JP 4001625 B2 2007.10.31 (57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】 【請求項1】 次の2,5−アンヒドロ−D−マンノース還元末端構造、を持ち [この式では、II型については、R1が水素であり、R2が次の式で表わされるシアリ ル化された7糖反復単位からなり、 (式中、nが約5から約50であり)、 III型については、R1が次の式で表わされるシアリル化された5糖反復単位であり、 10 (2) JP 4001625 B2 2007.10.31 (式中、nが約5から約50であり、R2がαNeuAc(2−3)β−D−Galp1 −で表わされる2糖である)]で表される断片を生産するために、グループB連鎖球菌( 10 GBS)II型およびIII型多糖類を脱重合する方法であって、 該方法は、脱重合されるGBS II型またはGBS III型多糖を提供し、水層中の多 糖を塩基と反応させて部分的に脱N−アセチル化された多糖産物を生産し、脱N−アセチ ル化された多糖産物をニトロソ化試薬で脱重合してGBS II型またはGBS III型 断片を形成し、次いで、この断片を回収する方法。 【請求項2】 塩基を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭 酸ナトリウムおよびヒドラゾンのグループから選ぶ、請求の範囲第1項に記載の方法。 【請求項3】 ニトロソ化試薬が、亜硝酸ナトリウムあるいは硝酸である、請求の範囲第1項に記載の方 20 法。 【請求項4】 塩基が水酸化ナトリウムであり、ニトロソ化試薬が亜硝酸ナトリウムである、請求の範囲 第1項に記載の方法。 【請求項5】 多糖がGBS II型細菌から得られる、請求の範囲第4項に記載の方法。 【請求項6】 得られたGBS II型断片が約5kDaから約50kDaの分子量を持つ、請求の範囲 第5項に記載の方法。 【請求項7】 30 多糖がGBS III型細菌から得られる、請求の範囲第4項に記載の方法。 【請求項8】 得られた断片が約5kDaから約50kDaの分子量を持つ、請求の範囲第7項に記載の 方法。 【請求項9】 請求の範囲第1項にしたがって調製される、GBS II型またはGBSIII型多糖断 片。 【請求項10】 脱N−アセチル化するための塩基が水酸化ナトリウムであり、ニトロソ化試薬が亜硝酸ナ トリウムである、請求の範囲第9項にしたがって調製される、GBS II型またはGB S III型多糖断片。 【請求項11】 次の2,5−アンヒドロ−D−マンノース還元末端構造を持ち、 40 (3) JP 4001625 B2 2007.10.31 [この式では、II型については、R1が水素であり、R2が次の式で表わされるシアリ ル化された7糖反復単位からなり、 10 (式中、nが約5から約50であり)、 III型については、R1が次の式で表わされるシアリル化された5糖反復単位であり、 20 (式中、nが約5から約50であり、R2がαNeuAc(2−3)β−D−Galp1 −で表わされる2糖である)]で表されるGBS II型およびGBSIII型多糖類断 片。 【請求項12】 分子量が約5kDaから約50kDaの範囲を持つ、請求の範囲第11項に記載のGBS 30 II型多糖断片。 【請求項13】 分子量が約5kDaから約50kDaの範囲を持つ、請求の範囲第11項に記載のGBS III型多糖断片。 【請求項14】 GBS II型およびGBS III型多糖断片から選ばれた、少なくとも一つの多糖断 片からなり、また該断片がタンパク質に共有結合し、複合分子が次の構造式 [この式では、II型については、R1が水素であり、R2が次の式で表わされるシアリ ル化された7糖反復単位からなり、 40 (4) JP 4001625 B2 2007.10.31 (式中、nが約5から約50であり)、 III型については、R1が次の式で表わされるシアリル化された5糖反復単位であり、 10 (式中、nが約5から約50であり、R2がαNeuAc(2−3)β−D−Galp1 −で表わされる2糖である)]で表される複合分子。 【請求項15】 タンパク質が細菌由来である、請求の範囲第14項に記載の複合分子。 【請求項16】 20 タンパク質が、破傷風類毒素、ジフテリア毒素、CRM197、Ia/Ib型グループB 連鎖球菌のβ−C抗原の組み換え型非IgA結合タンパク質、および髄膜炎菌由来の組み 換え型クラス3外膜タンパク質から選ばれた細菌由来である、請求の範囲第15項に記載 の複合分子。 【請求項17】 多糖断片がGBS II型多糖であり、タンパク質が破傷風類毒素であり、多糖断片の分 子量が約5kDaから50kDaである、請求の範囲第16項に記載の複合分子。 【請求項18】 多糖断片がGBS III型多糖であり、タンパク質が破傷風類毒素であり、多糖断片の 分子量が約5kDaから50kDaである、請求の範囲第16項に記載の複合分子。 30 【請求項19】 タンパク質に対する多糖のモル比が約1から10である、請求の範囲第16項に記載の複 合分子。 【請求項20】 タンパク質に対する多糖のモル比が約3から10である、請求の範囲第19項に記載の複 合分子。 【請求項21】 GBS II型およびGBS III型断片からなる、請求の範囲第14項に記載の複合 分子。 【請求項22】 タンパク質が、Ia/Ib型グループB連鎖球菌のβ−C抗原の組み換え型非IgA結合 タンパク質である、請求の範囲第21項に記載の複合分子。 【請求項23】 複合分子が次の構造式 40 (5) JP 4001625 B2 2007.10.31 [この式では、II型については、R1が水素であり、R2が次の式で表わされるシアリ ル化された7糖反復単位からなり、 10 (式中、nが約5から約50であり)、 III型については、R1が次の式で表わされるシアリル化された5糖反復単位であり、 20 (式中、nが約5から約50であり、R2がαNeuAc(2−3)β−D−Galp1 −で表わされる2糖である)]で表される、タンパク質に共有結合したグループB連鎖球 菌(GBS)II型およびIII型多糖断片からなる、複合分子を含むワクチン組成物。 【請求項24】 断片がGBS II型多糖であり、また多糖断片の分子量が約5kDaから約50kDa である、請求の範囲第23項に記載のワクチン組成物。 30 【請求項25】 断片がGBS III型多糖であり、また多糖断片の分子量が約5kDaから約50kD aである、請求の範囲第23項に記載のワクチン組成物。 【請求項26】 タンパク質が、破傷風類毒素、ジフテリア毒素、CRM197、Ia/Ib型グループB 連鎖球菌のβ−C抗原の組み換え型非IgA結合タンパク質、および髄膜炎菌由来の組み 換え型クラス3外膜タンパク質から選ばれた細菌由来である、請求の範囲第23項に記載 のワクチン組成物。 【請求項27】 タンパク質が、Ia/Ib型グループB連鎖球菌のβ−C抗原の組み換え型非IgA結合 40 タンパク質、および髄膜炎菌由来の組み換え型クラス3外膜タンパク質である、請求の範 囲第26項に記載のワクチン組成物。 【請求項28】 GBS II型およびGBS III型多糖断片との複合物からなる、請求の範囲第23 項に記載のワクチン組成物。 【請求項29】 請求の範囲第14項の複合物によって免疫された非ヒト哺乳動物によって産生される抗体 を含む免疫血清。 【請求項30】 請求の範囲第14項の複合物によって免疫された非ヒト哺乳動物によって産生される抗体 50 (6) JP 4001625 B2 2007.10.31 。 【請求項31】 複合物の多糖類がGBS II型多糖の断片である、請求の範囲第30項に記載の抗体。 【請求項32】 複合物の多糖類がGBS III型多糖の断片である、請求の範囲第30項に記載の抗体 。 【請求項33】 哺乳類に免疫に化する量の請求の範囲第23項のワクチンを投与することからなる、ヒト を除く哺乳類をGBS II型またはGBS III型感染に対して免疫する方法。 