日本学術振興会ワシントン研究連絡センター 大統領府、気候変動が人間の健康に与える影響に関する最終報告書を発表 (4 月 4 日) 大統領府は 4 月 4 日、環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)、 厚生省(Department of Health and Human Services:HHS)、米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration : NOAA )、 米 航 空 宇 宙 局 ( National Aeronautics and Space Administration : NASA )、 農 務 省 ( Department of Agriculture:USDA)、米国地質研究所(U.S. Geological Survey:USGS)、国防総 省(Department of Defense:DOD)、及び退役軍人省(Department of Veteran’s Affairs:VA)を含む気候変動科学及び公衆衛生の専門家約 100 人が過去 3 年間を かけて作成した、気候変動と人間の健康の関係に関する最終報告書「米国において 気候変動が人間の健康に与える影響 ~科学的評価~(The Impacts of Climate Change on Human Health in the United States: A Scientific Assessment)」を 発表した。これによると、気候が人間の健康に与える影響は、将来だけでなく既に 現在も脅威となっていることが明らかにされた。同評価の結果判明した気候変動に よる健康リスクには、①極端な高温・低温となる温度変化、②大気質に対する影響、 ③頻度・強度を増した異常気象、④ベクター媒介病の発症時期・場所の変化、⑤水 関連の疾病増加のリスク、⑥食品安全及び栄養に対する脅威の増大、⑦精神衛生に 対する悪影響、⑧影響を受けやすい人々に対する不均衡な影響、などが挙げられる。 また、この日、オバマ政権は、気候・健康評価(Climate and Health Assessment) に概説された重要な問題および脆弱性に対応するための行動計画を発表した。具体 的な主要行動計画は以下の通り。 • 環境健康リスクと子どもに対する安全リスクに関する大統領のタスクフォー スの対応範囲を拡大。 • 気候変動と健康に関する幼稚園から高校3年まで(K-12)のための教材開発。 • 気候変動による健康への影響に関する研究・準備・対応を行った先住民部族 及び領土の保健局を表彰する「気候変動に対する準備のできた部族・領土イ ニシアティブ(Climate-Ready Tribes and Territories Initiative)」の立 ち上げ。 • 厚生省が発行する「サステナブルで気候変動に対して回復力のある医療ケア 施設ツールキット(Sustainable and Climate Resilient Health Care Facilities Toolkit)」のアップデート。 • 2016年5月23日~27日を「猛暑週間(Extreme Heat Week)」に指定し、連邦省 庁が地域プランナー及び公衆衛生職員と協力して、地域における猛暑に対す る準備を強化。 なお、本報告書は、https://health2016.globalchange.gov/downloads からダウ ンロード可能。 The White House, FACT SHEET: What Climate Change Means for Your Health and Family https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/04/04/fact-sheet-what-cl imate-change-means-your-health-and-family
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