事業所における健康管理等に関する実態調査結果 (定期健康診断関係及び受動喫煙防止対策の結果について) 小諸労働基準監督署 佐久地域の地域保健・職域保健に関わる行政、関係機関及び団体、健診機関、事業者等で構成する「佐久 地域保健・職域保健連携推進協議会」では、働き盛り世代の健康づくりと疾病予防、労働災害防止をめざし、 健康づくりをしやすい環境整備を推進するための基礎資料とすべく、 「事業所における健康管理等に関する実 態調査」を下記1及び2のとおり実施しました。 調査は、別添調査票のとおり①定期健康診断関係、②受動喫煙防止対策、③昼食の状況の3項目に分けて 実施し、そのうち、定期健康診断関係及び受動喫煙防止対策の結果については、下記3のとおりです。 1.調査のねらい この調査は、各事業所の健康管理等に関する意識と取組状況を見ることにより、その特性と問題点を 明らかにし、各事業所でのさらに自主的な取組を促すと同時に、地域における今後の施策の方向性を探 ることを目的として実施した。調査のねらいは以下のとおり。 1 事業所の定期健康診断の実施とそのフォローアップの状況及び受動喫煙防止対策の取組状況を把握 し、今後の労働者の健康確保対策の焦点を絞る。 2 健康保持増進及び高血圧・糖尿病対策推進のため、減塩と野菜摂取増加を図っていくにあたり、特 に働き盛り世代の課題である昼食の状況を明らかにし、今後の対策推進の資料とする。 3 調査票の記入により、上記1、2に関して事業所側の気づき、意識化をもたらす。 2.調査の方法 小諸労働基準監督署管内(小諸市、佐久市、南佐久郡、北佐久郡)の事業場のうち、労働者数 50 名 規模以上として把握している事業場(162 事業場)に調査票(別添)を郵送配布し、127 事業場から FAX または郵送で回答を得た。 (回収率:78.4%) 調査票は佐久保健福祉事務所と協議を行った上で作成し、調査票の回答は衛生管理者に依頼した。 なお、調査は平成 25 年 9 月 13 日から 10 月 7 日にかけて実施した。 3.調査の結果 問 1 定期健康診断関係 (1) 定期健康診断実施状況(図 1:重複回答あり) ① 健診機関に委託 87 事業場 ② 医療機関 ③ 市町村が行う健診 ④ どこで行うかは従業員にまかせている ⑤ 健康診断は実施していない ⑥ その他 60 事業場 3 事業場 2 事業場 0 事業場 6 事業場 定期健康診断の実施について、複数の方法(健診機関の委託と医療機関など)で実施している事業場 が見受けられた。健診機関に委託している事業場が 87 事業場(68.5%)と最も多く、次いで医療機 関を活用している事業場が 60 事業場(47.2%)であった。 なお、健康診断を実施していない事業場はなかった。 -1- 図1 問 1(1)定期健康診断実施状況(重複回答あり) % n=158 (2) 有所見者に対する医師からの意見聴取(図 2、図 3) 有所見者に対する医師からの意見聴取は 102 事業場(80.3%)において実施しているものの、25 事業場では実施されていなかった。 医師からの意見聴取を行っている 102 事業場のうち、 (2) -aの設問に回答した 95 事業場において、 医師からの意見に基づき、労働時間の短縮、作業の転換等の事後措置を実施している事業場が 70 事業 場(73.7%)、実施していない事業場が 25 事業場(26.3%)であった。 図2 問 1(2)定期健康診断における有所見者についての医師からの意見聴取状況 n=127 図3 問 1(2)-a 医師からの意見に基づく労働時間の短縮、作業の転換等の事後措置実施状況 n=95 -2- (3) 定期健康診断の結果を労働者へ通知 定期健康診断の結果について、すべての労働者へ通知している事業場は 126 事業場、未記入 1 事業 場であり、ほぼ 100%、全員に通知されている。 (4) 定期健康診断の結果に基づく医師又は保健師等による保健指導(図 4、図 5、図 6) 医師又は保健師等による保健指導は 106 事業場(85.5%)において実施しているものの、18 事業 場(14.5%)では実施されていなかった。 医師又は保健師等による保健指導を行っている 106 事業場のうち、有所見の改善に向けて、対象者 に合わせた食生活等の指導や健康管理に関する情報を提供するなどの充実を図っている事業場が 97 事 業場(91.5%)となり、より踏み込んだ取組がなされている。なお、特に行っていない事業場は 9 事 業場(8.5%)であった。 