【請求項34】 10 請求の範囲第1項にしたがって調製した多糖断片を固形支持体に固定化し、該固形支持体 を、GBS II型抗体またはGBS III型抗体が多糖断片に結合できる様な条件下 で血清に結合した多糖と組み合わせ、また残った血清を固形支持体から分離することから なる、GBS II型抗体またはGBS III型抗体を血清から分離する方法。 【請求項35】 多糖断片がGBS II型である、請求の範囲第34項に記載の方法。 【請求項36】 多糖断片がGBS III型である、請求の範囲第34項に記載の方法。 【請求項37】 多糖断片が固形支持体に固定化される、請求の範囲第1項の方法にしたがって調製された 20 、GBS II型多糖断片またはGBS III型多糖断片からなる、免疫アッセイ試薬 。 【請求項38】 多糖断片がGBS II型である、請求の範囲第37項に記載の免疫アッセイ試薬。 【請求項39】 多糖断片がGBS III型である、請求の範囲第37項に記載の免疫アッセイ試薬。 【請求項40】 請求の範囲23項のワクチンと医薬的に許容される担体とから成る医薬組成物。 【請求項41】 請求の範囲23項のワクチンと医薬的に許容される担体とから成るGBSII型またはG 30 BS III型感染症の治療用医薬組成物。 【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、抵抗性抗体を誘導する免疫原を生ずる、タンパク質に複合させるために有用な 、抗原性莢膜多糖断片に関連するものである。さらに詳細には、本発明は分析可能な還元 末 端 基 を 持 つ 、 グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 莢 膜 多 糖 類 ( GBS CR) と 、 そ の 調 製 法 、 な ら び に 複 合 ワクチンへのその利用に関連している。 [発明の背景] GBS細 菌 は 、 細 菌 お よ び / ま た は 幼 児 に お け る 髄 膜 炎 お よ び 成 人 に お け る 感 染 に 対 す る 、 認 め ら れ た 病 因 学 的 な 作 因 で あ る 。 ベ ー カ ー ( Baker) 、 「 グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 感 染 ( Grou 40 p B Streptococcal Infections) 」 、 Advances in Internal Medicine, 25: 475-500( 19 80) 。 こ れ に よ る と 、 GBSの 診 断 に は 、 迅 速 か つ 決 定 的 な ア ッ セ イ 法 お よ び GBSに 対 す る 抵 抗性を生ずる方法を開発することが、特に幼児と危険状態にある個体において重要である 。 GBS細 菌 由 来 の 莢 膜 多 糖 類 は 、 GBSの 毒 性 お よ び 抵 抗 性 免 疫 の 発 生 に 重 要 で あ る こ と が 知 ら れ て い る 。 カ ス パ ー ( Kasper) ら 、 米 国 特 許 第 5,302,386号 明 細 書 を 参 照 の こ と 。 さ ら に 、 認 め ら れ て い る GBS型 ( I-V) の CPは 、 化 学 的 に は 近 縁 だ が 抗 原 性 は 異 な り 、 ガ ラ ク ト ー ス 、 グ ル コ ー ス 、 N-ア セ チ ル グ ル コ サ ミ ン お よ び N-ア セ チ ル -ノ イ ラ ミ ン ( サ リ チ ル ) 酸 からなる反復構造を持っている。 幼児および若年の子供は、多糖類抗原に対して弱い免疫応答しか持たない。これらの応答 50 (7) JP 4001625 B2 2007.10.31 は 、 T細 胞 非 依 存 的 で あ る こ と が 知 ら れ 、 し た が っ て 、 引 き 続 く 感 染 に 対 し て 、 長 期 的 な 免疫的抵抗性を与えるために必要な、記憶、インタイプ変換または親和性成熟などの重要 な特性には関与しない。こうした多糖類に対する、幼児および若年の子供における有効な 免疫応答の欠如をうまくやり過ごすために、多糖類の細胞性抗原を担体タンパク質に共有 結 合 さ せ 、 複 合 分 子 を 作 る こ と に よ っ て 、 T細 胞 非 依 存 的 応 答 を 、 T細 胞 依 存 的 応 答 へ 転 換 する方法が開発されてきた。 タンパク質に莢膜多糖類を複合化するために、さまざまな方法が当業において述べられて き た 。 概 説 と し て は 、 本 明 細 書 に 参 考 文 献 と し て 取 り 入 れ ら れ て い る 、 Contributions to Microbiology and Immunology、 第 1 0 巻 、 Conjugate Vaccine、 J.M.ク ル ー ズ ( Cruse) と R.E.ル イ ス ジ ュ ニ ア ( Lewis, Jr.) 編 、 1989を 参 照 の こ と 。 一 つ の 方 法 で は 、 共 有 結 合 10 を形成するためタンパク質と反応可能な還元末端基を生むために、多糖類は弱い酸加水分 解 を 受 け る 。 ア ン ダ ー ソ ン ( Anderson) P.A.、 Infect. Immun. 39: 233-238( 1983) 。 し かし、タンパク質との複合化に関わる末端糖グループは、ヘミアセタールとアルデヒドの 平衡状態で存在し、したがってタンパク質と低い効率でしか結合しない。末端還元糖類の 低い反応性を克服するため、当業はタンパク質との複合化に使う多糖類の末端位に、安定 なアルデヒト基を導入する弱い酸化処理を行う方向へ転じた。ジェニングスら、米国特許 第 4,356,170号 明 細 書 、 前 出 。 カ ス パ ー ( Kasper) ら 、 米 国 特 許 第 5,302,386号 明 細 書 お よ び 国 際 特 許 第 WO 94/06467号 明 細 書 は 、 そ れ ぞ れ GBSIII型 と GBSII型 複 合 ワ ク チ ン に 関 連 し て お り 、 そ の い ず れ も 本 明 細 書 の 参 考 文 献 に 取 り 入 れ ら れ て い る 。 第 5,302,386号 明 細 書 に よ る と 、 タ ン パ ク 質 へ の 複 20 合 化 に 適 し た 産 物 を 生 産 す る た め の 、 多 糖 骨 格 を 開 裂 す る た め に 、 エ ン ド -b-ガ ラ ク ト シ ダーゼが使われる。架橋された複合物を作るための、少なくとも2つの末端サリチル酸残 基 の 酸 化 は 、 第 WO 94/06467号 明 細 書 に 記 載 さ れ て い る 。 III型 GBS莢 膜 多 糖 類 は 、 反 復 し た 分 枝 五 糖 単 位 の 骨 格 か ら な っ て い る 。 ( ジ ェ ニ ン グ ス ら 、 Canadian J. Biochem., 58: 112-120( 1980) ) 。 III型 GBS莢 膜 多 糖 類 に 関 す る 研 究 は 、 天 然 の 免 疫 決 定 因 子 部 位 が 、 側 鎖 -骨 格 連 結 部 に あ る こ と を 報 告 し て い る 。 ( ジ ェ ニ ン グ ス ら 、 Biochemistry, 20: 4511-4518( 1980) ) 。 そ の 報 告 に よ る と 、 側 鎖 の 末 端 に Nア セ チ ル -ノ イ ラ ミ ン 酸 残 基 が 存 在 す る こ と が 、 免 疫 決 定 因 子 の 発 現 に 重 要 で あ る 。 こ れ ま で の GBS II型 ま た は III型 多 糖 類 を 脱 重 合 す る 方 法 は 、 高 価 な 酵 素 法 あ る い は 不 安 定 な 末 端 サ リ チ ル 酸 基 が 除 か れ る た め に 、 CPの 抗 原 性 を 変 え る か も し れ な い 酸 加 水 分 解 に 30 依 存 す る も の で あ る 。 