りの場面で話し合いで出されたポイントを示し、おじいさんおばあさんが喜ぶ作品に仕上げようと する気持ちを育てたい。 (5)展 段階 開 ◎人権教育上の配慮 学 1 習 活 動 本時の学習課題をつかむ。 教師の留意点・支援・評価 資料・準備 ・運動会で楽しかったことを思い出させる。 ・前時で完成させた絵手紙の相手を集計した ・ 絵 手 紙 の 導 学んだことを生かして、おじい 結果を見せ、親、友人、元担任へのお礼(あ 相 手 を 集 計 さんおばあさんに運動会の絵手紙 りがとう)の手紙が多かったことを伝え、運 した表 を出そう。 動会のことを、まだ書いていない「おじいさ 入 んおばあさん」へ運動会の内容を伝えようと する意欲を持たせる。 ・おじいさんおばあさんが相手であることを 意識させる。 2 おじいさんおばあさんに運動会の ◎おじいさんおばあさんにとって分かりやす ことを伝えるときに、分かりやすい いという観点で考えさせることを通して思い 文にするにはどんなことに気を付け やりの心を育てる。 展 たらよいか考える。 ①運動会の中で特に伝えたいことを書く。 ①内容に関すること ②書きたいことを短くまとめる。 ②文の書き方に関すること ③黒や青など見やすい色で大きく書く。 ③文字の大きさや色に関すること 3 おじいさんおばあさんに運動会の ・手紙の内容が分かりやすくなるような絵を 事を伝える時に、どんな絵を描たり、描くと良いことなどを伝え、表紙や絵をどう 開 どんな表紙にしたりすると分かりや すると良いか考えさせる。 すいかなどについて考える。 ①手紙の文に合う内容の絵を大きく描く。 ①絵の描き方について。 ②表紙の文字は、見やすく書く。 ②表紙の文字の書き方について。 4 話し合ったことをもとに絵手紙を [T1]全体指導・机間巡視[T2]机間巡視 作る。 ◎話し合った内容を生かしている作品を途中 で紹介し称賛する。 評価:相手に分かりやすい絵や文章に表して絵手紙を作ることができたか評価する。 十分満足できる状況 おおむね満足できる状況 努力を要する児童への支援 評 祖父母への手紙を、相手に分か 祖父母への手紙を、文字の大 書く内容のポイント、書き 価 りやすい内容、書き方、文字の きさや色、分かりやすい絵な 方の例、文字の大きさの例、 規 大きさや色、分かりやすい絵な どのポイントに気を付けて作 絵の例などを示して作らせ 準 どのポイントに気を付けて作る ることができている。 る。 ことができている。 終 5 末 7 本時の活動をふり返る。 [T1]全体指導[T2]カード配布 ・作品カー ①作るときに気を付けたことを作品 ◎祖父母が読みやすいように気を付けたこと ド カードに記入する。 を書くことができた児童に発表させ、賞賛す ②数名の記入した内容を聞く。 る。 授業についての考察 (1)良かった点 ・導入で、資料を基にして、運動会のことをおじいさんおばあさんに伝える絵手紙を書く活動だと いうことを確認したので、目的意識を持って活動することが出来た。学習のゴールを意識させるこ とにより、おじいさんおばあさんに絵手紙を直接手渡すイメージを持つことができ、とても丁寧に 活動に取り組むことができた。 ・お年寄りを思いやる気持ちを育てることが前面に出ていて、人権としての授業の目的は十分に達 成されていた。 ・活動2・活動3の場面で、文字の大きさ、色、配置、絵の大きさの違いを示す見本を見せたので 児童は納得することができ、作成の時に気を付けることが出来た。学習後の児童の自己評価でも、 下図の通り文字や絵について気を付けて作っていた。 絵手紙を作るときに気を付けたこと 文字について 絵について きれいに書く・上手に書く 36% 分かりやすく 14% 太く書く・大きく書く 27% きれいに描く・上手に描く 9% 見やすく書く 27% ていねいに描く 9% ていねいに書く 18% 見やすく描く 9% ・絵手紙を作る材料は、色画用紙10種類、長方形の2種類の大きさの画用紙、2種類の大きさの 円形の紙など種類が多かったので自由に組み合わせることが出来、想像が膨らんだようだ。 (2)さらに良くするために ・活動1~活動3までで時間を短くし、絵手紙を作る時間を増やすと絵手紙の文を書く時間が確保 できる。 ・相手をおじいさんおばあさんに特定せずに「おじいさんおばあさん」をイメージして分かりやす い書き方を考えると、人権教育としての広がりが出る。 ・見やすい文字の色を考えても、好きな黄色やオレンジ等の薄い色で書く児童がいるので、その場 合は、太く書いたり縁取りをしたり等の支援をしたほうが良い。 ・高学年になった時にもう一度同じ内容の授業を発展として行い、相手を「おじいさんおばあさん」 から「老人ホームの方」「障害を持つ方」「外国から来た方」などのように幅を広げていくことが 可能である。 ※参考資料 文字について(黒板掲示) 絵について(黒板掲示) 絵手紙の相手 クラスの友だち クラス以外の友だち 人数(人) 1 8 運動会で楽しかったこと 1位 全校リレー 2位 3位 ○○ 先生 4 父 母 8 運動会に来てくれた祖父母 (15人) おじいちゃん 10人 スーパー綱引き (9人) おばあちゃん 20人 本郷忍者★参上! (8人) きょうだい 1
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