また、保健指導等において示された、労働者自身が取り組むべき事項(食生活の改善等に取り組むこ と)を着実に実施するよう指導している事業場は 76 事業場(73.8%) 、していない事業場は 27 事業 場(23.2%)となり、情報提供に比べ、労働者自身が実践しなければならない事項についての指導は 約 17 ポイント減少している。 図4 問 1(4)定期健康診断の結果に基づく医師又は保健師等による保健指導実施状況 n=124 図5 問 1(4)-a 対象者に合わせた食生活等の指導や健康管理に関する情報を提供などの充実 n=106 -3- 図6 問 1(4)-b 労働者自身が取り組むべき事項の実施指導状況 n=103 (5) 労働者に対する健康教育、健康相談等の実施(図 7) 労働者に対する健康教育、健康相談等を実施している事業場は 99 事業場(79.2%)である一方、こ れらの取組を実施していない事業場が 26 事業場(20.8%)あることから、これらの事業場について は、労働者の健康に対する認識向上及び健康相談の実施における健康不安の払拭等のため、適切に取組 を行う必要がある。 図7 問 1(5)労働者に対する健康教育、健康相談等の実施状況 n=125 (6) 産業医の有所見者の改善に向けた取組状況の確認や健康相談等(図 8) 産業医が毎月、有所見者の改善に向けた取組状況の確認や健康相談等を行っている事業場は 68 事業 場(54.0%)、行っていない事業場が 58 事業場(46.0%)となった。 産業医側・事業場側それぞれに時間的制約等があるなか、行っていない 58 事業場については、労働 者の健康確保の観点から産業医と連絡を密にし、実効的な取組を行う必要がある。 -4- 図8 問 1(6)産業医が行う有所見者の改善に向けた取組状況の確認、健康相談等の実施状況 n=126 (7) 被扶養者の健診(特定健診)の状況(図 9) 被扶養者の健診(特定健診)の実施状況については、 ① 対象者全員に受診券を配布している ② 求めに応じ受診券を配布している ③ 何もしていない ④ わからない ⑤ その他 14 事業場 60 事業場 25 事業場 19 事業場 8 事業場 となっており、対象者全員に受診券を配布している事業場以外の事業場については、被扶養者の健診 が完全に実施されているとは言えない状況にある。 図9 問 1(7)被扶養者の健診(特定健診)状況 n=126 -5- 問2 受動喫煙防止対策 (1) 現在の受動喫煙防止対策の状況(図 10:重複回答あり) 各事業場での受動喫煙防止対策の状況は、 ① 敷地内禁煙 17 事業場 ② 建物内禁煙 39 事業場 ③ 完全分煙(喫煙室があり、非喫煙区域にたばこの煙やにおいが流入しない)49 事業場 ④ 不完全分煙(喫煙場所を決めているが、非喫煙区域にたばこの煙などが流入する)28 事業場 ⑤ 禁煙または分煙の検討中 ⑥ 計画なし 1 事業場 0 事業場 となっており、敷地内又は建物内で禁煙としているのは 56 事業場(41.8%)、完全分煙が 49 事業場 (36.6%)と受動喫煙防止対策を講じている事業場が約 8 割となっている。 その一方で、不完全分煙が 28 事業場となっており、有効な受動喫煙防止対策を講じることが求めら れる。 図 10 問 2(1)現在の受動喫煙防止対策の状況(重複回答あり) n=134 (2) 受動喫煙防止対策助成金制度※(図 11) 受動喫煙防止対策助成金制度については、制度を知っている事業場が 56 事業場(44.1%)、知らな い事業場が 71 事業場(55.9%)となっている。 ※ 中小企業事業主喫煙室以外での喫煙を禁止するために喫煙室を設置等などする取組みに対し助成する ことにより、事業場における受動喫煙防止対策を推進することを目的とする制度。 なお、対象となる事業主は、①労働者災害補償保険の適用事業主であって、②中小企業事業主(注)であ ること。 (注)(1)卸売業については常時雇用する労働者が 100 人以下またはその資本の規模が 1 億円以下、(2)小 売業については常時雇用する労働者の数が 50 人以下またはその資本金の規模が 5000 万円以下、(3) サービス業については常時雇用する労働者の数が 100 人以下又はその資本金の規模が 5000 万円以下、 (4) (1)∼(3)以外の業種については常時雇用する労働者の数が 300 人以下又はその資本金の規模が 3 億円以下。 -6- 図 11 問 2(2)受動喫煙防止対策助成金制度の認知状況 n=127 (3) 受動喫煙防止対策助成金制度の活用 受動喫煙防止対策助成金制度の活用の有無等については、活用したい事業場が 25 事業場(19.8%) 、 活用希望の無い事業場が 27 事業場(21.4%) 、わからない事業場が 51 事業場(40.5%)となって いる。 受動喫煙防止対策助成金制度の活用を進めるにあたり、上記(2)の制度の知らない事業場が 5 割を 超えていること及び制度がわからない事業場が 4 割強であることから、様々な機会を通じて、制度の内 容について更なる周知を図る必要がある。 図 12 問 2(3)受動喫煙防止対策助成金制度の活用意向状況 n=126 -7- 別 添 事業所における健康管理等に関する実態調査について 以下の設問に対し、該当する番号に○もしくは記入をお願いします。 問1 定期健康診断関係についてお聞きします。 (1) (2) 定期健康診断をどのように実施していますか。あてはまるものすべてに○をしてください。 ① 健診機関に委託 ② 医療機関 ④ どこで行うかは従業員にまかせている ⑥ その他( ③ 市町村が行う健診 ⑤ 健康診断は実施していない ) 定期健康診断における有所見者についての医師からの意見聴取を行っていますか。 ① は い ② いいえ →(3)へ 「はいの方」についてお尋ねします。 (2)-a 医師からの意見に基づき、労働時間の短縮、作業の転換等の事後措置を実施していますか。 ① (3) (4) は い ② いいえ 定期健康診断の結果を労働者へ通知していますか。 ① 全員にしている ② 有所見者のみ ④ 通知していない ⑤ その他( ③ 希望者のみ ) 定期健康診断の結果に基づき、医師又は保健師等による保健指導を実施していますか。 ① は い ② いいえ→(5)へ 「はいの方」についてお尋ねします。 (4)-a 保健指導は、有所見の改善に向けて、対象者に合わせた食生活等の指導や健康管理に関する 情報を提供するなど、充実を図っていますか。 ① (4)-b は い ② いいえ 保健指導等において示された、労働者自身が取り組むべき事項(食生活の改善等に取り組む こと)を着実に実施するよう指導していますか。 ① (5) い ② いいえ 労働者に対して、健康教育、健康相談等を実施していますか。 ① (6) は は い ② いいえ 毎月、産業医が、有所見者の改善に向けた取組状況の確認や健康相談等を行っていますか。 ① はい ② いいえ (7) 被扶養者の健診(特定健診)については、どのようにされていますか。 ① 対象者全員に受診券を配布している ② 求めに応じ受診券を配布している ③ 何もしていない ⑤ その他( ④ わからない 2 ページ目も回答をお願いします -8- ) → 問 2 受動喫煙防止対策についてお聞きします。 (1) (2) 現在の受動喫煙防止対策はどのような状況ですか。 ① 敷地内禁煙 ③ 完全分煙(喫煙室があり、非喫煙区域にたばこの煙やにおいが流入しない) ④ 不完全分煙(喫煙場所を決めているが、非喫煙区域にたばこの煙やにおいが流入する) ⑤ 禁煙または分煙の検討中 知っている ⑥ 計画なし ② 知らない 受動喫煙防止対策助成金制度を活用したいですか。 ① 問3 建物内禁煙 受動喫煙防止対策助成金制度をご存知ですか。 ① (3) ② 活用したい ② 活用しない ③ わからない ④対象外である 昼食の状況についてお聞きします。 (1) あなたの事業所では、昼食で何を食べている人が多い傾向ですか。多いと思うものに○を してください。 (複数可) (2) ① 自宅からの弁当 ② ④ 弁当店の弁当 ⑤飲食店へ行く ⑦ 市販のおにぎりやサンドイッチなどのパン類 ⑨ その他( 「② 業者へ注文した弁当 ③ ⑥ コンビニ・スーパーの弁当 カップラーメン・カップうどん類 ⑧ 職場給食(職場の食堂) ) 業者へ注文した弁当」を選んだ方にお聞きします。 よく注文する業者がありましたら名前を教えてください。(複数可) (3) 「⑤飲食店」を選んだ方にお聞きします。従業員の方がよく行く飲食店がありましたらその店名を 教えてください。(複数可) (4) 衛生管理者の立場から見て、現在の従業員の昼食で感じる健康上の問題点はありますか。 あてはまるものすべてに○をしてください。 ① 特に問題なし ② エネルギー(カロリー)が多い ③ 油が多い ④ 塩気が多い ⑤ 野菜が少ない ⑥ 栄養バランスが悪い ⑦ その他( ) 事業所名 ご記入者名 ご協力ありがとうございました。 -9-
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