し た が っ て 、 CP-タ ン パ ク 質 複 合 ワ ク チ ン を 生 産 す る た め に 有 用 な 、 断 片 を 生 ず る よ う な 方 法 で 、 GBS II型 お よ び III型 CPを 脱 重 合 す る た め に 有 効 な 、 比 較 的安価で穏やかな化学的方法が必要とされている。 [発明の要約] 本 発 明 は 、 グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 II型 ( GPS-II) お よ び III型 ( GBS-III) 莢 膜 多 糖 類 ( CP) を 、 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ソ ー ス 構 造 を 末 端 に 持 つ 産 物 を 生 成 す る た め に 、 脱 ア ミ 開 裂 に よ っ て 脱 重 合 す る 方 法 に 関 連 す る も の で あ る 。 本 発 明 に よ る と 、 GPS-II CPお よ び GBS-I II CPを 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 、 お よ び 亜 硝 酸 ナ ト リ ウ ム な ど の ニ ト ロ ソ 化 試 薬 に よ っ て 処 理 し て 、 多 糖 骨 格 の 端 に 末 端 ア ル デ ヒ ド 基 を 持 つ 断 片 を 生 産 す る た め に 、 GBS多 糖 類 を 脱 重 合 化 す る 。 そ の 結 果 生 ず る CP断 片 は 抗 原 性 を 持 ち 、 ま た タ ン パ ク 質 に 結 合 し て 、 新 生 児 を 40 含む哺乳類における、抵抗性免疫応答を誘導するのに有効な免疫原を生産するために有用 でもある。 したがって、本発明の他の態様は、ワクチンとして使うための複合分子を作る方法である 。 こ の 方 法 は 、 GBS-IIま た は GBS-III CPを 、 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス 残 基 を 末 端 に 持つ断片を作るための、塩基およびジアゾニウム塩を形成する試薬による治療に用いるこ と か ら な る 。 次 に 、 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス 末 端 を 持 つ 断 片 を 、 タ ン パ ク 質 と 組 み 合わせ、本発明の複合分子を形成するために、還元的アミノ化を行う。したがって、本発 明 の も う 一 つ の 態 様 は 、 末 端 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス を 介 し て タ ン パ ク 質 に 連 結 し た 、 GBS-IIま た は GBS-III CP断 片 か ら な る 、 GBS-IIお よ び GBS-III CP複 合 分 子 で あ る 。 GB S II型 お よ び GBS III型 多 糖 類 を 脱 重 合 化 す る 過 程 が 、 骨 格 の 末 端 位 に 単 一 の 反 応 部 位 を 50 (8) JP 4001625 B2 2007.10.31 も つ 断 片 を 生 ず る た め 、 本 発 明 は 第 二 ア ミ ン に よ っ て 末 端 還 元 糖 を 介 し 、 そ れ ぞ れ の GBS II型 お よ び GBS III型 多 糖 鎖 が 単 一 の タ ン パ ク 質 に 結 合 す る 、 複 合 分 子 を 作 り 出 す 方 法 を 提供する。 本 発 明 の 複 合 物 は 、 GBS-IIお よ び GBS-III細 菌 感 染 に 対 し て 個 人 を 免 疫 す る た め の 、 活 性 をもつワクチンとして有用である。また本発明は、異なる血清型または細菌種由来の多糖 類からなる、多価ワクチンを提供する。 そ れ に 加 え 、 本 発 明 は 、 本 発 明 の 複 合 分 子 に よ る 免 疫 に 応 答 し て 生 じ 、 ま た GBS II型 お よ び GBS III型 細 菌 の 存 在 を 検 出 す る た め の 試 薬 と し て 有 用 で あ る か 、 ま た は 能 動 的 な 免 疫 を与えるためのワクチンとして有用な免疫血清または抗体を含む。本発明のもう一つの態 様 は 、 GBS II型 ま た は GBS III型 抗 体 を 、 分 離 お よ び / ま た は 検 出 す る た め に 有 用 な 方 法 10 および組成物である。本態様を実施する一つの方法によると、本発明にしたがって調製さ れた多糖類断片は、固形支持体に固定される。血清などの抗体の材料と固形支持体に結合 した多糖類断片を組み合わせることにより、多糖類断片に結合した抗体は、標準的な免疫 アッセイ法によって検出するか、または出発材料あるいは血清から分離してもよい。 本 発 明 の 目 的 は 、 複 合 分 子 の 作 製 に 有 用 な 断 片 を 生 産 す る た め に 、 GBSII型 お よ び GBSIII 型多糖類を断片化する方法を提供するものである。本発明のもう一つの目的は、感染に対 し て 抵 抗 す る た め の ワ ク チ ン お よ び 免 疫 剤 と し て 有 用 な 、 GBSII型 お よ び GBSIII型 多 糖 類 を生産することである。 【図面の簡単な説明】 第 1 図 は 天 然 の II型 多 糖 ( 200キ ロ ダ ル ト ン ) 破 傷 風 菌 毒 素 複 合 物 へ の 結 合 を 100%結 合 対 20 照 と し て 比 較 し た 、 ウ サ ギ 抗 II型 特 異 的 多 糖 抗 体 の 、 ( 平 均 分 子 量 15、 33お よ び 51キ ロ ダ ル ト ン の 断 片 を 持 つ ) II型 断 片 多 糖 破 傷 風 菌 毒 素 複 合 物 へ の 直 接 的 結 合 。 第 2 図 は 天 然 の III型 多 糖 ( 90キ ロ ダ ル ト ン ) 破 傷 風 菌 毒 素 複 合 物 へ の 結 合 を 100%結 合 対 照 と し て 比 較 し た 、 ウ サ ギ 抗 III型 特 異 的 多 糖 抗 体 の 、 ( 平 均 分 子 量 13、 18、 26、 34お よ び 48キ ロ ダ ル ト ン の 断 片 を 持 つ ) III型 断 片 多 糖 破 傷 風 菌 毒 素 複 合 物 へ の 直 接 的 結 合 。 第 3 図 は 約 200キ ロ ダ ル ト ン の 分 子 量 を 持 つ 、 天 然 の GBS II型 多 糖 の H-NMRス ペ ク ト ル 。 第 4 図 は 約 12キ ロ ダ ル ト ン の 分 子 量 を 持 ち 、 本 発 明 の 方 法 に よ っ て 調 製 し た 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス に 関 連 す る 水 素 ピ ー ク を 示 す 、 GBS II型 多 糖 断 片 の H-NMRス ペ ク ト ル 。 第 5 図 は 約 100キ ロ ダ ル ト ン の 分 子 量 を 持 つ 、 天 然 の GBS III型 多 糖 の H-NMRス ペ ク ト ル 。 第 6 図 は 約 9キ ロ ダ ル ト ン の 分 子 量 を 持 ち 、 本 発 明 の 方 法 に よ っ て 調 製 し た 2,5-ア ン ヒ ド 30 ロ -D-マ ン ノ ー ス に 関 連 す る 水 素 ピ ー ク を 示 す 、 GBS III型 多 糖 断 片 の H-NMRス ペ ク ト ル 。 [発明の詳細な説明] 本 発 明 は 、 次 の 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス 還 元 末 端 構 造 : を 持 ち 、 こ こ で R1 は 水 素 で あ り 、 R2 は シ ア リ ル 化 さ れ た 次 の 化 学 式 を も つ 七 糖 反 復 単 位 で あ り 、 こ の 化 学 式 で 、 nは GBSII型 に つ い て は 約 5か ら 約 50で あ り 、 R 1は 、 シ ア リ ル 化 さ れ た 次 の 化 学 式 40 (9) JP 4001625 B2 2007.10.31 を も つ 五 糖 反 復 単 位 で あ り 、 こ の 化 学 式 で 、 nは 約 5か ら 約 50で あ り 、 R2は GBSIII型 に つ い て は 二 糖 α NeuAc( 2-3) β -D-Galp1-で あ る と こ ろ の 、 グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 II型 お よ び III 型 抗 原 性 多 糖 -断 片 に 関 連 す る も の で あ る 。 10 本発明に従い、次に示す構造: を 持 ち 、 こ の 化 学 式 で は 天 然 の 多 糖 に つ い て は 、 nは 約 200で あ る か ; あ る い は GBS III型 20 に つ い て は 反 復 単 位 で あ り 、 こ こ で 天 然 の 多 糖 に つ い て は 、 nは 約 100で あ る 構 造 を 持 つ 、 30 よ り 大 き な 分 子 量 の GBS II型 お よ び GBS III型 多 糖 類 を 脱 重 合 す る こ と に よ っ て 、 3 つ の 断片が生産される。 本 明 細 書 で 用 い ら れ る よ う に 、 グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 ま た は ( GBS) 細 菌 と い う 用 語 は 、 特 に 分 類 学 的 に 連 鎖 球 菌 ア ガ ラ ク テ ィ エ ( Streptococcus agalactiae) と 呼 ば れ る 細 菌 を 含 む た め に 、 特 に ラ ン ス フ ィ ー ル ド ( Lancefield) 、 J. Exp. Med., 108: 329-341( 1938) お よ び 、 そ れ に 続 い て グ ル ー プ B血 清 型 に つ い て さ ら に 特 徴 づ け を 行 っ た 研 究 、 た と え ば 、 ラ ッ セ ル -ジ ョ ー ン ズ ( Russell-Jones) 、 J. Exper. Med., 160: 1476( 1984) に 参 照 さ れる、当業者によって理解されるものと同じ意味を持つ。 本 発 明 の 新 規 な 断 片 を 生 産 す る 、 GBS II型 お よ び GBS III型 莢 膜 多 糖 を 断 片 化 す る た め の 本 発 明 の 方 法 は 、 化 学 的 脱 重 合 反 応 に 由 来 す る 、 GBS II型 お よ び GBSIII型 多 糖 断 片 を 得 る 40 ための、穏やかな非変成条件を用いる。これらの断片は高収率で得られるかもしれないた め、この方法はワクチンの大規模生産を経済的にするかもしれない。 GBS II型 お よ び GBS III型 CPは 、 本 発 明 の 方 法 に 従 い 、 次 の よ う に し て 脱 重 合 し た 。 II型 お よ び III型 GBS CP( 式 I) に お け る 、 骨 格 の 2-デ オ キ シ -2N-ア セ ト ア ミ ド -β -D-グ ル コ ピ ラ ノ シ ル 基 は 、 穏 や か な 塩 基 に よ っ て 水 溶 液 中 で 、 部 分 的 に 脱 N-ア セ チ ル 化 さ れ る 。 本 発 明の方法において用いるのに適した塩基の例として、水層のアルカリ金属水酸化溶液、た とえば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、あるいはアンモニア水、ヒドラジン、炭 酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、しかしこれに限定されるわけではない。 塩 基 処 理 に 続 い て 、 得 ら れ た グ ル コ サ ミ ン 残 基 ( 式 II) は 、 亜 硝 酸 ナ ト リ ウ ム ま た は 亜 硝 酸 な ど の 適 当 な 試 薬 を 用 い 、 た と え ば 不 安 定 な N-ニ ト ロ ソ 誘 導 体 ( 式 III) を 形 成 す る た 50 (10) JP 4001625 B2 2007.10.31 めにニトロソ化を受けられる。2番炭素原子上の酸素環による求核攻撃のための再配列は 、 環 の 縮 小 と 隣 接 す る グ リ コ シ ド 結 合 の 開 裂 を 引 き 起 こ す ( 式 IV) 。 こ の 反 応 は 、 ヘ パ リ ンや種々のグリコサミノグリカンの構造解析に用いられてきた。本明細書に取り入れられ て い る 、 バ ー ネ ッ ト ( Barnett) 、 米 国 特 許 第 4,438,261号 明 細 書 を 参 照 の こ と 。 10 20 30 40 50 (11) JP 4001625 B2 2007.10.31 多 糖 断 片 の 還 元 末 端 に 形 成 さ れ た 、 得 ら れ た 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス ( 式 IV) 残 基 中のアルデヒド基は、それ以上の化学的操作(たとえばスペーサー・アームを使うこと) を加えずに、還元的アミノ化を介してポリマー、好ましくはタンパク質を含むアミノ基に 結合させるために直接利用可能である。 よ り 詳 細 に は 、 本 発 明 に し た が っ て GBS多 糖 類 を 脱 重 合 す る た め に 、 こ の 反 応 は 簡 便 な 大 きさの容器内で、水溶液中において行われる。反応を開始するには、水溶液中の適量の多 糖 類 を 、 骨 絡 グ ル コ ピ ラ ノ シ ル 残 基 を 部 分 的 に 脱 N-ア セ チ ル 化 す る た め に 、 塩 基 で 処 理 す る。簡単に述べると、塩基性の水層中で、温度を高めた中で、たとえば約50℃から11 0 ℃ に お い て 、 ま た pHに 約 1 3 か ら 1 4 に お い て 反 応 を 行 う 。 塩 基 の 量 は 経 験 か ら 最 適 化 す る 。 好 ま し く は 、 塩 基 と N-ア セ チ ル 基 の 比 率 は 約 1 0 か ら 5 0 meqの 間 で あ る 。 さ ら に 10 好 ま し く は 、 こ の 比 率 は 2 0 か ら 2 5 meqの 間 で あ る 。 反 応 の 速 度 と 到 達 度 は 、 塩 基 の 濃 度 、 ま た は 反 応 温 度 、 ま た は 反 応 時 間 を 調 節 す る こ と に よ っ て 適 正 化 し て も よ い 。 脱 N-ア セ チ ル 化 の 度 合 は 'H-NMRに よ っ て 監 視 し て も よ い 。 5 kDか ら 60kDの 間 の 断 片 を 得 る た め に 、 脱 N-ア セ チ ル 化 の 度 合 は 、 反 応 可 能 な 部 位 の 総 量 の約20%から約2%にするべきである。脱アセチル化反応を停止するために、反応を冷 却 、 す な わ ち 氷 中 で 冷 却 す る か 、 あ る い は 約 pH4.0に 酸 性 化 し て も よ い 。 酸 性 化 は 、 残 存 するシアル酸残基の加水分解を避けるために、慎重に行わなければならない。 