平成27年第1回恵那市議会定例会施政方針

平成27年第1回恵那市議会定例会施政方針
本日、ここに平成27年第1回恵那市議会定例会を招集いたしましたところ、
議員の皆さまには、ご多用中にもかかわらずご出席いただきまして、誠にあり
がとうございます。また、日頃は、市勢発展のためご尽力を賜り厚くお礼申し
上げます。
平成27年度の当初予算案をはじめとする関係議案のご審議をお願いするに
当たり、市政運営の基本方針及び予算編成方針並びに主要施策についてご説明
申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたく存じ
ます。
(平成27年度市政運営に当たっての基本的な考え方)
本市は、恵那市・恵南町村合併協議会で示された新市まちづくり計画をベー
スに、
「人・地域・自然が調和した交流都市」を将来像とする平成18年度から
平成22年度までを前期計画、平成23年度から平成27年度を後期計画とし
て策定した恵那市総合計画を基本に、合併後の新市のまちづくりを展開してま
いりました。また、総合計画の両輪として策定した行財政改革大綱は、総合計
画と同じく5年を1つの区切りとして、第1次・第2次と大綱に基づいて策定
した行動計画により推し進めてまいりました。
新市の基盤づくりのため、1市5町村の速やかな一体性の確立と融合を最優
先とした施策を一つずつ築き上げてきた9年間でありました。平成18年度か
ら27年度までの総合計画10年の事業見込みは、金額ベースで1,027億円
余、計画額に対して88.8%の達成率となる見込みで、行財政改革行動計画
では、件数ベースで約75%、削減効果額においては約83億円を見込んでお
ります。
平成27年度は、総合計画・行財政改革大綱の完結年度を迎えるにあたりそ
の集大成として、残された課題達成に向け、全力で取り組んでまいります。
とりわけ、本市の中核的医療機関としてその機能を充実させた市立恵那病院
再整備事業は、平成28年の開院を目指し本格的に着手してまいります。また、
雇用の創出と地域経済の活性化等を強く推進するための、恵那西工業団地の開
発事業にも着手するなど、施策の推進に向け、議員の皆さま、市民の皆さまに
は、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げます。
さて、わが国の人口は、平成18年に減少に転じ出生率の低下に伴う少子化
と高齢化が大きく進展していくことが予測されるとして、本市もそれを例外と
してとらえることなく、平成23年度から5カ年間の総合計画後期計画におい
ては、人口減少に歯止めをかけ施策の展開を本市の最重要課題としてきました。
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平成27年における本市の目標人口を53,000人に設定する中、人口減少
対策プロジェクトを策定し、少子化対策など5つの重点戦略に取り組んできた
結果、平成27年1月1日現在の人口は53,047人と、設定した目標人口に
向けて推移しています。
しかし、昨年5月8日に日本創生会議が将来人口の推移を試算した結果、全
国の市町村の半数が「消滅可能性都市」とされ、岐阜県においては、本市を含
め17市町村がその対象であることを公表しました。
一方、本市独自の将来人口推計では、平成32年に48,200人、平成37
年には45,100人と、総合計画後期計画の目標人口である平成27年の53,
000人より10年後の平成37年には7,900人少なくなるとの試算をし
ております。
また、本市の財政運営においても今後一層の厳しさを増してきます。とりわ
け歳入の50%程度を占める地方交付税では、普通交付税において市町村合併
による優遇的特例措置が平成26年度に終了し、交付額は、平成27年度から
5年間にかけて段階的に縮小されます。総務省においては、基礎自治体が合併
