妊娠中の検査説明書 当院で妊婦検診を受け、分娩される妊婦さんには下記のような検査を受けていただきます。 安全に、無事に分娩が出来るようにするためにどれも必要と考えられる検査ですので、ご理解のほどをお願いいたします。 愛知県内にお住まいの方は、母子手帳についている自治体からの「妊婦一般健康診査表」(以下補助券)を使用して、自己 負担はありません。県外の方はお住まいの自治体によって払い戻し制度がありますが、一時的に立て替え払いをお願いします。 途中から当院へ通院される場合には、前医からの紹介状の内容から判断して、必要な検査を追加します。その場合には一部自 己負担が生じることがあります。 以下のように、必要と考えられた検査を行いますが、一部の検査は補助券にない項目も含まれています。それも含めて、補 助券でカバーするようにしていますので、下記の検査については自己負担はありません。 《全員を対象とする検査》 初回セット 時期:妊娠 5~10 週 項目:感染症(梅毒血清反応、B 型及び C 型肝炎抗体、HIV 抗体、風疹) 血液型(ABO、Rh)、貧血検査、不規則抗体、血糖、甲状腺機能、HPV 簡易型別 * 血液で感染する病原体を調べます。母児間の感染を防ぐ必要があります。 * 分娩時の出血・緊急輸血に備えて、血液型、不規則抗体を確認します。 * 妊娠初期の貧血・血液疾患の有無の確認、糖尿病、甲状腺機能異常の有無を確認します。 * 子宮頸がん検診(裏面参照)と合わせて、頸管分泌物でヒトパピローマウイルスの検査も行います。 頸管セット 時期:妊娠 10~13 週 項目:性器クラミジアDNA、膣内清浄度検査 * 切迫流早産の原因として子宮頚管(入り口)の炎症が多いため、早期発見治療のために検査します。 * 性器クラミジアは症状がなくても感染している可能性があります。 中期セット 時期:妊娠 24~27 週 項目:生化学検査、HTLV-1 抗体、貧血検査、血液型(再確認)、糖尿病検査(血糖、ヘモグロビン A1c) * 腎臓、肝臓の状態を調べます。 * HTLV-1(成人型 T 細胞白血病)は母乳で母児感染します。陽性の時は母乳を中止するなどの対応をします。 * 妊娠中に糖尿病が明らかになったり、妊娠中のみ糖尿病状態が出たりすることがあります。検査用糖液を飲 んで 1 時間後に採血するグルコースチャレンジテストを行います。 後期セット 時期:妊娠 32~33 週 項目:心電図、GBS 培養検査 * 分娩に備えて、心臓の異常や、予備能力を判断します。 * 膣内の GBS(B 群溶血性連鎖球菌)の培養検査をします。陽性の場合には児への感染を予防するための抗生 物質投与をします。 裏へ続く 子宮頸がん検診 妊娠 5~10 週の初回検査の時期に、子宮頚部細胞診を行います。名古屋市在住の方は、名古屋市の補助がん検診(500 円)、クーポン(無料)が使用できます。 名古屋市以外の地方自治体によっては、母子手帳に補助券があり、自己負担はありません。 貧血検査 上記以外にも補助券を使用して、18 週、37 週頃に行います。 超音波検査 公費券に超音波がない回も、医師の健診時には毎回実施します。 上記の検査でさらに検査・治療が必要になった場合には、保険診療になります。 また、愛知県外の方は補助券の使用ができませんので、自費診療で行います。 通常の妊婦検診(検尿、血圧、体重、超音波検査を含む)5,000 円 初回セット 10,000 円、頸管セット 7,000 円、中期セット 8,000 円、後期セット 5,000 円 《希望者のみ行う検査》 以下の様な検査を妊娠中に行うことができます。 担当医師と相談の上、受けるようにしてください。希望で検査する場合は自費診療となりますのでご了承下さい。 * 母児感染を起こす病原体 採血によって、抗体価を調べます。病原体の種類によって危険な時期や胎児への影響が異なります。 トキソプラズマ、サイトメガロ、水痘、麻疹、ムンプス、ヘルペス、パルボ等 * 胎児染色体検査 羊水を採取して染色体分析を行い、染色体異常について調べます。 15 週~17 週頃に超音波下で穿刺して羊水を 20cc 程採取してその中に含まれる胎児細胞を培養して 染色体を分析します。約 1 週間で染色体数の結果が、約 3 週間で最終分析結果が判明します。 対象となるのは主に以前染色体異常の妊娠分娩を経験している方や、高齢妊娠の方です。 実施希望の場合には、詳しい内容について改めて説明書をお渡しします。 以上の検査内容などについて、ご不明な点は外来担当医にお尋ねください。 名古屋逓信病院産婦人科 以上の説明を受け、妊娠中の検査について理解しました。 平成 患者氏名 年 月 日
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