次に、アルデヒドを形成するためのニトロソ化反応は、亜硝酸ナトリウムまたは希硝酸な ど の 他 の 適 し た 試 薬 を 、 脱 N-ア セ チ ル 化 し た 多 糖 類 に 添 加 す る こ と に よ っ て 行 う 。 亜 硝 酸 ナ ト リ ウ ム な ど の ニ ト ロ ソ 化 試 薬 は 、 脱 N-ア セ チ ル 化 さ れ た 残 基 の モ ル 数 に 比 べ て モ ル 過 20 剰量加えることが好ましい。ニトロソ化試薬と多糖の反応は、低温、たとえば4℃で、撹 拌しながら、約2時間または反応が完結するまで行う。反応の到達度は、アルデヒド基の 存在についてアッセイすることによって監視してもよい。反応の全般を通して、アルデヒ ド基の濃度は、飽和状態に達するまで上昇するはずである。反応の終了は、反応液を希釈 し 、 ま た 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム な ど の 塩 基 性 希 釈 剤 に よ っ て 、 約 7 ま で pHを 上 げ る こ と で 行 っ てもよい。余剰の試薬の除去は、標準的な方法を用いた透析によって行ってもよい。 反応終了後、骨格の端末部に末端アルデヒド基を持つ多糖断片は、標準的なクロマトグラ フィー法を用いてサイズ分画し、収集してもよい。タンパク質への結合に好ましいサイズ は 、 GBS II型 多 糖 に つ い て は 5kDか ら 50kDの 間 で あ り 、 GBS III型 多 糖 に つ い て は 約 5kDか ら 50kDの 間 で あ る 。 よ り 好 ま し い サ イ ズ は 、 GBS II型 に つ い て は 5kDか ら 20kDの 間 で あ り 、 GBS III型 に つ い て は 10kDか ら 50kDの 間 で あ る 。 サ イ ズ 分 画 し た 断 片 は 、 先 に 述 べ た 標 準 的 な 還 元 的 ア ミ ノ 化 法 ( た と え ば 、 米 国 特 許 第 4,356,170号 明 細 書 お よ び 国 際 特 許 第 WO9 4/06467号 明 細 書 を 参 照 ) に よ る 結 合 反 応 に 用 い て も よ く 、 あ る い は 後 の 使 用 の た め に 保 存しておいてもよい。 GBS II型 に 適 用 さ れ た 脱 ア ミ ノ 化 に よ る 開 裂 お よ び 結 合 は 、 次 の 発 明 に し た が っ て 行 っ て もよい: 30 (12) JP 4001625 B2 2007.10.31 10 20 還 元 的 ア ミ ノ 化 に よ っ て 担 体 タ ン パ ク 質 に 直 接 複 合 で き る 、 抗 原 性 III型 断 片 を 生 ず る 、 脱 ア ミ ノ 開 裂 に よ る III型 多 糖 の 脱 重 合 過 程 は 、 次 に 描 か れ て い る : 30 (13) JP 4001625 B2 2007.10.31 10 20 本 発 明 の 複 合 分 子 の タ ン パ ク 質 部 分 は 、 T細 胞 依 存 的 応 答 を 引 き 起 こ す た め に 十 分 な 長 さ の、生理的に許容されるどのようなタンパク質またはポリペプチドでもよい。そうしたタ ン パ ク 質 の 例 は 、 破 傷 風 菌 毒 素 ま た は 類 毒 素 、 お よ び CRM197の よ う な 交 差 反 応 物 質 、 お よ 30 び グ ル ー プ B連 鎖 球 菌 Ia/Ib型 の B-C抗 原 の 、 組 換 え 体 非 IgA結 合 タ ン パ ク 質 、 お よ び 組 換 え 体 3 型 外 膜 タ ン パ ク 質 お よ び 髄 膜 炎 菌 ( Neisseria Meningitides) 由 来 の ( OMP) を 含 む 、細菌タンパク質またはポリペプチドからなるが、しかしそれに限定するものではない。 本発明の複合分子中のタンパク質に対する多糖のモル比は、タンパク質1モルあたり、約 1モルから約10モルの多糖が好ましい。より好ましくは、この比はタンパク質1モルあ たり3から10の多糖断片であるとよい。タンパク質/多糖比に関する変化は、結合反応 中の出発組成の比を調整して行ってもよい。 GBS II型 ま た は GBS III型 多 糖 か ら な る 複 合 分 子 を 提 供 す る こ と に 加 え 、 本 発 明 は ま た 異 なる型の多糖類が単一のタンパク質に結合する多価複合物およびそのワクチンをも意図し て い る 。 た と え ば 、 GBS I型 、 II型 、 III型 、 IV型 、 あ る い は V型 多 糖 類 と 同 様 に 、 た と え 40 ば イ ン フ ル エ ン ザ 菌 ( Haemophilus influenzae) b型 ま た は 髄 膜 炎 菌 A型 、 B型 、 ま た は C型 などの、他の細菌由来の多糖類は、さまざまな組み合わせでタンパク質と結合してもよい 。 好 ま し い 組 み 合 わ せ は 、 GBS II型 お よ び GBS III型 の 多 糖 類 で あ ろ う 。 本 発 明 に し た が っ て 調 製 し た 複 合 分 子 は 、 少 な く と も 一 つ の GBS II型 ま た は GBS III型 多 糖断片が、多糖断片の骨格の末端に、単一の結合部位を介して結合するタンパク質を通常 含 ん で い る 。 し た が っ て 、 も し 必 要 で あ れ ば 、 本 発 明 は GBS II型 ま た は GBS III型 複 合 分 子を生産する能力をもち、その場合、多糖構成成分は、一端を除いてはタンパク質によっ て 覆 わ れ て い な い 。 GBS II型 お よ び GBS III型 多 糖 類 を 、 分 枝 の 末 端 シ ア ル 酸 を 介 し て タ ンパク質に結合させる他の方法は、タンパク質の大部分の部位において多糖類を架橋およ び結合する結果を招くかもしれない。本発明はまた、方法を組み合わせて用いることによ 50 (14) JP 4001625 B2 2007.10.31 って作られるかもしれない、複合分子を意図するものである。たとえば、本発明に従い、 単 一 の 反 応 性 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス 末 端 基 を 作 る こ と に よ っ て 合 成 さ れ た 複 合 物 は、さらに複数の部位で活性化された多糖類と反応させてもよい。 本発明にしたがってワクチンを調製する方法は、哺乳類において、特に子供を持つ年齢の 女 性 、 新 生 児 、 免 疫 不 全 の 成 人 お よ び GBS感 染 の 危 険 性 の あ る 子 供 に お い て 、 GBS II型 お よ び GBS III型 感 染 に 対 す る 保 護 を あ た え る た め に 重 要 な 、 有 用 な ワ ク チ ン を 提 供 す る 。 これらのワクチンは、誕生前の胎児における免疫応答を引き起こす方法として、妊娠中の 女性に投与するために特に有用と予想される。 ワクチンは免疫応答を引き起こすのに充分量投与される。典型的な例として、そうした応 答 を 引 き 起 こ す た め に は 、 約 1か ら 50ugの 間 の 投 与 量 が 用 い ら れ る 。 投 与 量 は 、 ワ ク チ ン 10 を受ける個体のサイズ、体重、または年齢に基づいて調整してもよい。個体における抗体 応答は抗体価あるいは細菌の活性をアッセイすることでモニターでき、もし必要であれば 応答を増強するために追加投与を行うことができる。 ワクチンは、当業者に知られる、ワクチンに適した標準的な担体、緩衝剤あるいは保存料 を含んでもよい。それに加え、免疫応答を増強するために、ミョウバンまたはステアリン チロシンなどのアジュバントを組成に含んでもよい。 