により面積が拡大する中で、合併時点では想定されていなかった財政需要に対
し交付税算定に加算する措置を講じられましたが、なお、多額の削減が見込ま
れます。
このような状況のもと、本市の次なる10年を見据えたまちづくりを行うた
めに、第2次総合計画と第3次行財政改革大綱の策定について、昨年両審議会
に諮問をさせていただきました。
本年度は、新市誕生以来、まちづくりの道しるべとしてきた総合計画と行財
政改革大綱にもとづく施策の総仕上げと、次世代に未来永劫つなげるための次
期総合計画と第3次行財政改革の策定をひかえ、真摯に施政運営に取り組むと
ともに、それぞれの部課等が、組織を挙げて目標達成に向けて最大限の努力を
してまいりますので、重ねて議員の皆さま、市民のみなさまのご理解とご協力
をお願い申し上げます。
平成27年度における本市の主要施策につきましては、総合計画の柱に沿っ
て個々に述べさせていただきます。
(平成27年度予算編成方針)
続きまして、平成27年度の予算編成方針及び予算総額につきましてご説明
申し上げます。
平成27年度は、総合計画と第2次行財政改革行動計画の総仕上げの年と位
置付け、計画に掲げた施策・項目の目標達成に向けて総括と検証を行います。
同時に、平成28年度から10年間の恵那市のあるべき姿を見据えて、より魅
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力あるまちづくりを展開していくため、新しい計画の策定に全職員が総力を挙
げて取り組む重要な年となります。
国においては、地方創生関連2法案が成立し、日本の人口の現状と将来の姿
を示し、今後目指すべき将来の方向性を提示する長期ビジョン及びこれを実現
するための総合戦略がとりまとめられ、地方創生の動きが本格化してきました。
また、1月14日に閣議決定された国の平成27年度一般会計予算案におい
ては、総額96兆3,420億円となり、地方財政分野では、地方の一般財源
総額を適切に確保する措置及び地方創生の取組に要する経費について、計上す
る措置が講じられており今後の動向に注視が必要であります。
恵那市の平成26年度の税収決算見込みは、法人市民税は、緩やかな景気回
復の基調がみられ前年比19.1%増と見込んでおり、個人市民税についても、
同0.6%増となる見込みです。しかし、固定資産税は、滞納繰越額の影響を
受け同3.7%の減、市たばこ税は、減少傾向から同2.5%減と見込み市税
全体では同0.5%、3,500万円の減額を見込んでおります。
また、平成25年度決算における経常収支比率は0.9ポイント改善し82.
5%となりましたが、交付税や市債などの依存財源比率は64.6%と依然高
い水準にあり、財政の硬直化が懸念されます。
平成27年度からは、普通交付税の合併算定替の縮減が始まる中、予算にお
いては、重点施策である「リニアまちづくり」「観光のまちづくり」「健(けん)
幸(こう)のまちづくり」
「生涯学習のまちづくり」を推進し、経費削減策として、
公共施設におけるファシリティマネジメントの推進を図ってまいります。
地方債残高を抑制し将来世代に負担を先送りしないなど、持続可能な財政基
盤の確立を念頭に、
「人・地域・自然が調和した交流都市」の実現を目指して予
算を編成いたしました。
(平成27年度予算総額)
平成27年度恵那市の予算額は、次のとおりといたしました。一般会計では、
個人市民税が、賃金上昇を反映して決算見込みでは増となるものの、予算対比
では納税義務者数の減少により前年比2.2%の減を見込んでいます。法人市
民税は、地方法人税創設に伴う税率引下げ等がありますが、緩やかな景気回復
の基調を見込み同7.1%の増、固定資産税は評価替えの影響から同2.1%
の減など市税全体で同1.4%、1億円の減額を見込んでいます。
また、地方消費税交付金は、平成26年4月の消費税率引上げにより同27.
