かわら版 ―東地中海地域ニュース― アルジェリア:第 4 回連合協定協議会合の開催 2009 年 6 月 22 日 No.116 (6 月 17 日付現地各紙) 17 日付現地各紙が、16 日にルクセンブルグで開催された第 4 回アルジェリア・EU 連合協 定協議会合について報じている。概要は以下の通り。 【ポイント】 (a)16 日、第 4 回アルジェリア・EU 連合協定協議会合がルクセンブルグで開催された。 アルジェリア側議長はメデルチ外相。 (b)メデルチ外相は、会合は率直で平穏な雰囲気で行われ、アルジェリア・EU 関係を総 合的に評価し、協力関係を推進するための新たなメカニズムを創設する事ができた と発言。 (c)メデルチ外相は、政治面では安全保障、テロ対策、人権保護など国内的及び国際的 な関心事項を協議することが出来たと発言。 (d)メデルチ外相は、経済面では特に EU からアルジェリアへの投資が不十分であり、 非炭化水素分野への投資促進が必要であると発言。 (e)会合では、アルジェリアへの投資促進のため、本年末までにヨーロッパの事業者に よるフォーラムをアルジェで開催する事で合意した。 (f)アルジェリアの輸出業者は、しばしばヨーロッパにおける貿易障壁と制約について 指摘しており、会合ではこの問題を検討する作業グループを迅速に設置する事で合 意した。 (g)アルジェリアと EU は、2011―13 年の PIN(Programme Indicatif National)を現 在作成中。このプログラムでは、プロジェクトごとの予算ではなく、総合予算が作 成される。 1. 会合概要 16 日、第 4 回アルジェリア・EU 連合協定協議会合がルクセンブルグで開催された。アル ジェリア側議長はメデルチ外相。アルジェリア・EU 連合協定は、2005 年 9 月に発効。以 後年に一度閣僚レベル協議会合が開催。 2. メデルチ外相発言 (1)協議会合 会合は、率直で平穏な雰囲気で行われ、アルジェリア・EU 関係を総合的に評価し、協 力関係を推進するための新たなメカニズムを創設することができた。今回の会合はよ り一層の投資、雇用、技術へのアクセス、アルジェリア製品・サービスの流通網への アクセスという当初から望んでいた方向で、より明快に、両者の関係を一歩進んで進 展させることができた。 (2)政治面 特に 2008 年はアルジェリアと EU で高レベルの政治家の訪問が実現し、安全保障、テ ロ対策、あるいは人権保護をテーマとして通常示される問題など、国内的及び国際的 な関心事項を協議する事が出来た。 (3)経済面 ①(貿易について)連合協定の基礎は、自由貿易圏の創設である。連合協定の実施から 3 年が経ったが、アルジェリアの総輸入に占める EU からの輸入割合は、52~53%であ った協定前と比べて、増加は 1%に満たない。ただし、2008 年には EU からの輸入額 が 110 億ドルから 200 億ドルに増加した。これは、アルジェリアが輸入を増加させる ようなインフラ整備・開発計画を実施しているためである。 ②(アルジェリアへの投資について)EU によるアルジェリアへの投資は増加したが、そ れでもアルジェリア側は不満足と考えるようなリズムと多様性でしかない。2001 年に アルジェリアが連合協定に署名したとき、我々は同時にアルジェリア宣言に署名した。 この宣言では、連合協定を通してアルジェリアにとって最も重要な目的となるのは、 投資の促進であり、特にアルジェリアの非炭化水素分野への投資の促進を活性化する ことであると記載された。協定の実施から 3 年が経ち、実施された成果は無視できな いが、それでもアルジェリアが期待したものを下回っている。 ③(アルジェリアへの投資を促進するため)アルジェリアと EU は、本年末までにアルジ ェでヨーロッパ事業者のフォーラムを開催する事で合意した。また、両者は EU へ輸 出を行うアルジェリアの事業者がしばしば指摘する(ヨーロッパにおける)貿易障壁 と制約について検討する作業グループの迅速な設置で合意した。 (4)人的側面 (人の往来の問題に関し)我々は問題を提起し、ヨーロッパ側はより明確な協力を主 張した。状況の評価から出発し、アルジェリアと EU は今後数ヶ月以内に共同で活動 し得るような実際的な結論にたどり着いた。 (5)制度改革 (アルジェリアにおける改革実施への協力に関し)我々は 2011-13 年の PIN (Programme Indicatif National)を現在作成中である。このプログラムにおいては、プロジェク トごとの予算ではなく、総合予算を作成するように変更を加える事で合意された。 ◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ご質問・お問合せ先 財団法人中東調査会 TEL:03-3371-5798、FAX:03-3371-5799
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