本 発 明 に し た が っ て 調 製 し た 多 糖 断 片 は ま た 、 GBS II型 ま た は GBS III型 抗 体 の 免 疫 ア ッ セイおよび分離に用いるための、種々の免疫試薬を調製するために有用である。たとえば 免疫アッセイには、多糖断片は本発明の複合物における場合と同様に、固形支持体に直接 、 あ る い は タ ン パ ク 質 リ ン カ ー を 介 し て 固 定 化 し て も よ い 。 次 に こ の 固 形 支 持 体 は 、 GBS 20 II型 ま た は GBS III型 細 菌 に 対 す る 抗 体 の 存 在 を 検 出 す る た め に 、 ラ ジ オ イ ム ノ ア ッ セ イ お よ び ELISAア ッ セ イ を 含 む 、 当 業 者 に 知 ら れ る さ ま ざ ま な 免 疫 ア ッ セ イ 系 に 用 い る こ と が で き る 。 こ う し た ア ッ セ イ 法 は 、 血 清 中 の GBS II型 ま た は GBS III型 抗 体 の 存 在 を ア ッ セイすることによって、個体における感染の存在を診断するために使ってもよい。 分離化学における利用では、多糖断片は親和性カラムを調製するために、固形支持体に固 定化してもよい。好ましい態様においては、多糖断片は初め本発明の方法にしたがってタ ンパク質に結合し、そして次に得られた複合物を支持体マトリックスに結合させる。タン パク質を親和性カラムに結合させる方法は、当業者に知られている。親和性カラムの一般 的な支持体はアガロースから調製され、またそれらは市販されており、たとえば活性化セ ファロース(ファルマシア社)がある。次にこうした親和性カラムは、血清などの原料か 30 ら GBS II型 抗 体 ま た は GBS III型 抗 体 を 分 離 す る た め に 用 い て も よ い 。 GBS II型 抗 体 ま た は GBS III型 抗 体 を ふ く む と 考 え ら れ る 血 清 と 、 固 定 化 し た 多 糖 断 片 を 、 抗 体 が 固 定 化 さ れた断片に結合できるような条件の下で合わせることにより、血清から調製してもよい。 結合した抗体は次に、従来のアッセイ技術を用いて検出してもよく、あるいは固定化され た支持体から残存した血清成分を除いた後、多糖断片から分離および除去してもよい。 本発明は、次に示す非制限的な実施例を例として説明されるだろう。 [実施例] 実 施 例 1 : GBS II型 お よ び GBS III型 2,5-ア ン ヒ ド ロ -D-マ ン ノ ー ス を 末 端 に 持 つ 断 片 を 生 産するための、塩基脱重合および亜硝酸ナトリウムによる環収縮 GBS II型 40 平 均 分 子 量 約 200,000の 、 天 然 GBS II型 CP( 75mg) を 3mlの 0.5N水 酸 化 ナ ト リ ウ ム に 溶 解 し 、 次 に そ の 溶 液 を 3 つ に 分 け た ( そ れ ぞ れ 1ml) 。 試 料 ( S1-S3) を 70℃ で ぞ れ ぞ れ 60分 、 90分 、 お よ び 180分 間 熱 し 、 次 に 氷 水 槽 中 で 冷 却 し た 。 各 試 料 に 125cmLの 氷 酢 酸 を 加 え 、 p Hを 4 と し た 。 200mcLの 5%( w/v) NaNO 2 を 添 加 し た 後 、 試 料 を 4 ℃ で 2 時 間 撹 拌 し 続 け た 。 次 に S1-S3試 料 を 、 脱 イ オ ン 水 で 5mlに 希 釈 し 、 そ の pHを 0.5N水 酸 化 ナ ト リ ウ ム で 7 と し た 。 過 剰 な 試 薬 は 、 ダ イ ア フ ロ ー ( Diaflo) 限 外 ろ 過 膜 ( ア ミ コ ン YM10) を 用 い て 、 脱 イ オ ン 水 に 対 し て 透 析 ろ 過 し 、 そ の 溶 液 を 凍 結 乾 燥 し た 。 三 種 類 の II型 多 糖 類 断 片 ( II-1-I I-3) が 得 ら れ た 。 GBS III型 平 均 分 子 量 約 100,000の 、 天 然 GBS III型 CP( 125mg) を 5mlの 0.5N水 酸 化 ナ ト リ ウ ム に 溶 解 50 (15) JP 4001625 B2 2007.10.31 し 、 次 に そ の 溶 液 を 5 つ に 分 け た ( そ れ ぞ れ 1ml) 。 試 料 ( S1-S5) を 70℃ で ぞ れ ぞ れ 60分 、 90分 、 180分 、 お よ び 240分 間 熱 し 、 次 に 氷 水 槽 中 で 冷 却 し た 。 各 試 料 に 125cmLの 氷 酢 酸 を 加 え 、 pHを 4 と し た 。 200mcLの 5%( w/v) NaNO2を 添 加 し た 後 、 試 料 を 4 ℃ で 3 時 間 撹 拌 し 続 け た 。 次 に S1-S5試 料 を 、 脱 イ オ ン 水 で 5mlに 希 釈 し 、 そ の pHを 0.5N水 酸 化 ナ ト リ ウ ム で 7 と し た 。 過 剰 な 試 薬 は 、 ダ イ ア フ ロ ー ( Diaflo) 限 外 ろ 過 膜 ( ア ミ コ ン YM10) を 用 い て 、 脱 イ オ ン 水 に 対 し て 透 析 ろ 過 し 、 そ の 溶 液 を 凍 結 乾 燥 し た 。 五 種 類 の III型 多 糖 断 片 ( III-1-III-5) が 得 ら れ た 。 CP断 片 の サ イ ズ 分 画 そ れ ぞ れ の 断 片 の 平 均 分 子 量 ( avMw) は ス ー パ ー ロ ー ス -12( Superose-12) サ イ ズ 排 除 カ ラ ム ( フ ァ ル マ シ ア 社 ) を 用 い た HPLCに よ っ て 、 10,000か ら 2,000ダ ル ト ン の 平 均 分 子 量 10 の デ キ ス ト ラ ン 系 列 を 用 い て 推 定 さ れ た 。 空 隙 率 ( Vo ) お よ び 総 容 量 ( Vt) は 、 そ れ ぞ れ デ キ ス ト ラ ン 2,000お よ び ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム を 用 い て 決 定 し た 。 本 法 で 決 め た そ れ ぞ れ の 断 片 の 平 均 分 子 量 ( avMw) は 、 次 の 通 り で あ る : 20 多糖断片の物理化学的分析 そ の 元 と な る 天 然 の 多 糖 と 比 べ た 、 そ れ ぞ れ の 断 片 の 構 造 的 保 存 性 は 、 ブ ル ー カ ー ( Bruk 30 er) AM500分 光 計 を 用 い た 、 500MHzに お け る 高 解 像 度 一 次 元 H-NMR分 光 分 析 に よ っ て 決 定 し た 。 II型 お よ び III型 断 片 と 、 そ れ ら の 天 然 多 糖 の H-NMRス ペ ク ト ル の 比 較 か ら 、 化 学 処 理 の間に何らの構造上の変化は起こっておらず、最も重要なことに、末端シアル酸残基がニ トロソ化処理の間も保存されていたことが示唆された。 実 施 例 2 : II型 お よ び III型 多 糖 ハ プ テ ン の 、 破 傷 風 類 毒 素 へ の 結 合 破 傷 風 類 毒 素 ( SSI、 デ ン マ ー ク ) は 、 最 初 に バ イ オ ゲ ル -Aカ ラ ム ( バ イ オ ラ ッ ド ・ ラ ボ ラトリーズ)によるゲルろ過によって、その単量体まで精製された。