1%の増、地方交付税は、合併算定替の縮減をうけ同2.3%の減を見込んで
一般財源を確保したうえで、恵那病院再整備事業への出資、こども園管理運営
経費、消防救急デジタル無線システム整備事業などを計上し、総額273億1,
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000万円の予算としました。
特別会計では、国民健康保険事業特別会計において、保険財政共同安定化事
業の対象事業拡大などにより前年比6億8,040万円(11.6%)の増額、
介護保険特別会計(事業勘定)では、保険給付費の上昇により同1億30万円
(1.8%)の増額としました。なお、介護保険料においては第6期事業計画
に基づいて見直し、平均11.2%増の改定を行う予定であります。また、簡
易水道事業特別会計では、岩村浄水場と木の実浄水場が完成することから3億
6,910万円(22.6%)の減額、公共下水道事業特別会計は、恵那市浄
化センターと岩村浄化センターの耐震及び長寿命化事業により4億6,570
万円(25.4%)の増額としました。
企業会計では、水道事業会計で、老朽管及び調整池の更新事業費2億7,30
0万円を、病院事業会計では、恵那病院の再整備事業費23億450万円を計
上しております。
<平成27年度の予算総額>
○一般会計 ・・・ 273 億 1,000 万円 (対前年
○特別会計 ・・・ 166 億 1,250 万円 (対前年
○企業会計 ・・・
97 億
900 万円 (対前年
合 計
536 億 3,150 万円 (対前年
3.2%増)
5.5%増)
19.2%増)
6.5%増)
(平成27年度主要施策)
それでは、平成27年度の主要な施策・事業につきまして、恵那市総合計画
の施策の体系に沿って順次ご説明申し上げます。
一 健やかで若さあふれる元気なまち(健康・福祉)
基本目標の第一、
「健やかで若さあふれる元気なまち」をつくるための施策で
あります。
(1)安心して子どもを生み育てる環境づくりの推進
初めに、安心して子どもを生み育てる環境づくりの推進であります。
4月から「子ども・子育て支援新制度」が本格的にスタートします。本市で
は、新制度にあわせ、全ての公立の幼稚園・保育園を「幼保連携型認定こども
園」とし、双方の良さを取り入れ、それぞれの家庭の状況に応じた保育を提供
し、同じ環境の下で質の高い幼児教育を行ってまいります。
また、市民ニーズの高い未満児保育や一時預かり、放課後児童クラブなどの
充実に向け5年間の数値目標を設定し、子育て環境の一層の充実に努めます。
施設整備としましては、長島こども園と二葉こども園の統合に向けた環境整
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備に取り組んでまいります。
子どもを安心して生むための施策の推進としましては、不妊治療の助成をは
じめ、妊婦健診の費用の助成を引き続き行ってまいります。
(2)健康づくりの促進
次に、健康づくりの促進であります。
健康で幸せにとの願いを込めた「健幸」という新たな理念のもと「健幸都市
宣言」を行います。健康寿命の延伸等を目標に掲げ、
「健幸都市えな」を目指す
中、市民の健康づくりを推進してまいります。
また、保有データを活用し、
「データヘルス計画」を基に、生活習慣病予防を
重視した取り組みを進め、特定健診・保健指導において受診率の向上に努めて
まいります。
(3)みんなで支え合う福祉のまちづくり
次に、みんなで支え合う福祉のまちづくりであります。
市民の皆さまが、地域で安心して暮らせるよう、市と地域住民・各種団体・
社会福祉協議会が連携して、災害時にも適切な対応ができるボランティアの育
成や、地域での支え合い体制の充実など、地域福祉の推進に取り組んでまいり
ます。
また、4月から施行される、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事
業所を開設し、引きこもりや非正規雇用労働者の方など、生活困窮に至るリス
クの高い方を対象に、自立支援の強化を図ってまいります。
(4)安心と生きがいのある高齢者福祉の充実
次に、安心と生きがいのある高齢者福祉の充実であります。
平成27年度は、第6期高齢者福祉計画・介護保険事業計画の初年度となり
ます。市民と行政が協働し、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で、安心して
くらせるまちづくりを目指すため引き続き取り組んでまいります。