得られた破傷風類毒 素 単 量 体 ( TTm) ( 150,000ダ ル ト ン ) は 、 25mg/mlの 濃 度 で 0.2Mの リ ン 酸 緩 衝 液 、 pH7.5に 溶 解 し 、 以 下 に 示 す 量 の 乾 燥 し た GBS II型 ( II-1か ら II-3) ま た は GBS III型 ( III-1か ら III-5) 多 糖 類 、 お よ び 再 結 晶 化 し た ナ ト リ ウ ム シ ア ノ ボ ロ ヒ ド リ ド NaCNBH 3 を 添 加 し た : 40 (16) JP 4001625 B2 2007.10.31 10 次 に 反 応 混 合 液 を 37℃ で 4 日 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 。 結 合 反 応 の 進 行 は 、 ス ー パ ー ロ ー ス -12( フ ァ ル マ シ ア ) で 分 析 し た 反 応 混 合 液 の 少 量 を HPLCに か け る こ と に よ っ て 監 視 し た 。 複 合 物 は 、 0.01%の チ メ ロ ザ ー ル を 含 む PBSを 溶 出 液 と し て 用 い た 、 ス ー パ ー デ ッ ク ス G-200( フ ァ ル マ シ ア ) カ ラ ム を 用 い た 、 分 子 排 除 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ っ て 精 製 し た 。 カ ラ ム か ら 溶 出 し た 画 分 は 、 ウ ォ ー タ ー ズ R403示 差 屈 折 計 、 お よ び 280nmの UV分 光 計 に よ っ て 監 視 し た 。 複 合 物 を 含 む 画 分 を 取 り 分 け 、 0.22umの ミ リ ポ ア 膜 に よ っ て ろ 過 滅 菌 し 、 そ れ ぞ れ に つ い て ブ ラ ッ ド フ ォ ー ド 法 ( ブ ラ ッ ド フ ォ ー ド ( Bradford) 、 M.M., 1976 . Anal. Biochem., 72: 248-254) お よ び レ ゾ ル シ ノ ー ル ア ッ セ イ に よ っ て 、 そ の タ ン パ 20 ク 質 含 量 と シ ア ル 酸 含 量 を 分 析 し た 。 各 II型 複 合 分 子 お よ び III型 複 合 分 子 に お け る 、 平 均 的 な 炭 化 水 素 含 量 は 、 シ ア ル 酸 含 量 を と り 、 反 復 単 位 の 組 成 に 基 づ い て 、 そ れ ぞ れ 4お よ び 3.3の 補 正 係 数 を 掛 け る こ と に よ っ て 算 出 さ れ た 。 そ れ ぞ れ 個 々 の 複 合 物 の 分 析 は 、 以下の第1表に示されている: 30 天 然 の 莢 膜 多 糖 類 エ ピ ト ー プ に つ い て 観 察 さ れ た 特 異 性 と 比 較 し た 場 合 の 、 II型 お よ び II 40 I型 多 糖 -複 合 物 に 対 す る ウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 免 疫 化 学 的 特 異 性 は 、 ELISAに よ っ て 観 察 さ れ 、 第 1 図 ( GBS II型 ) お よ び 第 2 図 ( GBS III型 ) で 報 告 さ れ て い る 。 実 施 例 3 ; GBS II型 お よ び GBS III型 -破 傷 風 類 毒 素 複 合 ワ ク チ ン に よ る 免 疫 に 対 す る 、 雌 のネズミの免疫原応答 a.免疫 1 0 個 体 の 雌 の ス イ ス ・ ウ ェ ブ ス タ ー マ ウ ス の グ ル ー プ ( 4-6週 齢 ) は 、 2μ g の 天 然 の II 型 ま た は III型 多 糖 、 あ る い は そ れ に 対 応 す る 破 傷 風 菌 -類 毒 素 複 合 物 に よ り 皮 下 免 疫 を 行 っ た 。 ワ ク チ ン は 、 0.01%の チ メ ロ サ ー ル を 含 む 10mMPBS1mlあ た り 1mgの 含 有 ア ル ミ 濃 度 で 、 水 酸 化 ア ル ミ ( ア ル ヒ ド ロ ゲ ル ( Alhydrogel) ; ス ー パ ー フ ォ ス ( Superfos) 、 デ ン マ ーク)に吸着された。マウスは0日、21日および42日目にワクチンを投与され、最終 50 (17) JP 4001625 B2 2007.10.31 的 に 5 2 日 目 に 放 血 さ れ た 。 血 清 を 回 収 し 、 -70℃ で 保 存 し た 。 b . 複 合 血 清 の ELISAと オ プ ソ ニ ン 活 性 ELISAs: マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト ( ヌ ン ク 、 ポ ロ ソ ー プ ELISAプ レ ー ト ) を 、 ウ エ ル 当 た り 100μ lの 0.02%ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム 入 り PBSに 溶 か し た 天 然 II型 ま た は III型 多 糖 -HSA複 合 物 ( 1μ g /ml) を 加 え る こ と に よ っ て 慣 ら し た 。 こ の プ レ ー ト を 3 7 ℃ で 1 時 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 。 プ レ ー ト を 0.05%の ビ ト ゥ イ ー ン 20を 含 む PBS( PBS-T) で 洗 い 、 PBS中 の 0.5%BSA溶 液 に よ り 、 室 温 で 1 時 間 ブ ロ ッ キ ン グ し た 。 次 に 、 ウ エ ル を 100μ lの マ ウ ス 抗 血 清 の PBS-Tに よ る 2 倍 希 釈 系 列 で 満 た し 、 こ の プ レ ー ト を 室 温 で 1 時 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 。 PBS-Tで 洗 っ た あ と 、 プ レ ー ト を 100μ lの ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 標 識 し た ヤ ギ 抗 マ ウ ス IgG( H+L) ( カ ー ク ガ ー ド ・ ア ン ド ・ ペ リ ー ・ ラ ボ ラ ト リ ー ズ ( Kirkegaard & Per 10 ry Laboratories) ) で 満 た し 、 次 に PBS-Tで 5 回 洗 っ た 。 最 後 に 、 50μ lの TMBペ ル オ キ シ ダーゼ基質(カークガード・アンド・ペリー・ラボラトリーズ)をそれぞれのウエルに加 え 、 プ レ ー ト を 室 温 で 1 0 分 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た 後 、 50μ lの 1Mリ ン 酸 を 加 え る こ と に よ っ て 反 応 を 停 止 し た 。 こ の プ レ ー ト は 、 650nmを 対 照 波 長 と し 、 モ レ キ ュ ラ ー ・ デ バ イ ス ・ ア メ ッ ク ス 社 ( Molecular Device Amex) の マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト リ ー ダ ー を 用 い て 、 450nmで 測 定 し た 。 天 然 の III型 多 糖 、 ま た は III型 断 片 多 糖 -破 傷 風 菌 類 毒 素 複 合 物 で ワ ク チ ン 処 理 さ れ た マ ウ ス の 、 III型 多 糖 特 異 的 な 抗 体 の タ イ タ ー は 、 第 II表 に 示 さ れ て い る 。 20 天 然 の II型 多 糖 、 ま た は II型 断 片 多 糖 -破 傷 風 菌 類 毒 素 複 合 物 で ワ ク チ ン 処 理 さ れ た マ ウ ス の 、 II型 多 糖 特 異 的 な 抗 体 の タ イ タ ー は 、 第 III表 に 示 さ れ て い る 。 