今回の介護保険制度改正で導入された「新しい総合事業」につきましては、
平成29年度の完全実施に向けて、着実に準備を進めてまいります。また、高
齢者の自立生活支援と地域で支える仕組みの構築と充実を目指して、日常生活
圏域を単位とする、地域ケア会議を核とした地域包括ケアネットワークの構築
に取り組んでまいります。
(5)地域で共に暮らせる障がい者福祉の充実
次に、地域で共に暮らせる障がい者福祉の充実であります。
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障がいのある方々が、住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、必要な
福祉サービスの充実・確保に努めるとともに、就労支援、相談事業の充実を図
るため、引き続き関係機関・関係団体との連携強化に努めてまいります。
また、精神疾患などで引きこもりがちな方を対象として、いつでも気軽に利
用できる居場所を総合福祉センター内に設置し、社会的自立を支援してまいり
ます。
(6)地域の医療・救急体制の充実
次に、地域の医療・救急体制の充実であります。
市立恵那病院及び国保上矢作病院と、市内各地域の医療を担う6つの診療所
において、市民が安心して医療を受けられるよう「病診連携」を強化してまい
ります。市立恵那病院の再整備事業においては、病院本体工事に着手し平成2
8年11月の開院を目指してまいります。
救急医療体制では、救急救命士の養成、救急隊員の知識・技術の高度化を進
め、医療機関との連携強化を図ってまいります。
二 豊かな自然と調和した安全なまち(生活環境)
基本目標の第二は、
「豊かな自然と調和した安全なまち」をつくるための施策
であります。
(1)豊かな自然環境の保全と活用
初めに、豊かな自然環境の保全と活用であります。
市の財産である森林の多面的機能の維持発揮のために、公有林が地域の模範
となるよう森林管理を進め、私有林では森林経営計画作成と高齢級森林を含め
た間伐事業に対して、引き続き支援をしてまいります。また、山林教育学習を
開催し、森林の持つ公益的機能と自然環境に対する意識啓発を図ってまいりま
す。
(2)快適な都市環境づくり、まち並み景観整備の推進
次に、快適な都市環境づくり、まち並み景観整備の推進であります。
景観計画の推進では、景観重要建造物・樹木の募集、指定や屋外広告物条例
の制定に向けた取り組みを行ってまいります。また、歴史的風致維持向上計画
に基づき、中山道大井宿の修景保存事業では、
(仮称)上宿ポケットパークを整
備いたします。
また、市民の皆さまに、安全で安定した水道水を供給するため、上水道事業
では、老朽管更新計画と併せて耐震工事を進めてまいります。簡易水道事業で
は、岩村地区及び山岡地区の統合再編に向けた工事を、上矢作地区では、未普
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及地整備事業の工事について、平成27年度完了を目指し進めてまいります。
(3)移住・定住対策の推進
次に、移住・定住対策の推進であります。
近年、地方への移住の希望者が増えております。平成25年度に立ち上げた
「恵那暮らしサポートセンター」を充実させ、各地域のまちづくり組織と連携
し人口減少対策の重点項目として、移住者の拡大を図ってまいります。
(4)災害に強く、安心・安全なまちづくり
次に、災害に強く、安心・安全なまちづくりであります。
防災体制につきましては、国の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイ
ドラインの改定を受け、避難基準の見直しを行ったところであります。避難準
備情報等の発令の精度を高めるため、民間の気象会社の情報の活用や、地域の
自主防災組織との連携を強化し、要配慮者等の確実な避難につながるよう訓練
等の工夫を行い体制の強化を図ってまいります。
消防体制では、近年の複雑多様化する広域的災害に備え、国の整備指針に基
づく「消防・救急デジタル無線」の整備を行ってまいります。また、地域消防
力の強化を図るため、機能別消防団の組織化に向け積極的に取り組み、
「魅力あ
る消防団づくり」の一助として、消防団員に対する処遇改善の構築や消防団活
動フォトコンテストを引き続き開催するなど、恵那市消防団の活躍を市民に発
信して行きたいと考えております。
また、交通安全や防犯対策では、飲酒運転や振り込め詐欺に代表される特殊
詐欺の根絶に向けた取り組みを、警察や関係団体との連携をさらに強化してま
いります。また、昨今の特殊詐欺による被害の急増と深刻化に対し、消費生活
相談業務の推進や啓発活動の強化を図り、引き続き消費者の安全と安心を確保
する取り組みを進めてまいります。
(5)環境衛生対策の充実
次に、環境衛生対策の充実であります。
ごみの減量化・資源化をより一層推進するために、資源回収・環境学習等の
啓発に取り組み、循環型社会の形成を図ってまいります。
(6)地球温暖化対策の取り組み
次に、地球温暖化対策の取り組みであります。
CO2 排出削減と、自然エネルギーを利用する施設の普及を図るため、住宅
用太陽光発電設備の導入に対する補助を継続してまいります。
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三 快適に暮らせる便利で美しいまち(都市・交流基盤)
基本目標の第三は、
「快適に暮らせる便利で美しいまち」をつくるための施策
であります。
(1)計画的な土地利用
初めに、計画的な土地利用であります。
豊かな自然環境との調和を図りつつ、適正かつ合理的な土地利用の誘導に努
めてまいります。このため、全市域を対象に、都市計画基礎調査を実施し、土
地利用などの現況及び将来見通しについての調査を行ってまいります。
リニア中央新幹線につきましては、事業説明会を経て軌道の中心線測量の実
施など、新幹線建設に向けて事業が本格化されてまいります。
事業説明会では、工事による生活環境の変化への不安などの意見が出されま
した。本市といたしましては、地域住民の意見を聞き、事業者に対して適切な
工法・施工を岐阜県とともに求め、良好な環境の保全に努めてまいります。
地籍調査事業につきましては、引き続き、東野地区のほか11地区の調査を
進め、新たに長島町久須見地区のほか笠置町影岩(かげいわ)地区の調査に着手
いたします。
(2)地域内外の交流を支える道路体系の強化
次に、地域内外の交流を支える道路体系の強化であります。
リニア中央新幹線岐阜県駅のアクセス道路である国道 19 号瑞浪恵那道路の早
期事業着手と、三河東美濃地域高規格道路の候補路線への早期指定に向け、関
係機関への積極的な働きかけと事業の促進を図ってまいります。
新丸山ダム建設事業では、飯地町地内の国道418号バイパス事業の促進を
図り、県事業では、国道363号及び国道418号の改良、主要地方道恵那蛭
川東白川線仮称東雲大橋、豊田明智線(和合工区)など、早期完成に向け事業
の促進を図ってまいります。
市道では、東野地内の袖畑笠作線・清水白坂線、新工業団地進入路となる長
島町地内の幹線道路整備を行ってまいります。また、道路施設の老朽化対策と
して、橋梁の点検にともなう計画的な補修を行い、延命化を図ってまいります。
(3)公共交通の充実・強化
次に、公共交通の充実・強化であります。
公共交通機関の利便性の向上と活性化のため、明知鉄道沿線地域公共交通網
形成計画に基づいて、明知鉄道やバスなどの交通機関の連携を引き続き図り、
次世代につながる快適で円滑な公共交通となるよう、地域とともに取り組んで
まいります。
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(4)高度情報通信基盤の整備
次に、高度情報通信基盤の整備であります。
市内全域の高度情報通信インフラ及びサービスの統一を図るために実施して
まいりました、山岡・串原地区の光ケーブル化事業は、この4月から統一した
サービスの提供を開始してまいります。
四 活力と創造性あふれる魅力あるまち(産業振興)
基本目標の第四は、
「活力と創造性あふれる魅力あるまち」をつくるための施
策であります。
(1)にぎわいのある商業・サービス業の振興
初めに、にぎわいのある商業・サービス業の振興であります。
恵那駅周辺及び恵南地区の商店街で開催しているまちなか市の運営・空き店
舗対策や新商品対策、創業支援につきまして引き続き取り組み、にぎわいのあ
るまちづくりを進めてまいります。
(2)新たな活力を生み出す工業の振興と新産業の育成
次に、新たな活力を生み出す工業の振興と新産業の育成であります。
第3期恵那テクノパークの分譲が終了し、新たな工業団地の需要に対応する
ため、恵那西工業団地の整備に着手いたします。
また、市内企業を支援するため、引き続き恵那商工会議所、恵那市恵南商工
会と連携して、恵那産業博覧会等により市内企業の情報発信と育成に努めてま
いります。
(3)農林水産業の支援・高度化
次に、農林水産業の支援・高度化であります。