30 (18) JP 4001625 B2 2007.10.31 10 複 合 抗 血 清 の オ プ ソ ニ ン 活 性 : II型 GBS、 ま た は III型 断 片 多 糖 -破 傷 風 菌 類 毒 素 複 合 物 に 対 す る マ ウ ス 抗 血 清 の オ プ ソ ニ ン 活 性 は 、 ヒ ト の 前 骨 髄 細 胞 由 来 の 白 血 病 HL-60細 胞 ( ATC C寄 託 番 号 CCL 240) を 用 い た 、 in vitroの オ プ ソ ニ ン 食 菌 ア ッ セ イ 法 で 試 験 し た 。 簡 単 に 20 述 べ る と 、 200cfuの GBS II型 株 18RS21株 あ る い は III型 株 M781を 、 等 量 の 血 清 抗 体 と 混 合 し、5%二酸化炭素インキュベーター中、35℃で15分間振とうしながらインキュベー シ ョ ン し た 。 子 ウ サ ギ の 補 体 と 、 90mM DMF存 在 下 で 5 日 間 培 養 し た HL-60細 胞 ( 5x105 ) を混合液に加え、振とうしながら37℃で1時間インキュベーションした。調製用培養の ために一部を取り分けた。タイターは、細菌の生存率が50%であることに対応させて、 抗体希釈系列を外挿することによって決めた。 c . ELISA結 合 実 験 : さ ま ざ ま な 破 傷 風 -類 毒 素 複 合 物 に 対 す る 、 ( III型 ま た は II型 GBS 全 細 胞 で 過 免 疫 し た ウ サ ギ か ら 得 ら れ た ) ウ サ ギ 抗 -GBS II型 ま た は III型 莢 膜 多 糖 特 異 的 抗体の直接的結合は、次のようにして行った: マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト を 、 ウ エ ル 当 た り 、 100μ lの 0.01%チ メ ロ サ ー ル 入 り PBSに 溶 か 30 し た 、 種 々 の サ イ ズ の II型 GBSま た は III型 多 糖 -破 傷 風 類 毒 素 ( TT) 複 合 物 ( 1μ g /ml) を加えることによって慣らした。このプレートを室温で1時間インキュベーションし、上 述 の よ う に し て 処 理 し 、 100μ lの ウ サ ギ 抗 血 清 の PBS-Tに よ る 2 倍 希 釈 系 列 で 満 た し た 。 残 り の ELISA過 程 は 、 ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 標 識 し た ヤ ギ 抗 -ウ サ ギ IgG( H&L) 二 次 抗 体 ( カ ー クガード・アンド・ペリー・ラボラトリーズ)を加えることを除き、上述と同様である。 種 々 の 破 傷 風 -類 毒 素 複 合 物 に 対 す る 、 ウ サ ギ 抗 -GBS II型 ま た は III型 多 糖 特 異 的 抗 体 の 結 合 は 、 第 1 図 お よ び 第 2 図 に そ れ ぞ れ 示 さ れ て い る よ う に 、 天 然 の II型 ま た は III型 多 糖 -破 傷 風 -類 毒 素 複 合 物 の 結 合 と 比 較 し た 、 パ ー セ ン ト で 表 わ さ れ て い る 。 実 施 例 4 : 新 生 マ ウ ス に お け る GBS感 染 に 対 す る 抵 抗 性 を 与 え る た め の 、 マ ウ ス の メ ス の 免疫 カ ー ル ス リ バ ー ラ ボ ラ ト リ ー ズ ( Charles River Laboratories) 、 ウ ィ リ ン ト ン 、 MAの 、 6 か ら 8 週 齢 の メ ス の CD-1マ ウ ス ( n=3) の 腹 腔 内 に 、 第 0 日 お よ び 第 2 1 日 目 に 2 回 の 複 合 ワ ク チ ン ( ア ル ヒ ド ロ ゲ ル 1.3%( ス ー パ ー フ ォ ス バ イ オ セ ク タ ー a/s、 バ ッ チ 番 号 #20 43) 中 、 2μ g ( マ ウ ス 当 た り 1μ g の 多 糖 に 相 当 ) の 多 糖 断 片 ( 平 均 分 子 量 約 11,000ダ ル ト ン ) 、 総 容 量 0.5ml I.P.) の 注 射 を 行 っ た 。 対 照 マ ウ ス ( n=3) は 、 2μ g の 天 然 III型 G BS CPを 含 む ワ ク チ ン を 与 え ら れ た 。 マ ウ ス は 2 1 日 目 に 出 産 し 、 ( 生 後 3 6 時 間 以 内 の ) 子 供 に 対 し て 、 致 死 量 の III型 GBS M781細 菌 ( 6x105 CFU) を 腹 腔 内 に 接 種 し た 。 第 IV表 に 示 す よ う に 、 出 産 前 に GBS III型 -TT複 合 物 で メ ス の マ ウ ス を ワ ク チ ン 処 理 す る と 、 直 後 に 出 産 し た 子 供 の 94%が 抵 抗 性 を 持 っ た 。 40 (19) JP 4001625 B2 2007.10.31 10 参 考 文 献 : ロ ー レ ン ス C.( Lawrence C.) 、 メ ー ド フ ( Madoff) ら 、 Infection and Immun ity, 60: 4989-4994( 1992) ロ ー ド ワ ル ド , A.K.( Rodwald, A.K.) ら 、 J ournal of Infectious Disease, 166: 635639( 1992) 本発明は特定の態様と関連して説明されたが、前出の記述と照らして、多数の代替法や変 法が当業者に明らかなのは明白である。したがって、本発明は、添付の請求の範囲の精神 と展望の範囲に入る、全ての代替法や変法を含むことを意図している。更に、上述の米国 特許の内容は、本明細書に参考文献として取り入れられている。 【図1】 【図2】 20 (20) 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】 JP 4001625 B2 2007.10.31 (21) JP 4001625 B2 2007.10.31 フロントページの続き (51)Int.Cl. FI C07K 14/33 C12P 21/00 G01N 33/53 (2006.01) (2006.01) C07K 14/33 C12P 21/00 A (2006.01) G01N 33/53 S C12R (2006.01) C12P 21/00 A C12R 1/01 1:01 (74)代理人 弁理士 富田 博行 (74)代理人 弁理士 栗田 忠彦 (72)発明者 マイコン,フランシス アメリカ合衆国メリーランド州20723,ローレル,カントリー・メドーズ・レーン 9735 (72)発明者 キャサリン,ドング アメリカ合衆国ヴァージニア州22207,アーリトン,ノース・サーティフォース・ストリート 4126 (72)発明者 ジョセフ,ワイ・タイ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19034,フォート・ワシント,シナモン・ドライブ 137 0 審査官 原田 隆興 (56)参考文献 特表平06−504065(JP,A) 特表平01−500561(JP,A) 特表平06−506233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.,DB名) C08B 37/00 A61K 39/09 A61K 39/385 A61K 39/395 A61P 31/10 C07K 14/33 C12P 21/00 G01N 33/53 C12R 1/01
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