農家の高齢化と後継者不足、農地の荒廃に対し、担い手の育成や中間管理事
業による農地の集積を図り、地域農業の再生と振興を行ってまいります。また、
「恵那栗」の生産拡大、学校給食での地元産野菜の使用量拡大などにより、意
欲ある農業者が継続できる環境づくりを目指してまいります。
さらに、笠置山における栗園の造成、老朽ため池の整備、農業用排水路、農
道などの整備を継続してまいります。新規事業として、上矢作町地内で農業用
水を活用した小水力発電事業を実施いたします。
林業では、引き続き間伐事業を推進するとともに、地元木材利用の拡大、林
地残材の搬出支援を継続してまいります。また、有害鳥獣被害対策では、捕獲
実施隊と特別班の活動や猟友会員への支援を行い、捕獲機材の整備により、引
き続き対策の強化を図ってまいります。
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(4)魅力ある就労環境の充実
次に、魅力ある就労環境の充実であります。
恵那市雇用対策協議会を中心に就職促進情報交換会や就職面接会、企業説明
会等を実施し、求職者の就労活動を支援してまいります。
また、昨年開設した「え~なUターンナビ」のサイトを活用し、Uターン求
職者をサポートするとともに、地元企業への定着支援にも力を注いでまいりま
す。
(5)地域資源の連携による個性的な観光の振興
次に、地域資源の連携による個性的な観光の振興であります。
昨年誕生した恵那市の公式キャラクター「エーナ」を、恵那市の情報発信と
観光客誘客のため積極的に活用してまいります。
観光宣伝では、昨年に引き続き、首都圏での飲食店とタイアップした本市の
おいしい食材とあわせた観光情報の発信により、首都圏における特産品等のP
R活動を展開するとともに、アンテナショップの出店につきましても検討をし
てまいります。
また、観光資源誘客強化事業では、岩村城跡と城下町を中心とした観光資源
を磨き上げ、Wi-Fi 施設整備を図るなど、インバウンドツーリズム(外国人誘客)
拡大を視野にいれた観光誘客の取り組みを行ってまいります。そして、本市を
代表する観光地恵那峡の活性化に向け、5ヶ年計画の2年目となる恵那峡再整
備事業では、関係者と調整を図りながら、さざなみ公園や駐車場などの整備を
進めてまいります。
五 思いやりと文化を育む人づくりのまち(教育・文化)
基本目標の第五は、
「思いやりと文化を育む人づくりのまち」をつくるための
施策であります。
(1)学校教育の充実
初めに、学校教育の充実であります。
国の教育の指針「学習指導要領」に基づき、各学校では、確かな学力・豊か
な心・健やかな体を育てるために、着実に取り組んでいるところであります。
とりわけ、本市の子どもたちの将来を見据え、主体性・社会性・郷土愛の育成
を方針に掲げ、地域や家庭と連携しながら推進してまいります。
本市では、
「三学のまち恵那」宣言に基づき、生涯学習のスタートを幼児教育
からと考え、幼児期から中学校までを見通した学校教育の充実に一層取り組ん
でまいります。 特に、幼児教育では、「幼保連携型認定こども園」において、
どの地域でも同一で質の高い幼児教育を施すよう努めてまいります。
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児童・生徒の確かな学力の向上を図るため、ICT 教育推進指定校を設定し、授
業改善に取り組んでまいります。 また、学校図書館の利用促進を図ることによ
って、学力の向上とともに豊かな心を育んでまいります。
また、特別支援教育・教育相談のニーズの高まりに対応するために、恵那市
教育相談センターを新設し、教育相談体制の充実を図ってまいります。
学校再編対策事業では、
「恵那南地区中学校再編検討委員会」を組織し調査研
究と協議を進めてまいります。
また、学校施設の整備につきましては、防災対策事業として、三郷小学校ほ
か2校の屋内運動場の非構造部材耐震工事を実施し、自然災害に備えてまいり
ます。
(2)生涯学習の推進
次に、生涯学習の推進であります。
生涯学習の推進につきましては、第2次恵那市市民三学のまち推進計画の策
定を行うとともに、先人学習の推進に努めてまいります。
また、中央図書館・学校図書館・コミュニティセンター図書室の充実と連携
と「読書の日」の啓蒙などによる読書活動の展開、地域における生涯学習の拠
点となるコミュニティセンターの体制整備などに取り組んでまいります。
(3)人を育み、人を生かす教育
次に、人を育み、人を生かす教育であります。
青少年育成市民会議・町民会議を中心に、地域に密着した育成活動を支援し、
先人や郷土に誇りを抱く、豊かな心をもった青少年の育成を推進してまいりま
す。
(4)文化・芸術活動の振興
次に、文化・芸術活動の振興であります。
広く市民に芸術文化の効用を享受いただくために、文化振興の方向性を定め、
文化芸術の振興を進めてまいります。
中山道広重美術館につきましては、公益財団への指定管理を行い、専門性を
備えた継続的な運営に努めるとともに、中心市街地と協働して歴史と文化の香
るまちづくりを推進してまいります。
(5)文化財の保護
次に、文化財の保護であります。
国史跡正家廃寺跡は、発掘調査を積極的に進めるとともに、整備計画の検討
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を進めてまいります。また、歴史的風致維持向上計画に基づき、中山道大井宿
の歴史的資源を活用するための調査を進めるとともに、岩村の伝統的建造物群
保存地区につきましては、まち並の保全と活用を推進いたします。さらに、岩
村城跡周辺の国有地を取得するため、関係機関との協議を進めてまいります。
(6)スポーツ活動の振興
次に、スポーツ活動の振興であります。
平成26年度に策定した「スポーツ推進計画」に基づき、スポーツや運動が
もたらす効用である「健康づくり、子どもの育成、コミュニティーづくり、交
流の促進」などの施策を進めてまいります。
特に、主要テーマを「スポーツで健幸まちづくり恵那」とし、
「健幸のまちづ
くり基本計画」と強く連携して、ウオーキングや体操など身近にできる運動を
積極的に推進してまいります。
六 健全で心の通った協働のまち(市民参画)
基本目標の第六は、
「健全で心の通った協働のまち」をつくるための施策であ
ります。
(1)新しい自治の仕組みの確立
はじめに、新しい自治の仕組みの確立であります。
これまで取り組んでまいりました、地域自治区制度や地域支援制度の総括と
検証を行い、平成28年度から始まる第2次総合計画地域計画の実現に向け、
地域の自治力向上を図りながら、市民と行政による住みよいまちづくりの推進
に努めてまいります。また、恵那市まちづくり市民協会との連携により、NP
O法人の認証事務や団体の指導に積極的に取り組み、市民公益活動の活発化を
図ってまいります。
今年度が最終となる地域の元気発信事業総合助成金では、市民活動団体と行
政との協働による交流人口の拡大と、にぎわいのあるまちづくりを幅広く支援
してまいります。
(2)男女共同参画の推進
次に、男女共同参画の推進であります。
恵那市男女共同参画プランに基づき、
「男女(ひと)のわネットワーク」などと
連携して、特に、女性の社会参画や男女の人権尊重の促進を図ってまいります。
また、平成28年度から始まる新たな男女共同参画プランの策定に向け取り
組んでまいります。
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(3)国際・都市・地域間交流の推進
次に、国際・都市・地域間交流の推進であります。
中学生海外派遣事業、モンゴル国との交流や市内における国際交流を推進し
てまいります。地域間交流では、災害時相互応援協定の締結などを含め、友好
市町村交流を支援するとともに、市内の地域自治区間の交流を支援してまいり
ます。
(4)時代に対応した行財政基盤の確立
次に、時代に対応した行財政基盤の確立であります。
「経営」と「協働」でさらなる改革をテーマに掲げた、第2次行財政改革大
綱及び行動計画の最終年度として、設定した76項目すべてについて達成でき
るよう最大限の努力をいたします。
とりわけ、時代の潮流に的確に対応する恵那市職員の人材育成と意識改革に
向けた取り組みは、今後の自治体経営の根幹をなす重要なテーマであります。
そのために、職員個々のモチベーションを相対的に向上させ、その効果が組織
全体に波及する人事管理とその仕組みを構築してまいります。
以上、平成27年度の市政運営における所信の一端を申し上げました。
新市発足後10年を経過し、新たなステージに立つ本市のさらなる発展と市
民の幸せのために、職員と一丸となって諸施策の推進に全力で取り組んでまい
ります。重ねて議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご支援をお願い申し上
げます。
平成27年2月26日
恵那市長
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可知
義明